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第3章
3話目
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「おぉ~。『ピュア』か、良い名じゃな」
長さんはとても嬉しそう。
「はい、アヤノ様から素敵な名前をいただきましたわ。
ありがとうございます!」
可愛らしい笑顔が眩しい!
《うむ、良い名だな!良かったではないか!》
「はい、ありがとうございます!ウォルフ様」
「羨ましい、羨ましいぇ~。わらわの名も秘匿されておるゆえ長と言われ、誰も呼ぶことが無い、わらわも仮り名が欲しいのじゃ!
アヤノ殿、わらわの仮り名も付けておくれ!
そして、そなたにはその仮り名で呼ばれたい。
駄目であろうか?」
長さんの顔はコロコロ変わる。
喜んだり、しょげたりと忙しそうだ。
しかし、長さんの名前までつけるの?
良いのかな?
う~ん・・・。
難しい・・・。
長さんの瞳は濃密な針水晶の様な黄金色をしている。
綺麗な、綺麗な輝く瞳。
ピュアちゃんの瞳も似ているんだけど、輝きが少し違う。
生きて来た年輪の差かな?
うん!決めた!
「『ルチル』でどうかな?長さんの瞳から思い付いたの。
意味は解らないけど、私の思い出の鉱石名なんだけど、失礼にならないかな?凄く綺麗で大好きな石なんだけど・・・。(この世界には無いかもしれないけどね)
「『ルチル』か、綺麗な響き・・・。よし、わらわの仮り名は『ルチル』じゃ、これからはそう呼んでおくれ」
ルチルさんはとっても嬉しそうに笑う。
「『ルチル』、とっても素敵な名ですわ!
先代様、よろしかったですわね♪
一緒にアヤノ様に仮り名を付けて頂けるなんて、わたくし達はとっても運が良いと思います」
うん!ピュアちゃんも嬉しそうで良かった♪
しばらく和やかにお茶を飲んだり、御菓子を食べたりして過ごした。
お互いに名前を呼び合い。
『これからは呼称無しで呼び合おうか』と、言っていたが、何か呼びにくいと言われ、先ずは『さん』付けで落ち着いた。
「それで、アヤノさんはこれからどちらに行きますの?」
一緒に行く事になったピュアちゃんが聞いて来た。
(ピュアちゃんは『さん』付けを、年が下だからと嫌がったので、『ちゃん』付けになったのだ。)
「それを悩んでいたんですよ。
ピュアちゃんは何処に行きたいですか?」
どうせ悩んでいたのだから、彼女の初めての旅の場所を、選ばせてあげたくなった。
「どこでも良いですよ。
まだ決まっていなかったので・・・。
せっかくの初めてです!ゆっくり考えて決めても構いません。
出立つ時期も決めていなかったので、気にせずに考えてみてね♪」
「よろしいのですか?」
「もちろんです!ね!ウォルフ?」
《その通りだ!主も先程まで悩んでおった。
行きたいと思える所を選べば良い!》
ウォルフのしっぽも嬉しそうに揺れている。
ゆっくりで穏やかな時間、私が望んだ空間。
私も何故か嬉しくて、微笑んだ。
長さんはとても嬉しそう。
「はい、アヤノ様から素敵な名前をいただきましたわ。
ありがとうございます!」
可愛らしい笑顔が眩しい!
《うむ、良い名だな!良かったではないか!》
「はい、ありがとうございます!ウォルフ様」
「羨ましい、羨ましいぇ~。わらわの名も秘匿されておるゆえ長と言われ、誰も呼ぶことが無い、わらわも仮り名が欲しいのじゃ!
アヤノ殿、わらわの仮り名も付けておくれ!
そして、そなたにはその仮り名で呼ばれたい。
駄目であろうか?」
長さんの顔はコロコロ変わる。
喜んだり、しょげたりと忙しそうだ。
しかし、長さんの名前までつけるの?
良いのかな?
う~ん・・・。
難しい・・・。
長さんの瞳は濃密な針水晶の様な黄金色をしている。
綺麗な、綺麗な輝く瞳。
ピュアちゃんの瞳も似ているんだけど、輝きが少し違う。
生きて来た年輪の差かな?
うん!決めた!
「『ルチル』でどうかな?長さんの瞳から思い付いたの。
意味は解らないけど、私の思い出の鉱石名なんだけど、失礼にならないかな?凄く綺麗で大好きな石なんだけど・・・。(この世界には無いかもしれないけどね)
「『ルチル』か、綺麗な響き・・・。よし、わらわの仮り名は『ルチル』じゃ、これからはそう呼んでおくれ」
ルチルさんはとっても嬉しそうに笑う。
「『ルチル』、とっても素敵な名ですわ!
先代様、よろしかったですわね♪
一緒にアヤノ様に仮り名を付けて頂けるなんて、わたくし達はとっても運が良いと思います」
うん!ピュアちゃんも嬉しそうで良かった♪
しばらく和やかにお茶を飲んだり、御菓子を食べたりして過ごした。
お互いに名前を呼び合い。
『これからは呼称無しで呼び合おうか』と、言っていたが、何か呼びにくいと言われ、先ずは『さん』付けで落ち着いた。
「それで、アヤノさんはこれからどちらに行きますの?」
一緒に行く事になったピュアちゃんが聞いて来た。
(ピュアちゃんは『さん』付けを、年が下だからと嫌がったので、『ちゃん』付けになったのだ。)
「それを悩んでいたんですよ。
ピュアちゃんは何処に行きたいですか?」
どうせ悩んでいたのだから、彼女の初めての旅の場所を、選ばせてあげたくなった。
「どこでも良いですよ。
まだ決まっていなかったので・・・。
せっかくの初めてです!ゆっくり考えて決めても構いません。
出立つ時期も決めていなかったので、気にせずに考えてみてね♪」
「よろしいのですか?」
「もちろんです!ね!ウォルフ?」
《その通りだ!主も先程まで悩んでおった。
行きたいと思える所を選べば良い!》
ウォルフのしっぽも嬉しそうに揺れている。
ゆっくりで穏やかな時間、私が望んだ空間。
私も何故か嬉しくて、微笑んだ。
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