花言葉

ヒラタメイ

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パンジー

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 今日も空っぽの家に帰る。誰もいない、しかし貴方の残り香が染み付いた部屋に帰る。
 お前のやっていることはただの自傷行為だと誰かに言われた。それでもいい。俺にできることはこれしかないのだから。
 雪の降る朝、貴方は突然いなくなった。スマホも財布も何もかも残して、貴方一人だけがいなくなった。
 ひょんなことから貴方とルームシェアを始めて、気付けば半年が過ぎていた。俺と貴方の関係は『仲の良い同僚』と言ったところだろうか。
 しかし、俺はそれ以上を望んでいた。貴方と共に生きる未来を描いてみたかった。だが、今の関係を失うのが怖くて俺は何も言えなかった。
 貴方は気付いていたのだろうか。気付いていたのなら一言くらい残して欲しかった。傷でも何でもいい、俺に何かを残して欲しかった。
 今日も空っぽの家に帰る。
 ベランダにはパンジーの鉢植えがぽつんと置かれていた。


〈ひとりにしないで〉
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