40代(男)アバターで無双する少女

かのよ

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18 個々の力

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 居候を初めて早三週間が経ち、ようやくガルドの所有していたフルダイブ機TET-ER000、通称テテロの所在が判明した。母親の仕事を通じたサイバー系企業が譲り受けたようだった。
 この情報はやはり母親からは引き出せなかった。ガルドが後輩であるハルに指示し、そのハルから兄に指示が飛び、情報を探ってもらっていたのであった。
 「よかったねぇ~、機体見つかって!」
 「ああ」
 「全く、あんな高価なもんをタダで譲っちまうとは!ずいぶん豪快なお袋さんだ」
 ギルドのメンバーと共に六対六の複数PvP、『対ギルド戦』のマッチング待機をしながら、ガルドは発見の報告をしていた。
 マッチングすると自動で会場に飛ばされるのだが、それまではギルドホームが待合所扱いになる。ボックス操作や装備変更操作などは禁止されているため、各々会話やマルチタスクでのPC操作などで時間をつぶしていた。
 「それで、どこにあったんだ?」
 「【ファウンド・リコメンド】の横浜オフィスだと」
 「ふぁうんどりこめんど?何の会社?」
 「半導体関係だな。確か本社は中東の方だったはずだが、港町だと利便性がいいだろうから、そこにある理由も頷ける」
 「はんどうたい?なにそれ、おじちゃんよく分かんない」
 「メロ、電子機器には欠かせないパーツのことだ。お前、本当に機械関係弱いな……」
 「ぐぬ、畜産とか生物とかが得意だからいいもん!みんなみたいにフルダイブ機のセットアップなんて出来なくても、不便ないし!」
 「半自動の農場持ってるヤツの台詞じゃねえよな」
 「なぁ榎本……まさかとは思うんだけど、分解バラされてるんじゃないのか?そーいう系の会社だろ?機械の中身とか作ってんだから……」
 「あー、営業事務系のオフィスらしいから無事だと思うぞ。多分」
 「良かったなガルド!」
 「今度乗り込む」
 「うーん、自宅に引っ張ったとして、またお袋さんがどっかやっちまうんじゃないのか?」
 ガルドと母親の長期に渡る親子喧嘩は、収束の気配が見えないでいた。解決に向かおうと妥協案を提示しても、母親は頑としてフルダイブを拒絶するのである。ガルドも引退はさらさら考えていない。感情的になってしまい、話し合いは口喧嘩になるばかりであった。
 「親御さんの方をなんとかしないと、堂々巡りだな」
 「さてどうするか……このまま榎本のところでも、ログインできるのであれば俺たちギルメンは問題無いが……」
 「親父さん次第じゃあないのか?あと一週間すれば帰ってくるんだろう?」
 「賭けてみる」
 ふと、全員の目線にポップアップが現れる。転送十秒前のカウントダウンと、相手のギルド名だ。装備の内容など詳しい情報は非表示になっている。
 「お、『永遠道中』だ!久しぶりだな~」
 「ああ。うる覚えだが、確か魔法強めの構成だ。速攻特攻してひっかきまわせ。夜叉彦も突っ込め。ジャスとガルド、訓練を意識しろよ」
 「りょーかい、りょーかい!」
 「ああ」
 「よっしゃ、行くぜ」
 魔法陣の輝きが足元に灯る。戦闘エリアに飛ばされたあとは、すぐに各自がおのおのの判断で行動開始、すぐに戦闘が待っているはずだ。
 顔の凶悪さを強めながら、ガルドは不敵に笑った。

 対ギルド戦では、戦術としての情報戦や個々のプレイ技術が競われる。相手の情報を知っているかどうかで、直後の段取りや個々の動きが変わり、勝敗に繋がるのだ。
 相手の永遠道中と呼ばれたギルドは、正式名を『永遠道中膝栗毛』と言う。ガルドが所属しているロンド・ベルベットよりも魔法職を多く有しているのが特徴だ。前もってそれを知ることで、接近戦重視のロンド・ベルベットの面々は魔法封じの戦術で挑むことができる。
 転送直後の位置取りはおおよそギルド単位で二分されているものの、細かいポジションはランダム転送だ。運が悪いと近距離のメンバーがエリアの端に飛ばされてしまう。転送直後の眼前には誰もおらず、前方の遠くに剣士風のプレイヤーが一人、さらに遠くに装備不明の敵プレイヤーがもう一人いるのだけが分かった。
 すぐにガルドは自身の左手人差し指で剣の柄をノックする。不可視設定のマップを三秒表示するショートカットモーションだ。敵の点と味方の点が、ざっくりとした円状のマップにばらばらに散っている。
 敵ギルドの装備の詳細などは、特殊なスキルがなければマップには表示されない。逆に、自分たちギルドのパロメーターはどこまでも見ることができる。名前、装備の名称、HP、MP、状態異常まで丸見えだ。

 自分が右端中央、あとの面々がそれほど悪くない位置にいることを確認すると、一気に駆け出す。視界に入っていた剣士プレイヤー方面に走る。
 本命はその奥にいる。短詠唱系魔法職の装備としてメジャーな、マジカルハットを被った女性プレイヤー。彼女を狙いながら、剣士の攻撃をも引き受けるのが目的だった。
 マグナの情報通り、魔法職が三人いるのが見える。鋭い声で、接敵する魔法職がどれか、メンバーに意思表示する。マップを見れば済むことだが、前衛にそんな暇は無い。声を出し合って情報共有をするのは、司令塔マグナのためではなく、自分を含むアタッカーとアシストの夜叉彦のためだ。
 「右!」
 「左~」
 遠くの左側から、榎本の間の抜けた声がする。いい位置だ。両翼から接近戦ツートップが襲い掛かるのはプレッシャーになるだろう。一拍遅れて、夜叉彦の声も響く。
 「真ん中。マグナぁ?」
 このタイミングに焦りのない様子で呼ばれたマグナは、瞬時にそれが「軽い支援が欲しい」という意味だと察知する。様子を見ると、魔法職一人の前方に盾を持った戦士が二人構えていた。
 長期戦に持ち込む算段だな、とマグナは納得した。タンクが二人、魔法職が三人、ではもう一人はどこか。盾に切りかかっている夜叉彦に【攻撃力強化・大】の支援スキルを矢で打ち込みながら、常時視界左上に表示している半透明マップを確認する。
 エリア右のガルドのところだ。二対一と不利な状況下だが、それでもガルドには些細な問題であり、いつも通りメロが世話を焼くだろう。マグナはガルドを放っておくことにした。

 片手剣と片手盾を装備した剣士プレイヤーを前に、ガルドは浮足立った。動きの鈍い大剣使いにとって、敵に回すと長期化するのが片手剣使いだ。軽やかな剣裁きは、パリィの成功率を引き上げる。
 いかに弾かれずに剣を叩き込むか、腕の見せ所である。
 「だぁっ!」
 敵剣士が足を狙って切り込んできた。スキルのエフェクトは無い。通常攻撃のようだ。
 「こっちも行くわよ!」
 ガルドの死角から声がする。マップを見たときには遠かった魔法職プレイヤーだろう。同時攻撃を仕掛けるようで、魔法の発動音が聞こえる。雷属性特有の、電気が弾けるリズミカルなサウンドだ。
 今回のガルドの装備は、水属性に寄ったもので一式揃えている。というのも、フロキリではモンスターが氷属性を持つことが多く、中堅前衛プレイヤーは炎属性で固めることが多いからだ。
 その炎の弱点として、PvPでは水属性を愛用している。だが、オールマイティな魔法職ならばそこをさらに突いてくるだろう。
 魔法スキルは剣でパリィすることができない。盾装備か、魔法スキルでの相殺でしか防御ができない仕様になっている。
 だからこそ、前線を張る剣士系プレイヤーは二通りの防御策を持っている。一つは、前方にいる剣士のように片手盾を装備する事。そしてもう一つは、ガルドの得意とするプレイ技術だ。
 迷わずガルドはいつも通り魔法対策に入る。視界に入っていない電撃の音を聞きながら、魔法発動のタイミングと距離を測る。片手剣の切っ先とほぼ同時に着弾しそうだと判断し、大剣を地面すれすれ横殴りに振りながら、両足を魔法着弾の寸前に、素早く左側に弾く。
 見切りスキルはいつも通り発動した。
 「なぁっ!」
 目視できない攻撃を見切りで回避することが出来るのは、運がいいか、相当な技術力と経験を持つプレイヤーだけだ。魔法職系プレイヤーがぎょっとした顔をして、常時可視設定のマップに目をやりガルドのHPゲージを見る。
 無傷表示の特徴である、グリーンがほんのり発光する様子に変化はない。
 彼女は目を疑っていた。トッププレイヤーの動画でしか見たことのない、まさに神技だ。
 振っていた大剣に反応した片手剣使いが、足ではなくパリィに狙いを変える。通常攻撃よりカウンターの方が、ダメージは大きい。悪くない判断だ。
 「ほぉ」
 それも経験則から把握済みだったガルドは、手首を若干緩める。重い大剣がかくんと下がり、相手の剣とぶつからない。
 片手剣士プレイヤーが目論んだ「パリィからのカウンター」判定は外れ、空中に剣がそのまま宙ぶらりんになる。
 そこに見切りで跳ねていたガルドの足が着地する。このままならばダメージになるが、その瞬間また足を魔法使い側に、素早く跳ねた。
 パリィを狙ったせいで当たらないはずだった攻撃がヒットし、見切りがまた発動する。ノーダメージ。
 「え?」
 何が起きたのかよくわからない片手剣使いを傍目に、ガルドは薙いでいた大剣を肩ごと反対側に戻す。決して早い攻撃ではないが、予測の範疇を越えた攻撃に対応しきれない。剣の突き攻撃で近寄っていた剣士の体に、そのままダイレクトにヒットする。
 人型プレイヤーが大剣攻撃を受けた際の、気持ちの良い斬撃音が鳴る。
 「ええ?」
 スキル未使用とは思えないほど、急速に片手剣使いのHPが下がる。レッドゾーンとはいかないが、ゲージのカラーはオレンジだ。三割近くまで削られてしまっている。
 大型モンスターを相手にするのがメインのフロキリでは、対人戦はあっというまに決着がつく。プレイヤーが所有する武器の攻撃は、どれも膨大なものばかりだ。それでも一撃でこれほど削れるのは珍しい。片手剣士は半ばショックを受けたまま泣きそうな顔でゲージを二度見した。
 ガルドの大剣はレアリティの高いものにレア素材をチューナップした逸品だ。動作を犠牲にした大剣の攻撃力は、ハンマーと並び、武器全体で見るとずば抜けて高い。
 ガルドは一旦片手剣士を無視し、魔法職にターゲットを切り替える。攻撃後ですぐに持ち上がらない大剣を半ば捨て置き、体を先に動かす。
 フロキリではキックや体当たりなどはダメージに扱われない。それでも、突然蹴られると人は怯むものだ。ガルドは剣を支柱にして、勢い良く両足で跳びかかる。
 重い大剣に腕が固定されているからこそできる、トリッキーな跳び蹴りが魔法使いを襲う。
 胴に当たるものの、よろめき効果どころか一ダメージにもならない。ガルドの体はまるで壁にでもぶつかったように、ずるっと地面に滑り落ちる。
 「うええ!?」
 魔法スキルをチャージしていた彼女は、突っ込んでくる足に酷く混乱した。チャージそのものは解かなかったものの、ガルドへのターゲットロックをブレさせてしまう。そのことに、ガルドは「ロックオンアラートの消失」で気付いた。
 着地と同時にスキルモーションを発動させる。今日セットしてきたもののなかで、もっとも単純なスキルだ。上から振りかぶり、下に叩きつけるだけの【兜割】を繰り出す。
 魔法職プレイヤーも咄嗟に溜めていたスキルを発動した。雷属性の単発攻撃だ。
 ターゲットの設定が解除されてはいたものの、眼前に迫っていたガルドは実に大きな的だ。外しようはない。
 落雷のような威勢の良い音を鳴らしながら、エフェクトがガルドの腹に当たる。ガルドのHPゲージが二割ほど削れる。
 だが怯みや体制崩しは無い。クリティカルにならなければ、短いチャージでの単発魔法は追加効果は発生しないのは無論知識として知っていた。
 クリティカルにするには、ターゲットロックする必要がある。クリティカル判定の必須条件がタゲだからこそ、前衛はターゲットされたことを知るロックオンアラートを外すことはない。

 「はいはーい!」
 後方から能天気な声がする。見計らっていたかのようなタイミングで、回復系スキル使用時に流れる繊細なハープの優しい音色が聞こえてくる。
 「助かる」
 礼を言ったガルドの周囲に、温かみのあるライトグリーンのエフェクトが走り、白い毛玉が飛び回り始める。短時間のチャージで発動できる、メロの【召喚系回復魔法スキル・小(継続)】だ。回復量は微々たるものだが、断続的に一定時間回復し続けるのが便利だ。
 毛玉はよく見ると羽の生えた白ウサギであり、小さな手を拍手しながらガルドの体を周回している。メロが「可愛いから」と気に入っているスキルだ。

 敵に火力が無い場合、粗方サポートが済むと巨大な召喚を繰り出すのがメロの定番だ。後ろを見る暇は無いものの、いつものテンションの高い声はしない。もう一回分のサポートスキルを自分か夜叉彦にかけるはずだ。それはだいたい三十秒もかからない。
 さらにそこから長い詠唱をするのだが、メロの長詠唱召喚スキルはものによってまちまちだ。気分によって選ぶスキルが違う。今日セットしていたのは、いつもの夫婦喧嘩の奥さんと、耳たぶのふっくらしたお坊さん、銀色のオオカミの三種類だった。長い方でチャージは二分とちょっと。
 三分、メロを守り切れば我々の勝ちだ。だが、その前に自分でkillを狙いたい。体制を立て直し、アイテムで回復した片手剣士と寄り添う魔法使いを見ながら、ガルドはニヤリと笑った。
 「こえー…」
 まるで魔王。片手剣士はその目から何故か視線を外すことが出来ずにいた。


 ハンマーと魔法職というのは、リーチが違うものの、その特性はよく似ている。振りかぶって降ろす時間と、魔法職が最短で発射できる時間というのは大差がない。
 「避けるなよ、外れるから!」
 「避けるに決まってんだろ、そっちこそ避けるな!」
 「あぁ?わがまま言うなよ、いいからじっとしてろ!」
 エリア左端。後衛の支援も無い中で、中年プレイヤー同士がサシ勝負をしていた。口喧嘩を合間にはさみつつ、つかず離れず攻撃をしては回避する攻防が続いている。
 「ちぃっ!」
 魔法使いが榎本の浅い横殴りをかすり食らう。ゲージの減りは少ないものの、無傷の榎本と比較すると劣勢なのが分かる。
 榎本が相対している魔法使いは、相手ギルドのマスターだった。日本サーバー内で中堅どころから頭一つ抜きんでた実力の持ち主で、何度もこうして戦ってきた相手である。
 だがしかし、戦況は一歩榎本がリードしている。危なげなく魔法の全てを回避し、その上で未チャージながら攻撃を的確にヒットしていた。
 「くぅ、ちょこまかと……!」
 永遠道中のギルマスが悪態をつく。ロンド・ベルベット同様、中年がそのままの容姿でプレイする稀有なプレイヤーだ。魔法職らしいカールしたちょび髭と、使い込んだ風合いのシックなマジカルハットがよく似合う。
 自然回復するとはいえ、MPには限度がある。装備で回復量を増やすのは基本だが、それでも間に合わないほどの回転率でスキルを使うため、彼はそろそろ限界に近かった。打っている攻撃がかすりもヒットしないのが余計に腹が立つ。
 対ギルド戦のマッチングで彼らのギルド名を見た時、勝てる気はしなかった。もちろん彼らロンド・ベルベットも勝率は十割ではない。負けたことくらいはある。我々でも勝ちを狙いに行くことは不可能ではないはずだ。
 それでも、気迫の面でスタート時から負けているのが分かる。格下相手で舐めてかかってもおかしくないというのに、榎本の目は真剣だ。対してこちらは待合所の時点で負けムードだった。ろくな作戦変更もせず、高火力のメンバーに盾を二枚張りドデカい攻撃をさせる、という策のままだ。
 こんな様子では五分も持たないだろう。ならばせめて、自分でこの男だけでも倒したい。永遠道中のギルマスは、眼前のハンマー使いを見据えながら打開策を練る。
 ハンマーならではの振りかぶりを回避し、弱点にあたる属性の魔法スキルを叩き込む。
 「おっと!」
 ようやくヒットした攻撃は、それでも榎本のゲージを軽く削ったに過ぎなかった。緑色のゲージが憎らしい。
 どうにか榎本を出し抜きたい。持っているスキル一覧を脳内でめくりながら、男は武者震いした。


 どうにかして後ろの魔法系プレイヤーのチャージを阻害したいが、盾の男女に阻まれて失敗しつづけている。相対していた夜叉彦は、珍しくイライラしていた。
 頭を空っぽにして、とにかくスキルを打ち込みたくなる。だが、こういうときは頭脳戦なのだと夜叉彦は経験で理解していた。
 「おう、待たせたな!」
 甲冑の金属がかすれる音と共に、視界の右下に茶色のが入り込む。と同時に、盾のタックル攻撃なのだろう、そのまま敵めがけて突き進む。その後ろ姿は夜叉彦にとってはお馴染みの同志、ジャスティンのものだった。
 彼はサブ武器を持たず、愛用の盾、巨大なタワーシールドだけを手にしている。ドワーフ種で身長の低いジャスティンが背負うと、身の丈をすっぽりと隠してしまうほどに巨大な装備だ。
 大きすぎて振り回すのが不得手なそれは、攻撃にハンデがある特化型プレイヤーだ。バリエーションが他の装備と比較すると圧倒的に少ない。しかし、そのデメリットを上回る防御性能が売りだ。
 「どおりゃあー!」
 威勢の良い掛け声と共に、右側の盾装備プレイヤーに突っ込んでいく。金属同士が激しくぶつかり合い、防御した側のタンクが踏ん張りながら後方に弾き押された。
 左側の、片手盾と小型の手榴弾を持った方のプレイヤーが即座に対応した。タンクとボマーの両立はマイナーだが相性がいい。爆弾によるダメージは敵味方問わず無差別だが、盾ならば防御できる。長いチャージ無しで叩き出せるその破壊力に、軽量な武器職のプレイヤーは起死回生を託すことが多かった。

 手榴弾を上方向にひょいと投げる。着地点はジャスティンと彼の盾のだ。手のひらに収まるサイズの手榴弾が地面に落ち、小さな落下音がした。
 瞬間。弾けるように鮮やかな炎が上がる。
 数コンマの時差で強烈な爆風とつんざくような爆発音が、若干後方にいた夜叉彦まで届いた。
 「ジャス!?」
 猪突猛進の彼を相棒にすると、こういうことが多い。彼の生存を祈りながら、夜叉彦は愛刀を握り直した。
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