40代(男)アバターで無双する少女

かのよ

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264 ハッチの向こう

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<まったく……相談もなく突然言われても困るのだがね>
「イーライに殺されるくらいなら、お前たちのオーナー側に譲歩した方がマシ」
 みずきは船を目指し、施設を下層へと進んでいた。崖を覆うようにして建っている建物のため、ある程度進むと山肌側とは反対に出入りするための大型門扉が現れた。物の搬入路なのだろう。ドアとは呼べない程巨大だ。ゲート、それも大型トラックが通れる程度には余裕がある。
<BJ01>
「ムリフェイン、だったか」
 通信帯に、みずきが独自のツールで日本語に変換している音声が届いた。なんとなく女のようだが、男でも出せる高さだ。母語の音声らしいものが薄く聞こえる。英語でもヨーロッパ圏のものでもない。ブラジル・ポルトガル語だ。聞こえる音声が二重になる。
<Por que……<何故 オーナー 協力?>>
「協力したくてしてるわけない。残ってる選択肢で一番安全だから、ってだけ」
<Então……<ナルホド>>
「金なら、日本人を人質にして取引すれば、そのうち出てくる。紙幣IDが汚れても、方法はなくはない。とにかく殺すな」
<エノモト 大事 生 脱出>
「榎本?」
 みずきはロボットアームに片足で乗り、滑るようにしてゲート用の操作パネルへ寄った。指紋と静脈認証がついているが、アームで機械を上からぶん殴り破壊する。
<イーライ 敵 BJ守る エノ・もト セイル・アウェイ 逃がす>
「……どうも」
 足元にまでゲートの認証装置の破片が飛び散って来た。みずきはテープを巻いただけの素足でカケラをどけながら、露出したケーブルをわしづかみして引っ張り出した。端子はないが、こめかみに被せている簡易デバイスのジャック穴にねじ込んで強引に繋げる。
 オープンセサミ開け胡麻。みずきのイメージがガルドの屈強な腕になり、ゲートを強引に割って開く。
<ムリフェイン、しかし、だからといって……>
<(けたたましく怒っている風な声)>
<だがね>
<すっこんでろ ■■■■>
<むむ……>
 なにか汚い罵りのニュアンスを感じ、みずきはムリフェインの人となりを理解した。いわゆるヤンキーというやつだ。人情味があるのも特徴的だった。
「で、他の……二人でいい?」
<(金)>
 すぐに伝わって来た金銭要求のイメージに、みずきはハァと大袈裟なため息をついた。アルファルドかベテルギウスか、どちらか分からない。性別も声も分からない。だが確実に二人とも人間だ。Aにはない生々しい欲望のような湿度を感じる。
 みずきはロボットアーム二台を先行させ、一台に掴まって滑るようにゲートの中へ入った。太陽光が目にささる。
 白く飛んだ視界へ、じんわりと時間をおいて大きな影が見えてきた。
「……これ?」
<来たかね、みずき>
 目の前に広がる鉄の壁が、それなりに広い屋外施設を覆い隠している。みずきが今来た建物の中が外から見えないよう、目隠しをしているらしい。フェイクの岩や若草が壁の外側に見えた。角度的にも人工物が見えない高さまで偽装の壁が上へ伸びている。
 隠すように作られた空間は、鉄と錆が目立つ古びた箱のような構造になっていた。中に大きな物体が収まっていなければ広く感じられるだろうが、今は存在感の大きなものが置かれていて圧迫感がある。
「船って、潜水艦のことだったのか」
 みずきが立っている位置より数メートル下にまで掘られた窪みに、それほど大きくない黒の塊が静かに存在していた。重苦しい。青みがかったグレイに近い黒は、触らずとも冷たくガッシリとした質感に見えた。
 潜水艦に原子力を使うイメージがあるためか、みずきには強い圧のようなものが感じられる。日常生活ではまず目にしない、異様で武骨な兵装だ。
 口を開けて見呆けていると、Aが突然咳払いをした。
<コホン。報告だ、みずき>
「ん?」
<我々コンタクターは、一旦キミたちと別行動することにしたのでね>
「え」
 寝耳に水だ。みずきは慌てる。
<それに乗るだけでいいのでね。あとはオートで目的地まで行くのでね>
「A、別行動ってどういう……」
<対話によることである>
<コンタクトの結果である>
 上手くない日本語で発言したのは、ベテルギウスとアルファルドだ。どちらがどちらか分からない。みずきに伝わるよう、わざわざ日本語の合成音声を向けてきたため声色も全く一緒だ。
<目標地点は対話>
<コンタクトの成果である>
「対話? コンタクト?」
<ああ、まだまだ勉強不足のようでね。つまりだね、みずき。彼らはキミがこうして対話による提案をしてきたことが、計画の目標、ある種目的のようなものだったと言っているのでね>
「は?」
<我々との対話による問題の解決である>
<コンタクトの結果が目標値に達成したことは、次の目標値の刷新である>
 Aは分かりやすく話していてくれたのだと、みずきはベテルギウスたちの取っ散らかった言葉を聞きながら感慨深くなった。最初のころのAも比較的分かりにくいことを話したが、ここまでではない。コンタクトだの大和だのといった用語では、みずきにはヒントにすらならない。
 みずきが何かを達成したことで、Aたちコンタクターはみずきと別行動するという。目標達成は分かったが、どこで何をどのように達成したかが分からない。
「もっと分かりやすく説明しろ」
<みずきは凄い、ということでね>
「はぁ」
 褒められた気がしない。はぐらかされている。
<外のことは任せてくれたまえね。みずきには、他のオーナーを撤退させるために動いてほしいのでね>
「他のオーナー?」
<詳細はボクにも分からないのだがね、複数の計画が同時進行しているのでね>
「ん」
<我々のオーナーは今回の一件を重く見たのでね。BJの『しゅっこう』が最優先だがね、それ以外の計画を取り除き……言葉を借りてだがね、『口出しすんなって牽制』をして欲しくてだね>
 牽制、か。普段ガルドがしてきたことと似通っている。みずきは違和感なく受け入れた。
「了解」
 みずきの立っているフロアには、輸送してきたらしい大型のコンテナが数個詰まれていた。さらに下のトックに行く階段と、ここよりも上へ登っていく階段が見える。上に登る階段の先には総鉄製の簡易的なタラップとレールがあり、潜水艦のハッチに向かって人間と荷物が運べるよう橋渡しがされてあった。
 ぶん、と背後でロボットアームが一台、みずきのコントロールを外れて勝手に動き出す。
「……あっ」
 Aだ。Aに操作権限を奪われた。
<外部の干渉を受けず、現行の被験メンバーで次点目標を達成する。それが、他の計画への牽制になるのでね>
 勝手に動きはじめたアームがみずきの腰を抱き、ふわりと浮かせた。タラップの階段ではなく、いかにも不安定そうな鉄製の細いレール二本に向かって進んでいく。
「ちょ……A」
<BJ02から06は既にポッドごと待機済みでね。あとはみずき、キミが乗り込むのを待っているのでね>
「牽制って、前と変わってない……戦わないのか!」
 足をバタつかせて暴れるが、ロボットアームはびくともしない。
<協力の申し出は嬉しいのだがね、みずき。キミを戦争の矢面に立たせるわけにはいかないのでね>
「とっくに戦争だ!」
 みずきはじわじわと熱を持つ戦意と闘志をもてあまし、足をバタつかせてアームから逃れようとした。だがレールを登っていく際のゴトンという衝撃にぴたっと動きを止める。流石に落ちるのは怖い。
<ベテルギウスもアルファルドも、ようやく同意してくれたのでね。キミの言葉に次世代型の確信を得たと言って、今とても、キミたちBJを守るため気合が入っているのでね>
「本当に守り抜いてくれるのか? 嘘なら殺す」
 声色を一トーン下げて唸る。
<もちろん。我らがオーナーは、他の計画立案者オーナーにキミらが奪われるのだけは我慢ならないのでね>
「その、お前のオーナーと他のオーナーがややこしい」
 されるがままにハッチまで寄らされ、みずきは潜水艦の上に降りた。ぽっかりと丸い穴が開いている。
「……名前は?」
<名前? オーナーかね? フム>
 素肌にテープを巻いただけのほぼ全裸姿のまま、みずきはするりとハッチの中に下半身を入れた。プールにでも入るような感覚だが、上に居るらしいAの会話を終えるまで尻をハッチの口に引っ掛けて止まった。
<……タツタ、という>
 Aが渋々といったニュアンスでとうとう口にした。
<日本人でね>
「たつた……」
 音の響きに、突然関係ないイメージの連鎖が脳波コン近くで弾けた。竜田揚げのイメージ。みずきの脳裏に揚げ物の音が広がる。ごくりと唾を飲むが、水分を制限されカラカラに乾いた喉が張り付いていて痛い。
<タツタの意向だがね、みずき。本人が言っていたのだが、『世界の常識をもっとフラットに』だそうだ。ボクには理解不能……計画のプランがフラット化することとイコール、などとは思っていないのだがね>
「タツタ、Jのプラン……常識をフラットに?」
<さ、いいだろう。もう行きたまえね>
 ロボットアームが鈍く軋みながら動き始めた。押し込められては落ちてしまうかもしれない。みずきは慌てて頭をハッチの中に引っ込める。
「ぁ……A! ケア・ポッドとフルダイブマシンの接続、誰がするんだ!」
<向こうにスタッフがいるのでね。安心したまえ、みずき>
「スタッフ!? 人任せにしすぎだ! 中のペットアバターの操作は!? 医療ケアは!? タツタの計画の概要は!?」
 叫ぶが返事がない。上でタイヤが甲板の上を走る音がし、みずきの頭上で巨石の塊のような分厚さをしたハッチが大きな音を立てて閉まった。さらにアーム駆動、ハンドルを回転させる音が続く。
 みずきは手を伸ばして開けようとするが、内側にもついているハンドルがギュルギュルと勢いよく自動で回転し始めた。
「っ」
 手を打ったら手痛い打撲になる。慌てて下に引っ込め、みずきは数段梯子を下りた。
 中は思ったより蛍光灯の明るさで照らされ、見通しが良い。目の届く範囲に人はいない。ごうごうと何か機械が動く音がする。
「はぁ……」
 通信も効かない。ハッチを閉じた途端、オンラインの際に感じる奥行きの通信感覚がぴたりと止まり、急に閉塞感の強いこめかみになった。耳の奥もキーンとしていて体調も悪く、とにかくみずきは少し座って休みたかった。
「み、みず……」
 竜田揚げを想像したためか、のどがカラカラだと先ほど思い知った。そういえば唇が渇いていて、端が少しひりひりする。鏡が無く分からないが、口の両端とも切れていそうだ。とにかく座れる場所、そして飲み物と食べ物、トイレのある場所を探さなければならない。
 潜水艦には初めて入ったが、なんとなく新幹線のような空間感覚だ。みずきはきょろきょろと両隣の通路を見ながら思う。思ったより狭くはない。だが壁があり、筒のようで、少し先に見える別ブロックへの入り口は頭上のハッチに似た形をしている。
「あっち、かな」
 勘で歩き出す。動いているのかいないのか、潜水しているのかどうかもよく分からない。やっと敵襲が収まったと思えば、事故を起こしても誰も助けてくれない海の中に放り込まれたのだ。Aの声が聞こえなくなった途端怖くなる。
 みずきはペタペタと素足の足音を立てながら進んだ。冷たい。床は金属質なものの上から何かビニル系の床材を貼っているらしい。砂のような質感がたまに粒粒と足裏を刺激する。
 横方向のハッチはみずきの腰の辺りまでしかなく、腰からペコリと折るようにしてくぐり、少し高くなっている足元を跨いで通過した。
「……えっと」
 開けた場所に出た。壁一面に古めかしい針と突起の機材が備え付けられ、その上から最新型の電子機器とが組み合わされ複雑に配線されている。
 古い潜水艦を最新システムでオートパイロット化しているらしい。海の中は通信が繋がらない。短くごく軽量な通信を受信だけできるが、海の中から送信することは出来ない。恐らく完全なスタンドアロンで動くシステムだ。勝手にカチカチと音を立てて動いている計器類の針が、みずきの不安を一層煽る。
「れいぞうこ……」
 人間の飲める飲み物があるのかすら不安だった。恐らく、今いるのはブリッジだ。もっと奥の、ソファやテーブルが置かれているようなリラックスできる空間があるはずだ。みずきはとうとう引きずるようになってまった足をゆっくり動かし、壁に手を付きながら進む。
 疲れた。
「ここ?」
 狭くなった通路を少し進んだ先に、ぽっかりと開いた入り口が見えた。ドアはない。中にちらりとがっちりとした箱のような机が見え、目的の場所だと確信して中に入った。
「……え」
「え?」
 冷蔵庫の側には、背を向けた人間が立っていた。
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