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45.5 エキストラ・マインド
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いつもよりざわついているとは思っていた。
一際目立つ女性が颯爽と現れるのを見て、なおさら今日は「ざわざわしてる」と思った。
これは、その時ファーストクラスラウンジで何が起きたのかを見ていたラウンジ常連客の話。
マイル修行をして必死に手に入れたカードで、僕は若干五十代にしてこのラウンジの使用権を手に入れている。海外出張の少ない仕事をしている僕にとって、ここまでの道のりは予想以上に困難だった。観光もそこそこにひたすら飛行機に乗りまくり、移動時間はもちろん仕事と資格勉強と趣味の映画に当てたものだ。
こうして手に入れた金持ちの楽園だけれども、なんでもかんでも上手くいくわけじゃないようだ。
格式高い空間のはずなのに、たまにこうして騒がしい様子になることがある。それはこうした大型連休の最中であったり、年末年始のような民族大移動であったりするようだ。僕には家族も恋人もいないからただの休日だというのに、全くもって不快だ。
年老いた長野の両親や横浜に住んでいる弟一家はそれぞれのんびり連休を過ごしているだろう。中でも甥っ子は立派なオタクに成長し、連休はずっと家にいるのが想像できる。
僕もそうだ。旅行とかは興味がない。のんびり趣味の読書や動画鑑賞を楽しむために、このラウンジは設備も眺めも最高だから来ているだけだ。
その中で随分と騒がしいマダムがいた。
一挙一動は素晴らしい。思わず見惚れるその所作には、僕と同じ仕事人間だけが持つオフィスの匂いが混じっている。うちの秘書がきれいに年をとったらああなるだろう。
真面目で完璧主義で、なおかつ女であることを誇りながら仕事をするタイプの美しい信念が伝わってくる。すばらしい。僕の理想形に近い。
妻にするならああいう強気なのがいい。
しなだってきてべたべたしてくるようなあの女とは違う。そこまで考えて、あの下品で至上最悪な元カノを思い出してしまって気分が急降下した。ああ、最悪だ。
美しい壮年の女性だが、しかしうるさい。魅力半減だ。
ピーチクパーチク喋っている女性は、どうやら数人部下を連れているらしい。アイコンタクトでのみ伝わるその関係性を見破れたのは、遥か昔にやっていた野球のお陰だ。グラウンドに立つ仲間達と合わせる目線のようなものを女性は発信していた。
相手はきっとスーツのあの男性達だ。
ふとその男達の様子に違和感を覚えた。カタギじゃないぞ、あれは。
警察勤めで忙しくしている従兄弟に似た、肩をしゃきんとさせた動きがどうも引っ掛かる。よく見てみると左の腰を庇っていて、そこに大事な大事なものでもホルスターに入れてるんじゃないかなと思うくらい違和感があった。
うむ、これは潜入捜査なのかもしれない。
となると俄然興味が沸いた。僕はこうみえて噂とか都市伝説とかが好きなんだ。こういうシチュエーションも大好物さ。
女性がカツカツヒールを言わせながら近づいていったのは、いかにも「庶民が場違いにもハイクラスの飛行機とっちゃいました」みたいな男達の元だった。
おお、犯罪者なのかな。それとも逆に助っ人の傭兵集団みたいなやつかな。思わずニヤニヤしながら見つめていたことにはっと気付き、慌てて顔を引き締めた。
庶民はどこからどう見ても普通のサラリーマンにしか見えない。僕よりちょっと年下かな。ひょろいやつからちょいマッチョまで選り取りみどりだけど、そんなことよりとんでもないものを見た。
女の子だ。
息子よりちょっと年上くらいの、すらりとした長身美少女だ。
うるさい謎のスパイマダム(だと僕が思っている女性)がなにか喋り、男達があの少女を庇うようにポジショニングしている。特にあのチャラいストリート系のやつが背中にすっぽり隠してしまい、スパイマダムから見えなくなった。
後方にいる僕からは、男に隠された少女の背中がよく見える。細いし髪はさらさらで、清楚ないいとこのお嬢さんだ。
男達に大事にされる理由がわかる。
そんでもって、マダムが他を押し退けてあの子をぎゅっと抱き締める理由も、そうしたときの男達の悔しそうな顔にも同調する。
どうやら親しい間柄のようだ。マナーはなってないが、あの子は静かにしているようだ。ますますいい子だ。逆にあの騒がしい民族衣装の男はなんなのだろうか。騒がしマダムと揃うとまるで井戸端会議の舞台になってしまい、僕はげっそりとしながらカレーを取りに席を離れた。
ラウンジのバイキングコーナーでらっきょうを三つとりながら、あの騒がしい一団の観察も再開する。
おしゃれなノンアルコールを手にした美少女に見とれていると、ふと天井に警備用のカメラユニットが移動してきたのが見えた。
一昔前の固定型監視カメラに公衆監視防犯システムと自律型AIを混ぜて作ったキメラのようなもので、犯罪の起こりそうなポイントを判断して監視カメラを移動するというものだ。完全自律ではない。移動用レールを貼った天井の特定ルートを巡回する、動く監視カメラだ。
それ自体はいつものことだ。電車の天井にもついてるやつで、公共性が高いモデル。ハッキングに対する完全防御がウリだった。その全く嘘としか思えない謳い文句は好きじゃないが、それを信用してる庶民は多い。安心感を売り付けるというのが目的なら大成功だ。
それより僕が気になったのは、その動くカメラがピタリと静止したことだ。
こいつが止まったところを初めて見た。丁度、まだまだ騒がしい一団の真上にぴたりと待機している。
「あんたのそういうところ、相変わらず下劣だって言ってんのよ!」
「うむ、その物言い見事にぷっとんだな!」
「ジャスぅ、ディスられてんの気づいてない?」
「ジャスティス!」
「唐突にどうした」
「ジャスディスの間違いだろ」
「だー! どいつもこいつもマイペースなんだから! ガルドもジュースなんて飲んで優雅だし……かわいいから許す!」
「ぷっとんは相変わらずガルドに甘いよね」
「しゅわ」
なんだか男子高校生みたいなノリをしたチームだが、なかなか楽しそうだった。スキンヘッドと髭の絶妙な組み合わせが厳ついおっさんと女性が反論しあいしつつ、しかし綺麗なシワを描きながら満面の笑みで笑いあっている。
楽しそうだ。
羨ましささえ覚えてしまうのは、彼らが「大人なのに子供のよう」だからだろうか。僕にはもう取り戻せない世界のように思えて、席に戻りカレーをかっ食らった。
もぐもぐ咀嚼に集中していると、あれだけうるさかった声がぴたりと止んでいるのに気付く。やっと移動してくれたのか、と彼らが立っていたエリアを見るために皿から顔を上げて、ぎょっとしてスプーンを落とした。
一団が薄気味悪く棒立ちになっているのが見える。
「……え?」
七人いるが、七人とも下を向いてその場で気を付けの姿勢で待機状態だ。
あの少女とそばの三十代くらいの男性は、持っていたシャンパングラスをだらんと下げて溢すのもお構い無しだ。あれだけ綺麗なグラスを見て喜んでいた少女が、飲み物の存在を忘れたような対応をするのはありえない。
なんなのだろう。
思わず立ち上がって彼らの方に歩き出そうとした。赤の他人だが同じ日本人だ。外国人も多いこの広いラウンジで、僕と彼らには立派な共通点がある。声をかけるだけの理由になる。
同じことを考えた人がいたのだろう、スーツ姿の男性が近づいていった。彼にも見覚えがある。
そうだ、あのスパイマダムが目配せした部下らしき人物だ。無個性な量販スーツと無個性な七三分けが周囲に埋没しているが、スーツの左腰内側に右手を突っ込んでいるのが特徴的だ。
銃かなにかを握りしめたまま男が歩み寄るが、僕はそれがなおさら心配だった。精神状態と武力的危機は何の因果もないというのに、なぜそこで警戒して近付くのだろうか。
やっぱり僕も声をかけよう。
そう思って椅子から立ち上がった瞬間、七人がいきなり同方向へ歩き出した。ずんずんと、どこか体を左右に揺らし気味で。
なんだあれは。まるでゾンビだ。
しかし周囲は特に気にしていないらしい。彼らを観察していた僕だからその異様さがわかるが、普通の客なら体調や精神障害みたいな何らかの理由を想像してスルーするだろう。その程度の違和感だ。
実際彼らは姿勢悪く歩いているだけだ。ラウンジ入り口近くのエリアから、もっと奥のエリアに向かってゆっくり進む。
スーツの男が「布袋さん!?」と声をかけるが、それを無視してスパイマダムは他六人と同調していた。それがどこかSF映画の行進シーンのようで、思わずピンとくる。
映画の中で行進していたのは人間じゃなかった。AIを搭載されたロボット兵だ。
「まさか……」
彼らがなぜ突然無言になり、なぜ突然とりつかれたかのように歩き出したのか。その直前に見た「天井の警備カメラユニット」が待機モードでそこにいたこと。
なんだかよくわからないが、なにか見知らぬ技術による事件の匂いだ。僕はそれを垣間見るエキストラかなにかにされている。
思わず荷物もそのままに彼らをダッシュで追いかけた。
相変わらず僕ともう一人のスーツ男性しか彼らを注視する人はいないが、だからこそ僕が何かしなければならない。こういうとき無駄に判断力が冴えてしまう。
あっという間に七人が「staff only」と書かれた扉の奥へ入っていき、僕と男性もそれを追った。入ってはいけないエリアに踏み込み、ふと躊躇する。
追いかけて、そして? なにをするっていうんだ。
そこまで考えながらとりあえず駆け寄る僕の真上に、きゅるきゅるというようなタイヤの擦れる音が響く。
ああ、そういえば犯人を捕まえるのが最初だったかな……なんて思いながら、僕は
こめかみが びりりといたんで
ゆかにあたまをぶつけた
一際目立つ女性が颯爽と現れるのを見て、なおさら今日は「ざわざわしてる」と思った。
これは、その時ファーストクラスラウンジで何が起きたのかを見ていたラウンジ常連客の話。
マイル修行をして必死に手に入れたカードで、僕は若干五十代にしてこのラウンジの使用権を手に入れている。海外出張の少ない仕事をしている僕にとって、ここまでの道のりは予想以上に困難だった。観光もそこそこにひたすら飛行機に乗りまくり、移動時間はもちろん仕事と資格勉強と趣味の映画に当てたものだ。
こうして手に入れた金持ちの楽園だけれども、なんでもかんでも上手くいくわけじゃないようだ。
格式高い空間のはずなのに、たまにこうして騒がしい様子になることがある。それはこうした大型連休の最中であったり、年末年始のような民族大移動であったりするようだ。僕には家族も恋人もいないからただの休日だというのに、全くもって不快だ。
年老いた長野の両親や横浜に住んでいる弟一家はそれぞれのんびり連休を過ごしているだろう。中でも甥っ子は立派なオタクに成長し、連休はずっと家にいるのが想像できる。
僕もそうだ。旅行とかは興味がない。のんびり趣味の読書や動画鑑賞を楽しむために、このラウンジは設備も眺めも最高だから来ているだけだ。
その中で随分と騒がしいマダムがいた。
一挙一動は素晴らしい。思わず見惚れるその所作には、僕と同じ仕事人間だけが持つオフィスの匂いが混じっている。うちの秘書がきれいに年をとったらああなるだろう。
真面目で完璧主義で、なおかつ女であることを誇りながら仕事をするタイプの美しい信念が伝わってくる。すばらしい。僕の理想形に近い。
妻にするならああいう強気なのがいい。
しなだってきてべたべたしてくるようなあの女とは違う。そこまで考えて、あの下品で至上最悪な元カノを思い出してしまって気分が急降下した。ああ、最悪だ。
美しい壮年の女性だが、しかしうるさい。魅力半減だ。
ピーチクパーチク喋っている女性は、どうやら数人部下を連れているらしい。アイコンタクトでのみ伝わるその関係性を見破れたのは、遥か昔にやっていた野球のお陰だ。グラウンドに立つ仲間達と合わせる目線のようなものを女性は発信していた。
相手はきっとスーツのあの男性達だ。
ふとその男達の様子に違和感を覚えた。カタギじゃないぞ、あれは。
警察勤めで忙しくしている従兄弟に似た、肩をしゃきんとさせた動きがどうも引っ掛かる。よく見てみると左の腰を庇っていて、そこに大事な大事なものでもホルスターに入れてるんじゃないかなと思うくらい違和感があった。
うむ、これは潜入捜査なのかもしれない。
となると俄然興味が沸いた。僕はこうみえて噂とか都市伝説とかが好きなんだ。こういうシチュエーションも大好物さ。
女性がカツカツヒールを言わせながら近づいていったのは、いかにも「庶民が場違いにもハイクラスの飛行機とっちゃいました」みたいな男達の元だった。
おお、犯罪者なのかな。それとも逆に助っ人の傭兵集団みたいなやつかな。思わずニヤニヤしながら見つめていたことにはっと気付き、慌てて顔を引き締めた。
庶民はどこからどう見ても普通のサラリーマンにしか見えない。僕よりちょっと年下かな。ひょろいやつからちょいマッチョまで選り取りみどりだけど、そんなことよりとんでもないものを見た。
女の子だ。
息子よりちょっと年上くらいの、すらりとした長身美少女だ。
うるさい謎のスパイマダム(だと僕が思っている女性)がなにか喋り、男達があの少女を庇うようにポジショニングしている。特にあのチャラいストリート系のやつが背中にすっぽり隠してしまい、スパイマダムから見えなくなった。
後方にいる僕からは、男に隠された少女の背中がよく見える。細いし髪はさらさらで、清楚ないいとこのお嬢さんだ。
男達に大事にされる理由がわかる。
そんでもって、マダムが他を押し退けてあの子をぎゅっと抱き締める理由も、そうしたときの男達の悔しそうな顔にも同調する。
どうやら親しい間柄のようだ。マナーはなってないが、あの子は静かにしているようだ。ますますいい子だ。逆にあの騒がしい民族衣装の男はなんなのだろうか。騒がしマダムと揃うとまるで井戸端会議の舞台になってしまい、僕はげっそりとしながらカレーを取りに席を離れた。
ラウンジのバイキングコーナーでらっきょうを三つとりながら、あの騒がしい一団の観察も再開する。
おしゃれなノンアルコールを手にした美少女に見とれていると、ふと天井に警備用のカメラユニットが移動してきたのが見えた。
一昔前の固定型監視カメラに公衆監視防犯システムと自律型AIを混ぜて作ったキメラのようなもので、犯罪の起こりそうなポイントを判断して監視カメラを移動するというものだ。完全自律ではない。移動用レールを貼った天井の特定ルートを巡回する、動く監視カメラだ。
それ自体はいつものことだ。電車の天井にもついてるやつで、公共性が高いモデル。ハッキングに対する完全防御がウリだった。その全く嘘としか思えない謳い文句は好きじゃないが、それを信用してる庶民は多い。安心感を売り付けるというのが目的なら大成功だ。
それより僕が気になったのは、その動くカメラがピタリと静止したことだ。
こいつが止まったところを初めて見た。丁度、まだまだ騒がしい一団の真上にぴたりと待機している。
「あんたのそういうところ、相変わらず下劣だって言ってんのよ!」
「うむ、その物言い見事にぷっとんだな!」
「ジャスぅ、ディスられてんの気づいてない?」
「ジャスティス!」
「唐突にどうした」
「ジャスディスの間違いだろ」
「だー! どいつもこいつもマイペースなんだから! ガルドもジュースなんて飲んで優雅だし……かわいいから許す!」
「ぷっとんは相変わらずガルドに甘いよね」
「しゅわ」
なんだか男子高校生みたいなノリをしたチームだが、なかなか楽しそうだった。スキンヘッドと髭の絶妙な組み合わせが厳ついおっさんと女性が反論しあいしつつ、しかし綺麗なシワを描きながら満面の笑みで笑いあっている。
楽しそうだ。
羨ましささえ覚えてしまうのは、彼らが「大人なのに子供のよう」だからだろうか。僕にはもう取り戻せない世界のように思えて、席に戻りカレーをかっ食らった。
もぐもぐ咀嚼に集中していると、あれだけうるさかった声がぴたりと止んでいるのに気付く。やっと移動してくれたのか、と彼らが立っていたエリアを見るために皿から顔を上げて、ぎょっとしてスプーンを落とした。
一団が薄気味悪く棒立ちになっているのが見える。
「……え?」
七人いるが、七人とも下を向いてその場で気を付けの姿勢で待機状態だ。
あの少女とそばの三十代くらいの男性は、持っていたシャンパングラスをだらんと下げて溢すのもお構い無しだ。あれだけ綺麗なグラスを見て喜んでいた少女が、飲み物の存在を忘れたような対応をするのはありえない。
なんなのだろう。
思わず立ち上がって彼らの方に歩き出そうとした。赤の他人だが同じ日本人だ。外国人も多いこの広いラウンジで、僕と彼らには立派な共通点がある。声をかけるだけの理由になる。
同じことを考えた人がいたのだろう、スーツ姿の男性が近づいていった。彼にも見覚えがある。
そうだ、あのスパイマダムが目配せした部下らしき人物だ。無個性な量販スーツと無個性な七三分けが周囲に埋没しているが、スーツの左腰内側に右手を突っ込んでいるのが特徴的だ。
銃かなにかを握りしめたまま男が歩み寄るが、僕はそれがなおさら心配だった。精神状態と武力的危機は何の因果もないというのに、なぜそこで警戒して近付くのだろうか。
やっぱり僕も声をかけよう。
そう思って椅子から立ち上がった瞬間、七人がいきなり同方向へ歩き出した。ずんずんと、どこか体を左右に揺らし気味で。
なんだあれは。まるでゾンビだ。
しかし周囲は特に気にしていないらしい。彼らを観察していた僕だからその異様さがわかるが、普通の客なら体調や精神障害みたいな何らかの理由を想像してスルーするだろう。その程度の違和感だ。
実際彼らは姿勢悪く歩いているだけだ。ラウンジ入り口近くのエリアから、もっと奥のエリアに向かってゆっくり進む。
スーツの男が「布袋さん!?」と声をかけるが、それを無視してスパイマダムは他六人と同調していた。それがどこかSF映画の行進シーンのようで、思わずピンとくる。
映画の中で行進していたのは人間じゃなかった。AIを搭載されたロボット兵だ。
「まさか……」
彼らがなぜ突然無言になり、なぜ突然とりつかれたかのように歩き出したのか。その直前に見た「天井の警備カメラユニット」が待機モードでそこにいたこと。
なんだかよくわからないが、なにか見知らぬ技術による事件の匂いだ。僕はそれを垣間見るエキストラかなにかにされている。
思わず荷物もそのままに彼らをダッシュで追いかけた。
相変わらず僕ともう一人のスーツ男性しか彼らを注視する人はいないが、だからこそ僕が何かしなければならない。こういうとき無駄に判断力が冴えてしまう。
あっという間に七人が「staff only」と書かれた扉の奥へ入っていき、僕と男性もそれを追った。入ってはいけないエリアに踏み込み、ふと躊躇する。
追いかけて、そして? なにをするっていうんだ。
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