5 / 10
初めての下僕
しおりを挟む
ベルがオークの大群を倒した数日後、ハジマリーノ王国から騎士団が派遣されました。
「なんだこれは……」
騎士団の団長は困惑の表情を浮かべます。
崩壊を予想していたショサイ村は何も変わらず日常を送っていたのです。
「まさか……」
「ヒィッ!ち、違います!本当にオークの群れがいたのです!私にも一体何が起こっているのかさっぱりで!」
騎士団長は怪訝な表情を浮かべますが、怯える男の表情に嘘は見えませんでした。
「しかし、これは一体……」
「それについては儂が説明しましょう」
「おぉ、村長か。一体これはどういうことだね?」
「勇者様の弟子……だと……?」
「はい。ちょうど私の娘ほどの年でした。名前をベル、と。」
「ベル……そうか情報感謝する。して、一体何人でオークの群れに立ち向かったのかね?」
「一人です」
「は?ひ、一人?あの強大で恐ろしいオークの群れを?いや、ありえないだろう!」
「ですが、見張りがそう報告したのです。数十のオークの群れは一人の少女に一瞬で殲滅されたと」
「な…………それを信じろと?」
騎士団長はじっと村長の目を見つめますがその目に嘘偽りは見えませんでした。
「そうか、とにかくこの村が無事で良かった。オークの残党がいないか周囲の確認だけ済ませておこう」
「ありがとうございます」
村長たちの姿が消えるのを見送ると騎士団長は部下に命令する。
「スイ、部下に命じてこの件を王に報告しろ」
「団長、まさかあの荒唐無稽な話を信じるのですか?」
「まさか、しかし村が救われたのも事実。そしてその救い主が一人だったというのも恐らく事実だろう。」
「?では、勇者の弟子というのは?」
「それはありえない。何故なら勇者はまだ弱い、今回のオークキング討伐の話を聞いているか?」
「いえ、勇者がオークキングを討伐したとだけ」
「あれは勇者の評判を上げるために王が流した嘘だ。オークキングは我ら騎士団の第一部隊が倒した。つまり、勇者にそこまで力のある弟子がいるはずもない」
「では何故その女は弟子などと嘘を?」
「分からん……しかしそれだけの力を持っている上で身元が不明となればそれは危険人物だ。ゆえにスイお前に命じる。ベルと名乗る少女を尾行し、その目的を突き止めろ!」
「は!」
ハジマリーノ王国で動きがある中、ベルは次の国、勇者が向かっている国へと移動していました。
「師匠の物語を読み込んでおいて良かったー!どこに国があるか完全に暗記してるからね!」
勇者の物語についていた過去の地図を暗記していたベルにとって勇者を探し出すことはむずかしいことではありません。
勇者の物語の通りだと考えると勇者の目的地はバトク国です。
ベルは脳内の地図に従ってバトク国に向かいます。
「迷った」
迷いました。
「ど、どうしよう」
あたりは暗くなってきており夜は近いです。
野宿の心得があるとはいえ、早く師匠に会いたいベルは焦ります。
「誰か道教えてくれる人は……ってこんな山奥にいるわけ」
「誰か助けてくれーー!!」
「いたーー!」
世界一大きい商会セールス商会の主ウルゾーは護衛に裏切られることで夜の森で一人ぼっちになっていたところを魔獣に襲われていました。
まさに絶体絶命です。
そんな彼の前にベルが現れました。
ベルは目にも留まらぬ速さで魔獣達を倒していきます。
そんなベルの姿にウルゾーは目を輝かせます。
それはまるで子供の頃に読んだ英雄譚の主人公のようで…………
「あの!バトク国への道を教えてくだ」
「わたくしを貴方様の部下、いえ、下僕にしてください!!!」
「えぇ……」
「なんだこれは……」
騎士団の団長は困惑の表情を浮かべます。
崩壊を予想していたショサイ村は何も変わらず日常を送っていたのです。
「まさか……」
「ヒィッ!ち、違います!本当にオークの群れがいたのです!私にも一体何が起こっているのかさっぱりで!」
騎士団長は怪訝な表情を浮かべますが、怯える男の表情に嘘は見えませんでした。
「しかし、これは一体……」
「それについては儂が説明しましょう」
「おぉ、村長か。一体これはどういうことだね?」
「勇者様の弟子……だと……?」
「はい。ちょうど私の娘ほどの年でした。名前をベル、と。」
「ベル……そうか情報感謝する。して、一体何人でオークの群れに立ち向かったのかね?」
「一人です」
「は?ひ、一人?あの強大で恐ろしいオークの群れを?いや、ありえないだろう!」
「ですが、見張りがそう報告したのです。数十のオークの群れは一人の少女に一瞬で殲滅されたと」
「な…………それを信じろと?」
騎士団長はじっと村長の目を見つめますがその目に嘘偽りは見えませんでした。
「そうか、とにかくこの村が無事で良かった。オークの残党がいないか周囲の確認だけ済ませておこう」
「ありがとうございます」
村長たちの姿が消えるのを見送ると騎士団長は部下に命令する。
「スイ、部下に命じてこの件を王に報告しろ」
「団長、まさかあの荒唐無稽な話を信じるのですか?」
「まさか、しかし村が救われたのも事実。そしてその救い主が一人だったというのも恐らく事実だろう。」
「?では、勇者の弟子というのは?」
「それはありえない。何故なら勇者はまだ弱い、今回のオークキング討伐の話を聞いているか?」
「いえ、勇者がオークキングを討伐したとだけ」
「あれは勇者の評判を上げるために王が流した嘘だ。オークキングは我ら騎士団の第一部隊が倒した。つまり、勇者にそこまで力のある弟子がいるはずもない」
「では何故その女は弟子などと嘘を?」
「分からん……しかしそれだけの力を持っている上で身元が不明となればそれは危険人物だ。ゆえにスイお前に命じる。ベルと名乗る少女を尾行し、その目的を突き止めろ!」
「は!」
ハジマリーノ王国で動きがある中、ベルは次の国、勇者が向かっている国へと移動していました。
「師匠の物語を読み込んでおいて良かったー!どこに国があるか完全に暗記してるからね!」
勇者の物語についていた過去の地図を暗記していたベルにとって勇者を探し出すことはむずかしいことではありません。
勇者の物語の通りだと考えると勇者の目的地はバトク国です。
ベルは脳内の地図に従ってバトク国に向かいます。
「迷った」
迷いました。
「ど、どうしよう」
あたりは暗くなってきており夜は近いです。
野宿の心得があるとはいえ、早く師匠に会いたいベルは焦ります。
「誰か道教えてくれる人は……ってこんな山奥にいるわけ」
「誰か助けてくれーー!!」
「いたーー!」
世界一大きい商会セールス商会の主ウルゾーは護衛に裏切られることで夜の森で一人ぼっちになっていたところを魔獣に襲われていました。
まさに絶体絶命です。
そんな彼の前にベルが現れました。
ベルは目にも留まらぬ速さで魔獣達を倒していきます。
そんなベルの姿にウルゾーは目を輝かせます。
それはまるで子供の頃に読んだ英雄譚の主人公のようで…………
「あの!バトク国への道を教えてくだ」
「わたくしを貴方様の部下、いえ、下僕にしてください!!!」
「えぇ……」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる