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2章

鬼ごっこスタート!

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 約束の土曜日、舞花・乃愛・風真の三人は、えいまとの合流場所にいた。
 しばらくして、えいまがやって来た。えいまは、最初こそ驚いていたが、
 にやりと口の端を上げると、
「車に乗れ。場所まで、連れて行く」

!!!

 車に乗って、着いた先は、廃墟と化した町だった。長い間、人がいないらしく、
 家と店の見分け方がわからないくらい壊れた家が、立ち並んでいた。
「ここは・・・?」
「ここが、丸一日鬼ごっこする場所だ。食料や逃げるために使えるものとかは、
 この町のどこかに置いてある」
 そう言うとえいまは、その場に座り込み、目をつぶった。
 私達三人が顔を見合わせて、戸惑っていると
「もう、鬼ごっこは始まってるぞ。あと、10分したら、追いかけるからな」
 私達は、一斉に走り出した。
 捕まったら、えいまに真実を教えてもらえない・・・。
 楽しそうじゃない。舞花が考えたにしては、上出来ね。
 うわっひょーい!走るのなら、得意だぜ!捕まるもんか!!
「と、とにかく、遠くに逃げた方がいいよね?」
「う、うん」
 その会話依頼、走ることに集中し喋らなくなった。

 そして、10分が立ち___。
「さて、捕まえようかなぁ・・・」
 足早にえいまは、駆けて行った。子供たちなら、あそこに隠れているであろう
 と見通しは、ついている。
 さて、どこから行こうか・・・。
 そう考え、えいまは、第一の見通し場所に向かった。
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