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第二部
小さなお客様
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新居に移ってひと月ほど経った。
住まいが変わったことと、工房を借りるために実家を往復しなくなったこと以外、取り立てて変わったことはないが……冬に近づき寒くなるにつれ、町では風邪が流行るようになっていた。
魔女は魔力のおかげで基礎的な免疫力が高いし、マナの満ちた場所では病気も広がりにくいから、里では風邪を引くのは片手で足りる人数だし、みんな軽症で済む。
落ちこぼれだったオフィーリアだって、軽い風邪は引いたことはあるが、寝込んだことなんか一度もない。
先日の一件は別にして。
「ハーブティーだけじゃなく、風邪薬も作るべきかしら……」
リビングのテーブルで注文書の束を広げながら、オフィーリアはつぶやく。
風邪予防や初期症状に効く“魔女のハーブティー”の注文が、ここ数日で殺到している。
魔女としての手腕が認められているのは嬉しいが、これだけの人が風邪を恐れているのだったら、できることはなんでもやるべきではないかと思う。
しかし、横で聞いていたディルクは「どうだろう」と懐疑的だ。
「薬は他の魔女に任せて、君は君にしかできないことをした方がいいと思う。あれもこれもと欲張ると、結局どれもうまくいかなくて失敗するぞ」
「うーん、やっぱりそうよね……」
もっともな意見にうなずきつつも、無理のない範囲でできることはないかと考えていると、玄関の戸を叩く音が聞こえた。特に今日は来客の予定もないし、配達もすべて終わっている。
「俺が出る」
腰を浮かそうとしたオフィーリアを制してディルクが玄関を開けると、小さな女の子がおぼつかない足取りで立っているのが見えた。
魔力は感じないから、魔女ではないし使い魔でもない。
となると、普通の子供なのだろうが……見たところ六、七歳だし、一番近い町から来たのだろうが、幼い足で気軽に来れるような距離ではない。フラフラしていて当然だ。
「あ、あの……」
「ほら、まずは中に入れ。オフィーリア」
立っているのもやっとの女の子を片腕で抱き上げ、こちらを振り返るディルクにうなずき返し、温かいハーブティーを淹れる準備をした。
戸棚を開けて缶に仕舞ってあったジャムクッキーを出し、お茶に入れるハチミツも用意する。
キッチンで湯を沸かすオフィーリアの後ろで、ディルクが女の子を椅子に座らせ、上着を脱がせたり水の張った桶で手を洗わせたりしている。
小さい子の世話に慣れているようだが、下にきょうだいがいたとは聞いていないし、以前話を聞いた集落で培った経験なのだろう。
「君、名前は?」
ディルクはしゃがんで女の子の目線を合わせ、優しく問いかける。
「ミ、ミーヤ……」
「ミーヤか。俺はディルクで、そっちのおねえさんがオフィーリアだ。それで、ミーヤはどこから来たんだ?」
「……ジュリー」
予想通り一番近い町だ。オフィーリアも商品を卸しによく行くから、知り合いの子かもしれないが、これくらいの歳頃でミーヤという名前の女の子に覚えはない。
ディルクが「知ってるか?」と目で問うてくるが、首を横に振る。
「そうか、遠いところよく来たな。もうすぐ温かいお茶と甘いお菓子が出てくるから、それを食べたら、ゆっくり話を聞かせてくれ」
頭を撫でられた女の子はコクンとうなずき、床につかない足をブラブラ揺らしながら、自分のつま先を見つめている。冴えない顔色は疲労だけではないだろうが、まずは疲れを癒すことが先決だ。
ハチミツを多めに入れたハーブティーと、皿に持ったクッキーをテーブルに置き、オフィーリアも膝を折って彼女と目線を合わせ、安心させるように微笑んだ。
「どうぞ。お茶は熱いから気をつけて。もっと甘いのがよかったらハチミツを用意するから、遠慮なく言ってね」
「ありがとう……」
ミーヤは小さな手でカップを包むように持ち、一生懸命フーフー冷まして一口飲むと、目を丸くした。
「おいしい」
そう言って何口か続けて飲み、一旦カップを置いてクッキーを手に取る。宝石がはめ込まれたブローチにも似た色形に目を輝かせ、小さな口でサクサクとかじる。
可愛い。
ぬいぐるみサイズのディルクも可愛いが、それとはまた別の守ってあげたくなるような可愛さだ。妹がいたらこんな感じなのだろうか。
それから黙々とお茶とクッキーを交互に口に入れ、人心地ついて少し顔色の良くなったミーヤは、ふっくらとした頬にえくぼを浮かべて「ごちそうさまでした」と言った。
「ふふ、お粗末様でした。お代わりはいる?」
「ううん、だいじょうぶです」
「そう。じゃあ、ゆっくりでいから、お話を聞かせてもらえるかしら?」
オフィーリアはミーヤの隣に座り、ディルクも椅子を近くに持ってきて座る。
ミーヤは二人をチラチラ窺いつつ、つたない言葉で話し出した。
「パパもママも、おかぜでねてるの。あたしはげんきだから、おくすりかいにいったんだけど、おかねがたりないって、おみせのひとにいわれたの……」
「いくら持って行ったの?」
オフィーリアの問いに、ミーヤは首から下げていたがま口を取り出し、テーブルの上に銅貨をジャラジャラと出した。ざっと数えて十枚あるかないか。
確かにこれでは普通の薬を一人分だって買えない。
身なりは悪くないから貧民ということもなさそうだし、きっとミーヤ自身のお小遣いを引っ張り出してきたのだろう。
「あの……それでね。おみせのひとに『どこにいったらかえますか』ってきいたら、『まじょのさとにいったらいい』っていわれて……」
おそらく店の人間はミーヤを適当にあしらうために言っただけで、幼い子供がそれを真に受けてしまうとまでは思わなかっただろう。
杜撰な対応に腹が立つが、それより今は話を聞く方が先決だ。
「それで、ここまで歩いてきたの? 一人で?」
「ううん。とちゅうまで、おじさんののってた、おうまさんにのせてもらった」
おそらく旅人か行商人が手助けしてくれたのだろう。そうでなければ、道も分からず迷子になっていたに違いない。
どうせならここまで連れてきてくれればいいものを。
しかし、相手が善人でなければ今頃どこかに売られてしまっていたかもしれない。とにかく幼い子供に何事もなくてよかったのは幸いだった。
住まいが変わったことと、工房を借りるために実家を往復しなくなったこと以外、取り立てて変わったことはないが……冬に近づき寒くなるにつれ、町では風邪が流行るようになっていた。
魔女は魔力のおかげで基礎的な免疫力が高いし、マナの満ちた場所では病気も広がりにくいから、里では風邪を引くのは片手で足りる人数だし、みんな軽症で済む。
落ちこぼれだったオフィーリアだって、軽い風邪は引いたことはあるが、寝込んだことなんか一度もない。
先日の一件は別にして。
「ハーブティーだけじゃなく、風邪薬も作るべきかしら……」
リビングのテーブルで注文書の束を広げながら、オフィーリアはつぶやく。
風邪予防や初期症状に効く“魔女のハーブティー”の注文が、ここ数日で殺到している。
魔女としての手腕が認められているのは嬉しいが、これだけの人が風邪を恐れているのだったら、できることはなんでもやるべきではないかと思う。
しかし、横で聞いていたディルクは「どうだろう」と懐疑的だ。
「薬は他の魔女に任せて、君は君にしかできないことをした方がいいと思う。あれもこれもと欲張ると、結局どれもうまくいかなくて失敗するぞ」
「うーん、やっぱりそうよね……」
もっともな意見にうなずきつつも、無理のない範囲でできることはないかと考えていると、玄関の戸を叩く音が聞こえた。特に今日は来客の予定もないし、配達もすべて終わっている。
「俺が出る」
腰を浮かそうとしたオフィーリアを制してディルクが玄関を開けると、小さな女の子がおぼつかない足取りで立っているのが見えた。
魔力は感じないから、魔女ではないし使い魔でもない。
となると、普通の子供なのだろうが……見たところ六、七歳だし、一番近い町から来たのだろうが、幼い足で気軽に来れるような距離ではない。フラフラしていて当然だ。
「あ、あの……」
「ほら、まずは中に入れ。オフィーリア」
立っているのもやっとの女の子を片腕で抱き上げ、こちらを振り返るディルクにうなずき返し、温かいハーブティーを淹れる準備をした。
戸棚を開けて缶に仕舞ってあったジャムクッキーを出し、お茶に入れるハチミツも用意する。
キッチンで湯を沸かすオフィーリアの後ろで、ディルクが女の子を椅子に座らせ、上着を脱がせたり水の張った桶で手を洗わせたりしている。
小さい子の世話に慣れているようだが、下にきょうだいがいたとは聞いていないし、以前話を聞いた集落で培った経験なのだろう。
「君、名前は?」
ディルクはしゃがんで女の子の目線を合わせ、優しく問いかける。
「ミ、ミーヤ……」
「ミーヤか。俺はディルクで、そっちのおねえさんがオフィーリアだ。それで、ミーヤはどこから来たんだ?」
「……ジュリー」
予想通り一番近い町だ。オフィーリアも商品を卸しによく行くから、知り合いの子かもしれないが、これくらいの歳頃でミーヤという名前の女の子に覚えはない。
ディルクが「知ってるか?」と目で問うてくるが、首を横に振る。
「そうか、遠いところよく来たな。もうすぐ温かいお茶と甘いお菓子が出てくるから、それを食べたら、ゆっくり話を聞かせてくれ」
頭を撫でられた女の子はコクンとうなずき、床につかない足をブラブラ揺らしながら、自分のつま先を見つめている。冴えない顔色は疲労だけではないだろうが、まずは疲れを癒すことが先決だ。
ハチミツを多めに入れたハーブティーと、皿に持ったクッキーをテーブルに置き、オフィーリアも膝を折って彼女と目線を合わせ、安心させるように微笑んだ。
「どうぞ。お茶は熱いから気をつけて。もっと甘いのがよかったらハチミツを用意するから、遠慮なく言ってね」
「ありがとう……」
ミーヤは小さな手でカップを包むように持ち、一生懸命フーフー冷まして一口飲むと、目を丸くした。
「おいしい」
そう言って何口か続けて飲み、一旦カップを置いてクッキーを手に取る。宝石がはめ込まれたブローチにも似た色形に目を輝かせ、小さな口でサクサクとかじる。
可愛い。
ぬいぐるみサイズのディルクも可愛いが、それとはまた別の守ってあげたくなるような可愛さだ。妹がいたらこんな感じなのだろうか。
それから黙々とお茶とクッキーを交互に口に入れ、人心地ついて少し顔色の良くなったミーヤは、ふっくらとした頬にえくぼを浮かべて「ごちそうさまでした」と言った。
「ふふ、お粗末様でした。お代わりはいる?」
「ううん、だいじょうぶです」
「そう。じゃあ、ゆっくりでいから、お話を聞かせてもらえるかしら?」
オフィーリアはミーヤの隣に座り、ディルクも椅子を近くに持ってきて座る。
ミーヤは二人をチラチラ窺いつつ、つたない言葉で話し出した。
「パパもママも、おかぜでねてるの。あたしはげんきだから、おくすりかいにいったんだけど、おかねがたりないって、おみせのひとにいわれたの……」
「いくら持って行ったの?」
オフィーリアの問いに、ミーヤは首から下げていたがま口を取り出し、テーブルの上に銅貨をジャラジャラと出した。ざっと数えて十枚あるかないか。
確かにこれでは普通の薬を一人分だって買えない。
身なりは悪くないから貧民ということもなさそうだし、きっとミーヤ自身のお小遣いを引っ張り出してきたのだろう。
「あの……それでね。おみせのひとに『どこにいったらかえますか』ってきいたら、『まじょのさとにいったらいい』っていわれて……」
おそらく店の人間はミーヤを適当にあしらうために言っただけで、幼い子供がそれを真に受けてしまうとまでは思わなかっただろう。
杜撰な対応に腹が立つが、それより今は話を聞く方が先決だ。
「それで、ここまで歩いてきたの? 一人で?」
「ううん。とちゅうまで、おじさんののってた、おうまさんにのせてもらった」
おそらく旅人か行商人が手助けしてくれたのだろう。そうでなければ、道も分からず迷子になっていたに違いない。
どうせならここまで連れてきてくれればいいものを。
しかし、相手が善人でなければ今頃どこかに売られてしまっていたかもしれない。とにかく幼い子供に何事もなくてよかったのは幸いだった。
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