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夏休み 3
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トマトのおやつタイムから戻って合流した俺たちは、収穫した野菜を抱え家へと向かった。
クーラーをきかせた家の中から、母さんが笑顔で出迎える。
醤油の焦げるこうばしい香りが鼻をくすぐる。
「いつもありがとう!暑かったでしょ?さぁ、入って入って!今ジュース入れるね。」
母さんが、少し膨らんできたお腹をなでながら、用意しておいたコップになみなみと山吹色のジュースをそそいでいく。
お腹の中には、新しい俺の家族がいるのだ。
「こんにちは。お世話になります。」
「よろしくお願いしまーす!」
「お世話になります。」
土間に野菜のかごをおき、順にリビングに上がる。
勝の脱ぎ散らかした靴をきちん並べた都古が最後に席につくと、勝が「サンキュー!」といいながら親指をたてウインクした。
お決まりのパターンだ。
「いただきます!」
俺たちは喉をならして、あっという間にジュースを飲みほす。
「っかー!生き返るぜ!」
母さんお手製のドリンクは、俺が言うのもなんだが、フルーティーでとろりとこくがあるのに、とても爽やかなのど越しの絶品だ。
母さんが、空になった4人のコップに、並々とおかわりをそそいでいく。
「いっぱいつくったから、どんどん飲んでね。」
おかわりのジュースもあっという間に飲み干した俺たちは、昼ご飯の手伝いに入った。
またたく間に、食卓がつやつやのたきたてご飯や、ボワンと湯気をたてるおかずの山でうめつくされていく。
最後に熱々の味噌汁を配り終えると、全員席に着き、はしを手にとった。
「いただきまーす!」
「母ちゃん。きゅうりはこのまんまでよかったのか?」
大皿にそのままの姿で積み上げられたきゅうりの山に目をとめ、俺は苦笑いしながら母さんに声をかけた。
「あら。きゅうりはこのままミソをつけて丸かじりするのが、一番贅沢な食べ方なのよ。」
そう言って豪快にきゅうりにかぶりつき、いたずらっぽく笑う母さんに、俺も笑顔を返す。
母さんの料理は少し個性的で、素材がほとんどそのままの姿で出てくることが多々ある。
現にテーブルの上は、みずみずしいきゅうりやまるまんまの姿でこんがり焼き上げられたピーマンが、皿の上で「どうだ!」といわんばかりに積み上げられていた。
見た目は賛否あるが、これが不思議とうまいのだ。
「俺、真也の母ちゃんの飯すげえ好き。まじでうまい。」
称賛しながら、勝は『ジャガイモとトマトのトロトロオムレツ』をたっぷりのせた炊き立て飯を目をキラッキラさせてかきこんでいる。
「私も大好きだ。」
都古が三本目のきゅうりをパリパリかじっている隣で、光弘はお気に入りの『きゅうりの味噌汁』を口にしながら、無言でうなずいている。
あきれるほどの勢いで姿をくずしていく料理の山を前に、母さんは嬉しそうに目を細めた。
「おう!みんなそろってたか。」
皿が半分以上空になった時だった。
スイカの収穫に出ていた父さんが帰って来た。
「真也、悪いっ。飯食い終わってからでいいから、ちょっとだけこっち手伝えるか。」
「オッケー。今食い終わったとこだから、すぐ行ける。」
「俺も手伝えるぞ。」
「私たちもだ。」
「助かる。みんなありがとなっ。」
父の後に続いて、俺と勝が外に出る。
都古と光弘は、みんなの食器を素早くまとめて台所へ運び、2人で連れだって外へ出てきた。
クーラーをきかせた家の中から、母さんが笑顔で出迎える。
醤油の焦げるこうばしい香りが鼻をくすぐる。
「いつもありがとう!暑かったでしょ?さぁ、入って入って!今ジュース入れるね。」
母さんが、少し膨らんできたお腹をなでながら、用意しておいたコップになみなみと山吹色のジュースをそそいでいく。
お腹の中には、新しい俺の家族がいるのだ。
「こんにちは。お世話になります。」
「よろしくお願いしまーす!」
「お世話になります。」
土間に野菜のかごをおき、順にリビングに上がる。
勝の脱ぎ散らかした靴をきちん並べた都古が最後に席につくと、勝が「サンキュー!」といいながら親指をたてウインクした。
お決まりのパターンだ。
「いただきます!」
俺たちは喉をならして、あっという間にジュースを飲みほす。
「っかー!生き返るぜ!」
母さんお手製のドリンクは、俺が言うのもなんだが、フルーティーでとろりとこくがあるのに、とても爽やかなのど越しの絶品だ。
母さんが、空になった4人のコップに、並々とおかわりをそそいでいく。
「いっぱいつくったから、どんどん飲んでね。」
おかわりのジュースもあっという間に飲み干した俺たちは、昼ご飯の手伝いに入った。
またたく間に、食卓がつやつやのたきたてご飯や、ボワンと湯気をたてるおかずの山でうめつくされていく。
最後に熱々の味噌汁を配り終えると、全員席に着き、はしを手にとった。
「いただきまーす!」
「母ちゃん。きゅうりはこのまんまでよかったのか?」
大皿にそのままの姿で積み上げられたきゅうりの山に目をとめ、俺は苦笑いしながら母さんに声をかけた。
「あら。きゅうりはこのままミソをつけて丸かじりするのが、一番贅沢な食べ方なのよ。」
そう言って豪快にきゅうりにかぶりつき、いたずらっぽく笑う母さんに、俺も笑顔を返す。
母さんの料理は少し個性的で、素材がほとんどそのままの姿で出てくることが多々ある。
現にテーブルの上は、みずみずしいきゅうりやまるまんまの姿でこんがり焼き上げられたピーマンが、皿の上で「どうだ!」といわんばかりに積み上げられていた。
見た目は賛否あるが、これが不思議とうまいのだ。
「俺、真也の母ちゃんの飯すげえ好き。まじでうまい。」
称賛しながら、勝は『ジャガイモとトマトのトロトロオムレツ』をたっぷりのせた炊き立て飯を目をキラッキラさせてかきこんでいる。
「私も大好きだ。」
都古が三本目のきゅうりをパリパリかじっている隣で、光弘はお気に入りの『きゅうりの味噌汁』を口にしながら、無言でうなずいている。
あきれるほどの勢いで姿をくずしていく料理の山を前に、母さんは嬉しそうに目を細めた。
「おう!みんなそろってたか。」
皿が半分以上空になった時だった。
スイカの収穫に出ていた父さんが帰って来た。
「真也、悪いっ。飯食い終わってからでいいから、ちょっとだけこっち手伝えるか。」
「オッケー。今食い終わったとこだから、すぐ行ける。」
「俺も手伝えるぞ。」
「私たちもだ。」
「助かる。みんなありがとなっ。」
父の後に続いて、俺と勝が外に出る。
都古と光弘は、みんなの食器を素早くまとめて台所へ運び、2人で連れだって外へ出てきた。
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