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112話 最後の復讐②
「ーーっ」
私が妊娠したと聞いて、顔色が急に悪くなりましたね、エレノア。そう、貴女には、私が妊娠出来ると知られれば、不都合な真実がある。
「皆様には、私が子供が出来ないハズレ嫁扱いされていたので、きちんとお話しておかないと、と思ったんです。私は、子供が出来る体だったんです。なのに、私はカインとの結婚生活で3年間、子供が出来なかったんです」
ストレスやタイミング……色々要因はあると思うけど、私達に子供ができなかったのは、別の可能性だってある。
「それって、子供が出来なかったのは、私じゃなくて、カインが原因だったんじゃない?」
本当に子供が出来なかったのはーーー不妊だったのは、カインの方。
「な、何言ってるんだよ!僕だって、子供が出来たじゃないか!僕に子供が出来ないなんて、ある訳ないだろう!」
「……そうね、貴方には、エレノアとの間に子供が出来たものね」
「そうだよ!ね、エレノア?」
「……っ」
何も答えられないですよね。だって、エレノアには、思い当たる節があるもの。
いつものように嘘をつく?でも、私の自信満々な態度に、もう真実がバレているような気がして、何も言えなくなった?追い詰められているエレノアの顔も、不幸が滲み出て、とても好きよ。
「ああ!そう言えばエレノア。私、この前とても興味深い人にお会いしたのよ。何でも、貴女の妊娠が発覚した辺りに、貴女とお付き合いしていた人なんだけどーー」
「もう止めてよ!!!」
私の言葉を遮るように、大きな声で叫ぶエレノア。
「何なのよ……昔の男関係なんて持ち出して!そんなの、今、関係無いじゃない!」
「関係無くはないでしょう?子供の本当の父親なんだから」
「本当のーー父親?」
「っ!」
戸惑いを見せるカインに、明らかに動揺していると分かるエレノア。
そう、エレノアの子供は、カインの子供じゃなかった。私達の予想は、見事に当たっていた。
エレノアは、妊娠発覚当時も、男遊びを繰り返していた。その中でも、子供の本当の父親はエレノア好みの顔をしていたらしく、エレノアのお気に入りだった。でも、彼は爵位を持たない、ただの平民だった。
「私が会いに行ったら、とても驚いていたわ。エレノアが貴族のお嬢様だったって知らなかったみたい。子供が出来たのは知っていたけど、何も言わずにいなくなってしまったって。今は別の女性と結婚して、幸せに暮らしていたわ」
淡々と事実を話す私。
話せば話すほど、エレノアの周りにいる人達の顔色が、悪くなる。
「エレノア……う、嘘だよね?」
「……」
「エレノア!まさか、ルエルの言っていることは本当なのか?!」
カインの問い掛けに何も答えないエレノアに、お父様が机を叩きつけながら、立ち上がった。
姉の旦那を奪いとっただけでも、クリプト伯爵家の名誉を傷付けるのに十分なのに、さらには、子供は別の男の子供で、托卵した。なんて、不名誉もいいところ。
クリプト伯爵家を大切にしているお父様が怒るのも無理は無い。
「だーーだって、しょうがないじゃない!カイン様との子供が欲しかったけど、中々出来なかったから!だから、別の男に頼んだのよ!」
手っ取り早く、姉の私から夫を奪う為に、子供を必要とした。
「このっ!恥知らずが!お前など、もうクリプト伯爵家の娘では無い!」
「酷い!何でそんなこと言うのよ!」
激高するお父様。これで、エレノアは完璧にクリプト伯爵家には戻れなくなりましたね。でもお父様。もう1人、忘れていますよ。私が妊娠したと聞いて、エレノア以外に、明らかに顔色が悪くなった人物ーー。
「エレノアの子供がカイン以外の男の子供だと、お母様はご存知でしたよね?」
「あ…あ…!」
誰よりも何よりも、エレノアの味方のお母様。
「お前ーーまさか?!知っていて黙っていたのか!知っていて、ルエルから旦那を奪わせ、別の男の子供を育てさせたのか!」
「……だ、だって……エレノアちゃんが……」
言い訳の仕方までそっくり。
良かったですね、お母様の唯一の子供であるエレノアが、お母様によく似ていて。
「あのままだと、エレノアちゃんが、どこの馬の骨か分からない、ただの男と結婚してしまうのよ?!そんなの認められるわけないじゃない…!私の可愛い子供なのよ!?」
だから、私は不幸になってもいいと?本当……ここまで愛されていないと、いっそ清々しいですね。
「なんて馬鹿な事をーーー信じられない!」
お父様は、自分の妻と娘の、有り得ない非常識な行動に、頭を抱えた。そしてーーー
「家を出て行け……お前とは離婚する」
「待って!それだけは止めて!お願いよ!私、貴方に捨てられてしまったら、これから先、どうやって生きていけばいいかーー!!」
お母様に、離婚を突き付けた。
お母様が何よりも嫌がる、お父様との離婚。ずっと働いたことの無いお母様。実家はもう、叔父夫婦が受け継いでいて、戻れないでしょうね。
「黙れ!お前は母親失格だ!!ーーーそして、私も、父親失格だ……!こんな事になるまで……何も気付かず、放置していたのだからな……」
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