とある学者の魔法に関する考察

本編

資料内容①

FWCにおける魔法に関する考察
20XX年X月X日
△△大学工学部情報工学科
○○○・○○○○

1，はじめに
近年，テレビゲームにおいて情報創世学によるRWC(Real World Construction)
を応用し，物語の舞台となる架空の世界が構築されている．
これはRWCと対比してFWC(Fantasy World Construction)と呼ばれる．
そして，多くのファンタジー世界では，
魔法はその重要な要素として扱われている．
それにもかかわらず，魔法は魔力を対価として起こす現象という認識でしかなく，深く考えられず，ファンタジー世界に導入されている．
そこで，本資料では，改めて魔法と魔力について考察する．
そして，その結果，FWCに魔法を導入する上で必要な設定を
既存のファンタジー作品の定番設定から抽出し，まとめることを目的とする．
また，考察内容は，まず，魔法を使う上で必要となる
魔力とは何なのかについて考えるところから始める．
そして，魔力をどのように扱うことで魔法を使えるのかについて考える．
その後，ファンタジー世界の生物が体内でどのように
魔力を扱っているのかを考える．
最後に，ここまでの考えを基にしたファンタジー世界の設定を例示する．

2，前提
2.1，世界観
考察する上でまずは，既存のファンタジー作品において共通とも言える設定を基に本資料におけるファンタジー世界を定義する．
本世界はいわゆる剣と魔法の世界である．
そして，人間，動物，および植物といった全ての生命は魔力を内包し，
生命活動に欠かせないものとなっている．
つまり，魔力の枯渇した生命は死に至る．
また，ファンタジー世界にしばしば登場するエルフやドワーフといった
架空の生き物も存在する．
さらに，作品によって，魔物やモンスターと呼ばれ，
高い魔力を持つ強力で凶暴な生物が存在する．
以上が本資料におけるファンタジー世界の基本的な設定である．

2.2，単語定義
また，ファンタジー世界を扱う上で通常と
意味合いの異なる言葉について言及しておく．
ファンタジー世界には，人間の他にも
エルフのような言葉を話す知能の高い生物がいる．
そこで，そういった知能の高い生き物を総称し，人間と呼ぶことにする．
そして，現実世界の人間のみを指す場合は，ヒトと呼ぶ．
また，本資料では，ヒトとエルフのような区分を指して人種とする．

この前提を基に次章から考察を行う．