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四話
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紛れもない汗の匂い。
それがなぜ、ユナの――妹のものだというだけで、狂おしいほどに愛おしい。
右に左に、執拗に両腋への愛撫を続ける兄に、ユナも次第に笑顔を消した。
嫌なのではない。むしろ、逆。本当に切実に自分を求めている『男』の姿を、まだ少女といえる『女』の感性が感じ取ってしまったのだ。
おにいちゃんも、寂しいんだ。
怖いんだ。
そう気づいたら、自分で出来ることならば、なんでもしてあげようと思った。
「ねえ……」
布団の中を覗き込み、転がっているペンライトを手にする。
おにいちゃんの顔を照らすと、充血した両眼が、ぎょろりと見詰めた。
「おにいちゃん……逆さまになって」
自分も布団の中へ滑り込み、おにいちゃんのパジャマを脱がせながら態勢を入れ替える。自分の指先でパジャマを脱がせてあげるなんて初めてのことだった。脱がせてもらうばっかりで、慰めてもらうばっかりで。
考えると、いつだってそうだった。
自分が上になる姿勢をとったのも初めて。
上下も逆。おにいちゃんの裸になった脚の間に光を当てると、いきり立つ――
「わぁ……」
思わず、無邪気な驚きの声を漏らしてしまう。
いちもの夜はライトが自分の手にないことが常なので、触ったこともあるし、舐めたこともあるけれど、はっきりと見たことはなかった――最大限に勃起しているそれは、実際に目の当たりにすると鬼気迫る迫力がある。
初対面のユナにとってそいつは実に衝撃的な面持ちで、触れることさえためらってしまう。
兄はといえば、ためらわない。
おいはぎでもしているみたいに、実の妹の下半身を毟りにかかっていた。脚に絡まってなかなか脱がすことの出来ないパジャマに苛立った声を上げつつ、それでもなんとか剥ぎ取ると、ぴっちりとしたパンツのゴムをこれでもかと言うほど強く引っ張って、ゴムを伸び切らせる。
「あぁぃ、いたいよぉ」
布団の中から聞こえる、くぐもった声になど、耳もかさない。
だらりと緩んだパンツを取り去って、むっちりとした太腿と太腿の真ん中に顔を埋めた。
「……はぁ……ぁぁぁあ」
兄は大きく息をついた。
鼻先どころか両頬まで濡らすほど、すでにそこは濡れ溢れている。
腋の下など比べようもない、生々しく重たい愛液の――ユナの匂いが充満している。
欲情した、動物の匂い。
ささやかで可憐な石鹸の香りなどで隠すべくもない、生きる人間の匂い。
生きてるんだ――僕も、ユナも。
たまらなく青臭いうえに陳腐なセリフだったけれど、思ったら、泣けてきた。
少女の柔らかくも張りのある尻肉に爪を立て、匂いの中心を押し開き、さらに溢れ出す匂いを頼りに、暗闇の中で舌を伸ばす。
なんで僕は泣いているんだろうと思いながらも、欲求のままに舌先を伸ばし、妹の秘裂を舐めた。
「ん、ふぁ……ぁぁ……」
ぷっくりとした無毛の恥丘までたれた蜜液を舌ですくうと、ユナは声を上げ、下半身を緊張させる。
「おいしいよ……ユナ」
聞こえるはずもない小声で呟いて、兄は包皮に包まれた妹の淫芽に口づけした。そして前歯の先で、軽く挟むようにして、噛む。
「ひぁ……ぁ……あぁっぅ!」
耐えられない快感に呻いたユナの声は、しかし被った布団に吸収され、さほど大きく聞こえはしない。
兄はその声を聞いて満足気に笑い、泣いていたことも忘れて再び舌先を伸ばしにかかった。
発毛もなければ、歪みもない。彫刻のように整った少女の秘裂は充血して口を開き、とろりとした粘液がさらに滑りをよくしている。
そこに差し出された少年の舌先は、触れたと同時に、吸い込まれるように蜜壺の中へと落ちていった。熱い肉の隙間に差し込めるだけ深く舌を滑り込ませると、蜜液を掻き出し、音をたててすする。
それがなぜ、ユナの――妹のものだというだけで、狂おしいほどに愛おしい。
右に左に、執拗に両腋への愛撫を続ける兄に、ユナも次第に笑顔を消した。
嫌なのではない。むしろ、逆。本当に切実に自分を求めている『男』の姿を、まだ少女といえる『女』の感性が感じ取ってしまったのだ。
おにいちゃんも、寂しいんだ。
怖いんだ。
そう気づいたら、自分で出来ることならば、なんでもしてあげようと思った。
「ねえ……」
布団の中を覗き込み、転がっているペンライトを手にする。
おにいちゃんの顔を照らすと、充血した両眼が、ぎょろりと見詰めた。
「おにいちゃん……逆さまになって」
自分も布団の中へ滑り込み、おにいちゃんのパジャマを脱がせながら態勢を入れ替える。自分の指先でパジャマを脱がせてあげるなんて初めてのことだった。脱がせてもらうばっかりで、慰めてもらうばっかりで。
考えると、いつだってそうだった。
自分が上になる姿勢をとったのも初めて。
上下も逆。おにいちゃんの裸になった脚の間に光を当てると、いきり立つ――
「わぁ……」
思わず、無邪気な驚きの声を漏らしてしまう。
いちもの夜はライトが自分の手にないことが常なので、触ったこともあるし、舐めたこともあるけれど、はっきりと見たことはなかった――最大限に勃起しているそれは、実際に目の当たりにすると鬼気迫る迫力がある。
初対面のユナにとってそいつは実に衝撃的な面持ちで、触れることさえためらってしまう。
兄はといえば、ためらわない。
おいはぎでもしているみたいに、実の妹の下半身を毟りにかかっていた。脚に絡まってなかなか脱がすことの出来ないパジャマに苛立った声を上げつつ、それでもなんとか剥ぎ取ると、ぴっちりとしたパンツのゴムをこれでもかと言うほど強く引っ張って、ゴムを伸び切らせる。
「あぁぃ、いたいよぉ」
布団の中から聞こえる、くぐもった声になど、耳もかさない。
だらりと緩んだパンツを取り去って、むっちりとした太腿と太腿の真ん中に顔を埋めた。
「……はぁ……ぁぁぁあ」
兄は大きく息をついた。
鼻先どころか両頬まで濡らすほど、すでにそこは濡れ溢れている。
腋の下など比べようもない、生々しく重たい愛液の――ユナの匂いが充満している。
欲情した、動物の匂い。
ささやかで可憐な石鹸の香りなどで隠すべくもない、生きる人間の匂い。
生きてるんだ――僕も、ユナも。
たまらなく青臭いうえに陳腐なセリフだったけれど、思ったら、泣けてきた。
少女の柔らかくも張りのある尻肉に爪を立て、匂いの中心を押し開き、さらに溢れ出す匂いを頼りに、暗闇の中で舌を伸ばす。
なんで僕は泣いているんだろうと思いながらも、欲求のままに舌先を伸ばし、妹の秘裂を舐めた。
「ん、ふぁ……ぁぁ……」
ぷっくりとした無毛の恥丘までたれた蜜液を舌ですくうと、ユナは声を上げ、下半身を緊張させる。
「おいしいよ……ユナ」
聞こえるはずもない小声で呟いて、兄は包皮に包まれた妹の淫芽に口づけした。そして前歯の先で、軽く挟むようにして、噛む。
「ひぁ……ぁ……あぁっぅ!」
耐えられない快感に呻いたユナの声は、しかし被った布団に吸収され、さほど大きく聞こえはしない。
兄はその声を聞いて満足気に笑い、泣いていたことも忘れて再び舌先を伸ばしにかかった。
発毛もなければ、歪みもない。彫刻のように整った少女の秘裂は充血して口を開き、とろりとした粘液がさらに滑りをよくしている。
そこに差し出された少年の舌先は、触れたと同時に、吸い込まれるように蜜壺の中へと落ちていった。熱い肉の隙間に差し込めるだけ深く舌を滑り込ませると、蜜液を掻き出し、音をたててすする。
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