少女の失楽園

こたつみかん

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三話

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 アヤノの母、ミキがサイトウの経営する出版編集プロダクションに勤めるようになって、かれこれ10年になる。

 未婚の母のままアヤノを産むまで、大手出版社に勤めていたミキが、子供ある程度手が掛からなくなったところで、旧知のサイトウを頼って来たのがきかっけだった。

 編プロと言えば聞こえがいいが、大手企業や政治団体などの回りを嗅ぎ回り、スキャンダルや不祥事を記事にして、出版を認めるか、それ相当の金額で記事を買い取るかと凄んだり、上場企業の中枢部の人間の弱みを握り、その相手から株価を左右するような最新情報を聞き出し、投資家向けに売るといった荒っぽい商売しかしていなかった彼の会社が、グルメブームや温泉ブームに助けられたとは言え、旅雑誌の編集を手掛けてそこそこ成功を収められたのは、ひとえにミキの参入によるものだった。
 大手銀行や証券会社の幹部が次々に逮捕され、総会屋に対する締め付けが急激に激しくなった昨今、ミキがパートナーになっていなければ、サイトウの事務所など、とっくの昔に消滅していただろう。

 しかし、旅雑誌の編集者である以上、ミキは最低でも月に一回は2日から4日の取材旅行に出かけなければならない。
 その留守の間、娘のアヤノはサイトウのマンションに世話になることになっている。
 
 パートナーを組んで間もない頃、何度かオフィスでサイトウと顔をあわせた時、人見知りしがちなアヤノが珍しくすぐになついたことから、そういう関係が自然に出来上がっていた。

 初めてアヤノが彼のマンションに泊まったのは6歳、小学1年生の時だった。
 そして、彼女はその時には、もう、オナニーの快感に目覚めていた。もっとも、彼女の中には性的な意味は全くなく、ただ、単純にそこを触れば気持ちがいいということにすぎなかった。
 
 そして、本能的にサイトウがその行為をとがめようとしないことも、すぐに見抜いていた。

 一方のサイトウは、まだ小学生になったばかりの子供が、成人女性さながらに股間を無心でまさぐる姿を目にして、驚きの中にも異様な興奮を覚えていた。

 しかし、そうは言っても、サイトウとしてはあくまでもその様子を眺めるだけで、行動はおろか、そのことを話題にすることさえしなかった。

 仕事上のパートナーとしてのミキを失いたくなかったし、それ以上にその当時のアヤノは、強く抱き締めるだけで壊れてしまいそうないたいけさがあった。

 それでも、一歩ずつ、2人の関係は発展していった。
 たとえば、入浴の時。身体を洗ってやりながらさりげなく丹念にスリットに触れてみたことがあった。その時、アヤノはいやがらなかっただけでなく、うっとりと目を閉じ、彼にされるがままになっていた。

 その後、シャワーで石鹸を流す時、スリットに集中的に当ててやると、彼女はくぐもった笑い声をあげながらシャワーをもぎ取り、自分で同じことを始めたのだ。

「アヤノちゃん、もう、石鹸残ってないよ……」

 そう声を掛けるのに多少の勇気が必要だったサイトウとは対照的に、少女はまるで、彼のそんな問い掛けを待っていたかのようなリアクションを返して来た。

「いいのォ。アヤノ、これ好きなんだもん。あのね、こうやって、ギュッとつけちゃうとくすぐったくて、オシッコ出ちゃいそうになってくるんだよ……」

 まるで自慢でもしているようにプラスチックの腰掛けに座り込んだ込んだ少女は、脚を大きく広げるとスリットにシャワーノズルを押し当てて見せた。

 バスタブに身を沈めた彼は、年甲斐もなくシャフトがムクムクと顔をもたげるのを抑えきれなかった。
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