冥王さま、異世界に憧れる。~現地の神からいきなり貰った勇者スキルが全く使えない冥王とその妻は破壊神!?~

なまけものなのな

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聖国と帝国と金色の勇者

冥王、妬まれる神もツラい。金色の勇者の悪巧み。

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 見送るコベソ達を後に俺達は、フェルトの先導で城の裏口があるという森に向かう事に。
 この街を出る為に衛兵が守る門の目前でフェルトは、進行方向を切り替える。
 その門で冒険者らしき人物が、衛兵と口論している中、その横を馬車や背負子を背負った一般人に付き添うように歩く冒険者は、軽く挨拶して通っている。

「あのーっ。一旦、冒険者ギルドに寄っておきましょう」

 笑顔で俺達に伝えてくるフェルトに賛同するペルセポネは、目を輝かせている。

――――ここもやはり、白……だな。

 冒険者ギルドの建物は、白い塗装たが、中に入ると他の所と大差ない作りの冒険者ギルドだ。
 フェルトと共にペルセポネにミミンは、依頼書が貼られている壁を見回している。
 俺は、近くにあるテーブルに肘を着き椅子に座り依頼書をみる三人を眺める。

「むー、フェルトぉっ。 依頼見てどぉするの?」
「ほら、あの森に行くのに、何も用が無ければ衛兵に変な勘繰りをされそうですわ」
「む、依頼があればぁ」
「これなんかどう?」

 ペルセポネが、一枚の依頼書を指さす。
 書かれている依頼内容の文字を目で追うフェルトにミミン。

「これは、状況的にキツいのではないでしょうか?」
「単なる森にいる魔物討伐だけど」
「私とミミンもランクBですけけど……。 うーん、この依頼、受けれるかどうか分かりませんわ」
「私が受ければ問題ない」

 ペルセポネは、その言葉を発しながら壁に貼られている依頼書を剥がし、そのままカウンターへ持っていく。
 受付嬢が、その依頼書を顔に近づけて目で文字を読むと、ペルセポネの顔を何度も見直している。

「こちらで?」
「ええ、これで」
「本当に、こちらので?」
「ええ」

 恐る恐るペルセポネの顔を覗く受付嬢に笑顔で答えるペルセポネの口角が、ひくついてる。
 そして、緑色の石を取り出し受領の案内をしている。
 受領完了すると思ってなかった受付嬢は、驚愕な眼差しで固まっていたが、それすら気にしないようにペルセポネは、依頼書を掴み取りカウンターから離れる。
 フェルトは、ミミンと共にこの中にいる人と話をしていたが、ペルセポネの受付が終わった所で俺がいたところに戻ってくる。

「受付終わったわよ」
「森での依頼があって良かったわ」
「どんな、依頼受けたんだ?」
「これよ。 まさに私好みのっ」

 ペルセポネは、溢れんばかりの笑顔で受けた依頼書を俺に突きつけてくる。
 その依頼書の内容を目で読み終える俺は、少し沈黙する。

「それにしても、勇者召喚した国なのにこんな高ランクの依頼残ってたなんてラッキー」
「そ、そうですわ。 でもこの国にもペルセポネさんと同じランクAの冒険者がいるはずなんですが……」
「むーっ。 もしかしてあのデカデカと貼られたヤツじゃない!?」
「あれは」
「懸念してましたわ。 聖国と帝国の国境付近の街グランウェスにあるダンジョン……」

 その内容にざわめく冒険者達がいるが、俺がいる所からでもその内容が目に入る。

『グランウェスのダンジョンのドロップ品。引き取り額アップ』

――――ダンジョン。アテルレナスのダンジョンに入ったが、思ってたのと違ってたな。

「むーっ、フェルト違う。 そっちじゃなくて隣の」

 ミミンの言葉に、俺たちは大きな貼り紙の隣に目をやる。

『魔王現る。 帝国軍防戦、勇者キンジョウ様と共に戦う者集う……』

「という事は、あの金色のキンジョウという方。 魔王を倒したってことかしら」

 フェルトが、その貼り紙を眺めるようにしながら首を傾げるとミミンも同じように傾げた。
 俺たちの横を通り過ぎる冒険者達の話が耳に入る。

「勇者様なんで帰ってきたの?」
「なんでも帝国から魔族退けたとか。 魔王現れなかったとか……」

 すると、ペルセポネは、閃いた顔をする。

「ヤツらは魔王と戦えなくて帰ってきたって事ね」

――――その通りだ。彼らの言葉そのままだけどな。

「早くユカリとリフィーナを助け。 ここから出るほうが良いわ」
「むー。 そう思う」
「ええ、早くユカリとアホエルフ助けに」

 冒険者ギルドを後に俺たちは、その勢いで門に向かっていく。

「偉く真面目だなペルセポネ」
「ええ、当たり前じゃない。 魔王が居るってことは七色魔石は、健在。 今度こそ私の物にしてユカリの二つも私の物に」

 ペルセポネは、いやらしい含み笑いをしながら先行くフェルトとミミンの後について行く。
 その姿を見て俺は、少し頭を悩ませている。


 門に着くと衛兵に声を掛けられる。

「すまんが、冒険者なら護衛か?」
「いいえ、違いますわ」
「依頼もしくは、外での活動なら通行証を」

 事務的に受け答えする衛兵の通行証という言葉にフェルトは、少し悩んだ顔をするが、その目がペルセポネに向けられる。

「あぁ、依頼書と一緒に貰ったこれ?」

 ペルセポネは、微笑みながら長細い青い板をフェルトに見せると、何を勘違いしたか衛兵が顔を赤くする。

「入る時も必要ですので、無くさないようにしてくださいっ」
「あら、ありがとう」

――――ペルセポネの美貌にやれたなこの衛兵。当たり前だ。ペルセポネの笑顔は無敵なのは夫である俺がよく知っている。

 いつも通りの振る舞いをしようとする衛兵を他所に俺たちは、街の外に進む。

 だが、俺の後ろから視線と冷たい声。

 衛兵なのか街の人なのか『あんな美人三人も連れて、あの男けしからん』『美女揃いあの男羨ましいすぎる』『くそっ、黒服、魔物にやられろ』など耳に入る。

――――所詮、人間の戯言。妬むのもムリはない。

俺は、振り向く事すらせずそのまま外に向かう。


◆◆◆◆


 真っ白な壁に貼り付いた照明が、この城の中を更に明るくさせてている。そして、勇者キンジョウと賢者アオヤギは、真っ赤な絨毯が敷き詰められた廊下を歩き、自分たちの部屋へ向かっている。

「先輩、それにしてもアイツ『あのエルフ返してくれ』とは言いませんでしたね」
「あぁ、俺もそれが不思議だった。 あんなに執着してたのにな」
「執着が薄れたのかなぁ。 短期間だけと手元に無かったし」
「いや、あれは新しいのが手に入ったか。 これから入るかだな」
「はぁっ? それって」
「もし、入ってたらこの城の何処かに隠しているだろう」
「つまり、俺たちに自慢してこなかったって事は」
「これから手に入れるのか……」
「そぉっすよね。 俺達がこの世界にきて少したって自慢してきたッスからね」
「普通してこないだろ」
「それにしても転移時にあったあの神様も捨て難いって思っちゃいましたよ」
「あのスリットからはえる真っ白な足」
「さすが先輩。 そうぉそれっす。 それに開いた胸元も」
「でも襲ってたらここには居なかっただろうし。神に感謝だな、特別にスキルとや貰えたしな」
「拘束、服従、色情統制。 正にエロづくしのスキル」
「せっかくこの世界にいるんだ。 早く魔王とやらを倒し、好き勝手にやらせてもらう」
「ういっす。 やっちゃいましょう」

 勇者キンジョウと賢者アオヤギは、足を止め各々の部屋へと入っていった。
 そして、扉が閉まると直ぐに激しく悶える喘ぎ声が、廊下に響き渡る。
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