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聖国と帝国と金色の勇者
冥王、街から出ていく金色の勇者と迷子の猫獣人。
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俺達はグランセントの街に入りヒロックアクツ商事の支店へとたどり着く。
その支店の前でうろちょろと出っ張ったお腹を揺らしながら深刻な顔でいるコベソは、俺たちの姿を見るやお腹を揺らして近づいてくる。
「無事だったか! あぁ、無事でよかった」
「ええ、トラブルはありましたけど助けられましたわ」
「まぁ、今日はゆっくり休ん……。 なにか騒々しいな」
支店の中から慌ただしく駆け巡る足音と騒ぎ声を上げるトンドが、これまたお腹を揺らして血相を変えてやってくる。
「おいおい、ヤバい居ないぞっ」
「なに、誰が居ないって?」
「シャルルだっ。 あいつ昼に買い出しに出たきり帰ってきてない」
「はぁ? 夕方には戻ってこいと言ってたじゃねぇか」
「今、買い出しに行かせた取引先に訪ねに行って……」
誠実そうで体型は普通の男性従業員が、息を切らせてたどり着く。
「コベソさん、トンドさん。 向こうの相手方、昼には出てると」
「はぁ? あいつ寄り道してっていう時間じゃねぇぞ。 しかもアイツ、シャルルはルーズだがそこそこ時間守るぞ」
「そうだ。 これは、おかしい」
「あぁ」
首を傾げながら悩むコベソ。
トンドは、支店へと戻り従業員を呼んでいる声が届く。
「そのシャルルは、何処に?」
「猫系の獣人の、迷子になるとか?」
ユカリとリフィーナの問にコベソは、横に首を振る。
「いいや、迷子なんてこの街にかなり長く住んでいるからそれはないだろう。 それにアイツは危険を感知したり遠くを見ることができるとか言ってたからな」
「む、何かのスキル?」
「詳しくは聞いてないが、もし何かに巻き込まれてたらスキルではないだろうな」
「でも、それならこんなに遅くなるなんておかしいですわ」
コベソやユカリ達は、無言のまま立ち止まる。
ペルセポネが、ため息を吐くと俺は辺りを見渡して口を開く。
「危険でなはい何者かに連れられて行ったか。 それとも察知する前に捕まっか」
「そんな気しかしない。 こんな世界だし」
俺とペルセポネの言葉にハッとするコベソは、お腹を揺らしながら駆け足で支店に向かう。
その途中「少し休んでください」と伝えてそのまま中に消えていく。
支店の中に入り二階の部屋で俺達は、ソファに座るが、ユカリとリフィーナは、酷く疲れた様子もあり硬い床で布を敷いて横になり出す。
一階でドタバタと数人が駆け巡る足音が、聞こえて来る。
「多分ですわ。 ハーデスさんが仰っていた事が正解のような気がしますわ」
「むー。 あんな事があったからもしかしたら聖王絡みぃ?」
「それしか考えられない。 あの聖女が、追っ手を送らず私達を返した事が気になる」
「聖王や勇者キンジョウ達の秘密を知ってしまったんだ。 あの場で俺達とやり合う方がいいだろう」
「む、やり合っても向こうに勝ち目ないって言ってたよ聖女が」
「そこよ。 勝ち目無くても被害があれば勇者ユカリ一行がやらかしたと世間に広められるし。 ユカリ達が悪人にできる」
「そう、それもしない。 俺たちが聖王のしていた卑劣な事を口にしても良いと言わんばかりの行動。 聖女の冷静さ」
「そう言われれば気になりますわ」
俺は、フェルトの顔を睨む。
「ななんですか? ハーデスさん。険しい顔で」
「ハーデス。 フェルトの顔を見つめて何? いやらしい事でも」
俺よりも険しく鬼の形相以上の形相で睨むペルセポネ。だが、俺はそのまま口を開く。
「……フェルティエーゼ。 この名はなんだ?」
「……」
黙るフェルトに隣にいるミミンは、チラッとフェルトの顔を覗く。
「その名前、私も気になった。 フェルト何?」
「……」
「むー。 ハーデスさん、おねぇさま。 これは、聞かないで欲しいの」
「なんでミミンが代弁する? 言いたくなければ『言いたくない』って言えばいいのに」
「ペルセポネの言う通りだ。 帝国の名も出たからな薄々とわかる。 しかしそれと今、起きている事は関係なさそうだしな」
顔を隠すように悄げるフェルトの肩を抱き寄せるようにしているミミン。
「すみません。 答えるのが怖くて」
「良いわ。 ハーデスも言ってたけど、だいたい予想できそうだし」
――――現帝国が、聖国と同盟を結ぶ為の政略結婚だろう。だいたい聖王メイガザスからの話でわかっていた。
疲れきっていたユカリとリフィーナは、ぐっすりと寝てしまっている様だ。
そんな時、階段を駆け上がる音が高らかに響くと、勢いよく扉が開きコベソが、更に血相を変えて部屋に入る。
「やばいやばいっ。 シャルルが連れられてしまった」
この部屋に沈黙が流れる。
なんとも言えないコベソの暑苦しい圧に黙る俺たちに対し、コベソの喚き散らす程の大声を上げる。
「シャルルが連れられてしまったんだ」
「それは、分かってますわ。 でどこの誰にですか?」
「む、それ知りたい」
「兵士に連れられて言ったとか」
「それは確実なの?」
「うちの従業員の報告であった」
コベソの内容を聞きソファから立ち上がるフェルトとミミンは、神妙な面持ちで尋ねている。
「む、今どこに」
「多分城だろうな。 兵士に連行されるなんて何があった、変な事するような奴ではない」
――――シャルルを人質にするのか?それとも何かの良からぬ事をするのか?異世界で人を攫うとなると何択かあると思うが、金すら要求もなさそうだ。
窓の外から複数の馬車が駆ける音が響く。
その音に連れられ俺とペルセポネは、窓に近づくと、フェルトとミミンも駆け寄って窓から外を眺める。
「あの馬車この前見た記憶ありますわ」
「む、豪華な旅客馬車」
「勇者達が帰ってきた時に通った馬車ね」
――――よく覚えているな。俺は見てたかどうかすら……。むしろ覚える必要が無いものだ、覚えていない。
俺が思い悩んでいると、階段を駆け上がる音が部屋に響く。
「やばいやばいっ。 おいぃぃっ」
次は息を切らして登ってくるトンドは、この部屋に入るや疲れきったのか、そのまま床に座り込み息を整えている。
「どうした、トンド?」
「シャルルが見つかった!!」
「何ぃっ。 本当か!?」
トンドの言葉に驚くコベソの表情から笑みが浮かぶが、その反対にトンドの額から汗が流れる。
「居たさ。 いたけど今さっき、そこを通った複数台ある馬車の中だ」
「はぁっ?」
俺を含めた全員が、トンドの言葉に注目していたがその言葉に悩むコベソ。
「イマイチ理解ができんが。 何故、いやそれでは無いな……」
「窓から覗き込んでいたシャルルの顔が見えんだ。 そう聖女アルダーもいたぞ」
――――聖女アルダー。聖王メイガザスの母親であの老婆か。
コベソとトンドの会話に釘付けのままのフェルトとミミン。
「つまり、さっきそこを通った馬車に連れ去られたシャルルがいたのは確実か」
「聖女達は何処に向かう? 早く出て追いつかないと」
俺の言葉にトンドは頷く横でコベソは、慌てながら扉に向かうが、トンドの言葉に引き返してオロオロしだす。
「待てコベソ。 俺たちシャルルを探してた時、通るあの馬車の進行塞いでしまったんだ」
「だからなんだ。 その話……」
「まぁ、聞け」
「あぁ」
「御者台に聖女アルダーがいて、俺は挨拶と進行を邪魔した事を謝って謝罪とついでに聞いたんだ」
「何を?」
「聖女アルダーを乗せた馬車に勇者キンジョウと賢者と共に西のダンジョンに向かうと」
「西のダンジョン……。 帝国との国境付近にある街グランウェスか!!」
目が飛び出そうな程の驚きをするコベソは、この部屋から飛び出して行くと同時にトンドもそれについて行く。
「グランウェスのダンジョン。 未だに誰も踏破していない、強力な魔物が出るダンジョンですわ」
「むぅ。 そうなの?」
フェルトとミミンが呟くとゆっくりと窓枠に寄りかかるペルセポネ。
「この感じ。 今すぐ出立しそうな雰囲気ね」
「ん? あぁ、あの慌てようならもうそろそろ」
馬の鳴き声が、部屋に届くと従業員とコベソの「馬を休ませて……」「今から出るっ」大声で飛び交う言葉がここまで響く。
「あぁ、そのグランウェスだっけ。 その街までどのぐらい時間が掛かるか分からないけど。 直ぐに出なくてもというか、休みたいわ」
欠伸をするペルセポネを賛同するミミンは頷いている。
フェルトは、寝ているユカリとリフィーナの姿を見た後、俺の顔を見て問い掛けてくる。
「ミミンまで。 ハーデスさんはどうです?」
「ん? あぁ、ペルセポネの意見に同意だ」
――――シャルルという獣人とは、顔見知り程度とコベソの仕事仲間というだけで助けるというのは、俺の目的と掛け離れているからな。
「そこの寝ている二人もだけど、私しっかりとしたベッドで休みたい」
「むぅー。 ミミンもおねぇさまと一緒」
ペルセポネは、この部屋から出ようとしミミンも座ってたソファから腰を上げ、ペルセポネの後を追う。
すると、この階に上がってくる足音が、ゆっくりと近づいてくる。
出ようしていたペルセポネが、ドアノブに手をかけようとし辞めると、そのドアが開きトンドが申し訳なさそうな顔で入ってくる。
「もしかして?」
「むっ!」
「はい、シャルルを助けに今から出ます。 ユカリとリフィーナを助けて疲れきっていると思いますが、出発の準備を」
ムッとするペルセポネだが、トンドに文句を突きつけているのはミミン。
「むぅーっ、おねぇさまと添い寝邪魔する気ぃ?」
「しないけど……」
「む、おねぇさまは、黙っててだし一緒に寝る」
黙りながら、消え去るように姿を消すトンドに続いてでで行くのは満面の笑みで、ソファから立ち上がってはりきった大声を出すフェルト。
「さぁ、みんな。 シャルルさんを助けに行きますわ」
フェルトの大声で、目を覚ますユカリとリフィーナは、状況が飲み飲めない様子。
肩を落とすペルセポネとミミンは、ユカリとリフィーナに現状を伝えながら部屋を出る。
そして、俺もソファさら立ち上がってペルセポネと共に下に降りていった。
その支店の前でうろちょろと出っ張ったお腹を揺らしながら深刻な顔でいるコベソは、俺たちの姿を見るやお腹を揺らして近づいてくる。
「無事だったか! あぁ、無事でよかった」
「ええ、トラブルはありましたけど助けられましたわ」
「まぁ、今日はゆっくり休ん……。 なにか騒々しいな」
支店の中から慌ただしく駆け巡る足音と騒ぎ声を上げるトンドが、これまたお腹を揺らして血相を変えてやってくる。
「おいおい、ヤバい居ないぞっ」
「なに、誰が居ないって?」
「シャルルだっ。 あいつ昼に買い出しに出たきり帰ってきてない」
「はぁ? 夕方には戻ってこいと言ってたじゃねぇか」
「今、買い出しに行かせた取引先に訪ねに行って……」
誠実そうで体型は普通の男性従業員が、息を切らせてたどり着く。
「コベソさん、トンドさん。 向こうの相手方、昼には出てると」
「はぁ? あいつ寄り道してっていう時間じゃねぇぞ。 しかもアイツ、シャルルはルーズだがそこそこ時間守るぞ」
「そうだ。 これは、おかしい」
「あぁ」
首を傾げながら悩むコベソ。
トンドは、支店へと戻り従業員を呼んでいる声が届く。
「そのシャルルは、何処に?」
「猫系の獣人の、迷子になるとか?」
ユカリとリフィーナの問にコベソは、横に首を振る。
「いいや、迷子なんてこの街にかなり長く住んでいるからそれはないだろう。 それにアイツは危険を感知したり遠くを見ることができるとか言ってたからな」
「む、何かのスキル?」
「詳しくは聞いてないが、もし何かに巻き込まれてたらスキルではないだろうな」
「でも、それならこんなに遅くなるなんておかしいですわ」
コベソやユカリ達は、無言のまま立ち止まる。
ペルセポネが、ため息を吐くと俺は辺りを見渡して口を開く。
「危険でなはい何者かに連れられて行ったか。 それとも察知する前に捕まっか」
「そんな気しかしない。 こんな世界だし」
俺とペルセポネの言葉にハッとするコベソは、お腹を揺らしながら駆け足で支店に向かう。
その途中「少し休んでください」と伝えてそのまま中に消えていく。
支店の中に入り二階の部屋で俺達は、ソファに座るが、ユカリとリフィーナは、酷く疲れた様子もあり硬い床で布を敷いて横になり出す。
一階でドタバタと数人が駆け巡る足音が、聞こえて来る。
「多分ですわ。 ハーデスさんが仰っていた事が正解のような気がしますわ」
「むー。 あんな事があったからもしかしたら聖王絡みぃ?」
「それしか考えられない。 あの聖女が、追っ手を送らず私達を返した事が気になる」
「聖王や勇者キンジョウ達の秘密を知ってしまったんだ。 あの場で俺達とやり合う方がいいだろう」
「む、やり合っても向こうに勝ち目ないって言ってたよ聖女が」
「そこよ。 勝ち目無くても被害があれば勇者ユカリ一行がやらかしたと世間に広められるし。 ユカリ達が悪人にできる」
「そう、それもしない。 俺たちが聖王のしていた卑劣な事を口にしても良いと言わんばかりの行動。 聖女の冷静さ」
「そう言われれば気になりますわ」
俺は、フェルトの顔を睨む。
「ななんですか? ハーデスさん。険しい顔で」
「ハーデス。 フェルトの顔を見つめて何? いやらしい事でも」
俺よりも険しく鬼の形相以上の形相で睨むペルセポネ。だが、俺はそのまま口を開く。
「……フェルティエーゼ。 この名はなんだ?」
「……」
黙るフェルトに隣にいるミミンは、チラッとフェルトの顔を覗く。
「その名前、私も気になった。 フェルト何?」
「……」
「むー。 ハーデスさん、おねぇさま。 これは、聞かないで欲しいの」
「なんでミミンが代弁する? 言いたくなければ『言いたくない』って言えばいいのに」
「ペルセポネの言う通りだ。 帝国の名も出たからな薄々とわかる。 しかしそれと今、起きている事は関係なさそうだしな」
顔を隠すように悄げるフェルトの肩を抱き寄せるようにしているミミン。
「すみません。 答えるのが怖くて」
「良いわ。 ハーデスも言ってたけど、だいたい予想できそうだし」
――――現帝国が、聖国と同盟を結ぶ為の政略結婚だろう。だいたい聖王メイガザスからの話でわかっていた。
疲れきっていたユカリとリフィーナは、ぐっすりと寝てしまっている様だ。
そんな時、階段を駆け上がる音が高らかに響くと、勢いよく扉が開きコベソが、更に血相を変えて部屋に入る。
「やばいやばいっ。 シャルルが連れられてしまった」
この部屋に沈黙が流れる。
なんとも言えないコベソの暑苦しい圧に黙る俺たちに対し、コベソの喚き散らす程の大声を上げる。
「シャルルが連れられてしまったんだ」
「それは、分かってますわ。 でどこの誰にですか?」
「む、それ知りたい」
「兵士に連れられて言ったとか」
「それは確実なの?」
「うちの従業員の報告であった」
コベソの内容を聞きソファから立ち上がるフェルトとミミンは、神妙な面持ちで尋ねている。
「む、今どこに」
「多分城だろうな。 兵士に連行されるなんて何があった、変な事するような奴ではない」
――――シャルルを人質にするのか?それとも何かの良からぬ事をするのか?異世界で人を攫うとなると何択かあると思うが、金すら要求もなさそうだ。
窓の外から複数の馬車が駆ける音が響く。
その音に連れられ俺とペルセポネは、窓に近づくと、フェルトとミミンも駆け寄って窓から外を眺める。
「あの馬車この前見た記憶ありますわ」
「む、豪華な旅客馬車」
「勇者達が帰ってきた時に通った馬車ね」
――――よく覚えているな。俺は見てたかどうかすら……。むしろ覚える必要が無いものだ、覚えていない。
俺が思い悩んでいると、階段を駆け上がる音が部屋に響く。
「やばいやばいっ。 おいぃぃっ」
次は息を切らして登ってくるトンドは、この部屋に入るや疲れきったのか、そのまま床に座り込み息を整えている。
「どうした、トンド?」
「シャルルが見つかった!!」
「何ぃっ。 本当か!?」
トンドの言葉に驚くコベソの表情から笑みが浮かぶが、その反対にトンドの額から汗が流れる。
「居たさ。 いたけど今さっき、そこを通った複数台ある馬車の中だ」
「はぁっ?」
俺を含めた全員が、トンドの言葉に注目していたがその言葉に悩むコベソ。
「イマイチ理解ができんが。 何故、いやそれでは無いな……」
「窓から覗き込んでいたシャルルの顔が見えんだ。 そう聖女アルダーもいたぞ」
――――聖女アルダー。聖王メイガザスの母親であの老婆か。
コベソとトンドの会話に釘付けのままのフェルトとミミン。
「つまり、さっきそこを通った馬車に連れ去られたシャルルがいたのは確実か」
「聖女達は何処に向かう? 早く出て追いつかないと」
俺の言葉にトンドは頷く横でコベソは、慌てながら扉に向かうが、トンドの言葉に引き返してオロオロしだす。
「待てコベソ。 俺たちシャルルを探してた時、通るあの馬車の進行塞いでしまったんだ」
「だからなんだ。 その話……」
「まぁ、聞け」
「あぁ」
「御者台に聖女アルダーがいて、俺は挨拶と進行を邪魔した事を謝って謝罪とついでに聞いたんだ」
「何を?」
「聖女アルダーを乗せた馬車に勇者キンジョウと賢者と共に西のダンジョンに向かうと」
「西のダンジョン……。 帝国との国境付近にある街グランウェスか!!」
目が飛び出そうな程の驚きをするコベソは、この部屋から飛び出して行くと同時にトンドもそれについて行く。
「グランウェスのダンジョン。 未だに誰も踏破していない、強力な魔物が出るダンジョンですわ」
「むぅ。 そうなの?」
フェルトとミミンが呟くとゆっくりと窓枠に寄りかかるペルセポネ。
「この感じ。 今すぐ出立しそうな雰囲気ね」
「ん? あぁ、あの慌てようならもうそろそろ」
馬の鳴き声が、部屋に届くと従業員とコベソの「馬を休ませて……」「今から出るっ」大声で飛び交う言葉がここまで響く。
「あぁ、そのグランウェスだっけ。 その街までどのぐらい時間が掛かるか分からないけど。 直ぐに出なくてもというか、休みたいわ」
欠伸をするペルセポネを賛同するミミンは頷いている。
フェルトは、寝ているユカリとリフィーナの姿を見た後、俺の顔を見て問い掛けてくる。
「ミミンまで。 ハーデスさんはどうです?」
「ん? あぁ、ペルセポネの意見に同意だ」
――――シャルルという獣人とは、顔見知り程度とコベソの仕事仲間というだけで助けるというのは、俺の目的と掛け離れているからな。
「そこの寝ている二人もだけど、私しっかりとしたベッドで休みたい」
「むぅー。 ミミンもおねぇさまと一緒」
ペルセポネは、この部屋から出ようとしミミンも座ってたソファから腰を上げ、ペルセポネの後を追う。
すると、この階に上がってくる足音が、ゆっくりと近づいてくる。
出ようしていたペルセポネが、ドアノブに手をかけようとし辞めると、そのドアが開きトンドが申し訳なさそうな顔で入ってくる。
「もしかして?」
「むっ!」
「はい、シャルルを助けに今から出ます。 ユカリとリフィーナを助けて疲れきっていると思いますが、出発の準備を」
ムッとするペルセポネだが、トンドに文句を突きつけているのはミミン。
「むぅーっ、おねぇさまと添い寝邪魔する気ぃ?」
「しないけど……」
「む、おねぇさまは、黙っててだし一緒に寝る」
黙りながら、消え去るように姿を消すトンドに続いてでで行くのは満面の笑みで、ソファから立ち上がってはりきった大声を出すフェルト。
「さぁ、みんな。 シャルルさんを助けに行きますわ」
フェルトの大声で、目を覚ますユカリとリフィーナは、状況が飲み飲めない様子。
肩を落とすペルセポネとミミンは、ユカリとリフィーナに現状を伝えながら部屋を出る。
そして、俺もソファさら立ち上がってペルセポネと共に下に降りていった。
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