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聖国と帝国と金色の勇者
冥王、勇者ユカリ金色の勇者とその仲間に遭遇する。
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グランウェスのダンジョン三十二階の安全地帯から先に進もうとする俺たちは、この場所に入ってきた者達によって足を止められる。
「お前ら、止まれっ。 俺たちよりも何で先にいるんだ?」
「存在を消された勇者だけに、ベヒーモス倒すぐらいのレベルはあるって事だな」
「ここはっ。 旦那ァ安全地帯かもしれやせん」
青いローブを翻しながら手を前に広げ、先を行こうとする俺たちを止める賢者アオヤギ。
その次に金色の鎧の勇者キンジョウに、猿のような顔をした男と共に、上半身ほぼ裸の筋肉質に髪も髭もモジャモジャと伸ばした背の高い男が入ってくる。
だが、更に後ろに布切れのような肌着しか着用してない女性が三人いる。
「何度も言わせるなよオザール。 その呼び方はよせ」
「すすすいやせん。 キンジョウさん」
「それにしても、本当にお前らが魔王討伐したとはなぁ」
猿のような顔をした男は、勇者キンジョウに頭を下げている。
そして、勇者キンジョウは少し顎を上げ、遠くを見るかのようにユカリ達を睨んでいる。
隣にいるペルセポネは、勇者キンジョウの仕草に小さく舌打ちをする。
勇者キンジョウの言葉に、突っかかるリフィーナ。
「何? その目はっ」
「ふん、いや……。 ランクBの冒険者で女だけで魔王倒すとは、くっくっく……。 さぞその魔王、弱かったんだろうと思ってな」
「死ぬかもしれない戦いだったし、めっちゃくちゃ強かったんだから」
「貴方、女だからと言って舐めないで欲しいわ」
「いやいや、舐めて欲しいなら股開けば舐めてやるぞっ」
勇者キンジョウが、大笑いをすると賢者アオヤギ達も高笑いし始める。
その言葉を受けフェルトやリフィーナは、顔を紅潮し険しい顔になって勇者キンジョウ達を睨みつけている。
「まぁ、俺は問題ないが……。 仲間がなぁ、ここまで来るのに疲れ果ててしまってな」
勇者キンジョウは、後ろにいる犬系女獣人を呼ぶと犬系女獣人は、ゆらりくらりと疲労の色が見える顔で前に出てくる。
「女と言ってたけど、あんたらも女の仲間いるじゃない!!」
「なかまぁ~だとぉっ? おい、これをよく見ろよ。 コイツはァ奴隷だ」
「奴隷? そんなの出来るわけないじゃない!!」
「そうですわ。 奴隷にする事なんて……。 ありえないですわ」
ほくそ笑む勇者キンジョウに、食いかかるリフィーナとフェルト。ミミンも、ムッと頬をふくらまている。
だが、犬系女獣人も後ろにいる残りの二人にも手首や足首に枷を付けている。だが、その枷には、鎖や鉄球は付いていないようだ。
「過去に奴隷制度がある国があったけど、エウラロノース様のお力でその国が滅んだと聞いた事ありますわ」
「じゃぁ、なぜ……。 もしかして奴隷と言う形の?」
「おい。 犬っ!! その女共と戦えっ」
「……」
「返事っ」
枷に赤く浮かび上がる謎の文様と共に、犬系女獣人の体に電撃が走り、犬系女獣人が苦痛の叫びを上げのたうち回る。
「立て、戦え」
「はい」
剣を支えに立ち上がる犬系女獣人。
勇者キンジョウは、猿顔の男や髪髭モジャモジャした男に指示をして奥に進んでいく。
立っているだけでも辛そうな表情の犬系女獣人の横に、もう一人ごく普通の金髪でやせ細った女性がやってきて犬系女獣人に剣を渡している。
剣を持ち構える犬系女獣人、しかし腕や足が小刻みに震えている。
勇者キンジョウは、後ろに立っている金髪細身の女性を睨みつけると、その金髪細身の女性はハッとなり犬系女獣人の元へ走り出す。
犬系女獣人に剣を渡す金髪細身の女性。
――――その剣、何処から出した?
元の場所へ戻ろうとする金髪細身の女性の目の前立つ勇者キンジョウ。
「モタモタしてんなっ!! 犬が前に出たら、わかんだろぅっ」
勇者キンジョウに殴られ蹴り倒される普通金髪細身の女性は、笑顔で立ち上がり会釈をしながら奥に行ってしまう。
「先輩、回復させますよ。 あの犬やれちまうっすよ」
「あぁ、やってくれ。 まだまだ必要だからな、生きてれば」
勇者キンジョウが、無表情の女に視線を向けた後、人差し指で犬系女獣人の方を指す。
――――もう一人の女性リフィーナと同じような耳の形、エルフか。前に言っていたシルフ種とやらか?
賢者アオヤギの魔法で、疲れ果てていた犬系女獣人の表情が明るくなると、震えていた腕や足がピタリと止まる。
武器を構えるユカリ達。
「その輪で、縛られているのね」
「奴隷なんて許せませんわ。 何とかしてその輪を外したいわ」
「あの男の目、顔何故か恐怖にかられるの。 でも許せない、女を道具にしか見ていないあの目」
「ムッ。 むむむかつくぅぅっ」
フェルトを先頭にリフィーナも前に出てくるがユカリは、少し後ろに体制をとる。ミミンは、少し下がっている。
犬系女獣人はユカリ達に襲いかかり交戦となる中、俺とペルセポネは更に離れて見ている。
「あの、くそ勇者。 女を卑下してない? ムカつくんだけど」
「確実に。 あの勇者キンジョウだけでなく、アイツらを全員だろ。 あの賢者とやらも猿顔の男もならもう一人のヤツもだろ」
「なんで、犬の獣人と戦っているのよっ。 アイツらとやり合えれば賢者の魔石だって……」
「おい、本音。 それにあの賢者アオヤギだっけか、あいつだって元は地球の人間。 勝手に殺すなよ」
「えぇ、あんなの元に戻しても良い輪廻転生にならないわ」
「おい、まさか?」
剣の柄に手を載せ交戦するユカリ達の元に足を進めるペルセポネ。俺は頭を掻きながらヤレヤレとため息を吐き、後を追う。
――――ん、あの勇者達に犬獣人一人に戦わせておいて自分達は休憩か?
勇者キンジョウ達は、いつの間にか天蓋をはりその中で休んでいる。普通金髪細身の女性が、男共に会釈をしながらポーションを受け取っている。
フェルトのスキルによって犬系女獣人の攻撃を防いでもいるが、リフィーナもユカリも犬系女獣人の剣を弾き返して、武器破壊を狙っていると思われる。ミミンも魔法を放つが弱く数も少ない。
斬撃から放たれる衝撃音が激しく飛び交い、ぶつかり合う剣から火花が乱発される。
どちらも傷を負ってはいないが体力の消耗し息が乱れている。
その攻防を観ている勇者キンジョウ達は、高笑いしユカリ達をバカにする声が届くと共に武器がぶつかり合う音が響いている。
ペルセポネが、二本の剣を鞘から抜くと地面を蹴りユカリ達の元へ駆ける。
ペルセポネの剣の切っ先が、空を切りながら白い軌道を生み、その軌道は犬系女獣人を通り過ぎる。
剣を鞘にしまう音が発生する所にペルセポネが立っている。
犬系女獣人の持つ剣、それに手首足首に付いた枷が、粉々に砕け散ると共にユカリ達と犬系女獣人の動きは止まる。
「何?」
「あれ、破壊したの?」
「ペルセポネさ……ん?」
「おねぇ……さ……ま」
ユカリ達が、状況を整理しているのか辺りを見渡しながら犬系女獣人と目を合わせている。
勇者キンジョウの罵声がほとばしる。
「イヌゥゥッ!!バカ犬がっ」
目を見開く犬系女獣人は吐血すると、その体に突き刺さる一本の剣。
突き刺さる剣を見た犬系女獣人は、その場に膝を着き倒れてしまう。
「何をっ」
「リフィーナ早く回復させてあげて欲しいわ」
フェルトは、倒れる犬系女獣人の元に駆けつけ手持ちのポーションを傷口に振りかける。
「フェルト、その時間無いわ」
「なっ……」
フェルトは、リフィーナの視線を追うと言葉を止める。
「まさか、奴隷具を壊すなんて」
「ランクAの冒険者となると、考えも違うしやり方も違うんッスね」
「キンジョウさん、あの犬どうするんです?」
「あーなっては仕方ないだろう。 力もなかったし、攻撃の手数が減っただけだ。 置いていく」
「ですが……」
猿顔の男が、髪髭がモジャモジャした男の顔を見ると、勇者キンジョウもその男の顔に視線を動かす。
「そういう事か。 お気に入りだったか? モジャサ」
「うむ、乱れっぷりが良かった」
「アイツらを倒せば、アイツらを使えるが」
「興味はあるが、やはりオレは獣人が好みだ」
「モジャサ、獣人一筋ッスね」
「安心しろ。 アイツらを倒してここを出れば一匹、猫系がいるソイツをやる」
髪と髭がモジャモジャした筋肉質の男はモジャサという名で、そのモジャサは少しだけ口角を上げると笑顔なのか、勇者キンジョウ達は少し苦笑いをしている。
「猫系の獣人?」
「もしかしたら、シャルルさんの事かも知れませんわ」
「痴漢男……あの目付き」
「む、ユカリ大丈夫?」
「ユカリ?」
「ええ……」
「ユカリ、アイツらを倒して記録更新してシャルルさんを助けますわよ」
「そうね、そうよ。 みんなシャルルを助け犯罪者を倒す」
ユカリはその言葉を放ち、剣の柄を強く握りしめると、リフィーナやフェルトにミミンも臨戦態勢をとる。
「てめぇらのせいで、一匹死んじまったからなぁ。 新しいの補充しなくちゃなぁ」
「そおっスねぇ。 先輩あの大盾はメイガザスに返さなきゃッスよ」
「忘れてた。 楽しんだ後で良いんじゃか?」
「まぁ、そおっすね」
「アオヤギ、アレやれ」
「しとかないとッスね」
大盾を持つモジャサが、勇者キンジョウ達よりも前に出てくると勇者キンジョウと賢者アオヤギが、透明の球体を俺とペルセポネに向けている。
――――アイツらを何を?
俺とペルセポネの周りを、ベールのような物が現れ取り囲まれてしまう。
「なに?」
「ランクAの冒険者それに黒服の男。 その中で俺たちがこの女共と遊んでいるのを指くわえて見てろ」
「空間隔離の宝具ッスよ、お前たちはそこから出られないッスからぁっ」
「キンジョウさん、あの黒服の男もですか。 なんか弱そうですが」
「忘れもしない。 あの男も手練だ」
気持ち悪い笑顔をする猿顔の男オザール。
武器を手にする勇者キンジョウとその仲間。
ペルセポネはその壁に手をあて悩んでいる様子で、俺も目の前にある半透明の壁に手を付ける。
――――本当に壁だな。まるで魔王になる《魔王の儀》のようだし、ペルセポネも無事だしな。神力つかうか、どうするか?
悩んでいる俺の目の前で遂にユカリ達と勇者キンジョウとその仲間との戦いが、始まっていた。
「お前ら、止まれっ。 俺たちよりも何で先にいるんだ?」
「存在を消された勇者だけに、ベヒーモス倒すぐらいのレベルはあるって事だな」
「ここはっ。 旦那ァ安全地帯かもしれやせん」
青いローブを翻しながら手を前に広げ、先を行こうとする俺たちを止める賢者アオヤギ。
その次に金色の鎧の勇者キンジョウに、猿のような顔をした男と共に、上半身ほぼ裸の筋肉質に髪も髭もモジャモジャと伸ばした背の高い男が入ってくる。
だが、更に後ろに布切れのような肌着しか着用してない女性が三人いる。
「何度も言わせるなよオザール。 その呼び方はよせ」
「すすすいやせん。 キンジョウさん」
「それにしても、本当にお前らが魔王討伐したとはなぁ」
猿のような顔をした男は、勇者キンジョウに頭を下げている。
そして、勇者キンジョウは少し顎を上げ、遠くを見るかのようにユカリ達を睨んでいる。
隣にいるペルセポネは、勇者キンジョウの仕草に小さく舌打ちをする。
勇者キンジョウの言葉に、突っかかるリフィーナ。
「何? その目はっ」
「ふん、いや……。 ランクBの冒険者で女だけで魔王倒すとは、くっくっく……。 さぞその魔王、弱かったんだろうと思ってな」
「死ぬかもしれない戦いだったし、めっちゃくちゃ強かったんだから」
「貴方、女だからと言って舐めないで欲しいわ」
「いやいや、舐めて欲しいなら股開けば舐めてやるぞっ」
勇者キンジョウが、大笑いをすると賢者アオヤギ達も高笑いし始める。
その言葉を受けフェルトやリフィーナは、顔を紅潮し険しい顔になって勇者キンジョウ達を睨みつけている。
「まぁ、俺は問題ないが……。 仲間がなぁ、ここまで来るのに疲れ果ててしまってな」
勇者キンジョウは、後ろにいる犬系女獣人を呼ぶと犬系女獣人は、ゆらりくらりと疲労の色が見える顔で前に出てくる。
「女と言ってたけど、あんたらも女の仲間いるじゃない!!」
「なかまぁ~だとぉっ? おい、これをよく見ろよ。 コイツはァ奴隷だ」
「奴隷? そんなの出来るわけないじゃない!!」
「そうですわ。 奴隷にする事なんて……。 ありえないですわ」
ほくそ笑む勇者キンジョウに、食いかかるリフィーナとフェルト。ミミンも、ムッと頬をふくらまている。
だが、犬系女獣人も後ろにいる残りの二人にも手首や足首に枷を付けている。だが、その枷には、鎖や鉄球は付いていないようだ。
「過去に奴隷制度がある国があったけど、エウラロノース様のお力でその国が滅んだと聞いた事ありますわ」
「じゃぁ、なぜ……。 もしかして奴隷と言う形の?」
「おい。 犬っ!! その女共と戦えっ」
「……」
「返事っ」
枷に赤く浮かび上がる謎の文様と共に、犬系女獣人の体に電撃が走り、犬系女獣人が苦痛の叫びを上げのたうち回る。
「立て、戦え」
「はい」
剣を支えに立ち上がる犬系女獣人。
勇者キンジョウは、猿顔の男や髪髭モジャモジャした男に指示をして奥に進んでいく。
立っているだけでも辛そうな表情の犬系女獣人の横に、もう一人ごく普通の金髪でやせ細った女性がやってきて犬系女獣人に剣を渡している。
剣を持ち構える犬系女獣人、しかし腕や足が小刻みに震えている。
勇者キンジョウは、後ろに立っている金髪細身の女性を睨みつけると、その金髪細身の女性はハッとなり犬系女獣人の元へ走り出す。
犬系女獣人に剣を渡す金髪細身の女性。
――――その剣、何処から出した?
元の場所へ戻ろうとする金髪細身の女性の目の前立つ勇者キンジョウ。
「モタモタしてんなっ!! 犬が前に出たら、わかんだろぅっ」
勇者キンジョウに殴られ蹴り倒される普通金髪細身の女性は、笑顔で立ち上がり会釈をしながら奥に行ってしまう。
「先輩、回復させますよ。 あの犬やれちまうっすよ」
「あぁ、やってくれ。 まだまだ必要だからな、生きてれば」
勇者キンジョウが、無表情の女に視線を向けた後、人差し指で犬系女獣人の方を指す。
――――もう一人の女性リフィーナと同じような耳の形、エルフか。前に言っていたシルフ種とやらか?
賢者アオヤギの魔法で、疲れ果てていた犬系女獣人の表情が明るくなると、震えていた腕や足がピタリと止まる。
武器を構えるユカリ達。
「その輪で、縛られているのね」
「奴隷なんて許せませんわ。 何とかしてその輪を外したいわ」
「あの男の目、顔何故か恐怖にかられるの。 でも許せない、女を道具にしか見ていないあの目」
「ムッ。 むむむかつくぅぅっ」
フェルトを先頭にリフィーナも前に出てくるがユカリは、少し後ろに体制をとる。ミミンは、少し下がっている。
犬系女獣人はユカリ達に襲いかかり交戦となる中、俺とペルセポネは更に離れて見ている。
「あの、くそ勇者。 女を卑下してない? ムカつくんだけど」
「確実に。 あの勇者キンジョウだけでなく、アイツらを全員だろ。 あの賢者とやらも猿顔の男もならもう一人のヤツもだろ」
「なんで、犬の獣人と戦っているのよっ。 アイツらとやり合えれば賢者の魔石だって……」
「おい、本音。 それにあの賢者アオヤギだっけか、あいつだって元は地球の人間。 勝手に殺すなよ」
「えぇ、あんなの元に戻しても良い輪廻転生にならないわ」
「おい、まさか?」
剣の柄に手を載せ交戦するユカリ達の元に足を進めるペルセポネ。俺は頭を掻きながらヤレヤレとため息を吐き、後を追う。
――――ん、あの勇者達に犬獣人一人に戦わせておいて自分達は休憩か?
勇者キンジョウ達は、いつの間にか天蓋をはりその中で休んでいる。普通金髪細身の女性が、男共に会釈をしながらポーションを受け取っている。
フェルトのスキルによって犬系女獣人の攻撃を防いでもいるが、リフィーナもユカリも犬系女獣人の剣を弾き返して、武器破壊を狙っていると思われる。ミミンも魔法を放つが弱く数も少ない。
斬撃から放たれる衝撃音が激しく飛び交い、ぶつかり合う剣から火花が乱発される。
どちらも傷を負ってはいないが体力の消耗し息が乱れている。
その攻防を観ている勇者キンジョウ達は、高笑いしユカリ達をバカにする声が届くと共に武器がぶつかり合う音が響いている。
ペルセポネが、二本の剣を鞘から抜くと地面を蹴りユカリ達の元へ駆ける。
ペルセポネの剣の切っ先が、空を切りながら白い軌道を生み、その軌道は犬系女獣人を通り過ぎる。
剣を鞘にしまう音が発生する所にペルセポネが立っている。
犬系女獣人の持つ剣、それに手首足首に付いた枷が、粉々に砕け散ると共にユカリ達と犬系女獣人の動きは止まる。
「何?」
「あれ、破壊したの?」
「ペルセポネさ……ん?」
「おねぇ……さ……ま」
ユカリ達が、状況を整理しているのか辺りを見渡しながら犬系女獣人と目を合わせている。
勇者キンジョウの罵声がほとばしる。
「イヌゥゥッ!!バカ犬がっ」
目を見開く犬系女獣人は吐血すると、その体に突き刺さる一本の剣。
突き刺さる剣を見た犬系女獣人は、その場に膝を着き倒れてしまう。
「何をっ」
「リフィーナ早く回復させてあげて欲しいわ」
フェルトは、倒れる犬系女獣人の元に駆けつけ手持ちのポーションを傷口に振りかける。
「フェルト、その時間無いわ」
「なっ……」
フェルトは、リフィーナの視線を追うと言葉を止める。
「まさか、奴隷具を壊すなんて」
「ランクAの冒険者となると、考えも違うしやり方も違うんッスね」
「キンジョウさん、あの犬どうするんです?」
「あーなっては仕方ないだろう。 力もなかったし、攻撃の手数が減っただけだ。 置いていく」
「ですが……」
猿顔の男が、髪髭がモジャモジャした男の顔を見ると、勇者キンジョウもその男の顔に視線を動かす。
「そういう事か。 お気に入りだったか? モジャサ」
「うむ、乱れっぷりが良かった」
「アイツらを倒せば、アイツらを使えるが」
「興味はあるが、やはりオレは獣人が好みだ」
「モジャサ、獣人一筋ッスね」
「安心しろ。 アイツらを倒してここを出れば一匹、猫系がいるソイツをやる」
髪と髭がモジャモジャした筋肉質の男はモジャサという名で、そのモジャサは少しだけ口角を上げると笑顔なのか、勇者キンジョウ達は少し苦笑いをしている。
「猫系の獣人?」
「もしかしたら、シャルルさんの事かも知れませんわ」
「痴漢男……あの目付き」
「む、ユカリ大丈夫?」
「ユカリ?」
「ええ……」
「ユカリ、アイツらを倒して記録更新してシャルルさんを助けますわよ」
「そうね、そうよ。 みんなシャルルを助け犯罪者を倒す」
ユカリはその言葉を放ち、剣の柄を強く握りしめると、リフィーナやフェルトにミミンも臨戦態勢をとる。
「てめぇらのせいで、一匹死んじまったからなぁ。 新しいの補充しなくちゃなぁ」
「そおっスねぇ。 先輩あの大盾はメイガザスに返さなきゃッスよ」
「忘れてた。 楽しんだ後で良いんじゃか?」
「まぁ、そおっすね」
「アオヤギ、アレやれ」
「しとかないとッスね」
大盾を持つモジャサが、勇者キンジョウ達よりも前に出てくると勇者キンジョウと賢者アオヤギが、透明の球体を俺とペルセポネに向けている。
――――アイツらを何を?
俺とペルセポネの周りを、ベールのような物が現れ取り囲まれてしまう。
「なに?」
「ランクAの冒険者それに黒服の男。 その中で俺たちがこの女共と遊んでいるのを指くわえて見てろ」
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「キンジョウさん、あの黒服の男もですか。 なんか弱そうですが」
「忘れもしない。 あの男も手練だ」
気持ち悪い笑顔をする猿顔の男オザール。
武器を手にする勇者キンジョウとその仲間。
ペルセポネはその壁に手をあて悩んでいる様子で、俺も目の前にある半透明の壁に手を付ける。
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