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起源から世界を思う神、樹海と祀るエルフ。
冥王、エルフの国を前にして足止めか?
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聖国では、ベット家の没落と共に聖王メイガザスが姿を隠し、未だに姿をみせない聖女アルダー、そして各地で聖国対帝国の戦況で帝国の勝利が噂程度だったが、真実味を増して人々の間でエウラロノースに対し不審感が生まれていた。
人族の神エウラロノースに一番近く各地に居る聖女のまとめ役でもある聖女アルダーから話が来ない、そして周りから詰め寄られた各地の聖女が『帝国の勝利』と口を滑らしてしまったのが原因。
聖国=人族の神エウラロノースであった人族にとって意識を揺るがす事由であった。
帝国が隣国ヒグマクスから広げる脱神エウラロノースの提唱にのっかり耳を傾ける人族が多くなったのは言うまでも無い。
人は強い者に取り繕う者が多い。この戦いは帝国が神エウラロノースを倒したというのも同然だからである。
しかし、そんな事情すら気にする必要が毛頭ない俺は、ペルセポネとユカリ達と共に魔族の領域と人族の領域を隔てる森【異界の樹海】に入っている。
勿論、目指すのはエルフの国。
アーク種でハイエルフのリフィーナを先導で向かっている。リフィーナの後ろには同じくエルフのフィルそして勇者であるユカリとその仲間。その後には俺とペルセポネ。
「ねぇ、もう一度聞くけど。 本当に行くの? な~んにも無いところよ」
「なにも無いわけない。 エルフの国にはエウラロノースがいっていた【母】と言う神が祀られているかも知れない所だ」
「ハーデスが何度も言っても理解出来ないの? アホ種のバカエルフ」
「ぐぬぬぬぬっペルセポネェェッ。 ふん、アホでもバカでもないわ。 私はね、エルフの中でも崇高な存在。 それがアーク種なの、わかっますぅ?」
「はいはい。 リフィーナさまは崇高ですよ、早く進みましょぉぉね。崇高なリフィーナさま」
「フィル。 お前もぉぉ、ぐぬぬぬぬ」
振り返り今にも襲いかかってきそうなリフィーナを食い止める役として後ろにフィルがいるが、フィル自身それが楽しそうにしている。
そんな会話の中でも異界の樹海では常に神経をすり減らしているユカリ達。異界の樹海では多くの強力な魔物が殺気をこちらに放ち何時でも魔物が襲ってくるからだ。
樹海の中では微かに空からの光が見えたりもするが、枝や葉が重なり真っ暗だ。昼夜わからずに進み、時にはテントを張って休む。基本、俺とペルセポネは寝なくても大丈夫なのだが、しっかりと寝るのはペルセポネ。
「寝るのか?」
「睡眠不足はお肌の天敵よ」
俺の問いに突っぱねるペルセポネの言葉に返す言葉も無いのは同然。
――――むしろ、艶やかな肌のペルセポネも、健康で笑顔のペルセポネが……いいに決まっている。
返せないことがわかっているのか、満面に笑みでテントに入っていくのを見届ける俺は、ほぼ連続で見張りをしていた。
そして、遂になのかなにも無い所で立ち止まると、フィルも足を止める。
「フィル?」
「どうしたの止まって?」
犬獣人のドアがフィルの顔をのぞき込み、ユカリとフェルトいミミンが心配そうにリフィーナに声を掛かる。
握りこぶしを震わせ小刻みに体も震えるリフィーナがボソッと言葉を吐く。
「着いたわ」
「なに言っているの、まだまだ先が」
「ここからは、迷いの結界。 なにも知らずに足を進めると、進行方向を狂わせ引き返させてしまう」
「ええ、リフィーナさまの言葉通りです。 ここからはエルフとエルフが認めた者しか入れません」
「へぇ、この七色の不思議な膜がねぇ」
「空から垂れて揺れていて、色も変わる所で止まったなと思っていたが、やっとか」
俺とペルセポネは、その迷いの結界の膜へと近づきまじまじと見つめていると、リフィーナが頭を抱え膝から崩れ落ち両手を地に着いて泣き叫ぶ。
「マジぃぃっ。 迷いの結界が見えるんなら、わざわざついて行かなくても良かったじゃないのぉぉぉ!」
「リフィーナさまっ」
「見えても入れるかわからないし、どこに向かえば良いのかすら知らなかったんだぞ。 リフィーナ、君が案内してくれたからここまでこれたんだ」
「ハーデス……さん」
涙があふれ鼻をすするリフィーナの顔は、いろんな液体でぐちゃぐちゃだ。
背中をさするフィルに、あきれて物が言えない状態のユカリやフェルトがリフィーナを起こしている。
「で、ここから入るには見えるだけじゃぁ、意味なさそうね」
「ええ、ここを通るのに術か合い言葉が必要になります。ですが私は、知らないので」
ペルセポネがその膜に触れながらフィルに訪ねていたが、そのフィルの言葉に目を丸くするリフィーナ。
「も、もしかしてリフィーナ?」
「ムー、リフィーナのその顔やばくない?」
「これ、きっとアレね」
目を配るユカリ達、最後にドナが告げる。
「合言葉を知らない……わ」
「えっリフィーナさま。 アーク種でアイナノアさまの妹であられるリフィーナさまが知らないとなると」
「フィル、フィルは、本当は知っているんでしょ? 本当は知っていて、知らないフリしているんじゃない?」
リフィーナは、笑いもすがる思いが見える必死な眼差しでフィルにすがっている。
しかし、横にクビをふるフィルは、うつむきながら口を開く。
「先ほど申し上げましたが、本当に私は知らないのです。 聖国の兵に捕まった身で」
フィルが暗くなり慌てるリフィーナ。
そのリフィーナに疑いの視線をむけるペルセポネにユカリの呟き。
「本当は知っているんだけど、入りたくないから言わないんじゃ無いの?」
「それ……ありえるかも」
「……」
目の前の迷いの結界てどうする事も出来ないリフィーナは、目を閉じ肩を震わせていたが、不穏な空気になってしまった今、鼻をすすり涙をこぼしだす。
結界の奥から聴こえる声。
「話は聞いてましたけど。本当に昔から忘れん坊で、簡単な言霊を忘れるなんて、すこしがっかりです……お姉さんは」
透き通る美しい音色を奏でる楽器のような綺麗な声が迷いの結界の膜を通し聞こえてくる。見えなかった人影が膜から現れる。
リフィーナにそっくりな顔、そして青銀に輝く長い髪、緑を基調としたドレスにも見える衣服。
涙が一気にとまるリフィーナの表情は口を半開きにしたまま呆然としている、するとフィルが片膝をつき頭を下げた。
「へ?」
「アイナノア様っ、お久しぶりです」
「シルフのフィルね。 無事でなにより。 そして私の妹を連れてきたことに感謝します」
「ありがたいお言葉です」
「それに、皆様お入りください。 とくにお二人と勇者ユカリさん、あなた方には後でお話があります」
俺とペルセポネにユカリに視線を合わせ笑顔で語りかけてくる。
意味深な笑顔に俺とペルセポネはアイナノアの招きでエルフの国に足を入れた。
人族の神エウラロノースに一番近く各地に居る聖女のまとめ役でもある聖女アルダーから話が来ない、そして周りから詰め寄られた各地の聖女が『帝国の勝利』と口を滑らしてしまったのが原因。
聖国=人族の神エウラロノースであった人族にとって意識を揺るがす事由であった。
帝国が隣国ヒグマクスから広げる脱神エウラロノースの提唱にのっかり耳を傾ける人族が多くなったのは言うまでも無い。
人は強い者に取り繕う者が多い。この戦いは帝国が神エウラロノースを倒したというのも同然だからである。
しかし、そんな事情すら気にする必要が毛頭ない俺は、ペルセポネとユカリ達と共に魔族の領域と人族の領域を隔てる森【異界の樹海】に入っている。
勿論、目指すのはエルフの国。
アーク種でハイエルフのリフィーナを先導で向かっている。リフィーナの後ろには同じくエルフのフィルそして勇者であるユカリとその仲間。その後には俺とペルセポネ。
「ねぇ、もう一度聞くけど。 本当に行くの? な~んにも無いところよ」
「なにも無いわけない。 エルフの国にはエウラロノースがいっていた【母】と言う神が祀られているかも知れない所だ」
「ハーデスが何度も言っても理解出来ないの? アホ種のバカエルフ」
「ぐぬぬぬぬっペルセポネェェッ。 ふん、アホでもバカでもないわ。 私はね、エルフの中でも崇高な存在。 それがアーク種なの、わかっますぅ?」
「はいはい。 リフィーナさまは崇高ですよ、早く進みましょぉぉね。崇高なリフィーナさま」
「フィル。 お前もぉぉ、ぐぬぬぬぬ」
振り返り今にも襲いかかってきそうなリフィーナを食い止める役として後ろにフィルがいるが、フィル自身それが楽しそうにしている。
そんな会話の中でも異界の樹海では常に神経をすり減らしているユカリ達。異界の樹海では多くの強力な魔物が殺気をこちらに放ち何時でも魔物が襲ってくるからだ。
樹海の中では微かに空からの光が見えたりもするが、枝や葉が重なり真っ暗だ。昼夜わからずに進み、時にはテントを張って休む。基本、俺とペルセポネは寝なくても大丈夫なのだが、しっかりと寝るのはペルセポネ。
「寝るのか?」
「睡眠不足はお肌の天敵よ」
俺の問いに突っぱねるペルセポネの言葉に返す言葉も無いのは同然。
――――むしろ、艶やかな肌のペルセポネも、健康で笑顔のペルセポネが……いいに決まっている。
返せないことがわかっているのか、満面に笑みでテントに入っていくのを見届ける俺は、ほぼ連続で見張りをしていた。
そして、遂になのかなにも無い所で立ち止まると、フィルも足を止める。
「フィル?」
「どうしたの止まって?」
犬獣人のドアがフィルの顔をのぞき込み、ユカリとフェルトいミミンが心配そうにリフィーナに声を掛かる。
握りこぶしを震わせ小刻みに体も震えるリフィーナがボソッと言葉を吐く。
「着いたわ」
「なに言っているの、まだまだ先が」
「ここからは、迷いの結界。 なにも知らずに足を進めると、進行方向を狂わせ引き返させてしまう」
「ええ、リフィーナさまの言葉通りです。 ここからはエルフとエルフが認めた者しか入れません」
「へぇ、この七色の不思議な膜がねぇ」
「空から垂れて揺れていて、色も変わる所で止まったなと思っていたが、やっとか」
俺とペルセポネは、その迷いの結界の膜へと近づきまじまじと見つめていると、リフィーナが頭を抱え膝から崩れ落ち両手を地に着いて泣き叫ぶ。
「マジぃぃっ。 迷いの結界が見えるんなら、わざわざついて行かなくても良かったじゃないのぉぉぉ!」
「リフィーナさまっ」
「見えても入れるかわからないし、どこに向かえば良いのかすら知らなかったんだぞ。 リフィーナ、君が案内してくれたからここまでこれたんだ」
「ハーデス……さん」
涙があふれ鼻をすするリフィーナの顔は、いろんな液体でぐちゃぐちゃだ。
背中をさするフィルに、あきれて物が言えない状態のユカリやフェルトがリフィーナを起こしている。
「で、ここから入るには見えるだけじゃぁ、意味なさそうね」
「ええ、ここを通るのに術か合い言葉が必要になります。ですが私は、知らないので」
ペルセポネがその膜に触れながらフィルに訪ねていたが、そのフィルの言葉に目を丸くするリフィーナ。
「も、もしかしてリフィーナ?」
「ムー、リフィーナのその顔やばくない?」
「これ、きっとアレね」
目を配るユカリ達、最後にドナが告げる。
「合言葉を知らない……わ」
「えっリフィーナさま。 アーク種でアイナノアさまの妹であられるリフィーナさまが知らないとなると」
「フィル、フィルは、本当は知っているんでしょ? 本当は知っていて、知らないフリしているんじゃない?」
リフィーナは、笑いもすがる思いが見える必死な眼差しでフィルにすがっている。
しかし、横にクビをふるフィルは、うつむきながら口を開く。
「先ほど申し上げましたが、本当に私は知らないのです。 聖国の兵に捕まった身で」
フィルが暗くなり慌てるリフィーナ。
そのリフィーナに疑いの視線をむけるペルセポネにユカリの呟き。
「本当は知っているんだけど、入りたくないから言わないんじゃ無いの?」
「それ……ありえるかも」
「……」
目の前の迷いの結界てどうする事も出来ないリフィーナは、目を閉じ肩を震わせていたが、不穏な空気になってしまった今、鼻をすすり涙をこぼしだす。
結界の奥から聴こえる声。
「話は聞いてましたけど。本当に昔から忘れん坊で、簡単な言霊を忘れるなんて、すこしがっかりです……お姉さんは」
透き通る美しい音色を奏でる楽器のような綺麗な声が迷いの結界の膜を通し聞こえてくる。見えなかった人影が膜から現れる。
リフィーナにそっくりな顔、そして青銀に輝く長い髪、緑を基調としたドレスにも見える衣服。
涙が一気にとまるリフィーナの表情は口を半開きにしたまま呆然としている、するとフィルが片膝をつき頭を下げた。
「へ?」
「アイナノア様っ、お久しぶりです」
「シルフのフィルね。 無事でなにより。 そして私の妹を連れてきたことに感謝します」
「ありがたいお言葉です」
「それに、皆様お入りください。 とくにお二人と勇者ユカリさん、あなた方には後でお話があります」
俺とペルセポネにユカリに視線を合わせ笑顔で語りかけてくる。
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