王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!

こさか りね

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次の日

アイディア帳を持って、学園へと行った。

アグネスには、この間渡したマジッククレーの使い心地を聞いたところ、大絶賛だったのだ。
そして、掃除の頻度も減ったと言う。

お隣さんにも何処で購入したのかを聞かれたそうだ。
これは需要がありそうなので、商品化しても大丈夫だろう。

次は、スチームが出る美顔器はどうだろう。
もちろん、加湿器としても使える。

これには、メルティアが食いついた。
寒い日は、乾燥して肌がカサカサになるのに悩んでいたそうだ。
これも、早速試作品を作ってみる事にしよう。

そんなこんなで、授業も終わり、放課後は図書室へと向かう。

実は、この学園には図書室が10室もあるのだ。
十進分類法ごとで分けられている為、何処に行くかを考える。

やっぱり、自然科学をおもとした図書室に行こうかしら。

自然科学の図書室は少し遠い。庭園を抜けた別館にあるのだ。
早速行ってみると、誰もいなかった。

これは快適ね。気を使わなくて良いし、自由にできそうだわ。
では、早速探しに行こっかな。
ルンルン気分で本を選び、席へと戻ると、ウィルフォードが私のアイディア帳を見ているではないか。

昨日の今日で気まず過ぎる。
そして、何故勝手に見ているのか・・・。

私は、ウィルフォードがそのまま立ち去る事を願い、咄嗟とっさに本棚の隙間に隠れようとしたのだが、そうは問屋が卸さなかった。

「これ、フェアリエルが書いたのか?」

私が隠れようとしているのを見ていて知っている筈なのに、何事も無い様に聞いて来たウィルフォード。
・・・逆に恥ずかしい。これぞ、だ。

「・・・。
そうですが、何か変な事が書いてありましたか?」

「いいや、面白い事が書いてあるな。
こんなにも、よく思い付くものだ。」

これは、褒められている?

昨日の気まずさが無かったかの様に話しかけて来るので、私も平常心を保てた。

「ウィルフォード様は何か用事があってこちらに?」

ウィルフォードはアイディア帳から目を離し、私と目を合わせた。

「君が図書室に行くのが見えたから来てみた。
この手帳に書いてある物を作りたいのか?」

「はい。色々調べようと思い図書室に来ているのです」

「では、私も手伝っていいかな?」

「っ!?
お忙しいウィルフォード様に手伝っていただくなんて、心苦しいです」

「大丈夫だ。それに、私がいれば、王宮書庫にも入れるよ」

・・・なんて魅力的な提案なんでしょう。

でも、その前に私の考えを話さなくてはいけない。
誰もいないし、このまま話しても大丈夫そうだ。

「ウィルフォード様、昨日の事で考えたのです。
本当にお見苦みぐるしい事を聞かせてしまいました。
わたくしは、今までの事を振り返り、唯の我儘であったと気付いたのです。
貴族として、有るまじき考え方でした。本当にお詫び申し上げます。
・・・そして、わたくしたしなめてくださり、とても感謝しております。
貴族女性の責務として、結婚はまぬがれないでしょう。
けれど、わたくしは結婚ではなく、違う事で自分の価値を見出したいのです。
その一歩として、今調べている物を作り出し、国や、民の生活に貢献できればと思っております。
・・・ウィルフォード様にお手伝い頂ければとても心強いのですが、恩をあだで返してしまう事になります」

私の話に静かに耳をかたむけてくれていたウィルフォードが思案しあんげに問いかけて来る。

「それは、君の目標が達成したら婚約解消をしたいという事か?」
「さようでございます」

私は、目線を下にして、ウィルフォードを見ない様にした。

「・・・では、賭けをしないか?」

想定していた返答ではなかった為、驚き聞き返す。

「賭けとは?」

「卒業までに、君が私を好きになったら君の負け。その場合、私と結婚する。
だが、君が私を好きにならなかったら、婚約は解消しよう。
・・・どうだろう?」

「・・・本当に良いのですか?」

「あぁ。もちろんだ。
なので、君が作る魔道具を手伝うよ」

「ありがとうございます!」

喜んでいる私をジッと見ていたウィルフォード。
ここから、ウィルフォードの反撃が始まる事になるとは、少しも気付かないフェアリエルだった。

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