王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!

こさか りね

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ベンジャミン視点

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今日は王宮での仕事だ。

今まで紹介されていなかったが、私は、この国の財務大臣をになっている。
領地の管理もあり、毎日多忙な日々なのだが、愛する家族との時間が、何よりの原動力となっているのだ。

昨日、陛下へ謁見の申し出はしてあり、許可は下りている。
仕事中だが時間となった為、謁見室へと移動したのだ。

陛下は、まだいらしていない。そして、待つ事数分・・・。

「遅くなってしまったな。ベンジャミン、楽にしてくれ。
内容としては昨日の本の件だろうか?」

そう、陛下は仕事とプライベートでは、全く話し方も雰囲気も変わるのだ。

大体の人が、変わるのが当たり前なんだが、ここまで違うと別人の様に感じる。
お茶目なオジちゃん感を一切感じさせない。

「左様でございます。一昨日、フェアリエルから報告を受けました。
是非、拝見出来ればと思い、こちらに参った次第です」

「そうか。では用意させるのでしばし待て。それと、ベンジャミンは、この件をどの様にするつもりだ?」
「はい。事後報告ではございますが、獣人ことアルマは、公爵家にて従者として引き受ける所存です。それにあたり、寺院に彼を、人と同等と認めてもらえる様に働き掛けたいと思っております」

その時、侍従が古惚けた本を持って来た。

「これだ。最後のページを見てみよ」

侍従から本を受け取り最後のページを開く。
そこには、エルから報告された内容と相違はないが、より鮮明に頭の中へと入って来た。

「悪いが、ベンジャミンと二人にしてくれ」

そうして、みな部屋から退出して行ったのだった。

「読んだか?」

豊かな髭を触りながら、聞いてい来る陛下に『はい』と返事を返す。

「下に書いてある、ジェイデン・ネイトピアは、わしらの先祖じゃ。
この日記を残したのも、ご先祖様じゃろう。
それで、わしも考えたんじゃが、ひょんな事から、この本が手元に来たという事は、そう言う事だと思うのじゃ」

私は、陛下が何を思いついたのかが良く分からず、『そう言う事とは?』と聞き返したのだ。
すると、眉を寄せて悩まし気に返して来たのだった。

「ベンジャミン。察しが悪いのう。幸せボケか?
だからのう、寺院に公表して認めさせ、国民に周知させるのじゃ!
それが、ご先祖様から回って来た、バトンだと思ったのじゃよ」

「なるほど、そう言う事ですね。理解しました。
では陛下も、これから私がする行動に、賛成と言う認識で大丈夫ですか?」

それを聞いた陛下は、拳を握り、天にかざしながら『もちろんじゃ!何かあったら、わしも協力するぞ!だからベンジャミン。勝利を勝ち取って来るんじゃあ!』と力強く賛同してくれたのだ。

「承知致しました。では、思う存分に戦わせてもらいます!」

そうして、陛下から武器として、日記を手に入れたのであった。

財務室へと戻る中、今後の予定や、最悪な事態を想定しての対策を練る。

王都の寺院へ、面会の申し入れをしなくてはいけない。
果たして、この日記だけで、認めさせる事が出来るのか・・・。
最悪の場合、アルマに協力をしてもらわなければ、ならないだろうか。

そうこう考える内に、財務室へと着いた。
その後、意識を切り替えて仕事に励んだのだ。

本日は陛下との謁見があった為、少し遅い帰宅となってしまった。

そして、家に帰ると、愛する妻と可愛い子供達の顔を見る。
これが、私の毎日の楽しみなのだ。
また、明日も頑張ろう。

父は、守るべき家族の為なら、なんだって出来るのだよ。


【ジェイデン・ネイトピア視点】

私は友から大事な物を託された。
今の時代では難しいが、いつか変わる時が来る。
だから、後世に残してほしいと言われたのだ。

友が人生を掛けて研究していた物だ。
私も寺院に掛け合ったが、『王が異端者では、この国は滅びる』と言われ、何も出来なかったのだ。

・・・なんて情けない。

自分が出来ない事を押し付けるのは、はなはだしい間違いだと分かっている。
けれど、諦めきれないのだ。

私の子孫達が、これを見つけ、世に送り出してくれる事を信じ、私は書庫の人目につかない所へと本を置く。

いつか、日の目を見る事を願って・・・。
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