67 / 84
46
しおりを挟む
次の日、クラスへ行くと、既にウィルフォードとベティニアが話しをしていた。
・・・一緒に来たのだろうか。
そう思っていたら、こちらに気付いたベティニアが手を振ってくれたのだ。
「フェアリエルは今日も愛らしいな」
とベティニアがカッコいい笑顔で言ってくれた。
ベティニアは美女なのだが、言葉使いや仕草で、とても中性的に見える。
女子校にいたらモテるタイプだろう。
すると、ウィルフォードがしかめ面で口を開いたのだ。
「ベティニア、フェアリエルにちょっかいを出すな」
それに対し、呆れ顔のベティニアが『お主は本当に心が狭いな。なあ、フェアリエル?私の事はベティと呼んでおくれ』とウィルフォードを無視して話しかけてくる。
「おい!聞いてるのか!?」
「煩い!お主は黙れ。
・・・で、フェアリエル?呼んでくれるか?」
二人はコントでもしている様な、テンポの良い会話をしている。
私は何だか面白くて笑ってしまった。
もちろん、不安は拭えていないが、ウィルフォードが友人だと言う言葉を信じる事にしたのだ。
それからの私達はグッと距離が近づき、私、ウィルフォード、ベティニア、ラウルの4人は、いつも一緒にいる様になったのである。
席替えではラウルが私の前になり、ウィルフォードとベティニアは離れてしまったのが残念だった。
そして、早くも始業日から2ヶ月が過ぎようとしている。
今日のお昼は4人で食堂へ行く事になった。
メルティア達に話したら、クラスの交流を大事にした方が良いと言われたのだ。
大分、日が経ってしまったが、今日こそはカレーのリベンジをしたい。
私は迷わずC定食を頼んだ。
初夏の日差しを感じるテラス席に座り、みんなで他愛ない話をする。
そんなひと時がずっと続くと思っていた・・・。
「なぁ、エル?
偶には女子二人で何処かへ行かないか?」
「ええ。是非行きましょう。
ベティは何処か行きたい所はある?」
そんな話をしていただけなのに。
「二人で行くのはダメだ」
え・・・?
ウィルフォードが怒っている。
ベティニアも呆れ顔で『お主も話に水を差すな』と言うが『お前には言っていない』と返し、私に向き直り、眉間に皺を寄せながら口を開いたのだ。
「フェアリエル、ベティニアにあまり近づくな」
私は言葉を失った。
すごい剣幕だったからだ。
「な、んで?」
一言言うのがやっとだった。
すると、不機嫌さを隠す事もせずに、一方的に言い放ったのだ。
「何でもだ。いいな」
それに見兼ねたラウルが口を挟む。
「ウィルフォード、それじゃ分からないよ。
ちゃんと説明してよ」
すると、『ラウルには関係ない』と、ぶった斬ったのだ。
とても険悪な雰囲気になってしまった・・・。
とその時、眉を寄せながら、ベティニアが口を開いたのだった。
「ウィルフォードの心は、猫の額よりも狭いからな。
いつか広くなる事があれば二人で出かけよう」
そう言うと、笑顔でウインクをして来たのだ。
そして、なんとかベティニアのおかげで場の空気は持ち直したが、ラウルは釈然としていない様で、終始、ウィルフォードを見ていたのである。
私も、どうして怒られたのかが分からず、気持ちがモヤモヤする・・・。
そうして、この出来事が、私の心に黒いシミを残したのであった。
・・・一緒に来たのだろうか。
そう思っていたら、こちらに気付いたベティニアが手を振ってくれたのだ。
「フェアリエルは今日も愛らしいな」
とベティニアがカッコいい笑顔で言ってくれた。
ベティニアは美女なのだが、言葉使いや仕草で、とても中性的に見える。
女子校にいたらモテるタイプだろう。
すると、ウィルフォードがしかめ面で口を開いたのだ。
「ベティニア、フェアリエルにちょっかいを出すな」
それに対し、呆れ顔のベティニアが『お主は本当に心が狭いな。なあ、フェアリエル?私の事はベティと呼んでおくれ』とウィルフォードを無視して話しかけてくる。
「おい!聞いてるのか!?」
「煩い!お主は黙れ。
・・・で、フェアリエル?呼んでくれるか?」
二人はコントでもしている様な、テンポの良い会話をしている。
私は何だか面白くて笑ってしまった。
もちろん、不安は拭えていないが、ウィルフォードが友人だと言う言葉を信じる事にしたのだ。
それからの私達はグッと距離が近づき、私、ウィルフォード、ベティニア、ラウルの4人は、いつも一緒にいる様になったのである。
席替えではラウルが私の前になり、ウィルフォードとベティニアは離れてしまったのが残念だった。
そして、早くも始業日から2ヶ月が過ぎようとしている。
今日のお昼は4人で食堂へ行く事になった。
メルティア達に話したら、クラスの交流を大事にした方が良いと言われたのだ。
大分、日が経ってしまったが、今日こそはカレーのリベンジをしたい。
私は迷わずC定食を頼んだ。
初夏の日差しを感じるテラス席に座り、みんなで他愛ない話をする。
そんなひと時がずっと続くと思っていた・・・。
「なぁ、エル?
偶には女子二人で何処かへ行かないか?」
「ええ。是非行きましょう。
ベティは何処か行きたい所はある?」
そんな話をしていただけなのに。
「二人で行くのはダメだ」
え・・・?
ウィルフォードが怒っている。
ベティニアも呆れ顔で『お主も話に水を差すな』と言うが『お前には言っていない』と返し、私に向き直り、眉間に皺を寄せながら口を開いたのだ。
「フェアリエル、ベティニアにあまり近づくな」
私は言葉を失った。
すごい剣幕だったからだ。
「な、んで?」
一言言うのがやっとだった。
すると、不機嫌さを隠す事もせずに、一方的に言い放ったのだ。
「何でもだ。いいな」
それに見兼ねたラウルが口を挟む。
「ウィルフォード、それじゃ分からないよ。
ちゃんと説明してよ」
すると、『ラウルには関係ない』と、ぶった斬ったのだ。
とても険悪な雰囲気になってしまった・・・。
とその時、眉を寄せながら、ベティニアが口を開いたのだった。
「ウィルフォードの心は、猫の額よりも狭いからな。
いつか広くなる事があれば二人で出かけよう」
そう言うと、笑顔でウインクをして来たのだ。
そして、なんとかベティニアのおかげで場の空気は持ち直したが、ラウルは釈然としていない様で、終始、ウィルフォードを見ていたのである。
私も、どうして怒られたのかが分からず、気持ちがモヤモヤする・・・。
そうして、この出来事が、私の心に黒いシミを残したのであった。
22
あなたにおすすめの小説
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
私を簡単に捨てられるとでも?―君が望んでも、離さない―
喜雨と悲雨
恋愛
私の名前はミラン。街でしがない薬師をしている。
そして恋人は、王宮騎士団長のルイスだった。
二年前、彼は魔物討伐に向けて遠征に出発。
最初は手紙も返ってきていたのに、
いつからか音信不通に。
あんなにうっとうしいほど構ってきた男が――
なぜ突然、私を無視するの?
不安を抱えながらも待ち続けた私の前に、
突然ルイスが帰還した。
ボロボロの身体。
そして隣には――見知らぬ女。
勝ち誇ったように彼の隣に立つその女を見て、
私の中で何かが壊れた。
混乱、絶望、そして……再起。
すがりつく女は、みっともないだけ。
私は、潔く身を引くと決めた――つもりだったのに。
「私を簡単に捨てられるとでも?
――君が望んでも、離さない」
呪いを自ら解き放ち、
彼は再び、執着の目で私を見つめてきた。
すれ違い、誤解、呪い、執着、
そして狂おしいほどの愛――
二人の恋のゆくえは、誰にもわからない。
過去に書いた作品を修正しました。再投稿です。
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
婚約破棄されるはずでしたが、王太子の目の前で皇帝に攫われました』
鷹 綾
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間――
目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。
そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。
一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。
選ばれる側から、選ぶ側へ。
これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。
--
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる