婚約破棄までの大切なプロセス

ごろごろみかん。

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ごじゅーに

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「あなた、私を殺す気なのね?」

「………何でそう思うの?」

「誰だってわかるわ。そして、私をここから返す気もない………。そうでしょう」

「いや?返すよ?さすがにそんな悪人じゃないって!」

どの口がそれを言うか。メゾネリアにいるということは国で指名手配されているほどの悪人に違いない。私が黙ると、少ししてからフロックコートが笑った。そしてぶわりと風が吹く。

………地下なのに風!?

「きゃっ………!」

「お姉さん、いいね!契約してあげるのは、本当。でも、一つだけお願いを聞いて欲しいんだ」

強風の中、声が聞こえる。ようやく風が止むと、既にフロックコートの姿はなかった。代わりに一枚の羊皮紙が落ちている。

「………なにこれ?」

思わず、警戒しつつもその羊皮紙を拾い上げる。どうやら妙な小細工はされていないらしい。
その羊皮紙には短くこう書かれていた。

『市井にいる金髪の令嬢からガーネットのネックレスを貰ってきて!それが出来たら専属契約しよう』

ネックレスを持ってくる………!?
思わぬ言葉に動揺する。思わず羊皮紙をひっくり返すが他には何も書かれていなかった。

「令嬢からネックレスを持ってこい………って」

市井に金髪の令嬢がどれだけいると思ってるのよ…………!思わずぐしゃりと羊皮紙を握りつぶす。………とりあえず行ってみよう。時間制限は特にないようだが、急いだ方がいい。もとより薬屋にはシャフィナとラーセル、そしてアメリアを待たせている。急がないと怪しまれる。
私は来た道を戻ることにした。パーティ会場のような明るい室内を後にする時、ちらりと視界の隅でフロックコートが揺れた気がした。


***


「合わぬものをいただくのはやはり、合いませんね………」

ややあってから店主の青年は続けた。そして螺旋階段を降りながら王太子に告げる。

「あなたがたと入れ違いで裏口から出ましたよ、お嬢様方は」

お嬢様方………?
ラーセルは不思議そうにするが、王太子は不敵な笑みを口にうかべている。そしてゆっくりと壁から背中を離すと、その身を翻した。

「それだけ聞けば十分だ」

「え?あの、殿下………シャーロット嬢は………」

ラーセルが小さく聞くと、王太子は口元に笑みをたたえたまま答える。

「そのうち戻ってくると思うよ。それじゃあ、僕は戻るから。シャーロットによろしくね」

それだけ言うと王太子は店を出ていく。残されたのはラーセル、シャフィナ、アメリアの三人だ。ラーセルはその姿を追いながら、シャルロットには外で待つよう言われたが、店内で待っていてもいいものか考え始めた。
外、くそ暑いんだよなぁ………。戻りたくねぇなぁ…………。ちらりとシャフィナを見たが、相変わらずシャフィナの表情は読めなかった。
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