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ご挨拶ね。
ミィナから店主に話を通してもらい、一室借りることにすると私はルアヴィスと空室に入った。こんなところ誰かに目撃されれば醜聞は避けられないが、幸いにも私たちを知る人はここにはいない。フードも被っているし。
私はちらりとルアヴィスを見た。ルアヴィスはキョロキョロと周りを確認していたが、ふと視線が絡むと唸るように言う。
「で?俺に何の用」
「ご挨拶ね。まあいいわ、座ってちょうだい」
ルアヴィスにソファをすすめると、彼は無言で座る。私は彼のそんな様子を見ながら、ふと思い出した。
「そう言えばあなた、王宮で襲われてたわね」
「それが?」
「王宮で襲われるなんて、滅多にないことよ。しかもあんなに堂々と。………あれは、王太子の手のものね?」
聞くと、しかしルアヴィスは答えなかった。それが何よりの答えだろう。
私はため息混じりに言った。
「話を変えるわ。先程ミィナに話したとおり、一週間後に王宮は突然の爆発事故が起きる」
「それ、本当なのか?」
ルアヴィスがようやく顔を上げた。私はこくりと小さく頷く。元よりすぐに信じてもらえるとは思っていない。 ウィリアムの時のようにはなりたくない。
ルアヴィスは王族のーーーおそらく陛下の。落胤だということを誰にも言っていない。隠している。それは夫のセルベークも知らないようだった。つまり、ルアヴィスの秘密を知った今私の方にアドバンテージはある。
ウィリアムのように私を拘束することはルアヴィスの立場上難しいだろう。腐っても私は団長夫人。王太子と敵対関係にあるルアヴィスに私をとらえるだけの力はない。
ここでどうにかされる恐れはない。そう踏んで、私はルアヴィスに今までの話をした。
それでも全ては話さず、簡単に省略した内容だ。
「あんたは一回死んで、それで………」
「巻き戻ってるわけ」
「それを俺が信じると?」
「言うと思ったわ。まあ、いいの。別に信じてもらうために話したのではないし」
私はそう前置きすると、ルアヴィスを見た。彼の空色の瞳をじっと見る。瞳の中に浮かぶ四角の模様はやはり鮮やかだ。
「王宮で爆発が起きるとして、それはどこを爆破すると思う?私の記憶では玄関ホールの階段が崩れ落ちるほどの衝撃だったのよ。あれは柱を壊しただけじゃああんな衝撃は起きないわよね?」
「……………」
ルアヴィスは僅かに眉を寄せて、顎に指をかけた。そしてしばらくして呟くように答える。
「…………規模が分からないからなんとも言えない、が。一箇所を爆破するだけで王都が崩れかねない場所なら…………ある」
「それはどこ?」
聞くと、ルアヴィスはぱっと手を離して私を睨むように言った。
「その前に、あんたは誰だ?今の話、とてもじゃないが信じられない。それに俺の知るテレスティア・レベーゼはあんたのような女じゃない」
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