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灯台もと暗し 3
しおりを挟む当初、王を始めとした家族には大反対されたが、最終的には王の承認を得た。
暗殺部隊を希望したのは、彼らは年中色んな場所へ足を運び、潜入し、場所を選ばないからだ。王子である彼が、ティナを探し回ることは難しい。書面上、ティナは婚約者でもなければ妻でもない。縁もゆかりも無い少女を探すには、ロベートの立場は高く、自由が効かない。
しかし、暗殺部隊員として動けば多少の自由は利く。彼は、三年で学んだ剣の腕と体術を使い、工夫し、細工を重ね、主に密輸入に関連する人間を捕えてきた。
時には見せしめのため、手にかけることもある。
三年が経過し、四年が経過する。それでも、ティナは見つからなかった。
三年をかけて、フワロー全国を巡り、どんなに小さな村でも必ず調べあげ、彼女を探したが見つからない。茶金の髪に青色の瞳の娘がいると聞けば、必ず彼は見に行った。
彼女を探し始めてから三年。彼がテーブルに広げた国内の地図には至るところにバツの印がある。これは、彼が調べあげた場所だ。
もしかしたら、タイミング悪く会えなかったのかもしれない。念入りに探せば今度こそ会えるだろうか。
気がつけば五年の月日が経過していた。
ロベートは変わらず王族の汚れ仕事を担う暗殺者として、幾人も手にかけてきた。
それに比例し、ますます彼の瞳は凍るように冷たくなる。
白銀の髪に宝石のような薄翠の瞳は、より彼を冷たく見せた。実際、彼は誰に話しかけられようと必要最低限の会話しかしなかった。
さらには黙り込んで瞳を細められると、何とも首を絞められるような重たい威圧感を与え、彼は美しいと褒め称えられる裏で恐れられるようにもなっていた。
彼はティナを探すようになってからフェロモン相殺剤を服用するようになっていた。フェロモンを感じ取ることが出来なくなる、という効能のほか、副作用としてフェロモンによる発情を伴わなくなる。
彼は運命の番が現れても、そのフェロモンを察知することも、相手と性交することも出来なくなったのだ。
そして、ついに五年目が経過した。二年前に行ったっきりの場所を探して、そこを潰していくか、と彼が思った矢先だった。
仕事のために用立てた、王都の家に帰る途中。
彼は聞いたのだ。
王都の大通りで、なにか見世物でもやっているのだろうか。人が足を止め、そちらに視線を向けていた。
彼もまた、そちらに視線を向けて──息を飲んだ。そこにいたのは、彼がずっと、長年追い求め探していた、兎の娘だったからだ。
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