New Life

basi

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第三十二話

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「ん~、食べた食べた」
 結構な量の肉を焼いたはずだけど跡形もなく、四人のお腹に入ってしまった。哀れな鳥さんだ。
「一応予定通りだとして、後二日か?」
 ペイドさんに聞いたのでマップに大まかな目印が付いている。ただ、三日歩いた所って言ってたけど、歩いて三日なのか、三日歩いて四日目になるのか……。もっとちゃんと聞いておけばよかった。
「あんまり交流とかもないみたいですね。ここまで来るのに道と言えそうな道は無かったですし。少し不安です」
 全く無いというわけではないだろう。今までも獣道よりちょっとはマシ、という程度の道はあった。やはり、ここ最近はほとんど交流がないのだろう。とはいえ、現実より大型の動物が多いこのゲームだ。真実、ただの獣道の可能性もあるが。
「一応方向的にはあってるよ。余裕を持って三日後に村に着く、と思ってたらいいと思うよ」
「でしょうね。今から不安がっても仕方ないわよ。とは言っても気持ちはわかるけどね。私達だけじゃなくほとんどの人が道なき道を進んだことないもの。どうなることやらね」
 そう言うと、ん~、と伸びをしてエルファはさっさとテントに向かって歩いていく。
「私先に寝るわ。最初の見張りよろしくね。二人一組みで……一時になったら交代にしましょ。組み分けは適当にやっといて。ふぁあぁ、おやすみ」
 まさか早々に寝に行くとは。自由すぎる。
 テントに消えたエルファをちらっと見て、俺たちはため息をついた。
 俺としては誰と見張りをしてもいいけど。効率のいいペアとか知らんし。でも、普通に考えたらエルファは魔法職で後衛だからエリザと組んだほうが良いのか?
「じゃあ、俺とティアで最初にやろうか」
「いいよ」
「わかりました。では先に休ませてもらいますね」
 エリザはエルファと同じテントに入っていく。
「あのテントって三人用?」
「一応四人用だよ。ユル君も一緒に寝る?」
 いや、非常に魅力的ではあるけれども……流石にそれはマズイだろう。
「……遠慮しておきます」
 あれ? でも見張りも要るし四人用のテントの必要あるのかな。
 聞いてみたけど、旅のときは何があるか分からないので少々余裕が在る方がいいのだそうだ。以前、魔物に襲われて荷物を失った人も居るらしく、テントがなくなりパーティメンバーは小さなテントだったため、一人で野宿をしたそうな。ちなみに無制限な異次元収納は存在せず、初期は魔法のポーチがありそれがインベントリの代わりをする。もちろん別売りの魔法のバックもあり、収納量やサイズは様々で予算と要相談だ。システムてきなインベントリではないのでバックを落とせば中身も全て失う。こんなところも妙にリアルだ。
 ただ、取り出しと収納は念じれば出し入れが出来るので一々鞄に手を入れたりしないで済むので便利だ。だから鞄より大きくても収納可能。ここらへんはゲームっぽい。
「でも今日のあの鳥って、サイズの割にそんなに強くなかったね」
「ああ、あれは動物系だからね。動物系であの強さなら中ボス級ってとこじゃないかな」
「動物系?」
「そうだよ。モンスターの分類だけど下から動物系、無機物・魔獣系で、これ以上はまだあまり出てきてないからわからないけどおそらくアンデット系、魔族系、ドラゴン系があるって話。噂だけどね。一応魔獣系はダンジョンでないと確認されてないよ。これからどうなるかは謎だけどね」
「そうなのか。動物と魔獣の区別ってどうやるの?」
「魔獣は属性があるからすぐわかるよ。動物も弱点属性はあるけど、魔獣は存在自体に属性がついてる。属性が付くからその属性の魔法とか属性攻撃とかしてくるから結構強いよ」
「ん~、魔法使ってれば魔獣?」
「まぁ大まかにはそれでいいと思うよ。あと、知能がついてるから強い魔獣ほど頭がいいみたいだよ。もしかしたら喋る奴もいるかもしれない」
 げろげろ。めんどくさそうだ。
「そう言えばゴブリンってこう云うゲームじゃメジャーじゃん? あれはどこら辺になるんかね」
「ああ、ゴブリンは一応魔族? かな。まだ誰も遭遇してないと思うよ」
「まじか。ってことは結構強い部類になるのか」
「まぁ、確かゴブリンって元々妖精じゃないっけ? だから動物でも魔獣でもないしね。魔族の雑魚って所じゃないかな、たぶん」
「なるほど」

「そう言えば三人はどう言う関係?」
「ん? 聞きたい?」
「いや、別に。ただ話すことが無いからさ。会話のネタってやつ」
「ふーん。別に大したことじゃないけどね。私達の装備ってさディスカって子が作ってるんだけどね、そこの常連さん。何度かディスカの所で話して、そんでディスカの素材集めに付き合ったのが最初。それからはなんだかんだで結構つるんでるね~。……アハハ、そうそう。ディスカってさ、防具専門なんだけどね。デザインセンスとか気にしないみたいでさ。『性能が高いんだから』って言って自分で新しいデザイン造らないんだよ。だからほとんど既存品の模倣みたいなデザインばっかり。名前も『私が作ったんだからディスカの服で十分』って。女の子なのにオシャレとか全然興味ないんだって。いろんな意味で勿体無い子だよ。結構可愛い子なのに」
 確かにティア達の服装は色と袖丈が違うだけで良く見るデザインだ。
「まぁ俺も師匠に言われなければ性能だけの物を造ってたけどね。妥協を許さない人たちで……正直死ぬかと思いました」
「アハハ、製造で死ぬことは無いよ」
「……体力バーがレッドゾーンまで行きましたけど」
「マジか!」


 話すことも減ってきて俺は再び頼み事をする。
「ティア、ティア」
「何?」
 そう
「耳と尻尾触らせて」
 猫耳と尻尾、フサフサのピコピコですよ。
「う、ちょっと……今は、遠慮したい、かな」
 ガーン。断られた……。フサフサが、ピコピコが。
「そ、そんなに落ち込まなくてもいいじゃんか」
 そうは言っても自他共に認める『猫好きー』ですよ。目の前に猫パーツが有るのに触れられないとは……無念。

 それからぽつぽつと無駄話をして交代の時間になった。
 交代の時、自分のテントに入ろうとすると何もしないのなら一緒のテントでもいいと言われたけど流石にそれは遠慮した。いろいろ自信ないです
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