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第四十話
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おっさんは一気に喋って疲れたのか、大きく息をついて背もたれにもたれかかった。
『長かった……。スタッフで能力を使える奴が出てくるまでもだし、国になんちゃってでもGOサインをもらうまでもだし、サービス開始から今回のアップデートまで……やっとだ。能力得られたらいいなと思って、ほんとに出来て、関係機関に連絡して根回しして、もーー‼‼‼ って切れ掛けてもやって来た甲斐があった』
おっさんは今日一番の笑顔で言い切った。なんか大変だったんだなぁ。
『さて、それでだ。今回の本題なんだが、公式には載ってない、というか載せてない情報だ。今回のアップデートだが、新しいサーバーが出来ている。このサーバーに入るにはログインしたサーバールームに扉があってそこの横にいるNPCキャラクターに話しかけるだけ。そうすると新しい世界への扉が現れる。それ以降はNPCは消えるが扉は残る。今までのサーバーに入ってもいいし、新しいサーバーに入ってもいい。新しいサーバーはアシストをほぼ0に近いとこまで落としてある。このためステータスもほぼ現実の状態に近い。この状態で魔法なりなんなりを使えるようになると現実でも使えるようになってくる。もちろん簡単なことじゃない。今までのサーバーでアシストをなるべく使わずに行動して感覚をつかんで新サーバーで特訓する、って感じになると思う』
今までどんだけシステムに頼ったかによるぞー、とおっさんは笑ってる。
『今まで魔法を使ってこなかった奴もそんなに悲観する必要はないぞ。魔法が苦手でも使える能力はある。詳しくは言わんがちゃんと使うにはある知識が必要だがな。あとゲーム内のスキルとかはほぼ現実で再現できるはずだ。身体能力依存なものはすぐには無理かもだがな……。パッシブ系のアビリティとかは本人次第で発動するものもあるから気をつけろ。最後に重大な情報だが、この新サーバーはこの放送が終わると同時に実装される。そしてそれよりも前にゲームにログインした奴には二度と新サーバーに入ることはできない。なぜこんなことをするかと言うとだ、俺はアップデート終了とともにゲーム開始して攻略する、なんて奴は嫌いだ。この放送のこともしっかり告知してあるのに気にならないただのゲームとしてしか認識してないようなやつは知らん。俺はシステマチックなゲームをして欲しいんじゃない、新しい世界を造ったんだ!』
おっさんは言い切った後にうなだれてしまった。
『……て、言えたらよかったんだが、さすがにダメだと言われた。なので、まず公式ページからこの動画を見るとアカウント情報と連動する。それでゲームデータと連携して特定の条件をクリアしたものは新サーバに入ることができる。この動画を見るのは俺の熱意と今までのゲーム感覚を捨てろということをわからせるためだからな。これは譲らん。動画を見ようとしないやつまでは知らん。ああ、あと特定の条件もいくつかあるからその内のどれか一つをクリアすればいい。ただ、その条件はシークレットだ。しかしヒントはこの動画に隠れているぞ』
『そして第二陣の成長ブーストは今回のアップデートで終了する。これはさっさとこのでっかいチュートリアルを終わらせるためだったからな。さらに新サーバーに入ると入った全プレーヤーのアビリティレベルも落ちる。これは新サーバーでアシストを最低限にするためだ。つまりアシストを切った状態での能力レベルが表示されるってわけだ。これだけだと恩恵が無いように思うかもだが、この状態のサーバーでできることは現実でもできるようになる。アシストがほぼないんだからな、当然だ。しかも逆に現実でも使えるようになると一気にレベルが上がりだすぞ。ゲームでも現実でも頑張れよ? 新しい世界を目指そうぜ』
衝撃の会見はこうして幕を閉じた。
流石に唖然とした。電子音がして何かと思えばメールだった。そしてメールを見ようとを持ったら、ベランダの窓を激しく叩く音が。見るとやっぱり健次だった。
「おいおい、見たかよ? マジかよ」
健次はマジかよ、やべー、と繰り返している。
「とりあえず条件って何だろうな?」
「わからんけど、とりあえずおっさんが言う通りなら、とにかく色々話しかけて色々やれってことじゃないかな」
あのおっさんはひたすらシステム的に進めるなって言ってたからな。返事をしながらメールを見ると、メールは知香からで内容はほぼ健次と一緒だ。知香にはとりあえずログインしてみて新サーバーに入れたら入ると伝えておく。
「優は入れる自信あるか?」
「俺はまあ、入れるんじゃないかと思ってる。今回のアップデートのキー解除は俺たちだしな」
それに俺は色んな人に話しかけてる自信あるし。
「マジかぁ……俺は微妙かもなぁ」
「まあログインして、だめなら色々頑張れ」
お互い興奮して話したいこともあったが、ログインして新サーバーに行きたい思いもあり、早々にログインすることにした。
「ようこそユル様」
ログインしてすぐに声をかけられた。例のNPCだ。
「ユル様は条件をクリアされていますので『NewLife』へ進むことができます」
やっぱり条件をクリアしていたみたいだ。表情も性別もわからないNPCの横に普通の扉と重厚な扉が現れた。どっちが何の扉か一目でわかる力の入れようだな。
「今後、ログインするとこの場所から扉を選んでゲームを開始となります」
「あの、今何人が条件をクリアしているかわかりますか?」
「今現在は八人が条件をクリアしています。その内二人はすでに『NewLife』へ進んでいます」
「クリアしてる人は条件って教えてもらえるんですか?」
「それは秘密です。では、私の役目はここまでですので、良い人生を」
そう告げるとNPCは消えた。
「……とりあえず、入ってみるか」
そして、扉を開けた。
『長かった……。スタッフで能力を使える奴が出てくるまでもだし、国になんちゃってでもGOサインをもらうまでもだし、サービス開始から今回のアップデートまで……やっとだ。能力得られたらいいなと思って、ほんとに出来て、関係機関に連絡して根回しして、もーー‼‼‼ って切れ掛けてもやって来た甲斐があった』
おっさんは今日一番の笑顔で言い切った。なんか大変だったんだなぁ。
『さて、それでだ。今回の本題なんだが、公式には載ってない、というか載せてない情報だ。今回のアップデートだが、新しいサーバーが出来ている。このサーバーに入るにはログインしたサーバールームに扉があってそこの横にいるNPCキャラクターに話しかけるだけ。そうすると新しい世界への扉が現れる。それ以降はNPCは消えるが扉は残る。今までのサーバーに入ってもいいし、新しいサーバーに入ってもいい。新しいサーバーはアシストをほぼ0に近いとこまで落としてある。このためステータスもほぼ現実の状態に近い。この状態で魔法なりなんなりを使えるようになると現実でも使えるようになってくる。もちろん簡単なことじゃない。今までのサーバーでアシストをなるべく使わずに行動して感覚をつかんで新サーバーで特訓する、って感じになると思う』
今までどんだけシステムに頼ったかによるぞー、とおっさんは笑ってる。
『今まで魔法を使ってこなかった奴もそんなに悲観する必要はないぞ。魔法が苦手でも使える能力はある。詳しくは言わんがちゃんと使うにはある知識が必要だがな。あとゲーム内のスキルとかはほぼ現実で再現できるはずだ。身体能力依存なものはすぐには無理かもだがな……。パッシブ系のアビリティとかは本人次第で発動するものもあるから気をつけろ。最後に重大な情報だが、この新サーバーはこの放送が終わると同時に実装される。そしてそれよりも前にゲームにログインした奴には二度と新サーバーに入ることはできない。なぜこんなことをするかと言うとだ、俺はアップデート終了とともにゲーム開始して攻略する、なんて奴は嫌いだ。この放送のこともしっかり告知してあるのに気にならないただのゲームとしてしか認識してないようなやつは知らん。俺はシステマチックなゲームをして欲しいんじゃない、新しい世界を造ったんだ!』
おっさんは言い切った後にうなだれてしまった。
『……て、言えたらよかったんだが、さすがにダメだと言われた。なので、まず公式ページからこの動画を見るとアカウント情報と連動する。それでゲームデータと連携して特定の条件をクリアしたものは新サーバに入ることができる。この動画を見るのは俺の熱意と今までのゲーム感覚を捨てろということをわからせるためだからな。これは譲らん。動画を見ようとしないやつまでは知らん。ああ、あと特定の条件もいくつかあるからその内のどれか一つをクリアすればいい。ただ、その条件はシークレットだ。しかしヒントはこの動画に隠れているぞ』
『そして第二陣の成長ブーストは今回のアップデートで終了する。これはさっさとこのでっかいチュートリアルを終わらせるためだったからな。さらに新サーバーに入ると入った全プレーヤーのアビリティレベルも落ちる。これは新サーバーでアシストを最低限にするためだ。つまりアシストを切った状態での能力レベルが表示されるってわけだ。これだけだと恩恵が無いように思うかもだが、この状態のサーバーでできることは現実でもできるようになる。アシストがほぼないんだからな、当然だ。しかも逆に現実でも使えるようになると一気にレベルが上がりだすぞ。ゲームでも現実でも頑張れよ? 新しい世界を目指そうぜ』
衝撃の会見はこうして幕を閉じた。
流石に唖然とした。電子音がして何かと思えばメールだった。そしてメールを見ようとを持ったら、ベランダの窓を激しく叩く音が。見るとやっぱり健次だった。
「おいおい、見たかよ? マジかよ」
健次はマジかよ、やべー、と繰り返している。
「とりあえず条件って何だろうな?」
「わからんけど、とりあえずおっさんが言う通りなら、とにかく色々話しかけて色々やれってことじゃないかな」
あのおっさんはひたすらシステム的に進めるなって言ってたからな。返事をしながらメールを見ると、メールは知香からで内容はほぼ健次と一緒だ。知香にはとりあえずログインしてみて新サーバーに入れたら入ると伝えておく。
「優は入れる自信あるか?」
「俺はまあ、入れるんじゃないかと思ってる。今回のアップデートのキー解除は俺たちだしな」
それに俺は色んな人に話しかけてる自信あるし。
「マジかぁ……俺は微妙かもなぁ」
「まあログインして、だめなら色々頑張れ」
お互い興奮して話したいこともあったが、ログインして新サーバーに行きたい思いもあり、早々にログインすることにした。
「ようこそユル様」
ログインしてすぐに声をかけられた。例のNPCだ。
「ユル様は条件をクリアされていますので『NewLife』へ進むことができます」
やっぱり条件をクリアしていたみたいだ。表情も性別もわからないNPCの横に普通の扉と重厚な扉が現れた。どっちが何の扉か一目でわかる力の入れようだな。
「今後、ログインするとこの場所から扉を選んでゲームを開始となります」
「あの、今何人が条件をクリアしているかわかりますか?」
「今現在は八人が条件をクリアしています。その内二人はすでに『NewLife』へ進んでいます」
「クリアしてる人は条件って教えてもらえるんですか?」
「それは秘密です。では、私の役目はここまでですので、良い人生を」
そう告げるとNPCは消えた。
「……とりあえず、入ってみるか」
そして、扉を開けた。
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