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ようやく河口に辿り着いた。
旅の終盤、彼を除く全員が脚を退化させきってしまった時には立往生せざるを得なかった。彼以外に誰かを背負える者がいなくなってしまったからだ。
浜辺までどれほど距離があるか分からなかったので、腕と尾の匍匐前進でどうにかなるとも思われなかった。
それで、結局は彼が川まで道を切り開き、還る者たちを誘導しなければならなかった。
しかし一度川辺に立ち、流れに乗ってしまえば、あとは楽しい旅路が延々続いた。子供らは澄んだ真水に身を洗い、潜ったり泳いだり、彼はそれを横目に、幸運にも見つけることができたアーケオプテリスの倒木を筏代わりにして一緒に川を下った。平地なので急流域はもう殆どなかったが、それでもたまに通過する時は子供たち皆、筏につかまって歓声を上げ、大いにはしゃいだ。
段々と川幅が広がり、流れが緩くなるとともに水へ潮気が混じり始めたと気付いた時の興奮と言ったらなかった。
彼は嬉しかった。陸路ではずっと背負い続けていた少女が自分から離れ、恐る恐る水に入った時には少し寂しさを感じもしたが、しかし他の子供に交じって無邪気に笑う彼女を見ていると、やはり良かったと思えた。自分は良いことをしていたのだと思えた。
水棲生物の化石に含まれる酸素同位体の比率から、その生物が生きていた頃の海水温度を推定できる。それによれば、四億二千万年前に始まり三億五千万年前に終わる古生代、デボン紀の海水温はかなり高かった。前期で平均二十六度、後期には平均で三十度にまで達したと考えられている。この温暖な環境を利用して大躍進したのが魚類だ。この時代の大海原は様々な魚類の進化見本市だった。
現生硬骨魚の大半を占める条鰭綱は直前のシルル紀後期に誕生し、デボン紀において後の繁栄へ至る足掛かりを盤石にした。無顎綱にとっては最後の繁栄期だった。厚い骨により頭でっかちでユーモラスな見た目をしているのは骨甲綱、異甲綱は泳ぎ下手なので、波の穏やかな内湾奥で群れを作って暮らしていた。節頸綱、胴甲綱など、当時の王者の血筋は海を支配した。
そして潮間帯、陸と海のはざまに進出したある種の魚たちがいた。有名どころはユーステノプテロンだが、その他、鰓呼吸の補助機関として別の臓器を使い始めたバンデリクチス、骨格構造が魚類から離れ始めたティクタリクなどだ。アカントステガ、イクチオステガへ至る道の始まり――。
進化論の発表当時、反進化論者は現在の動物と過去の動物の間を埋める存在の未発見なことを弱点とみて格好の攻撃材料とした。ダーウィン自身それを自説の弱点と認めてさえいた。だが現在、ミッシングリンクを埋める移行化石は様々な分野で発見されている。共通祖先からサルへ、ヒトへ、共通祖先から哺乳類へ、爬虫類へ、共通祖先から魚類へ、両生類へ。ウィルスによる遺伝子の水平移動など、より深く理解され始めた知見により、分子進化、系統樹モデルについては過去に考えられていたよりもっと複雑であることが分かってきているが、それでも化石資料において我々は絶滅動物の形態を辿り、生命の系図を複数の分岐点まで迫ることができている。
そしてデボン紀の潮間帯は陸上脊椎動物誕生へ至る、ごく最初の分岐に当たる。即ち、彼らはようやく、最初の浜辺に立ったのだった。
心は海が近づくにつれて活性化する一方、肉体は長旅でかなり疲労しているはずだからと、彼は全員を一度、三角州へ上げた。陽光に体を温め、ゆっくり休めと伝えた。
それで皆、潮の引いた洲の上でのんびり日光浴を楽しんだ。ぽかぽかと温まった。
とは言え、皆が指示通りじっとしていられたのは三〇分ばかりのことだ。
波の音が鼓膜を洗う。水が呼ぶ。耐えきれなくなった者たちが両腕で駆け出した。それを見て他の子供たちの我慢も限界を超える。孵化して砂から体を出したウミガメの幼体のように一目散で波打ち際へ突き進んだ。
だが、ウミガメは怖くて海へ駆けるのだ。捕食動物を避けて海へ逃げるのだ。この子供たちは違う。海があるから駆けるのだ。砂を掻き、下半身をくねらせて突き進む。
長く幅のある、しなやかな尾は、くるぶしほどの水もない干潟を這うのにも重宝する。広々した河口に形成されるだだっ広い潮間帯、その向こうには水平線が果てしなく伸びている。陽光に煌く海が長旅の労を労っている。こちらへ来いと呼んでいる。
門は開かれた。帰還者を優しく迎え入れようとしていた。なだらかに深さを増す水底を眺めながら、その上を滑る自分の影、ついには青一色の世界へ移り変わる境界を突破するあの瞬間、それらはもう、すぐそこにあるのだ。潮が永遠に満ちる時が来る。もう、なにもせずとも、ここでしばらく過ごすうちに、世界は完全な楽園へと還っていくだろう。
――だが。
波打ち際に胡坐をかき、自分の体を見下ろした彼は、腹の底から湧き上がるつまらない気持ちと戦っていた。彼の体はどう見てもヒトのままだったからだ。変わったところなどまるで無い。
眼前を見やれば両脚を完全に失い、足は腹鰭とし、幅広の尾へ筋肉と透明で分厚い尾鰭の縁取りをつけた子供たちが、歓声と水飛沫を上げてはしゃぎまわっている。
彼は自分の顔面から滴る汗を感じた。だが拭うこともなく、そのままにしておいた。
(なぜ俺だけ変わらないんだろう?)
(――いや、そうじゃない)
自分の役目はここで終わったのだ、と思った。そしてそれを無事に果たしたことを思えば、もっと堂々としていたい、とも思った。
だが、灼熱の日差しが背中を焼き、波打ち際ではまだ尻の下の砂も熱い。濃密な大気に押さえつけられて頭は垂れ、体は自然と丸くなる。打ち寄せる波がなければ彼は即身仏めいて、もう干からびていたはずだ。
ふと、近くで水音がした。だが彼にはもう、そちらへ顔を向ける気力もなかった。
寄せる波とは別の波が近づき、白い体がするりと彼の膝上へ滑り込んでくる。
「なにしてるんだよ」
つい苛ついた口ぶりに批難の調子を感じたのだろう、ぎょっとした顔つきで見上げた少女へ、
「ああ、ごめんごめん」
彼は慌てて謝った。どうせなら笑顔で別れたい。
ぎこちない笑みで繕うその彼へ「どうしたの?」とでも尋ねるように、彼女はそっと体を寄せてくる。
「いや、なんでもないんだ」
長々した尾を撫でてやりながら、今度は心の底から笑みを見せる。それだけでもう安心したらしい。遊び疲れたのか、彼女は長旅の夜ずっとそうしていたように彼へ身を預け、体を丸めると静かに目を瞑った。
「他の皆はどうした?」
「とーっくに、沖へ出てったよ」
目を閉じたまま、彼女はのんびり答える。彼は少し驚いて、
「大丈夫なのか?」
「え――、ああ、大丈夫でしょ。しっかり休憩したし」
「いや――」
彼は続けて問いかけようとしたが、
「――そうか。なら、いいんだ」
結局、それで終わらせた。危うく全てぶち壊しにするところだった。彼女が細く開けた目でじっとこちらを見上げているのを、頭を撫でてやって誤魔化す。
再び目を閉じた彼女が、
「なんだか、変な感じ」
「そうか?」
彼は再び微笑んだ。誰にも固有の安心するリズムがある。旅の間に見つけた彼女のリズムで白々と光る背中をあやしてやりながら、何気なく、
「だけど不思議だな」
「何が?」
「どうして君たちは完全な魚に戻っちまわないんだろうな。その方がずっと楽だろうに」
え、お嬢さん――?
問いかけた途端、彼女ががばと半身を起こした。彼を見据え、
「やっぱりさ、気づいてるよね?」
「――なんだって?」
「気づいてるんでしょ? なら、〝これ〟にも気がついているんでしょ?」
澄んだ瞳に促され、周囲へ目をやる。ふいにデボン紀の海岸、美しい風景がぼやけ始める。
「どうしてはっきり言わないの? どうして、気づいてないふりを続けるの?」
「いや、そういうわけじゃないんだが……」
「じゃあどういうわけよ」
強く問われて彼は窮する。
ここで旅が終わるのだ、と直感した。
ようやく河口に辿り着いた。
旅の終盤、彼を除く全員が脚を退化させきってしまった時には立往生せざるを得なかった。彼以外に誰かを背負える者がいなくなってしまったからだ。
浜辺までどれほど距離があるか分からなかったので、腕と尾の匍匐前進でどうにかなるとも思われなかった。
それで、結局は彼が川まで道を切り開き、還る者たちを誘導しなければならなかった。
しかし一度川辺に立ち、流れに乗ってしまえば、あとは楽しい旅路が延々続いた。子供らは澄んだ真水に身を洗い、潜ったり泳いだり、彼はそれを横目に、幸運にも見つけることができたアーケオプテリスの倒木を筏代わりにして一緒に川を下った。平地なので急流域はもう殆どなかったが、それでもたまに通過する時は子供たち皆、筏につかまって歓声を上げ、大いにはしゃいだ。
段々と川幅が広がり、流れが緩くなるとともに水へ潮気が混じり始めたと気付いた時の興奮と言ったらなかった。
彼は嬉しかった。陸路ではずっと背負い続けていた少女が自分から離れ、恐る恐る水に入った時には少し寂しさを感じもしたが、しかし他の子供に交じって無邪気に笑う彼女を見ていると、やはり良かったと思えた。自分は良いことをしていたのだと思えた。
水棲生物の化石に含まれる酸素同位体の比率から、その生物が生きていた頃の海水温度を推定できる。それによれば、四億二千万年前に始まり三億五千万年前に終わる古生代、デボン紀の海水温はかなり高かった。前期で平均二十六度、後期には平均で三十度にまで達したと考えられている。この温暖な環境を利用して大躍進したのが魚類だ。この時代の大海原は様々な魚類の進化見本市だった。
現生硬骨魚の大半を占める条鰭綱は直前のシルル紀後期に誕生し、デボン紀において後の繁栄へ至る足掛かりを盤石にした。無顎綱にとっては最後の繁栄期だった。厚い骨により頭でっかちでユーモラスな見た目をしているのは骨甲綱、異甲綱は泳ぎ下手なので、波の穏やかな内湾奥で群れを作って暮らしていた。節頸綱、胴甲綱など、当時の王者の血筋は海を支配した。
そして潮間帯、陸と海のはざまに進出したある種の魚たちがいた。有名どころはユーステノプテロンだが、その他、鰓呼吸の補助機関として別の臓器を使い始めたバンデリクチス、骨格構造が魚類から離れ始めたティクタリクなどだ。アカントステガ、イクチオステガへ至る道の始まり――。
進化論の発表当時、反進化論者は現在の動物と過去の動物の間を埋める存在の未発見なことを弱点とみて格好の攻撃材料とした。ダーウィン自身それを自説の弱点と認めてさえいた。だが現在、ミッシングリンクを埋める移行化石は様々な分野で発見されている。共通祖先からサルへ、ヒトへ、共通祖先から哺乳類へ、爬虫類へ、共通祖先から魚類へ、両生類へ。ウィルスによる遺伝子の水平移動など、より深く理解され始めた知見により、分子進化、系統樹モデルについては過去に考えられていたよりもっと複雑であることが分かってきているが、それでも化石資料において我々は絶滅動物の形態を辿り、生命の系図を複数の分岐点まで迫ることができている。
そしてデボン紀の潮間帯は陸上脊椎動物誕生へ至る、ごく最初の分岐に当たる。即ち、彼らはようやく、最初の浜辺に立ったのだった。
心は海が近づくにつれて活性化する一方、肉体は長旅でかなり疲労しているはずだからと、彼は全員を一度、三角州へ上げた。陽光に体を温め、ゆっくり休めと伝えた。
それで皆、潮の引いた洲の上でのんびり日光浴を楽しんだ。ぽかぽかと温まった。
とは言え、皆が指示通りじっとしていられたのは三〇分ばかりのことだ。
波の音が鼓膜を洗う。水が呼ぶ。耐えきれなくなった者たちが両腕で駆け出した。それを見て他の子供たちの我慢も限界を超える。孵化して砂から体を出したウミガメの幼体のように一目散で波打ち際へ突き進んだ。
だが、ウミガメは怖くて海へ駆けるのだ。捕食動物を避けて海へ逃げるのだ。この子供たちは違う。海があるから駆けるのだ。砂を掻き、下半身をくねらせて突き進む。
長く幅のある、しなやかな尾は、くるぶしほどの水もない干潟を這うのにも重宝する。広々した河口に形成されるだだっ広い潮間帯、その向こうには水平線が果てしなく伸びている。陽光に煌く海が長旅の労を労っている。こちらへ来いと呼んでいる。
門は開かれた。帰還者を優しく迎え入れようとしていた。なだらかに深さを増す水底を眺めながら、その上を滑る自分の影、ついには青一色の世界へ移り変わる境界を突破するあの瞬間、それらはもう、すぐそこにあるのだ。潮が永遠に満ちる時が来る。もう、なにもせずとも、ここでしばらく過ごすうちに、世界は完全な楽園へと還っていくだろう。
――だが。
波打ち際に胡坐をかき、自分の体を見下ろした彼は、腹の底から湧き上がるつまらない気持ちと戦っていた。彼の体はどう見てもヒトのままだったからだ。変わったところなどまるで無い。
眼前を見やれば両脚を完全に失い、足は腹鰭とし、幅広の尾へ筋肉と透明で分厚い尾鰭の縁取りをつけた子供たちが、歓声と水飛沫を上げてはしゃぎまわっている。
彼は自分の顔面から滴る汗を感じた。だが拭うこともなく、そのままにしておいた。
(なぜ俺だけ変わらないんだろう?)
(――いや、そうじゃない)
自分の役目はここで終わったのだ、と思った。そしてそれを無事に果たしたことを思えば、もっと堂々としていたい、とも思った。
だが、灼熱の日差しが背中を焼き、波打ち際ではまだ尻の下の砂も熱い。濃密な大気に押さえつけられて頭は垂れ、体は自然と丸くなる。打ち寄せる波がなければ彼は即身仏めいて、もう干からびていたはずだ。
ふと、近くで水音がした。だが彼にはもう、そちらへ顔を向ける気力もなかった。
寄せる波とは別の波が近づき、白い体がするりと彼の膝上へ滑り込んでくる。
「なにしてるんだよ」
つい苛ついた口ぶりに批難の調子を感じたのだろう、ぎょっとした顔つきで見上げた少女へ、
「ああ、ごめんごめん」
彼は慌てて謝った。どうせなら笑顔で別れたい。
ぎこちない笑みで繕うその彼へ「どうしたの?」とでも尋ねるように、彼女はそっと体を寄せてくる。
「いや、なんでもないんだ」
長々した尾を撫でてやりながら、今度は心の底から笑みを見せる。それだけでもう安心したらしい。遊び疲れたのか、彼女は長旅の夜ずっとそうしていたように彼へ身を預け、体を丸めると静かに目を瞑った。
「他の皆はどうした?」
「とーっくに、沖へ出てったよ」
目を閉じたまま、彼女はのんびり答える。彼は少し驚いて、
「大丈夫なのか?」
「え――、ああ、大丈夫でしょ。しっかり休憩したし」
「いや――」
彼は続けて問いかけようとしたが、
「――そうか。なら、いいんだ」
結局、それで終わらせた。危うく全てぶち壊しにするところだった。彼女が細く開けた目でじっとこちらを見上げているのを、頭を撫でてやって誤魔化す。
再び目を閉じた彼女が、
「なんだか、変な感じ」
「そうか?」
彼は再び微笑んだ。誰にも固有の安心するリズムがある。旅の間に見つけた彼女のリズムで白々と光る背中をあやしてやりながら、何気なく、
「だけど不思議だな」
「何が?」
「どうして君たちは完全な魚に戻っちまわないんだろうな。その方がずっと楽だろうに」
え、お嬢さん――?
問いかけた途端、彼女ががばと半身を起こした。彼を見据え、
「やっぱりさ、気づいてるよね?」
「――なんだって?」
「気づいてるんでしょ? なら、〝これ〟にも気がついているんでしょ?」
澄んだ瞳に促され、周囲へ目をやる。ふいにデボン紀の海岸、美しい風景がぼやけ始める。
「どうしてはっきり言わないの? どうして、気づいてないふりを続けるの?」
「いや、そういうわけじゃないんだが……」
「じゃあどういうわけよ」
強く問われて彼は窮する。
ここで旅が終わるのだ、と直感した。
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