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経理補佐は、今日も大騒ぎ 1
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初夏を迎えたゴールデンウィーク明けの月曜日。気持ちが滅入るほど、出社したくない。経理部長の逆鱗に触れたくなく、出社時刻20分前に到着。「よしよし。経理部長はまだ来てないはず」すたっと素早く、エレベーターに乗り3階へと向かう。静かに経理部のドアを開けると、いきなり「何ぼけぼけしているの!速く計算仕直しなさい!」「うわ。誰が経理部長を怒らせた?」とおずおずっと入ると、新人社員の…誰だっけ?「う~ん。解らん」と影が薄いから名前すら覚えていない。男性社員を見る。
「ごめんね。ほにゃらら君。経理部長には、逆らえないの。社長よりも権限を持っているから」と心の中で呟き何事も無かったように、「おはようございます!」と空元気を振りまく。そこへ間髪を入れず「凜。その子の計算仕直しなさい!速くして!時間が無いの!」このお方は、大手水産業の社長令嬢のリカ様。名字は…怖いので聞けない。以前お酒の席で、酔った勢いで聞こうと試みたが、キッと睨まれ「すいません。」と肩を下ろし席に戻ったのを覚えている。
私は、経理部の長谷川凜。23才の誕生日をもうすぐ迎えるが彼氏はいない。お付き合いしたことはあるけれど、どいつもこいつも「君は素晴らし方だが、やはり自分の好きな人に告白する勇気を与えてくれた。ダメモトでアタックしてみるよ。ありがとう」「……何?何を言っているんだこいつ」と3人位紹介して貰ったが、ほぼ同じ答えだ。いい加減、呆れて付き合う気も起きず現在に至る。
「先輩とは言えあてにならないな…」と先輩には申し訳ないが、これ以上引っかかるもんかと心に決めつけたものの、営業部に気になる人がいる。ただし、彼はもう結婚をしている。「不倫は、いやだしなぁ~」と思いつつ、経理部長の視線が怖く、首をぶんぶんと横に振り、電卓と向き合う。我が社は経理部長のみ、PCが使うよう言われている。前回誰かがぶっ壊して社を辞めざるを得ず、退社へと追い込まれ自主退社へとなったとのこと…私は、請求書のアウトプットのみ触ることを許されている。
タッタッタッと電卓を叩き叩いた金額からマイナス計算をしてゼロになるのを確認をして、経理部長に渡す。それをすること3分弱。「いつもより時間かけ過ぎ!」と言われ頭を抱える。「いつもっていつの話よ!」と心の中で呟いた。「凜。ありがとう。なんとか間に合うわ」「うん?いつもはもっと厳しいのに。なんか怖い。あらゆる意味で怖い。」と呟いたら「凜。何か言った?」「え?あ?あ!経理時間ですよ!」と急かして促す。「ふっ」とため息をし、くるっと振り返ると、バチッと先程の新人君と目が合う。「すいません。僕のせいで…」「全くその通り」と言いたいのを、グッと飲み込む。コーヒーをいれ彼に差し出す。「君も営業部に行く気なら、経理を怒らしちゃ駄目よ。経理のお目にかかった人しか入社は、難しいからね。」と、注意しつつエレベーターを見ると2階から誰かが上がってくる。エレベーターの扉が開くと、何と仕事には似つかわしい、シースルーのブラウス?を身にまとい、でかい胸を揺らしながら「あら?経理部長はいらっしゃらないの?」と、話し掛けてくる。「げっ。あんた何その格好?!」新人君は、耳までいや首まで真っ赤!「まずい!」と思い彼女をエレベーターホールへと追い出し「あんた何考えてるの?ここは、会社!遊びに来てるんじゃないの!」と、注意しつつため息を溢す。「え~?この服可愛いでしょ?ねっね」「ねっねじゃない!シースルーは不味いよ。経理に見つかったら首じゃすまないよ。別の服ないの?」「え~?無いなぁ~この服じゃ駄目?」「あのね、貴女は営業部なの。新聞社の方も見えるの。解る?それで、その服じゃ社長も怒るし経理部長も怒るわよ。貴女だけの会社じゃないの。」顔に似つかわしくない服だな。とあきれ顔でいると、エレベーターの扉が開く。「あっ!」「げっ。」経理部長の顔が…怒りをあらわにしている。「げっ」と言ってしまった私。ヤッバとばかりに、経理部長の代わりに、彼女を押し入れる。「は、速かったですね。経理。」「貴女のおかげで早く精算が出来たわ。ありがとう。で、げって何?」「あっ。嫌~営業部の子の衣装について注意してまして…」「あぁ~あの子ね。私も一喝してやろうと思っていたの。さすがあれじゃぁね先方さんに失礼だからね。」と肩をすくめた。「大丈夫でしたか?間違っていましたか?」と聞くと、私の肩をポンポンと叩いてくれた。
経理部長に、ブラックコーヒーを淹れそっと差し出す。コクッと1口飲むころには、お昼休みに近かった。
今日のお昼は、私へのご褒美として、取引先のホテルの最上階のラウンジでランチを頂くことになった。が、何故か専務と社長も同席となった。
ゆったりゆっくりと食べられると思いきや、これからの戦略会議となり、私への意見も問われた。営業部の事はよく判らないので、お肉を頰張りながら「はぁ。なるほど」の繰り返しとなった。
以前から、広告の件でラジオ局へと営業部の中で話が出ていたらしく、専務の佐々木さんと営業の加藤さんが、水面下でじわじわと動いていたらしい。その話が実現しそうだと嬉々としている。中小企業である我が社が、FM曲へと名乗りを揚げようというものだ。乗り遅れては行けないと必死だ。社長の長嶋 順も眉間に皺を寄せながらも、嬉しそうだ。社長が行き成り「なぁ~長谷川さんはどう思う?第三者的意見が聞きたい。」「うっ。ゴホゴホ行き成りなんですか~?」お肉を詰まらせながら、ひっくり返った声で答えると、一同失笑していた。「うっ。ひっ酷いじゃ無いですかぁ~」改めて社長が「どう思う?」と真剣な眼差しで見る。「もし、そうなれば他社とは一歩前をでるということになるので、我が社にとっては、またとないチャンスだと思いますが…」と言いつつ、チラッと経理に目を向けると、軽く頷いたように見えた。
そうして、昼食を終えて外に出ると、モァ~ッと暑い風が吹き抜けた。歩いて10分ほどで会社に着いた。1階が広告に関する作業場、2階が営業部、3階が経理課及び総務となっている。
「凜。来月から忙しくなるわよ。しっかりね」「?経理どういう事ですか?私、何かしましたか?」「貴女を食事に誘ったのは、最終的結果を下したかったからよ。だから、社長が私以外の貴女を選んだのよ」「私の意見なんて…」「ふっ。貴女はまだ解ってないわね。第三者的意見と社長が言ったのは貴女がFMをよく聞いているし、有線にもリクエストしているでしょ?」とウィンクして笑って見せた。「リクエストぉいつ知ったんだろう。改めて怖。」冷や汗が流れた。
午後からは、営業部が慌ただしく動き始めた。私の新しい恋人は、仕事へと流れかき消されていった。もちろん、私が憧れていた営業部の小松 透さん(例の結婚している彼)も闇の彼方へ追いやった。営業部だけではなく経理課も補佐として電話連絡係を頼まれた。加藤拓也を即戦力として社長から責任業務を任された。専務である佐々木さんも補佐として資料集めに必死だ。
シースルーの百々ミカは、相変わらずのんびりとしているが、この忙しい中とうとうやらかした!広告の差し替えミス!新聞社への掲載を全く違う新聞社へ出してしまったのだ。北新聞社へ出す記事を南下新聞社へ出してしまったのだ。それが、経理部長と社長の耳に入ったのだ。怒りを露わにした経理部長が、机を叩き百々ミカを呼んだ。「いい加減にしなさい!これで何度目のミスなの!これからが大切な時なのよ!ボンミスも良いところよ!貴女はもう帰りなさい!これから社長と謝りに行くから、貴女は暫く謹慎とします!良いわね!」肩をすくめ「すみません。」と誤ると「その台詞何度も聞いたわ!大体会社にシースルーの服と良い、仕事をなめてるわね!」キッツい台詞も彼女には余り通用しないらしい。経理部長が社長と出て行くのを見つつ「ハァ。謹慎かぁ仕方ないよね。ははは」笑っているけど、私が知っているだけで、今回が5度目だ。「さすがに、誰が見ても謹慎は軽いわよね。」と呟くと「凜ちゃんは、完璧主義よね。」「嫌違う。貴女が鈍くさいのよ」と言う言葉を飲み込み「ははは」と笑うしか無い自分が腹立たしい。キリッと胃の痛みを感じた。
「ごめんね。ほにゃらら君。経理部長には、逆らえないの。社長よりも権限を持っているから」と心の中で呟き何事も無かったように、「おはようございます!」と空元気を振りまく。そこへ間髪を入れず「凜。その子の計算仕直しなさい!速くして!時間が無いの!」このお方は、大手水産業の社長令嬢のリカ様。名字は…怖いので聞けない。以前お酒の席で、酔った勢いで聞こうと試みたが、キッと睨まれ「すいません。」と肩を下ろし席に戻ったのを覚えている。
私は、経理部の長谷川凜。23才の誕生日をもうすぐ迎えるが彼氏はいない。お付き合いしたことはあるけれど、どいつもこいつも「君は素晴らし方だが、やはり自分の好きな人に告白する勇気を与えてくれた。ダメモトでアタックしてみるよ。ありがとう」「……何?何を言っているんだこいつ」と3人位紹介して貰ったが、ほぼ同じ答えだ。いい加減、呆れて付き合う気も起きず現在に至る。
「先輩とは言えあてにならないな…」と先輩には申し訳ないが、これ以上引っかかるもんかと心に決めつけたものの、営業部に気になる人がいる。ただし、彼はもう結婚をしている。「不倫は、いやだしなぁ~」と思いつつ、経理部長の視線が怖く、首をぶんぶんと横に振り、電卓と向き合う。我が社は経理部長のみ、PCが使うよう言われている。前回誰かがぶっ壊して社を辞めざるを得ず、退社へと追い込まれ自主退社へとなったとのこと…私は、請求書のアウトプットのみ触ることを許されている。
タッタッタッと電卓を叩き叩いた金額からマイナス計算をしてゼロになるのを確認をして、経理部長に渡す。それをすること3分弱。「いつもより時間かけ過ぎ!」と言われ頭を抱える。「いつもっていつの話よ!」と心の中で呟いた。「凜。ありがとう。なんとか間に合うわ」「うん?いつもはもっと厳しいのに。なんか怖い。あらゆる意味で怖い。」と呟いたら「凜。何か言った?」「え?あ?あ!経理時間ですよ!」と急かして促す。「ふっ」とため息をし、くるっと振り返ると、バチッと先程の新人君と目が合う。「すいません。僕のせいで…」「全くその通り」と言いたいのを、グッと飲み込む。コーヒーをいれ彼に差し出す。「君も営業部に行く気なら、経理を怒らしちゃ駄目よ。経理のお目にかかった人しか入社は、難しいからね。」と、注意しつつエレベーターを見ると2階から誰かが上がってくる。エレベーターの扉が開くと、何と仕事には似つかわしい、シースルーのブラウス?を身にまとい、でかい胸を揺らしながら「あら?経理部長はいらっしゃらないの?」と、話し掛けてくる。「げっ。あんた何その格好?!」新人君は、耳までいや首まで真っ赤!「まずい!」と思い彼女をエレベーターホールへと追い出し「あんた何考えてるの?ここは、会社!遊びに来てるんじゃないの!」と、注意しつつため息を溢す。「え~?この服可愛いでしょ?ねっね」「ねっねじゃない!シースルーは不味いよ。経理に見つかったら首じゃすまないよ。別の服ないの?」「え~?無いなぁ~この服じゃ駄目?」「あのね、貴女は営業部なの。新聞社の方も見えるの。解る?それで、その服じゃ社長も怒るし経理部長も怒るわよ。貴女だけの会社じゃないの。」顔に似つかわしくない服だな。とあきれ顔でいると、エレベーターの扉が開く。「あっ!」「げっ。」経理部長の顔が…怒りをあらわにしている。「げっ」と言ってしまった私。ヤッバとばかりに、経理部長の代わりに、彼女を押し入れる。「は、速かったですね。経理。」「貴女のおかげで早く精算が出来たわ。ありがとう。で、げって何?」「あっ。嫌~営業部の子の衣装について注意してまして…」「あぁ~あの子ね。私も一喝してやろうと思っていたの。さすがあれじゃぁね先方さんに失礼だからね。」と肩をすくめた。「大丈夫でしたか?間違っていましたか?」と聞くと、私の肩をポンポンと叩いてくれた。
経理部長に、ブラックコーヒーを淹れそっと差し出す。コクッと1口飲むころには、お昼休みに近かった。
今日のお昼は、私へのご褒美として、取引先のホテルの最上階のラウンジでランチを頂くことになった。が、何故か専務と社長も同席となった。
ゆったりゆっくりと食べられると思いきや、これからの戦略会議となり、私への意見も問われた。営業部の事はよく判らないので、お肉を頰張りながら「はぁ。なるほど」の繰り返しとなった。
以前から、広告の件でラジオ局へと営業部の中で話が出ていたらしく、専務の佐々木さんと営業の加藤さんが、水面下でじわじわと動いていたらしい。その話が実現しそうだと嬉々としている。中小企業である我が社が、FM曲へと名乗りを揚げようというものだ。乗り遅れては行けないと必死だ。社長の長嶋 順も眉間に皺を寄せながらも、嬉しそうだ。社長が行き成り「なぁ~長谷川さんはどう思う?第三者的意見が聞きたい。」「うっ。ゴホゴホ行き成りなんですか~?」お肉を詰まらせながら、ひっくり返った声で答えると、一同失笑していた。「うっ。ひっ酷いじゃ無いですかぁ~」改めて社長が「どう思う?」と真剣な眼差しで見る。「もし、そうなれば他社とは一歩前をでるということになるので、我が社にとっては、またとないチャンスだと思いますが…」と言いつつ、チラッと経理に目を向けると、軽く頷いたように見えた。
そうして、昼食を終えて外に出ると、モァ~ッと暑い風が吹き抜けた。歩いて10分ほどで会社に着いた。1階が広告に関する作業場、2階が営業部、3階が経理課及び総務となっている。
「凜。来月から忙しくなるわよ。しっかりね」「?経理どういう事ですか?私、何かしましたか?」「貴女を食事に誘ったのは、最終的結果を下したかったからよ。だから、社長が私以外の貴女を選んだのよ」「私の意見なんて…」「ふっ。貴女はまだ解ってないわね。第三者的意見と社長が言ったのは貴女がFMをよく聞いているし、有線にもリクエストしているでしょ?」とウィンクして笑って見せた。「リクエストぉいつ知ったんだろう。改めて怖。」冷や汗が流れた。
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シースルーの百々ミカは、相変わらずのんびりとしているが、この忙しい中とうとうやらかした!広告の差し替えミス!新聞社への掲載を全く違う新聞社へ出してしまったのだ。北新聞社へ出す記事を南下新聞社へ出してしまったのだ。それが、経理部長と社長の耳に入ったのだ。怒りを露わにした経理部長が、机を叩き百々ミカを呼んだ。「いい加減にしなさい!これで何度目のミスなの!これからが大切な時なのよ!ボンミスも良いところよ!貴女はもう帰りなさい!これから社長と謝りに行くから、貴女は暫く謹慎とします!良いわね!」肩をすくめ「すみません。」と誤ると「その台詞何度も聞いたわ!大体会社にシースルーの服と良い、仕事をなめてるわね!」キッツい台詞も彼女には余り通用しないらしい。経理部長が社長と出て行くのを見つつ「ハァ。謹慎かぁ仕方ないよね。ははは」笑っているけど、私が知っているだけで、今回が5度目だ。「さすがに、誰が見ても謹慎は軽いわよね。」と呟くと「凜ちゃんは、完璧主義よね。」「嫌違う。貴女が鈍くさいのよ」と言う言葉を飲み込み「ははは」と笑うしか無い自分が腹立たしい。キリッと胃の痛みを感じた。
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