【R-18】【完結】皇帝と犬

雲走もそそ

文字の大きさ
43 / 79

13.蹂躙-3 *

「いッ、痛い! いたい!」

 前を向いた男は、自分は動かず、シュルークの腰を持ち上げたまま、それを引き寄せて挿入を始めた。男に少し近づいただけで、シュルークは目を見開き、鋭い悲鳴を上げる。

「――!」
(やめろ!!)

 響かない声ではなく何か別の音を。ファルハードは鉄格子に自分の額を打ちつけた。ごつ、と重い音がした。男が止まることはない。何の意味もない。

「い、いたッ、あっ、あああああッ!」

 突然男は、残りを力ずくで一息にシュルークの中へ収めた。
 シュルークの絶叫は地下室に薄っすら反響し、浮いた脚はびくびくと痙攣する。

「おぉー、これだよ、これ。ギチギチに締めつけてくるのがたまんねぇ」

 男は勝ち誇ったようにそう言うと、まだ痛みに硬直しているシュルークを無視して、掴んでいた彼女の腰を手離し、覆いかぶさる体勢で抽送を始めた。

「ぎっ、いっ、あ、あ゛っ……!」

 足以外は男の巨体の陰に隠されたシュルークは、体重をかけた強い律動に悲鳴を上げ続ける。それに合わせるような男の快感の声の混じった吐息の音が、ファルハードの耳にうるさいほど鮮明に届く。

 繋がった箇所から流れる鮮血が、乱されたシュルークの長い上着に染みを作り、徐々に広がっていく。破瓜しただけでなく、強引な挿入でそれ以上に傷ついて出血しているかもしれない。

 しばらく腰を振っていた男の息遣いが一層荒くなってきた頃。男は不意に顔を上げ、体を起こして立ち上がった。
 そしてなぜか、牢の中で怒り、藻掻くファルハードへ目を向けた。

「ほら、起きろ」

 男はシュルークの腕を掴んで引っ張り起こし、膝立ちで牢の鉄格子に掴まらせた。
 男の快感が高まるほど悲鳴がか細くなっていたシュルークは、大人しくはなったが自分を支える力を失っており、すぐに倒れ込んでしまう。それを男は、解けた彼女の服の帯紐を拾い、鉄格子に掴まったまま手が離れないよう縛りつけた。

「帝国の皇子様にも見てもらわなくちゃな」
「いッ、うぅ……」

 この男は、ファルハードにシュルークの凌辱をより間近で見せつけることにしたのだ。
 シュルークに膝立ちで鉄格子に縋る体勢を取らせると、男は背後からまた彼女を犯し始める。律動の衝撃に腕が耐えられず、シュルークは上半身を鉄格子に押しつけられるような姿勢に変わっていった。

 地面に転がったまま、鉄格子の向こうのシュルークの裸体と、男の薄汚い下半身を見続けるしかない。シュルークは、いつも綺麗に手入れされていた黒髪を乱し、泣き腫らしたぼろぼろの状態でも、まだ正気を保っているようだった。

 その青い瞳が、ファルハードを捉える。

「だい、じょうぶ……っ、だから、ね……」

 悲鳴の合間にそう言って、シュルークは痛みに歪む顔で無理に笑って見せた。

 ファルハードは、ようやく気がついた。
 シュルークが何度も口にしていた「大丈夫」という言葉は、自分を安心させるためのものではない。目の前で起こる惨劇に彼女の愛犬が怯えないよう、ファルハードへ向けていた言葉だったのだ。
 ずっと、恐怖と痛みに蹂躙されながらも、シュルークは自分の犬のことを思いやっていた。
感想 2

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……