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ガルディア王国軍、獣王国ビステリアへ向けて進行中 ─────────。
道中いつ何時どのような事態になっても動けるようにと警戒をしながら行軍を行なっていたガルディア王国軍であったのだが、獣王国からの襲撃は一切無く、当初予定していたよりも早くパスカル大山脈の麓へと到着したのだった。
「皆ここまでの行軍ご苦労であった。道中に予想された襲撃も無く、全軍無傷でここまで来れたことはたいへん喜ばしいことである。しかし、本番はここからだ!各自気を引き締めて臨むように!!」
「「「「「 ハッ!!!!! 」」」」」
「それでは各軍直ちに配置に着け。三十分後にパスカル大山脈の攻略を開始する」
今回作戦の総指揮を執る聖騎士長アーサーによって檄が飛ばされ騎士たちの表情もより一層引き締まったものとなる。
そして、アーサーの指示の下各軍が速やかにそれぞれの配置先へと移動を始めた。
今回の獣王国への進軍に際して最も困難を極めると考えられているのが、今まさに王国軍が目の当たりにしているパスカル大山脈なのである。
そこは完全なる獣人族のテリトリー。
険しい山道もさることながら奥に進むにつれて不規則に発生する霧が視界を曇らせる。
さらに侵入者を薄暗い闇へと誘う木々によって陽の光も遮断される中、数多くの獰猛な魔獣まで生息しているのだ。
そして、それらの問題を抱えながらも獣王国からの襲撃は避けられない。
だからこそ、王国軍は全滅を回避するためにも今回四つの軍に分けて攻略することを決めたのであった。
今回の作戦では東西に広がるパスカル大山脈攻略のために分けた四つの軍を等間隔に配置しており、右からケイ率いる第四軍、アーサー率いる第一軍、ランスロット率いる第二軍、トリスタン率いる第三軍という並びとなっている。
今回のこの四つの軍に優劣は無く作戦の大枠して決まり事はあるものの、パスカル大山脈の中に入った後の連携が難しくなるためそれぞれの軍で発生した問題に関しては各軍長に判断が一任されていた。
「アーサー様、各軍の配置が完了致しました」
「よし。各軍長に始めさせろ」
「ハッ!」
各軍が配置に着き、パスカル大山脈攻略に向けての準備が完了する。
部下から報告を受けたアーサーが作戦開始の指示を出すと用意されていた赤い発煙筒が点火され開始の合図が上げられたのだった。
─────────────────────────
~ 第二軍配置場所 ~
「ランスロット様、第一軍より作戦開始の合図が確認されました」
「・・・・・」
「ランスロット様?」
「ああ、聞こえている。獣の駆除くらい早々に終わらせるとしよう。ガレスに我が団の援護を支持しておけ」
「畏まりました。冒険者の方は如何様になさいますか?」
「冒険者?・・・あ~トライデントとかいう騎士の真似事をしている連中か。邪魔だけはするな、大人しく後ろからついて来いとだけ言っておけ」
「畏まりました」
─────────────────────────
~ 第三軍配置場所 ~
「トリスタン様、聖騎士長様より作戦開始の合図が上がりました」
「うん、了解した。報告ありがとう。他の団にも連絡を頼む。事前に伝えた通り私の団が正面を、ベディヴィアの団が右側、グリフレットの団が左側を持ち場とし錐の陣形で作戦を開始する」
「ハッ!了解致しました」
─────────────────────────
~ 第四軍配置場所 ~
「失礼致します。ケイ様、アーサー様より作戦開始の合図がありました」
「了解しました。報告ありがとうございます。それではエクター様、シャルロッテ様、作戦通りにお願い致します」
「うん。援護は任せておいてよ」
「了解した。それでは」
「はい。お二人ともご武運を」
─────────────────────────
こうして各軍への伝達も完了し、いよいよ王国軍は難攻不落と云われる天然要塞『パスカル大山脈』の攻略を開始するのであった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
一方、その頃獣王国ビステリアでは。
獣王国ビステリア王城 ───── 玉座の間
「獣王様、ご報告致します」
「お~う。ガルディア軍がパスカル大山脈の攻略でも始めたか?」
緊迫した空気を漂わせながらパスカル大山脈へと足を踏み入れる王国軍とは対照的に獣王ゼリックはかなりリラックスした様子をみせていた。
そして、現場の様子を報告しに来た伝令係が状況を伝えようとしたその時 ───────── 。
「それでは報告致し ───── 」
「待て!!」
突如としてその報告を制止するゼリック。
そして、当然言葉を遮られた伝令係は状況を理解することが出来ず戸惑いをみせるのであった。
「う~ん、そうだな・・・。ガルディア軍は軍を三つ…いや四つに分けたんじゃねぇ~か?指揮するのは、順当に考えると聖騎士長のアーサー、あとはランスロット、トリスタン、ケイってところか」
「獣王様、何故そのことを・・・」
「まぁ~迅速にパスカル大山脈を攻略するためにはそれくらいの事をしないと無理だろ。四ヶ所から攻撃開始!!ってな。配置は~・・・左からケイ、アーサー、ランスロット、トリスタンだろ?」
「・・・・・」
自身が報告すべき内容を先に言われてしまい言葉を失う伝令係。
しかし、自信満々で予想した自身の考えに対して全く反応が無かったためゼリックは不満そうな表情をしながら伝令係へと視線を向けた。
「おい!どうした?」
「い…いえ、全て獣王様が仰った通りです」
「ガーッハッハッハッ。何ひとつ捻りの無い連中だな。そんな読み合いで俺様の相手になるのか?ガルディア王国よ」
自身が思い描いた通りの展開となり満足そうな獣王ゼリックは、ガルディア王国軍の進行具合を知ってもなお不敵に笑うのであった。
道中いつ何時どのような事態になっても動けるようにと警戒をしながら行軍を行なっていたガルディア王国軍であったのだが、獣王国からの襲撃は一切無く、当初予定していたよりも早くパスカル大山脈の麓へと到着したのだった。
「皆ここまでの行軍ご苦労であった。道中に予想された襲撃も無く、全軍無傷でここまで来れたことはたいへん喜ばしいことである。しかし、本番はここからだ!各自気を引き締めて臨むように!!」
「「「「「 ハッ!!!!! 」」」」」
「それでは各軍直ちに配置に着け。三十分後にパスカル大山脈の攻略を開始する」
今回作戦の総指揮を執る聖騎士長アーサーによって檄が飛ばされ騎士たちの表情もより一層引き締まったものとなる。
そして、アーサーの指示の下各軍が速やかにそれぞれの配置先へと移動を始めた。
今回の獣王国への進軍に際して最も困難を極めると考えられているのが、今まさに王国軍が目の当たりにしているパスカル大山脈なのである。
そこは完全なる獣人族のテリトリー。
険しい山道もさることながら奥に進むにつれて不規則に発生する霧が視界を曇らせる。
さらに侵入者を薄暗い闇へと誘う木々によって陽の光も遮断される中、数多くの獰猛な魔獣まで生息しているのだ。
そして、それらの問題を抱えながらも獣王国からの襲撃は避けられない。
だからこそ、王国軍は全滅を回避するためにも今回四つの軍に分けて攻略することを決めたのであった。
今回の作戦では東西に広がるパスカル大山脈攻略のために分けた四つの軍を等間隔に配置しており、右からケイ率いる第四軍、アーサー率いる第一軍、ランスロット率いる第二軍、トリスタン率いる第三軍という並びとなっている。
今回のこの四つの軍に優劣は無く作戦の大枠して決まり事はあるものの、パスカル大山脈の中に入った後の連携が難しくなるためそれぞれの軍で発生した問題に関しては各軍長に判断が一任されていた。
「アーサー様、各軍の配置が完了致しました」
「よし。各軍長に始めさせろ」
「ハッ!」
各軍が配置に着き、パスカル大山脈攻略に向けての準備が完了する。
部下から報告を受けたアーサーが作戦開始の指示を出すと用意されていた赤い発煙筒が点火され開始の合図が上げられたのだった。
─────────────────────────
~ 第二軍配置場所 ~
「ランスロット様、第一軍より作戦開始の合図が確認されました」
「・・・・・」
「ランスロット様?」
「ああ、聞こえている。獣の駆除くらい早々に終わらせるとしよう。ガレスに我が団の援護を支持しておけ」
「畏まりました。冒険者の方は如何様になさいますか?」
「冒険者?・・・あ~トライデントとかいう騎士の真似事をしている連中か。邪魔だけはするな、大人しく後ろからついて来いとだけ言っておけ」
「畏まりました」
─────────────────────────
~ 第三軍配置場所 ~
「トリスタン様、聖騎士長様より作戦開始の合図が上がりました」
「うん、了解した。報告ありがとう。他の団にも連絡を頼む。事前に伝えた通り私の団が正面を、ベディヴィアの団が右側、グリフレットの団が左側を持ち場とし錐の陣形で作戦を開始する」
「ハッ!了解致しました」
─────────────────────────
~ 第四軍配置場所 ~
「失礼致します。ケイ様、アーサー様より作戦開始の合図がありました」
「了解しました。報告ありがとうございます。それではエクター様、シャルロッテ様、作戦通りにお願い致します」
「うん。援護は任せておいてよ」
「了解した。それでは」
「はい。お二人ともご武運を」
─────────────────────────
こうして各軍への伝達も完了し、いよいよ王国軍は難攻不落と云われる天然要塞『パスカル大山脈』の攻略を開始するのであった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
一方、その頃獣王国ビステリアでは。
獣王国ビステリア王城 ───── 玉座の間
「獣王様、ご報告致します」
「お~う。ガルディア軍がパスカル大山脈の攻略でも始めたか?」
緊迫した空気を漂わせながらパスカル大山脈へと足を踏み入れる王国軍とは対照的に獣王ゼリックはかなりリラックスした様子をみせていた。
そして、現場の様子を報告しに来た伝令係が状況を伝えようとしたその時 ───────── 。
「それでは報告致し ───── 」
「待て!!」
突如としてその報告を制止するゼリック。
そして、当然言葉を遮られた伝令係は状況を理解することが出来ず戸惑いをみせるのであった。
「う~ん、そうだな・・・。ガルディア軍は軍を三つ…いや四つに分けたんじゃねぇ~か?指揮するのは、順当に考えると聖騎士長のアーサー、あとはランスロット、トリスタン、ケイってところか」
「獣王様、何故そのことを・・・」
「まぁ~迅速にパスカル大山脈を攻略するためにはそれくらいの事をしないと無理だろ。四ヶ所から攻撃開始!!ってな。配置は~・・・左からケイ、アーサー、ランスロット、トリスタンだろ?」
「・・・・・」
自身が報告すべき内容を先に言われてしまい言葉を失う伝令係。
しかし、自信満々で予想した自身の考えに対して全く反応が無かったためゼリックは不満そうな表情をしながら伝令係へと視線を向けた。
「おい!どうした?」
「い…いえ、全て獣王様が仰った通りです」
「ガーッハッハッハッ。何ひとつ捻りの無い連中だな。そんな読み合いで俺様の相手になるのか?ガルディア王国よ」
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