123 / 200
開戦③
しおりを挟む
~第三軍戦闘地~
第二、第四軍が激突前に舌戦を繰り広げていた中、第三軍の戦闘地では静かに場所取りと陣の形成が両軍によって粛々と進められていた。
しかし、その中で一箇所だけ王国軍第三軍がどれだけ欲しても手に入らない場所があった。
その場所とは ───── 上空である。
すなわち戦闘開始前から制空権は獣王国側に取られる形となったのだ。
そして、もちろんその場所を手にしたのは十二支臣が一人“飛翔バルバドール”。
そもそも幼少の頃より住み慣れたパスカル大山脈の中を自由に飛び回ることなど彼が率いる鳥獣部隊にとって造作もないのことであり、辺り一帯に立ち並んでいる木々の隙間を縫って飛び獲物を狩ることなど朝飯前なのである。
さて、この不利な状況の中でトリスタン率いる第三軍はどのようにして戦うつもりなのか ──────── 。
「よし、陣形は整いつつある。敵の主力は三名、“闘牛のブル”・“飛翔バルバドール”・“暴脚ホルス”。さて…制空権は完全にあちら側にあるわけだが、どう対処したものか・・・」
戦うための準備は整った。
しかし、当然ではあるが待ち構えていた獣王国軍の方が地形を味方につけ有利な状況であることは明白である。
その上制空権まで取られてしまっているのだから王国軍としては堪ったものではない。
それでも泣き言を言っている暇もなければ、それを聞き入れてくれるような相手でもないのだから本当に頭が痛い。
「トリスタンさん鳥獣どもなんですけど、俺の団がガッ!と行って、バッ!と飛び乗って、ガガガガッ!と倒してきましょうか?」
ここで第十席グリフレットが制空権を手にしている鳥獣部隊を担当すると志願したのだが、何とも抽象的な作戦であり、指揮を執るトリスタンとしては承諾に苦しむものであった。
「あ~面倒臭い・・・。こんか獣狩りなんて狩猟師どもにやらせておけばいいだろ・・・。はぁ~・・・なんかよく分からんが・・・それで殺ってこいグリフレット・・・。ついでに他のやつも殺ってこい・・・」
「ウッス!!」
「待つんだ二人とも。そんな考え無しの作戦では自分たちはおろか部下たちまで危険な目に遭うことになってしまう」
「それではどうするんスか?どのみち鳥獣どもは誰かがやらないといけないッスよ」
「ああ、もちろん分かっている。僕はその大役をベディヴィアに任せたいと思っている」
この第三軍の戦いにおいては何よりもまず奪われた制空権をなんとかしなければならない。
そのためにもなるべく早く相手の鳥獣部隊を打ち破ることが重要となる。
すなわち鳥獣部隊を率いるバルバドールを相手にする者がもつ重要度は計り知れない。
トリスタンはこの戦いにおける最も重要な大役をベディヴィアに任せると言ったのだ。
そして、そのような言葉を掛けられたベディヴィアはというと ──────── 。
「はぁ~・・・冗談だろ?・・・。相手の主力は三匹なんだ・・・トリスタンの団で二匹、グリフレットの団で一匹・・・そして、俺の団は後方支援・・・。これがベストな作戦だ・・・間違いない・・・」
いつにも増してやる気がない様子を見せるベディヴィア。
基本的に面倒事を避けたがる性格は今回の作戦においても健在である。
たった今立案された作戦もただ自分が楽をしたいがための苦し紛れのものであった。
しかし、物事に対して真っ直ぐに向き合う性格のグリフレットはそんなベディヴィアの言葉にさえも疑いの念を持つことはない。
「凄いッスね!ベディヴィアさんは後方支援まで出来るんスか!さすがッス!!」
「おっ…おう・・・まぁ~な。俺クラスの聖騎士にもなると・・・それくらい出来て当然だ・・・」
上体を前のめりにしながら目を輝かせるグリフレットを前にしてバツが悪そうな表情を浮かべるベディヴィア。
その様子を隣で見ていたトリスタンは呆れたように溜め息混じりで首を左右に振るのだった。
「ベディヴィア、君は後方支援なんてやらないだろ。第七聖騎士団の中でも特に君を含めた君の直属部隊が得意とするのは敵の殲滅。前線に立ってこそ力を発揮する」
「えっ!?俺のことを揶揄ったんスか?」
「はぁ~・・・面倒くせぇ~・・・」
「戦いが始まると敵は僕たちの頭上を縦横無尽に飛び回るだろう。こちらの現有戦力を考えた時にそれに対抗出来るのは、ベディヴィア…君の重力魔法だけだと思う」
「はぁ~・・・マジかよ・・・。でもなぁ~トリスタン・・・ここまでの行軍で俺は体力の九割を消費してしまった・・・。これでは ────── 」
「あれくらいの敵、君なら一割もあれば十分だろ?」
「いや・・・」
「僕は君の力を信じている」
真っ直ぐにベディヴィアを見つめるトリスタン。
その言葉には嘘や偽り、お世辞などの誤魔化しは存在しない。
そして、トリスタンから感じられるのはただただ誠実に相手と向き合うという思い。
それ以外には何もなかった。
「・・・ ─────── 。分かった・・・やればいいんだろ。ほんとお前には敵わないな・・・」
「ありがとうベディヴィア」
トリスタンからの要請に渋々ながら了承したベディヴィア。
あえてここで説明をしておくと、ベディヴィアは数多くいる聖騎士の中でも特に問題の多い騎士である。
まさに問題児。
その無精ぶりや残虐性は騎士団の中でも度々問題視されてきた。
それでもその欠点を補って余りある才能と実力によって十二の剣という地位にまで駆け上がったのだ。
そして、そんな彼のことを他の誰よりも認め、十二の剣に推薦した人物こそがトリスタンなのである。
それ故にさすがのベディヴィアもトリスタンの言葉には耳を傾ける。
もちろんそのことをアーサーも知っており、だからこその第三軍への編成となったのだ。
「クソッ・・・。アーサーの野郎・・・次会った時にバラバラに刻んでやる・・・」
その意図を察したベディヴィアはアーサーに向けて静かに怒りの炎を滾らせるのであった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
一方その頃、獣王国軍側はというと ──────── 。
「クワックワックワッ。上空はオレっちの部隊に任せればいいよん。ここはオレっちたちにとって庭みたいなもんだからねい」
「アタイはどいつの相手をすればいいんだい?先に仕掛けておいてやり返されたら攻め落とそうとする侵略者どもめ。全員蹴り殺して血祭りにしてやる」
「お前らあまりはしゃぎ過ぎるなよ。相手はあの十二の剣だ。そこそこやるらしいからな。油断するんじゃねーぞ」
これまでの十二支臣たちと同様にヒト族への怒りを募らせるブル・バルバドール・ホルスの三人。
もちろん彼ら三人だけではなく彼らの部隊に所属する獣人たちも同じ思いでいる。
そんな溢れんばかりの憎悪の念を帯びた凄まじい殺意。
これは各戦闘地だけに留まらず広大なパスカル大山脈中に広がっていた。
そのため王国軍は一歩足を踏み入れた瞬間から強烈なプレッシャーをかけられ続けていたのだった。
「それじゃ~野郎ども、そろそろ始めようか」
「「「「「 グオォォォォォーーーーー!!!!! 」」」」」
ブルによる静かな号令に対して轟音ともいえる咆哮で応える獣人族の戦士たち。
その声によって空気が震え、相対する聖騎士たちは恐怖と共にビリビリした刺激を肌に感じるのであった。
こうして第三軍の戦闘地でもいよいよ両軍による戦いの火蓋が切って落とされる。
=========================
第三軍戦闘地
第三席トリスタン vs 闘牛のブル
第七席ベディヴィア vs 飛翔バルバドール
第十席グリフレット vs 暴脚ホルス
第二、第四軍が激突前に舌戦を繰り広げていた中、第三軍の戦闘地では静かに場所取りと陣の形成が両軍によって粛々と進められていた。
しかし、その中で一箇所だけ王国軍第三軍がどれだけ欲しても手に入らない場所があった。
その場所とは ───── 上空である。
すなわち戦闘開始前から制空権は獣王国側に取られる形となったのだ。
そして、もちろんその場所を手にしたのは十二支臣が一人“飛翔バルバドール”。
そもそも幼少の頃より住み慣れたパスカル大山脈の中を自由に飛び回ることなど彼が率いる鳥獣部隊にとって造作もないのことであり、辺り一帯に立ち並んでいる木々の隙間を縫って飛び獲物を狩ることなど朝飯前なのである。
さて、この不利な状況の中でトリスタン率いる第三軍はどのようにして戦うつもりなのか ──────── 。
「よし、陣形は整いつつある。敵の主力は三名、“闘牛のブル”・“飛翔バルバドール”・“暴脚ホルス”。さて…制空権は完全にあちら側にあるわけだが、どう対処したものか・・・」
戦うための準備は整った。
しかし、当然ではあるが待ち構えていた獣王国軍の方が地形を味方につけ有利な状況であることは明白である。
その上制空権まで取られてしまっているのだから王国軍としては堪ったものではない。
それでも泣き言を言っている暇もなければ、それを聞き入れてくれるような相手でもないのだから本当に頭が痛い。
「トリスタンさん鳥獣どもなんですけど、俺の団がガッ!と行って、バッ!と飛び乗って、ガガガガッ!と倒してきましょうか?」
ここで第十席グリフレットが制空権を手にしている鳥獣部隊を担当すると志願したのだが、何とも抽象的な作戦であり、指揮を執るトリスタンとしては承諾に苦しむものであった。
「あ~面倒臭い・・・。こんか獣狩りなんて狩猟師どもにやらせておけばいいだろ・・・。はぁ~・・・なんかよく分からんが・・・それで殺ってこいグリフレット・・・。ついでに他のやつも殺ってこい・・・」
「ウッス!!」
「待つんだ二人とも。そんな考え無しの作戦では自分たちはおろか部下たちまで危険な目に遭うことになってしまう」
「それではどうするんスか?どのみち鳥獣どもは誰かがやらないといけないッスよ」
「ああ、もちろん分かっている。僕はその大役をベディヴィアに任せたいと思っている」
この第三軍の戦いにおいては何よりもまず奪われた制空権をなんとかしなければならない。
そのためにもなるべく早く相手の鳥獣部隊を打ち破ることが重要となる。
すなわち鳥獣部隊を率いるバルバドールを相手にする者がもつ重要度は計り知れない。
トリスタンはこの戦いにおける最も重要な大役をベディヴィアに任せると言ったのだ。
そして、そのような言葉を掛けられたベディヴィアはというと ──────── 。
「はぁ~・・・冗談だろ?・・・。相手の主力は三匹なんだ・・・トリスタンの団で二匹、グリフレットの団で一匹・・・そして、俺の団は後方支援・・・。これがベストな作戦だ・・・間違いない・・・」
いつにも増してやる気がない様子を見せるベディヴィア。
基本的に面倒事を避けたがる性格は今回の作戦においても健在である。
たった今立案された作戦もただ自分が楽をしたいがための苦し紛れのものであった。
しかし、物事に対して真っ直ぐに向き合う性格のグリフレットはそんなベディヴィアの言葉にさえも疑いの念を持つことはない。
「凄いッスね!ベディヴィアさんは後方支援まで出来るんスか!さすがッス!!」
「おっ…おう・・・まぁ~な。俺クラスの聖騎士にもなると・・・それくらい出来て当然だ・・・」
上体を前のめりにしながら目を輝かせるグリフレットを前にしてバツが悪そうな表情を浮かべるベディヴィア。
その様子を隣で見ていたトリスタンは呆れたように溜め息混じりで首を左右に振るのだった。
「ベディヴィア、君は後方支援なんてやらないだろ。第七聖騎士団の中でも特に君を含めた君の直属部隊が得意とするのは敵の殲滅。前線に立ってこそ力を発揮する」
「えっ!?俺のことを揶揄ったんスか?」
「はぁ~・・・面倒くせぇ~・・・」
「戦いが始まると敵は僕たちの頭上を縦横無尽に飛び回るだろう。こちらの現有戦力を考えた時にそれに対抗出来るのは、ベディヴィア…君の重力魔法だけだと思う」
「はぁ~・・・マジかよ・・・。でもなぁ~トリスタン・・・ここまでの行軍で俺は体力の九割を消費してしまった・・・。これでは ────── 」
「あれくらいの敵、君なら一割もあれば十分だろ?」
「いや・・・」
「僕は君の力を信じている」
真っ直ぐにベディヴィアを見つめるトリスタン。
その言葉には嘘や偽り、お世辞などの誤魔化しは存在しない。
そして、トリスタンから感じられるのはただただ誠実に相手と向き合うという思い。
それ以外には何もなかった。
「・・・ ─────── 。分かった・・・やればいいんだろ。ほんとお前には敵わないな・・・」
「ありがとうベディヴィア」
トリスタンからの要請に渋々ながら了承したベディヴィア。
あえてここで説明をしておくと、ベディヴィアは数多くいる聖騎士の中でも特に問題の多い騎士である。
まさに問題児。
その無精ぶりや残虐性は騎士団の中でも度々問題視されてきた。
それでもその欠点を補って余りある才能と実力によって十二の剣という地位にまで駆け上がったのだ。
そして、そんな彼のことを他の誰よりも認め、十二の剣に推薦した人物こそがトリスタンなのである。
それ故にさすがのベディヴィアもトリスタンの言葉には耳を傾ける。
もちろんそのことをアーサーも知っており、だからこその第三軍への編成となったのだ。
「クソッ・・・。アーサーの野郎・・・次会った時にバラバラに刻んでやる・・・」
その意図を察したベディヴィアはアーサーに向けて静かに怒りの炎を滾らせるのであった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
一方その頃、獣王国軍側はというと ──────── 。
「クワックワックワッ。上空はオレっちの部隊に任せればいいよん。ここはオレっちたちにとって庭みたいなもんだからねい」
「アタイはどいつの相手をすればいいんだい?先に仕掛けておいてやり返されたら攻め落とそうとする侵略者どもめ。全員蹴り殺して血祭りにしてやる」
「お前らあまりはしゃぎ過ぎるなよ。相手はあの十二の剣だ。そこそこやるらしいからな。油断するんじゃねーぞ」
これまでの十二支臣たちと同様にヒト族への怒りを募らせるブル・バルバドール・ホルスの三人。
もちろん彼ら三人だけではなく彼らの部隊に所属する獣人たちも同じ思いでいる。
そんな溢れんばかりの憎悪の念を帯びた凄まじい殺意。
これは各戦闘地だけに留まらず広大なパスカル大山脈中に広がっていた。
そのため王国軍は一歩足を踏み入れた瞬間から強烈なプレッシャーをかけられ続けていたのだった。
「それじゃ~野郎ども、そろそろ始めようか」
「「「「「 グオォォォォォーーーーー!!!!! 」」」」」
ブルによる静かな号令に対して轟音ともいえる咆哮で応える獣人族の戦士たち。
その声によって空気が震え、相対する聖騎士たちは恐怖と共にビリビリした刺激を肌に感じるのであった。
こうして第三軍の戦闘地でもいよいよ両軍による戦いの火蓋が切って落とされる。
=========================
第三軍戦闘地
第三席トリスタン vs 闘牛のブル
第七席ベディヴィア vs 飛翔バルバドール
第十席グリフレット vs 暴脚ホルス
1
あなたにおすすめの小説
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
ウォーキング・オブ・ザ・ヒーロー!ウォークゲーマーの僕は今日もゲーム(スキル)の為に異世界を歩く
まったりー
ファンタジー
主人公はウォークゲームを楽しむ高校生、ある時学校の教室で異世界召喚され、クラス全員が異世界に行ってしまいます。
国王様が魔王を倒してくれと頼んできてステータスを確認しますが、主人公はウォーク人という良く分からない職業で、スキルもウォークスキルと記され国王は分からず、いらないと判定します、何が出来るのかと聞かれた主人公は、ポイントで交換できるアイテムを出そうとしますが、交換しようとしたのがパンだった為、またまた要らないと言われてしまい、今度は城からも追い出されます。
主人公は気にせず、ウォークスキルをゲームと同列だと考え異世界で旅をします。
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
現世に侵略してきた異世界人を撃退して、世界を救ったら、世界と異世界から命を狙われるようになりました。
佐久間 譲司
ファンタジー
突如として人類世界に侵略を始めた異世界人達。圧倒的な戦闘能力を誇り、人類を圧倒していく。
人類の命運が尽きようとしていた時、異世界側は、ある一つの提案を行う。それは、お互いの世界から代表五名を選出しての、決闘だった。彼らには、鉄の掟があり、雌雄を決するものは、決闘で決めるのだという。もしも、人類側が勝てば、降伏すると約束を行った。
すでに追い詰められていた人類は、否応がなしに決闘を受け入れた。そして、決闘が始まり、人類は一方的に虐殺されていった。
『瀉血』の能力を持つ篠崎直斗は、変装を行い、その決闘場に乱入する。『瀉血』の力を使い、それまでとは逆に、異世界側を圧倒し、勝利をする。
勝利後、直斗は、正体が発覚することなく、その場を離れることに成功した。
異世界側は、公約通り、人類の軍門に下った。
やがて、人類を勝利に導いた直斗は、人類側、異世界側両方からその身を狙われるようになる。人類側からは、異世界の脅威に対する対抗策として、異世界側からは、復讐と力の秘密のために。
パワハラで会社を辞めた俺、スキル【万能造船】で自由な船旅に出る~現代知識とチート船で水上交易してたら、いつの間にか国家予算レベルの大金を稼い
☆ほしい
ファンタジー
過労とパワハラで心身ともに限界だった俺、佐伯湊(さえきみなと)は、ある日異世界に転移してしまった。神様から与えられたのは【万能造船】というユニークスキル。それは、設計図さえあれば、どんな船でも素材を消費して作り出せるという能力だった。
「もう誰にも縛られない、自由な生活を送るんだ」
そう決意した俺は、手始めに小さな川舟を作り、水上での生活をスタートさせる。前世の知識を活かして、この世界にはない調味料や保存食、便利な日用品を自作して港町で売ってみると、これがまさかの大当たり。
スキルで船をどんどん豪華客船並みに拡張し、快適な船上生活を送りながら、行く先々の港町で特産品を仕入れては別の町で売る。そんな気ままな水上交易を続けているうちに、俺の資産はいつの間にか小国の国家予算を軽く超えていた。
これは、社畜だった俺が、チートな船でのんびりスローライフを送りながら、世界一の商人になるまでの物語。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる