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Final Chapter
信じられない真実は殺されるもの
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――その少し前。馴染みの高級娼館『フェイタル・キッス』に到着したロクブ達一行は、マダム・カルカと面会していた。
「……これの修理、ね」
しばしペンダントを確認した後で、気怠そうに煙管から煙を吸って、マダム・カルカは目を伏せる。
「この程度なら簡単さ。だけど妹の――リルリの方が向いている。呼んでやるから、少し待ってな」
ただでさえ居心地が悪くてたまらなさそうなロクブが、待たされると聞いて、とうとう半泣きになった。
妻女ニチカにこっ酷くしばき倒される己の末路を理解したのだ。
「――さて、と」マダム・カルカはそのまま目を閉じて考えていたが、「何から……話したもんかね」
遠い目をして、語り出したのだった。
「アタシら『エルフ』は全員が同じ個体なんだ。同じって言っても、遺伝子操作で――司令型であるA型、補助型であるI型、戦闘特化のU型、情報特化のE型、大量生産のO型の違いはあるけれどね、微々たるモンさ。全員が『始まりのエルフ』のクローンなんだからね。ああ、クローンってのをアンタらにも分かりやすく言えば、同じ木の枝を切って植えて別の木を誕生させたようなもの……これで少しは意味は通じるかい?」
「そんな……そんな事が、エルフ族には可能だったのか」
ギルガンドが息を吞んだ。
マダム・カルカはゆるゆると首を振って、
「最初からじゃ無い。そんな事が出来るようになったのは、『始まりのエルフ』が異世界から『ある魂』を呼び出してからさ。『彼女』は『彼』の知識を得て、己のクローンを大量に生み出し、滅びつつあるエルフ族を少しでも延命させようとしたんだ」
「エルフ族が滅びつつある……?」
ロクブは我知らず身震いする。
老いも若きも、エルフ族には女しかいない――その答えがもうすぐ分かると悟って。
「子が産めないんだよ、アタシらは。何をどうやっても子孫を残す事が出来なかった……。いくらアタシらが長寿だからって、生きていれば寿命は必ず来てしまう。事実、『始まりのエルフ』である『彼女』の寿命はとっくの昔に尽きているはずだった」
「はず、だった?」
思わずキアラフォが繰り返した。マダム・カルカは少しだけ哀しそうな目をして、
「『彼』が死なせなかったんだよ。それこそ異世界の知識とこの世界の魔法を使って、ありとあらゆる手段で『彼女』を生かしたんだ。幾つかの国や種族を滅ぼしてでも、此の世に悍ましい月光の禁忌を生み出してでもね」
「月光の禁忌だと!?」
ロウが思わず立ち上がりかけて、慌ててパーシーバーがロウにしがみついた。
『駄目よ、ロウ!最後まで聞かなきゃ駄目っ!』
マダム・カルカは目を伏せた。煙管から煙だけが揺らぎながらも燻っている。
「そうさ。『ヘルリアン』をエルフ族は『治風』の力で浄化するなんて言われているが、実際は浄化じゃないのさ。だって『ヘルリアン』を生み出した張本人はエルフ族なんだから」
「カルカ姉さん、何の用?」
そこにマダム・リルリが姿を見せた。マダム・カルカはペンダントを突き出して、
「これを直してやってくれないかい?」
「……本当なら嫌だけど。他ならぬ便利屋のロウがいるなら、仕方無いねえ」
彼女はペンダントを手にすると、不思議な器具を幾つか取りだして修理を始めた。
「さて、アンタら全員が色々とアタシに聞きたそうな顔をしているが……何から聞きたい?」
背後で修理に取りかかるマダム・リルリを見やって、マダム・カルカは口を開く。
「ヘルリアンを、どうして、生み出したんだ……」
声を振り絞るようにして、ロウが訊ねた。
「『彼』は『彼女』を生かし、聖地を稼働させる魔力が欲しかったのさ。だから世界中に『一定の魔力保有量に応じて固有魔法を発現させる代わりに死んだ後に体がヘルリアンになる』病の源であるウィルス『HE‐LL1‐ANN』をばら撒いたのさ。誰にも気付かれないように、何も病としての症状の出ない無害なウィルスを装ってね。
固有魔法の代償として、『ヘルリアン』は宿主が死んだ後に月光を浴びると魔力を蓄積するんだよ。
どうしてそんなブツを生み出したのかって気になるだろう?『彼女』を生かし続けるために、聖地を動かすためには、とにかく魔力が必要だったんだよ。
ああ、エルフの『治風』の加護なんて大ウソさ。エルフ族の加護は『完全抗体』なんだ。だから、エルフだけはどんな病にもかからない。アタシらの固有魔法は遺伝子操作で後天的に植え付けられたモノだからねえ」
絶句するロウを哀れむように見つめてから、マダム・カルカは他の3人の方を向いた。
「その『彼』とは何者だ!」
ギルガンドが険しく問い詰めると、マダム・カルカは正直にこう答えた。
「異世界の知識を持った何者か……だ。でも、精霊獣じゃあ断じて無い。詳しくはアタシらも知らされていないんだ。いつも仮面を被っていたし。
ああ、最近は知らないよ?アタシらはおよそ100年は昔に、同胞の所業に流石にウンザリして、抗議した所為で聖地から破門された。その時に見せしめとして魂に制限をかけられて、不浄を喰らう様にされたのさ。
そうそう、制限をかけられているのはアタシらだけじゃない。殆どのエルフが嫌々ながらも制限の所為でハイエルフに従っているのさ。ハイエルフは一際優秀な遺伝子操作を施されて誕生した個体だ、一般のエルフへの命令権限も所持しているからねえ」
「……。幾つかの国を滅ぼしたと言うのは」
キアラフォが震えそうな手を握りしめて、次に訊ねると、
「ああ、一時ヘルリアンが足りなくてね、竜人族の国エルデベルフォーニを滅ぼす程に恐ろしい疫病を流行らせたってのは知ってる。ドワーフの里や吸血鬼の王国ザルティリャは分からないが……『乱詛帝』は怪しいんじゃ無いかと疑ってはいるよ」
「怪しい……だって?」
まさか、とキアラフォが言いかけてためらった言葉の先を、あっさりとマダム・カルカは言ってしまった。
「だって妻に先立たれた第二皇子モルガドリックは、一回世を儚んだらしいじゃ無いか。その骸が何故かは知らんが蘇生した。そして当時の皇帝や皇太子達を殺して『乱詛帝』に即位した……ってのは有名だろ?
元・同胞は精霊獣を従えた皇族の亡骸を暴いては、精霊獣の実験をしていたんだ。だったら、モルガドリックもその実験体の一つにされたって考えても、そんなにおかしくは無いだろう?」
「っ!!!」
真っ青な顔をしてキアラフォも黙り込む。
「エルフ族の、『彼』の目的は何ですか」
ロクブがとうとう重たい口を開いた。
するとマダム・カルカは窓から月を見上げて――、
「『彼女』に永遠の命を与える事、徹頭徹尾それだけさね。そのために『ヘルリアン』を生み出して、大量の魔力を集めて、墓を暴いて、それに飽き足らず国や種族を幾つも滅ぼして。
――そう。たったそれだけのために『彼』はこの世界の宿敵となったのさあ」
「マダム、今までどうしてそれを言わなかったんだ」
ロウが戦慄きながら問い詰めると、マダム・カルカは軽く鼻先で笑った。
その背後では修理が完了したペンダントを手に、マダム・リルリが立ち上がっていた。
「遊郭の楼主が言った所で誰が信じたんだい?与太話で済めば良いが、誰からも信じられぬ真実なんて真っ先に殺されちまうモンだろうがよ」
「……これの修理、ね」
しばしペンダントを確認した後で、気怠そうに煙管から煙を吸って、マダム・カルカは目を伏せる。
「この程度なら簡単さ。だけど妹の――リルリの方が向いている。呼んでやるから、少し待ってな」
ただでさえ居心地が悪くてたまらなさそうなロクブが、待たされると聞いて、とうとう半泣きになった。
妻女ニチカにこっ酷くしばき倒される己の末路を理解したのだ。
「――さて、と」マダム・カルカはそのまま目を閉じて考えていたが、「何から……話したもんかね」
遠い目をして、語り出したのだった。
「アタシら『エルフ』は全員が同じ個体なんだ。同じって言っても、遺伝子操作で――司令型であるA型、補助型であるI型、戦闘特化のU型、情報特化のE型、大量生産のO型の違いはあるけれどね、微々たるモンさ。全員が『始まりのエルフ』のクローンなんだからね。ああ、クローンってのをアンタらにも分かりやすく言えば、同じ木の枝を切って植えて別の木を誕生させたようなもの……これで少しは意味は通じるかい?」
「そんな……そんな事が、エルフ族には可能だったのか」
ギルガンドが息を吞んだ。
マダム・カルカはゆるゆると首を振って、
「最初からじゃ無い。そんな事が出来るようになったのは、『始まりのエルフ』が異世界から『ある魂』を呼び出してからさ。『彼女』は『彼』の知識を得て、己のクローンを大量に生み出し、滅びつつあるエルフ族を少しでも延命させようとしたんだ」
「エルフ族が滅びつつある……?」
ロクブは我知らず身震いする。
老いも若きも、エルフ族には女しかいない――その答えがもうすぐ分かると悟って。
「子が産めないんだよ、アタシらは。何をどうやっても子孫を残す事が出来なかった……。いくらアタシらが長寿だからって、生きていれば寿命は必ず来てしまう。事実、『始まりのエルフ』である『彼女』の寿命はとっくの昔に尽きているはずだった」
「はず、だった?」
思わずキアラフォが繰り返した。マダム・カルカは少しだけ哀しそうな目をして、
「『彼』が死なせなかったんだよ。それこそ異世界の知識とこの世界の魔法を使って、ありとあらゆる手段で『彼女』を生かしたんだ。幾つかの国や種族を滅ぼしてでも、此の世に悍ましい月光の禁忌を生み出してでもね」
「月光の禁忌だと!?」
ロウが思わず立ち上がりかけて、慌ててパーシーバーがロウにしがみついた。
『駄目よ、ロウ!最後まで聞かなきゃ駄目っ!』
マダム・カルカは目を伏せた。煙管から煙だけが揺らぎながらも燻っている。
「そうさ。『ヘルリアン』をエルフ族は『治風』の力で浄化するなんて言われているが、実際は浄化じゃないのさ。だって『ヘルリアン』を生み出した張本人はエルフ族なんだから」
「カルカ姉さん、何の用?」
そこにマダム・リルリが姿を見せた。マダム・カルカはペンダントを突き出して、
「これを直してやってくれないかい?」
「……本当なら嫌だけど。他ならぬ便利屋のロウがいるなら、仕方無いねえ」
彼女はペンダントを手にすると、不思議な器具を幾つか取りだして修理を始めた。
「さて、アンタら全員が色々とアタシに聞きたそうな顔をしているが……何から聞きたい?」
背後で修理に取りかかるマダム・リルリを見やって、マダム・カルカは口を開く。
「ヘルリアンを、どうして、生み出したんだ……」
声を振り絞るようにして、ロウが訊ねた。
「『彼』は『彼女』を生かし、聖地を稼働させる魔力が欲しかったのさ。だから世界中に『一定の魔力保有量に応じて固有魔法を発現させる代わりに死んだ後に体がヘルリアンになる』病の源であるウィルス『HE‐LL1‐ANN』をばら撒いたのさ。誰にも気付かれないように、何も病としての症状の出ない無害なウィルスを装ってね。
固有魔法の代償として、『ヘルリアン』は宿主が死んだ後に月光を浴びると魔力を蓄積するんだよ。
どうしてそんなブツを生み出したのかって気になるだろう?『彼女』を生かし続けるために、聖地を動かすためには、とにかく魔力が必要だったんだよ。
ああ、エルフの『治風』の加護なんて大ウソさ。エルフ族の加護は『完全抗体』なんだ。だから、エルフだけはどんな病にもかからない。アタシらの固有魔法は遺伝子操作で後天的に植え付けられたモノだからねえ」
絶句するロウを哀れむように見つめてから、マダム・カルカは他の3人の方を向いた。
「その『彼』とは何者だ!」
ギルガンドが険しく問い詰めると、マダム・カルカは正直にこう答えた。
「異世界の知識を持った何者か……だ。でも、精霊獣じゃあ断じて無い。詳しくはアタシらも知らされていないんだ。いつも仮面を被っていたし。
ああ、最近は知らないよ?アタシらはおよそ100年は昔に、同胞の所業に流石にウンザリして、抗議した所為で聖地から破門された。その時に見せしめとして魂に制限をかけられて、不浄を喰らう様にされたのさ。
そうそう、制限をかけられているのはアタシらだけじゃない。殆どのエルフが嫌々ながらも制限の所為でハイエルフに従っているのさ。ハイエルフは一際優秀な遺伝子操作を施されて誕生した個体だ、一般のエルフへの命令権限も所持しているからねえ」
「……。幾つかの国を滅ぼしたと言うのは」
キアラフォが震えそうな手を握りしめて、次に訊ねると、
「ああ、一時ヘルリアンが足りなくてね、竜人族の国エルデベルフォーニを滅ぼす程に恐ろしい疫病を流行らせたってのは知ってる。ドワーフの里や吸血鬼の王国ザルティリャは分からないが……『乱詛帝』は怪しいんじゃ無いかと疑ってはいるよ」
「怪しい……だって?」
まさか、とキアラフォが言いかけてためらった言葉の先を、あっさりとマダム・カルカは言ってしまった。
「だって妻に先立たれた第二皇子モルガドリックは、一回世を儚んだらしいじゃ無いか。その骸が何故かは知らんが蘇生した。そして当時の皇帝や皇太子達を殺して『乱詛帝』に即位した……ってのは有名だろ?
元・同胞は精霊獣を従えた皇族の亡骸を暴いては、精霊獣の実験をしていたんだ。だったら、モルガドリックもその実験体の一つにされたって考えても、そんなにおかしくは無いだろう?」
「っ!!!」
真っ青な顔をしてキアラフォも黙り込む。
「エルフ族の、『彼』の目的は何ですか」
ロクブがとうとう重たい口を開いた。
するとマダム・カルカは窓から月を見上げて――、
「『彼女』に永遠の命を与える事、徹頭徹尾それだけさね。そのために『ヘルリアン』を生み出して、大量の魔力を集めて、墓を暴いて、それに飽き足らず国や種族を幾つも滅ぼして。
――そう。たったそれだけのために『彼』はこの世界の宿敵となったのさあ」
「マダム、今までどうしてそれを言わなかったんだ」
ロウが戦慄きながら問い詰めると、マダム・カルカは軽く鼻先で笑った。
その背後では修理が完了したペンダントを手に、マダム・リルリが立ち上がっていた。
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