俺のチートが凄すぎて、異世界の経済が破綻するかもしれません。

埼玉ポテチ

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030 風呂?

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 さて、帰り道にローナとルルイに乾物の話を聞いてみた。

「保存食ですか?そう言うのは基本的に家で作りますね、お店で買う事は無いと思いますよ。」

「冒険者は、保存食はギルドで購入しますね。自分で作る人も居ますが、お店で売って居たら購入するかもしれません。」

 ふむ、やはり保存食と言うのは自分で作る物らしい。だから乾物屋が無いと言う訳だ。

「じゃあ、魚の干物とかは売って無いのかな?」

「ああ、海が近い町なら干物が販売されている所もありますよ。」

 なるほど、干物を食わないと言う訳では無いんだな。ならば、乾物屋と言うのも商売になる可能性はある訳だ。

「ローナは干物を食べた事があるのか?」

 そう言うと首を横に振ったので、ショップで検索してサバとアジの干物を購入して、4枚ずつ8枚程渡して置いた。確か彼女の家は4人家族だったはずだ。

 ルルイが羨ましそうな顔をしていたので、うちの夕飯も干物にしよう。そう言えば暫く魚を食って居ない。

 家に帰ると爺さんが待っていた。

「今日はお主に面白い物を用意した。訓練は無しにするからこれを読んでみろ。」

 そう言って1冊の本を渡された。『失われた古代魔法全集』って、俺をどうするつもりだ爺さん。

「こんなの覚えたら、それこそ国に監禁されたりするんじゃ無いですか?」

「覚えられるつもりでいる所が凄いのぉ。普通は見たら落胆する物なのじゃがな。」

 あれ?でも万が一覚えちゃったらどう責任を取ってくれるんだ?

「これって、もしかして理論とかは載って居ないのですか?」

「まあ、失われた魔法じゃから理論も残って居ないのは当然じゃろう。」

 ん?じゃあ、なんでこれを読ませようとしてるんだ?

「魔法使いと言うのは万能では無い。何が出来て何が出来ないか見極める事も重要なのじゃ。」

 なるほど。それは理解出来る。だが、この本に載っている魔法は『失われた』だけで、昔は使われていたって事だよね?つまり理論が解れば使えると言う事にならないか?

 もしかしたら、この本は俺には危険かもしれない。

 おっと、そうだ。爺さんに頼みがあったんだ。出かける前に話して置こう。

「お爺さん。魔法とは別件なのですが、この家にお風呂を設置する許可を貰えませんか?」

「風呂じゃと?この家にか?」

「ええ、幸い、お爺さんは貴族ですのでお風呂があっても不思議では無いですよね?」

 そう言うと爺さんが思案顔になる。

「別に風呂を作るのは構わないが、それを他人に言わないと言うのであれば許可しよう。」

「では、裏庭の空いている部分をお借りします。」

 と言う事で風呂を設置する事が叶いそうだ。ちなみに爺さんが出来たらワシも入って構わんのか?と聞いていたのでもちろんと答えて置いた。

 さあ、ルルイを呼んで夕食にしよう。今日は干物を食べると約束したしな。コンロ用の魚焼き器を購入し、ルルイに干物を焼いて貰う。今日はサバにした。煙がかなり出るが、風魔法で流れを作り換気扇代わりにする。

 その間に俺はパックのご飯を魔法で温めて、湯を沸かし、インスタントの味噌汁を作る。これだけだとちょっと寂しいので箸休めとして、総菜コーナーからきんぴらごぼうを購入。

 完全な和食だが、ルルイに受け入れられるだろうか?

 一番の問題は米だな。これがクリアできるのであれば、食堂のメニューの幅も広がる。

 焼き上がった干物を皿に乗せ持って来たルルイが、目ざとく言う。

「ご主人様、これは麦でしょうか?麦にしては白い気がするのですが?」

「これは麦じゃ無くて米だな。まあ似た様な物だが、こちらの方が食べやすいと思うぞ。」

 ルルイは食べ物に関して警戒心があまり無い。味噌汁も難なく受け入れて居たし。醤油の匂いも平気だった。恐らく、日本人の味覚とさほど違いが無いと見て良いと思う。

 ならば米も受け入れられるはずだ。俺はルルイが米を食べるのを横目で確認しながら、サバを突いている。

 久しぶりに食う魚は美味かった。

「これは麦よりもちもちしていて美味しいですね。食べやすいと言う意味が解りました。それに魚ととても合います。」

 そうだろう?パンと魚って合わないもんな。フライならともかく、焼き魚ならご飯だよね。

 どうやら、この世界の住人にも米は受け入れられそうだ。だとすれば、アレが食べられるかもしれない。

 まずは従業員に試食させるために小さな鍋に一つだけ作ってみよう。俺は食後に牛丼を仕込んでいた。

 そこへ爺さんが帰って来る。帰って来るなり厨房に走って来た。元気な爺さんだ。

「この匂い、魚じゃ無いか?それも海の魚じゃ。」

 そうか、魚を焼いた時の煙が部屋中に行き渡ってしまったのか。

「はい、干物が手に入ったので夕食に食べました。」

「もう、残っとらんのか?」

 なんか爺さんが必死だ。そんなに魚に飢えていたのか?

「えっと、幾つか残ってますけど、焼きましょうか?」

「頼む、なんなら金を払っても良いぞ。」

 いやいや、タダで部屋を貸して貰っている身ですから金はとれませんよ。

 俺は牛丼を仕込んでいる鍋の横で干物を焼き始める。購入したサバがかなり脂が乗った良い物らしく煙が凄い。俺は窓を開けて、風魔法で煙を外に追い出す。

 焼き上がった干物を皿に乗せて、ナイフとフォークを添えて爺さんに出してやる。

「何か飲みますか?」

「魚に合う酒は無いぞ。」

 あれ?そうか、この世界には日本酒が無いんだよな。焼酎も悪く無いが、魚ならワインより日本酒の方が合うはずだ。

 俺は、ショップ画面から少し高級な大吟醸を購入する。

「これを試してみて下さい。」

「これは透き通った酒?」

 それにしても爺さんもそうだが、ルルイも干物をフォークとナイフで器用に食うもんだ。

 大吟醸を飲んだ爺さんが驚いている。

「これは、酒精はそこそこじゃが、確かに魚に合うな。何の酒じゃ?」

「これが、俺が探していた米から作れる酒なんですよ。」

「ほほう、これが作れるのならば確かに、そのコメとやらには価値があるのぉ。海が近い町なら情報があるやもしれんぞ。」

 爺さんが美味そうに魚を食べ酒を呑んでいる。

 ふむ、まだ暫くはこの町を出る気は無いが、一度位海のある町を視察したい物だ。

 俺は、仕込んだ牛丼を熱々のまま、鍋ごとアイテムボックスにしまう。焼き網はクリーンの魔法を掛けてから、厨房の棚に置いた。

 風呂を作ろうと思って居たのだが、それは明日でも良いだろう。爺さんから貰った本も読まないとね。

 部屋で、ベッドに腰かけ『失われた古代魔法全集』を開く。ハッキリ言って胡散臭い本だが、転移魔法や蘇生魔法等の名前が書かれているので、まるっきり嘘では無さそうだ。

 何となく日本で読んだ、都市伝説やUMAの本を思い出す。

 でも、転移魔法の理論は爺さんが知って居た。ならば、ここに載っている魔法は使えなくても理論だけなら、残されている可能性はあると言う事になる。

 本をめくっていくと気になる魔法を見つけた。勇者召喚魔法とある。これって異世界から人間を召喚する魔法だよね?もしかしたら、俺が日本に帰る方法に繋がるかもしれない。

 と言うか、古代には召喚された勇者が居たのだろうか?そしてそれは何処の人間だったのだろう?

 この世界に来た日本人は俺だけなのだろうか?

 翌日、店に出勤した俺は、早速皆に牛丼を試食させた。丼に温かいご飯をよそって、昨日仕込んだ牛丼の具を上に乗せて、皆に商品になるかどうか判断して欲しいと言って渡して行く。

 流石に箸は使えないのでフォークを配る。

「この白い粒は麦ですか?」

 調理人のキリクが最初に質問をして来る。

「それは、米と言う雑穀の一種だ。栄養的にはパンに匹敵する。問題は庶民に受け入れられるかどうかだな。」

 ルルイは昨日米を食べたので問題無く食べている。他の面々も恐る恐る口に運んでいたが、徐々にフォークの速度が上がる。

「これは、美味いですよ。癖になる味です。」

 これはキリクの発言だ。

「こんな料理他にはありません。うちの名物になるかもしれませんね。」

 と、ローナが言った。

 どうやら、日本の味はこの世界でも通用する様だ。こうなると本格的に米を探した方が良いかもしれない。今は、俺のスキルで購入しているが、後々はこの世界の材料で牛丼を完成させたい。

 牛丼が美味しいならかつ丼もイケるだろう。メニューが増えるのは良い事だ。
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