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走って行っても衛兵を連れて来るまでにはかなりの時間かかるだろう。仕方が無いので、失神している冒険者たちにもパラライズを掛ける。
父親が帰るまで他の家族に話を聞く。まず、名前から、父親がルード、母親がミスカ。姉がセレス、弟がトマスと言うらしい。
父親と母親は王都の南にある村の出身で、成人して結婚してから王都にやって来て、この地を開拓したらしい。
「正直なところセレスさんには結婚を考えている男性は居ないのですか?」
「はい、我が家は貧しく、借金もあります。私は13歳の時からずっと畑の手伝いをしていました。男性と接する機会は殆どありませんでしたから。」
「ミスカさん。話しづらい事を聞きますが、娘さんが嫁に行ったら、口減らしになりますか?それとも労働力が減って苦しくなりますか?」
「両方ですね。今、嫁に行かれたらうちの畑は収穫量が下がります。しかし、娘にお金が掛からなくなる分、楽になるのも確かです。」
「ふむ、プラスマイナス0って感じですね。もし、娘さんが希望するなら結婚相手を探しますし、働き先を世話しても良いですよ。考えてみて下さい。」
セレスは17歳。結婚してもおかしくない年齢だ。また、メイドとして貴族の家に雇われれば、それなりの給金が貰えるだろう。仕送りも出来るはずだ。それに貴族は王都に集結しているので、里帰りも簡単だ。
「ちなみにリアンさんも労働力なのでしょうか?」
「そうですね。13歳になったのでそろそろ畑の手伝いをさせたいと考えています。ただ、この子はあまり発育が良く無いのか小柄なので、あまり大きな期待はしていません。」
確かにリアンは13歳にしては小柄だ、顔つきが整っているので幼くは見えないが、見るからに非力そうだ。多分栄養状態が悪いのだろう。
「リアンさんに関しても外で働く気があるなら、仕事を紹介しますよ。まあ、手元に置いておきたいと言うのなら無理にとは言いませんが。」
「あの、貴族様には何かメリットがあるのでしょうか?」
「あ、僕の事はエイジと呼んで下さい。僕にメリットはありませんが、女性に畑仕事はキツイのでは無いかと言う、単純な理由です。本人やご家族が希望しないのなら、別に断って頂いても何も問題ありませんよ。」
「エイジ様は、そこの貴族様より偉い方なのですか?」
そう言って倒れているベルト男爵を見る。
「偉いかどうかは解りませんが、爵位は上ですね。ですので、今後一切、ベルト男爵にはこの家に手出しが出来ない様処罰します。ご安心下さい。」
それを聞いてミスカさんとセレスさんはホッとした顔をした。一気に肩の力が抜けた様だ。
まあ、家の前に男が7人倒れている訳だから、緊張もするよね。日本なら大事件だよ。
「エイジ様、私にも出来る仕事ってあるのですか?」
急にリアンが問いかけて来た。
「そうだね。リアン位の年齢だと働いている子は結構いるよ。ただ、リアンには経験が無いから最初はメイド見習いから始める事になる。ある程度慣れたら、そのままメイドを続けても良いし、お店の店員なんかになる事も出来るよ。リアンは外で働きたいの?」
「私は畑仕事が得意じゃ無いから。」
「その辺はお父さん、お母さんと良く話し合ってから決めた方が良いね。時間はまだある。焦らなくても良いんだよ。」
結局ルードさんが衛兵を連れて来るまで40分程掛かった。僕の手紙が効いたのか5人程の衛兵がやってきた。
衛兵に事の次第を話し、人身売買の現行犯で捕縛した旨を伝える。更に、他にも悪事を働いている可能性があるので、詳細に調べてくれと伝えて置く。
厳重に縄で縛ったのを確認してから冒険者達の目を覚ます。男爵は麻痺したまま連れて行くらしい。冒険者達は観念した顔で衛兵の指示で歩き出す。後は任せて大丈夫だろう。例の手紙があるので上司も無視は出来ないはずだ。
さて、用事も済んだし帰ろうかと思ったら、ルードさんに滅茶苦茶礼を言われた。この恩をどうやって返したら良いのかと言われたので、特に礼は要らないと答えたら、そう言う分けには行かないと言われた。
「しかし、結果的に僕はお金も使ってませんし。損も得もしてませんしね。」
「でも、私どもは救われた訳ですから、礼をしないと言うのは貴族様に失礼に当たります。」
「うーん。困ったな。」
「じゃあ、どうでしょう?娘を嫁に差し上げましょうか?」
「いや、それは本末転倒でしょう?娘さんを助ける為にやった事ですから。」
ルードさん借金がチャラになってテンション上がり過ぎだって。
「しかし、何も礼をしないって言うのは心苦しいですよ。何か私どもに出来る事はありませんか?」
「では、僕の実験を手伝っては頂けないでしょうか?」
「実験ですか?」
「そうです。今、畑に植えているのは何ですか?」
「今はジャガイモですね。だいぶ土地が痩せて来たので、芋以外は厳しい状態です。」
「なるほど。収穫は何時頃になりますか?」
「今、丁度収穫時期です。既に半分は収穫しました。残りも本当なら今日収穫する予定でした。」
「それは丁度良いタイミングですね。収穫が終わったら畑を蘇らせる実験をさせて下さい。」
「畑を蘇らせるんですか?」
「はい、明日の夕方に来ますので、それまでに収穫を終えて置いて下さい。ちなみに今から栽培して儲かる野菜って何ですか?」
「この季節だとカボチャが儲かりますが、この辺の畑では無理ですよ?」
「そこで、実験ですよ。」
「本気で、この土地でカボチャを作る気ですか?」
「まあ、実験なので失敗する可能性もあります。その時は最低限の生活は保障しますので、やらせて貰えませんか?」
「解りました。それで恩を返せるなら協力させて頂きます。」
「良かった。じゃあ収穫お願いしますね。」
そう言ってリアンの家を後にし、プレイ―スに飛んだ。プレイースでは現在、魚肥料を混ぜた腐葉土を量産している。代官のマークに話を通し、出来上がった腐葉土を1トン程貰って行く。場合によっては王都で販売する事になるかもしれないので、常に20トン位の在庫を確保している。現在は無料で農家に配っているが、将来的には10キロ銅貨1枚位で販売しようと計画中だ。王都やロンダールでも需要はあるだろう。
一回畑の土を復活させれば、次からは通常の腐葉土や竈の灰などで暫くは持たせられるはずだ、また土地が痩せたらその時考えれば良い。実際僕の畑は通常の腐葉土だけで、それなりの収穫を上げている。これ以上に収穫を上げるのであれば土自体を入れ替える必要があるだろう。幸い王国は自然が豊かだ。何処かで質の良い土が取れればそれを持って来ても良いだろう。
まずは土がいかに大事かをルードさんを足掛かりに広めて行こう。
それから家に帰り、そう言えば水不足も深刻なんだったなと思い出し、散水の魔道具も幾つか作って置いた。
ついでにロンダールで使う予定のマジックバッグも20個程作る。そう言えば、冒険者向けの雑貨屋でマジックバッグが白金貨2枚で売っていたが、そんなに高価なマジックバッグはどの位の容量なのだろう?僕が作るマジックバッグはせいぜい50メートル四方だが、白金貨2枚だとドラゴンが10匹位入るのかな?
今日は色々と疲れたなぁと風呂に入ったが、思い返すと大した事をしていない事に気が付いた。リアンの家族と話をしてただけの様な気がする。戦って無いし、魔法もあまり使わなかったな。あれ?おかしいな。
明日からはまた、元の生活に戻る。問題はダンスの練習だな。あれって地味に精神を削られるんだよね。
翌朝、ブラスマイヤーの稽古を受ける。僕はヘロヘロになって出て来るが、ルシルは楽しそうだ。あれ?知らない内にルシルに抜かれてる?いや、まだ戦闘訓練では負けてないはず。ルシルは厨房に直行だ、僕は応接室で紅茶を飲む。
その後、自分の畑に行って、草むしりをする。トマトとナスが良い感じなので収穫して置く。今度は何を植えよう?
2時間程スローライフを満喫し、午後からはダンスの稽古だ。伯爵夫人はバケモノに違いない。ベルクロスより体力があるんじゃないか?
3時間程で解放された僕は、気力を振り絞って、リアンの家に飛ぶ。
一家5人で作業をしているが、まだ収穫が全部終わって居ない様だ。僕は暫くリアン一家の作業を黙って眺めている。トマス君も幼いながらに頑張っている。偉いなぁ。
30分程待つとどうやら作業が終わった様だ。果たしてこのジャガイモでどの位の収入になるのだろう?
「終わったようですね。」
「エイジ様、お待たせしてしまって申し訳ありません。」
「いやいや、問題無いよ。じゃあ早速始めようか。」
まず、上から30センチの痩せた土をストレージに仕舞う。次に、残った土を50センチ程天地返しする。こうすると湿った柔らかい土が出て来る。そこに魚肥料入りの腐葉土を敷き詰め攪拌する。攪拌する深度は60センチだ。これで土はOKだ。
次はこれですね、と言ってカボチャの苗を出す。カボチャって普通にタネ有るよね?なんで苗しか売って無いんだろう?
畑に等間隔で苗を植えて行く、僕とルードさんの2人で45分程掛かった。この畑思ったよりでかいな。
最後に水魔法で散水し苗を土に馴染ませる。これで完了だ。
あ、忘れてた。散水の魔道具を設置しないと。ルードさんの畑を起点に周囲4か所の畑に水が撒けるように魔道具を設置する。使い方は簡単。水を撒きたい時に魔量を流すだけ。ルードさんに使い方を教えて、今度こそ完了だ。
「魔法ってのは便利な物ですね。」
「ルードさんの家には魔法を使える人は居ないのですか?」
「ここまで大きな魔法は普通の人には使えませんよ。」
「そうなんですか?まあ僕は冒険者もやってますからね。あ、水は週に1回撒けば良いですからね。後、雨が降ったら撒かなくても良いですよ。」
「解りました。それにしても、この土は素晴らしいですね。こんなに柔らかくて扱いやすい土は初めてですよ。」
「野菜は土から栄養を吸い上げて成長するんです。だから栄養が多い土があれば良い野菜が育ちます。」
「理屈は解ります。しかし、方法が解らない。」
「ここから一番近い空き地って言うとあそこですか?」
そう言って、ルードさんの畑から20メートル位先にある荒れ地を指さす。
「そうですね、あそこは酷い荒れ地なので誰も手を付けません。」
僕は、そこに腐葉土の山を作り、水を掛けて置く。
「使い方は解りますよね?土に混ぜるだけです。誰かに聞かれたら教えてやって下さい。」
「もしかして、東の肥料も?」
「内緒でお願いしますね。」
ルードさんの驚いた顔が印象的だった。
父親が帰るまで他の家族に話を聞く。まず、名前から、父親がルード、母親がミスカ。姉がセレス、弟がトマスと言うらしい。
父親と母親は王都の南にある村の出身で、成人して結婚してから王都にやって来て、この地を開拓したらしい。
「正直なところセレスさんには結婚を考えている男性は居ないのですか?」
「はい、我が家は貧しく、借金もあります。私は13歳の時からずっと畑の手伝いをしていました。男性と接する機会は殆どありませんでしたから。」
「ミスカさん。話しづらい事を聞きますが、娘さんが嫁に行ったら、口減らしになりますか?それとも労働力が減って苦しくなりますか?」
「両方ですね。今、嫁に行かれたらうちの畑は収穫量が下がります。しかし、娘にお金が掛からなくなる分、楽になるのも確かです。」
「ふむ、プラスマイナス0って感じですね。もし、娘さんが希望するなら結婚相手を探しますし、働き先を世話しても良いですよ。考えてみて下さい。」
セレスは17歳。結婚してもおかしくない年齢だ。また、メイドとして貴族の家に雇われれば、それなりの給金が貰えるだろう。仕送りも出来るはずだ。それに貴族は王都に集結しているので、里帰りも簡単だ。
「ちなみにリアンさんも労働力なのでしょうか?」
「そうですね。13歳になったのでそろそろ畑の手伝いをさせたいと考えています。ただ、この子はあまり発育が良く無いのか小柄なので、あまり大きな期待はしていません。」
確かにリアンは13歳にしては小柄だ、顔つきが整っているので幼くは見えないが、見るからに非力そうだ。多分栄養状態が悪いのだろう。
「リアンさんに関しても外で働く気があるなら、仕事を紹介しますよ。まあ、手元に置いておきたいと言うのなら無理にとは言いませんが。」
「あの、貴族様には何かメリットがあるのでしょうか?」
「あ、僕の事はエイジと呼んで下さい。僕にメリットはありませんが、女性に畑仕事はキツイのでは無いかと言う、単純な理由です。本人やご家族が希望しないのなら、別に断って頂いても何も問題ありませんよ。」
「エイジ様は、そこの貴族様より偉い方なのですか?」
そう言って倒れているベルト男爵を見る。
「偉いかどうかは解りませんが、爵位は上ですね。ですので、今後一切、ベルト男爵にはこの家に手出しが出来ない様処罰します。ご安心下さい。」
それを聞いてミスカさんとセレスさんはホッとした顔をした。一気に肩の力が抜けた様だ。
まあ、家の前に男が7人倒れている訳だから、緊張もするよね。日本なら大事件だよ。
「エイジ様、私にも出来る仕事ってあるのですか?」
急にリアンが問いかけて来た。
「そうだね。リアン位の年齢だと働いている子は結構いるよ。ただ、リアンには経験が無いから最初はメイド見習いから始める事になる。ある程度慣れたら、そのままメイドを続けても良いし、お店の店員なんかになる事も出来るよ。リアンは外で働きたいの?」
「私は畑仕事が得意じゃ無いから。」
「その辺はお父さん、お母さんと良く話し合ってから決めた方が良いね。時間はまだある。焦らなくても良いんだよ。」
結局ルードさんが衛兵を連れて来るまで40分程掛かった。僕の手紙が効いたのか5人程の衛兵がやってきた。
衛兵に事の次第を話し、人身売買の現行犯で捕縛した旨を伝える。更に、他にも悪事を働いている可能性があるので、詳細に調べてくれと伝えて置く。
厳重に縄で縛ったのを確認してから冒険者達の目を覚ます。男爵は麻痺したまま連れて行くらしい。冒険者達は観念した顔で衛兵の指示で歩き出す。後は任せて大丈夫だろう。例の手紙があるので上司も無視は出来ないはずだ。
さて、用事も済んだし帰ろうかと思ったら、ルードさんに滅茶苦茶礼を言われた。この恩をどうやって返したら良いのかと言われたので、特に礼は要らないと答えたら、そう言う分けには行かないと言われた。
「しかし、結果的に僕はお金も使ってませんし。損も得もしてませんしね。」
「でも、私どもは救われた訳ですから、礼をしないと言うのは貴族様に失礼に当たります。」
「うーん。困ったな。」
「じゃあ、どうでしょう?娘を嫁に差し上げましょうか?」
「いや、それは本末転倒でしょう?娘さんを助ける為にやった事ですから。」
ルードさん借金がチャラになってテンション上がり過ぎだって。
「しかし、何も礼をしないって言うのは心苦しいですよ。何か私どもに出来る事はありませんか?」
「では、僕の実験を手伝っては頂けないでしょうか?」
「実験ですか?」
「そうです。今、畑に植えているのは何ですか?」
「今はジャガイモですね。だいぶ土地が痩せて来たので、芋以外は厳しい状態です。」
「なるほど。収穫は何時頃になりますか?」
「今、丁度収穫時期です。既に半分は収穫しました。残りも本当なら今日収穫する予定でした。」
「それは丁度良いタイミングですね。収穫が終わったら畑を蘇らせる実験をさせて下さい。」
「畑を蘇らせるんですか?」
「はい、明日の夕方に来ますので、それまでに収穫を終えて置いて下さい。ちなみに今から栽培して儲かる野菜って何ですか?」
「この季節だとカボチャが儲かりますが、この辺の畑では無理ですよ?」
「そこで、実験ですよ。」
「本気で、この土地でカボチャを作る気ですか?」
「まあ、実験なので失敗する可能性もあります。その時は最低限の生活は保障しますので、やらせて貰えませんか?」
「解りました。それで恩を返せるなら協力させて頂きます。」
「良かった。じゃあ収穫お願いしますね。」
そう言ってリアンの家を後にし、プレイ―スに飛んだ。プレイースでは現在、魚肥料を混ぜた腐葉土を量産している。代官のマークに話を通し、出来上がった腐葉土を1トン程貰って行く。場合によっては王都で販売する事になるかもしれないので、常に20トン位の在庫を確保している。現在は無料で農家に配っているが、将来的には10キロ銅貨1枚位で販売しようと計画中だ。王都やロンダールでも需要はあるだろう。
一回畑の土を復活させれば、次からは通常の腐葉土や竈の灰などで暫くは持たせられるはずだ、また土地が痩せたらその時考えれば良い。実際僕の畑は通常の腐葉土だけで、それなりの収穫を上げている。これ以上に収穫を上げるのであれば土自体を入れ替える必要があるだろう。幸い王国は自然が豊かだ。何処かで質の良い土が取れればそれを持って来ても良いだろう。
まずは土がいかに大事かをルードさんを足掛かりに広めて行こう。
それから家に帰り、そう言えば水不足も深刻なんだったなと思い出し、散水の魔道具も幾つか作って置いた。
ついでにロンダールで使う予定のマジックバッグも20個程作る。そう言えば、冒険者向けの雑貨屋でマジックバッグが白金貨2枚で売っていたが、そんなに高価なマジックバッグはどの位の容量なのだろう?僕が作るマジックバッグはせいぜい50メートル四方だが、白金貨2枚だとドラゴンが10匹位入るのかな?
今日は色々と疲れたなぁと風呂に入ったが、思い返すと大した事をしていない事に気が付いた。リアンの家族と話をしてただけの様な気がする。戦って無いし、魔法もあまり使わなかったな。あれ?おかしいな。
明日からはまた、元の生活に戻る。問題はダンスの練習だな。あれって地味に精神を削られるんだよね。
翌朝、ブラスマイヤーの稽古を受ける。僕はヘロヘロになって出て来るが、ルシルは楽しそうだ。あれ?知らない内にルシルに抜かれてる?いや、まだ戦闘訓練では負けてないはず。ルシルは厨房に直行だ、僕は応接室で紅茶を飲む。
その後、自分の畑に行って、草むしりをする。トマトとナスが良い感じなので収穫して置く。今度は何を植えよう?
2時間程スローライフを満喫し、午後からはダンスの稽古だ。伯爵夫人はバケモノに違いない。ベルクロスより体力があるんじゃないか?
3時間程で解放された僕は、気力を振り絞って、リアンの家に飛ぶ。
一家5人で作業をしているが、まだ収穫が全部終わって居ない様だ。僕は暫くリアン一家の作業を黙って眺めている。トマス君も幼いながらに頑張っている。偉いなぁ。
30分程待つとどうやら作業が終わった様だ。果たしてこのジャガイモでどの位の収入になるのだろう?
「終わったようですね。」
「エイジ様、お待たせしてしまって申し訳ありません。」
「いやいや、問題無いよ。じゃあ早速始めようか。」
まず、上から30センチの痩せた土をストレージに仕舞う。次に、残った土を50センチ程天地返しする。こうすると湿った柔らかい土が出て来る。そこに魚肥料入りの腐葉土を敷き詰め攪拌する。攪拌する深度は60センチだ。これで土はOKだ。
次はこれですね、と言ってカボチャの苗を出す。カボチャって普通にタネ有るよね?なんで苗しか売って無いんだろう?
畑に等間隔で苗を植えて行く、僕とルードさんの2人で45分程掛かった。この畑思ったよりでかいな。
最後に水魔法で散水し苗を土に馴染ませる。これで完了だ。
あ、忘れてた。散水の魔道具を設置しないと。ルードさんの畑を起点に周囲4か所の畑に水が撒けるように魔道具を設置する。使い方は簡単。水を撒きたい時に魔量を流すだけ。ルードさんに使い方を教えて、今度こそ完了だ。
「魔法ってのは便利な物ですね。」
「ルードさんの家には魔法を使える人は居ないのですか?」
「ここまで大きな魔法は普通の人には使えませんよ。」
「そうなんですか?まあ僕は冒険者もやってますからね。あ、水は週に1回撒けば良いですからね。後、雨が降ったら撒かなくても良いですよ。」
「解りました。それにしても、この土は素晴らしいですね。こんなに柔らかくて扱いやすい土は初めてですよ。」
「野菜は土から栄養を吸い上げて成長するんです。だから栄養が多い土があれば良い野菜が育ちます。」
「理屈は解ります。しかし、方法が解らない。」
「ここから一番近い空き地って言うとあそこですか?」
そう言って、ルードさんの畑から20メートル位先にある荒れ地を指さす。
「そうですね、あそこは酷い荒れ地なので誰も手を付けません。」
僕は、そこに腐葉土の山を作り、水を掛けて置く。
「使い方は解りますよね?土に混ぜるだけです。誰かに聞かれたら教えてやって下さい。」
「もしかして、東の肥料も?」
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ルードさんの驚いた顔が印象的だった。
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