転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 帝国に来ている。既にリリに魔法を教え始めて2か月、正直、まともに教えたのは魔素の操作と、その効率化だけだ。後は実際に魔法を見せてイメージを教える位しかしていない。しかし、リリには元々魔法の素質があったのか、それだけで、既にかなりの魔法を使いこなせるようになってしまった。

 実際試して無いが、上級魔法も見せれば使いこなすだろう。効率化を教えたのは不味かったか?このまま行くとリリの魔法は同級生のそれとは大きくかけ離れてしまうだろう。帝国の魔導書を見る限り、授業で教える魔法も多分レベルの低い物だろう。

 ここでストップした方が良いのか、それともきちんと最後まで教えた方が良いのか迷う所だ。

「なあ、リリ。このまま僕の魔法を覚えると学院へ行ってから困る事にならないか?」

「困る事ですか?」

「ああ、多分、僕の理論は学院で教える理論とは大きくかけ離れている。入学してから周りの子達と足並みが揃わなくなるんじゃないか?」

「それなら大丈夫だと思いますよ。このまま行けば私は特別クラスに入る事になります。特別クラスでは基本、個人授業になりますので、他の子達と理論が違うと言う理由で孤立する事はあり得ません。」

「そうか?なら今日からは上級魔法を教えようと思う。中級魔法だけを知っているのと上級魔法を知っていて中級魔法を使うのでは、色々と違いがある。どちらが優れているかは判るな?」

「はい!」

「ただし、学院では上級魔法は使うなよ。」

「何故ですか?」

「将来を決められてしまうぞ。宮廷魔導士になりたいのなら別だが、そうでないならあまり目立たない事だ。」

「なるほど。魔法が上手くなることばかりに気を取られていて、その辺を考えていませんでした。たしかに、上級魔法を自在に操れる様になれば宮廷魔導士に抜擢されますね。しかも、それは断る事が出来ない。」

 何処の国も似た様な状況の様だ。

「リリは将来は何か決めているのか?」

「漠然とですが、魔道具を作ってみたいとは考えています。」

「ほう?この国で魔道具職人か?珍しいな。」

「この国では魔道具が異常に高いのは知ってますよね?それは技術が隠匿されているからです。私はもっと手軽に魔道具が使える様になればと考えています。」

「解った。じゃあ残りの2か月で上級魔法と付与魔法を教えよう。物に出来るかどうかはリリ次第だが、出来なくても勉強の仕方は判る様になるだろう。」

 と言う事で、家庭教師は次の段階に移った。

 家庭教師の後は商売だ。今日は活版印刷機を王国に持って帰る。この為に1か月前から受注生産を頼んで置いたのだ。印刷機を扱う商会に行き、白金貨5枚と引き換えに印刷機を受け取る。かなりでかい。4メートル4方位あるだろう。ストレージに仕舞うと驚かれた。

 印刷機は手に入れた。だが問題は活字だ。活字の見本を幾つか貰ったが。これを元に王国の文字の活字を作らないといけない。最初は魔法で作るから良いが、王国でも活字を作れる職人を育てないと、技術は根付かないだろう。

 紙は順調に王国でも広まっている。もともと質の悪い紙は王国にもあった。そこに質の良い帝国の紙が入って来て、更に製紙技術も導入した。これにより今まで羊皮紙を使っていた所も紙を導入する様になった。まだ、王都に限った事だが、正式な文書にも紙を使う様になった。これから王都全土に広がる事を考えれば利益は計り知れないだろう。

 この製紙事業には公爵家をメインに公爵派の貴族も多数参加している。かなりの大事業なので公爵家だけで利益を独占するには行かない。更にこの後には印刷事業も控えている。更に参加する貴族が増えるだろう。

 翌朝、稽古の後、ブラスマイヤーに質問してみた。

「なあ、現状僕らってどの位強くなってるの?目的は邪竜討伐だよね?」

「邪竜ガンドロスか?ルシル一人で瞬殺出来るな。」

 おいおい、神格を持った竜を瞬殺って、どんだけ強くなってるんだ?

「それって神に対抗できるくらい強くなっているって事?」

「正直、俺が神だった頃には及ばないが、他の神ならそこそこ良い勝負になるんじゃないか?まあ、神格が無いと殺すのは無理だがな。」

 ん?それって僕なら殺せるって言ってませんか?

「当初の目的を達成しているのになんで修行を続けてるの?」

「お前らが勝手に毎朝集まって来るからだろ?」

「いや、邪竜に対抗出来るようになったら、そう言ってくれないと。」

「しかし、確実に勝つには邪竜の更に上を目指さねばならんだろう?」

「あれ?それもクリアしたんじゃないの?」

「まあ、そうだな。」

「じゃあ、今の僕らは何を目指して特訓してるの?」

「この世界最強?」

「なんで疑問形?」

「いや、毎日稽古してるから、習慣になってしまってな。止めるきっかけが無かったしな。」

「って事は、無駄な稽古を毎日してた訳?」

「いや、稽古に無駄と言う事は無い。稽古を休むと弱くなるぞ。」

「じゃあ、続けた方が良いの?」

「ふむ、ガンドロスを確実に仕留めるまでは続けた方が良いだろうな。」

「どうする?」

 他の2人に聞いてみる。

「私は楽しいから続けたい。」

「我も、自身の限界を見てみたい。」

 見事なバトルジャンキーの答えだ。聞いた僕が馬鹿でした。結局。あと2年稽古は続くのであった。

 稽古の後はスローライフタイムだ。最近はこの3時間で畑仕事や領地視察を行っている。今日は畑だな。基本畑では自分で食べる物しか作っていない。畑で儲けるつもりは無い。だが、ここから儲かるヒントを得る事は多々ある。なので畑仕事は楽しい。

 そして、午後は帝国に行く。帝国の内情もだいぶ解って来た。現在の帝国に大森林を切り開いて王国を攻める力は無い。また、王国の存在さえ掴んでいない。もし、大森林を切り開くなら相当力のある魔法使いか、数十万規模の軍隊が必要だろう。そのどちらも現在の帝国は持ち合わせていない。もし、有ったとしたら、まず、隣国を攻め落とすだろう。

 現在の皇帝は馬鹿でも利口でも無い。しいて言うなら無難な皇帝。多分後世の歴史家もそう評するだろう。馬鹿では無いので無謀な事はしない。利口では無いので思い切った事もしない。なので、今の帝国は平和だ。これは悪い事では無い。

 リリの家庭教師を3時間努め、その後2時間程、帝国の町や商会を見て回り、王国で使えそうな技術を探す。見つかれば購入するし、見つからなければ明日また探す。そして、王国へ帰ると公爵と仕事の話をする。そして6時前には家に帰る。

 最近我が家にはライトの魔道具をあちこちに取り付けてあり、夜でも十分明るい生活が出来る様になった。前は蝋燭だったので夜は遅くとも8時には寝ていたが。今は皆、9時過ぎまで起きている様になった。まあ、10時に寝ても朝6時に起きれば8時間睡眠が取れる。

 6時前に家に帰り、子供たちと戯れ、満足してから風呂に入る、ここ最近は帝国土産は中止している、セリーとアリアナがぽっちゃりして来たからだ。これ以上甘味を食べたら太るぞと脅して置いた。2人はダイエットに励んでいる様だ。

 7時には夕食の時間だ。ちなみに、セリーとアリアナは子供を風呂に入れるので、5時頃に風呂に入っているそうだ。

 8時には皆、各部屋に戻る。お勤めのある日は励み無い日は帝国の書物で勉強だ。

 そして10時には寝る。ちなみに今日はセリーが横で寝てる。エルはリアンと寝てるのだろうか?

 翌朝6時に起きる。厨房のメンバーは5時には起きている様だ。6時半には朝食になる。僕とルシルは早食いで10分程で食べ終わる。セリーとアリアナは1時間位かけてゆっくりと食べている。

 7時から9時まで稽古、その後スローライフ。そして午後は帝国だ。1日46時間でスローライフ時間が3時間って全然スローライフじゃ無いよね?

 自分の時間割を振り返るのは今後止めよう、虚しくなってくる。

 さて、リリの家庭教師に向かおう、何処まで教えたら良いのだろう?魔道具が作りたいって言ってたからなぁ、時空魔法も教えた方が良いのかな?アレが使えないとマジックバッグが作れないんだよね。ただ、彼女は感が良いからなぁ、時空魔法をヒントに転移とか覚えたらヤバいよね。一度見せてるし。

 転移魔法が使えるなんて知られたら、まず一生帝国に飼い殺しだろうな。これは、ちゃんと教えて。危険性も一緒に教えるべきだろうな。

 よし、方針は決まった。徹底的に仕込んで、帝国一の魔道具屋に仕立てよう。
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