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そして翌朝、食事を取り、稽古をする。その後一服してから、西門に飛んだ。
クラ―ネルと合流し、昨日と同じ場所に行く。
「どうだ?魔素操作は覚えたか?」
「はい、理論が判れば、難しい物ではありません。今日も朝から1時間キッチリと練習して来ました。」
「じゃあ、魔法を見せてくれ。まずは通常のファイヤーボール。次に倍の大きさのファイヤーボールだ。」
そう言うと、クラ―ネルが空に向かってファイヤーボールを続けて2発撃つ、1発目は通常の大きさ。2発目はちゃんと倍の大きさになっている。
「ふむ、だいぶ運用がスムーズになっているな。」
僕はそう言って、今度は50メートル程離れた場所に土魔法で的を作る。
「今度は通常のファイヤーボールを3連続であの的に当ててみろ。」
クラ―ネルは3つのファイヤーボールを連続で撃つが、3つ目が外れた。
「ファイヤーボールが的に当たるイメージはしたか?」
そう言って、僕は90度ずつ回転しながら3発のファイヤーボールを撃つ。全てのファイヤーボールが吸い込まれる様に的に当たる。
「初級魔法は制御しやすい。当たるかどうか判らない中級魔法と確実に当たる初級魔法。実戦で使えるのはどっちだと思う?」
「なるほど、後者の方が実戦では有効ですね。だから学院の試験でも初級魔法の精密な運用を重視していたんですね?」
「そう言う事だ。理解出来たなら練習だ。」
クラ―ネルはおよそ30分程でファイヤーボールのコントロールを覚えた。実際に1回見せただけで出来るのはなかなかのセンスだ。これが神の欠片の大きさの賜物か。
「良いぞ、次は中級魔法の運用の仕方を教えよう。そのまま撃ったら中級魔法は周囲に与える影響が大き過ぎる。そこでだ、魔法障壁と併用する事で、中級魔法を範囲魔法として運用する事が可能だ。」
ここまでの練習でクラ―ネルには先に理論を教えるのが有効だと解って居る。そこで理論を教えてから実際に撃って見せる。
「まず、指定したい範囲を魔法障壁で囲う。実戦では魔物を閉じ込める必要があるので、物理障壁も併用すると良い。そして、障壁が完成したら中で中級魔法を炸裂させる。」
直径4メートル程のドームの中でファイヤーストームが荒れ狂う。
「こういう風に使うと威力も上がる。どうだ、試してみるか?」
「やってみます。」
クラ―ネルが集中して、魔法障壁を張り、ファイヤーストームを撃つ。1回で成功させた。
「悪く無い。これを実戦で使える様になれば一人前の魔法使いと言って良いだろう。」
「やはり、本で勉強するのとは違って、人に教わるのは新鮮ですね。間違ったらその場で指摘して貰えますし。」
「本来なら、魔法学院とはそう言う物のはずなんだがな。」
「僕もそれを期待して魔法学院を受験したんですけどね。」
「これからの方針なんだが、どうする?」
「どうするとは?」
「冒険者をやってみるか?それとも付与魔法を覚えるか?もちろん魔法は継続して教えて行くが、クラ―ネルの将来に繋がる方向性を見つけないとな。」
考え込むクラ―ネル。
「別にあまり深く考えなくても良いぞ。試して駄目なら違う道へ進めば良い。今はまだ結論を出す時期ではない。」
「あの、貴族になるとしたら、どの方向へ進むのが一番良いのでしょうか?」
「僕は貴族だが、冒険者もやっているし、付与魔法で魔道具も作る。他にも商売もしている。どれか一つに決める必要は無いと思うぞ。」
「そうなんですか?じゃあ、僕にも冒険者が出来るでしょうか?」
どうやら、クラ―ネルは冒険者に憧れがある様だ。
「やってみたいなら、やれば良い。ただし、冒険者になるなら、少し体力をつける必要があるぞ、それでもやるか?」
「お願いします。」
良し、これでクラ―ネルに体力を鍛えさせる口実が出来たぞ。少しばかし剣技でも叩き込んでみるか。
今日は残りの時間で探索魔法を教えた。冒険者になるなら必須の魔法だ。これが無いと死ぬ危険性が上がる。
明日は魔法と一緒に剣技も教えよう。防具と木刀を用意しなければ。
今日も帰りは一緒だ。ならばと帰り際、防具屋に寄ってみた。
防具屋に入ると、時間的な物か、人気が無かった。丁度良い。
「この子に合う。皮鎧を見繕ってくれないか?」
店主に向かってそう言う。
「この子のサイズだと子供用になってしまいますが宜しいでしょうか?」
「問題無い。必要最低限の防御力があれば良い。頼む。」
ちなみにクラ―ネルは今日も魔法学院の制服を着ている。
「魔法使いですよね?皮鎧が必要なんですか?」
店主が聞いて来る。
「魔法も使うが剣も使える様にしたい。基本、敵に突っ込む戦士タイプでは無いので、動きやすい皮鎧を選択した。おかしいか?」
「いえ、後衛でしたら、皮鎧でも十分かと。」
子供向けの皮鎧でも全部揃えると金貨15枚になる。僕が支払い店を出ると。
「あの、僕はお金持ってませんけど、良いのですか?」
そうクラ―ネルが聞いて来た。
「構わない。これは必要経費だ。君が一人前の冒険者になれば1日で稼げる金額だから、心配しなくても大丈夫。」
「そう言えば、エイジさんも皮鎧ですよね?冒険者と言うと金属の鎧のイメージがあるのですが?」
「ああ、僕らは基本魔法使いだ。それに剣士でも優秀な者は防御より動きやすさを重視する。要は当たらないなら鎧は必要ないって事だな。」
クラ―ネルの顔が???になっている。
「僕の戦い方は、スピード重視だ。敵に勝るスピードを持っていれば攻撃を喰らう事はまず無い。だから、動きやすい皮鎧が最適なんだよ。そして、体つきから考えるに、クラ―ネルも同じタイプと判断した。理解したか?」
「なるほど、そう言う事なんですね。皮鎧って防御力が低いから初心者向けだと思っていました。」
ああ、そう言う勘違いは良くある事だな。でも、軽さと防御力を兼ね備えた皮鎧は意外に値段が高いんだぞ。
「明日はこれを装備して来いよ。軽く剣の稽古をする。僕が十分だと思ったら冒険者登録をするぞ。」
「解りました!」
クラ―ネルが嬉しそうにそう言った。
家に帰るとセリーが待ち構えていた。
なんだ?
「あなた。あなたが、年端も行かない女の子と一緒に歩いていたと言う情報がメイドからもたらされました。どう言う事か説明して頂きましょうか?」
は?
それって、明らかにクラ―ネルの事だよね?
「セリー、確かクラ―ネル・フォン・リドリルの件を調べる様に頼んだよね?」
「はい、現在も進行形で調べて居ますが、それが何か?」
「クラ―ネル・フォン・リドリルの容姿についての報告は無かったのか?」
そう言うとセリーの顔が何を言ってるんだこいつって言う顔になる。あれ?報告行って無いのか?
「おそらくだが、そのメイドが見たと言う女の子はクラ―ネル・フォン・リドリルだ、見た目は女の子っぽいが、男だぞ。」
「え?」
「クラ―ネル・フォン・リドリルの容姿についての調査もして置いた方が良いぞ。それから、頼んで置いた、跡継ぎの居ない貴族の件はどうなった?」
「現在3家程、見つけましたが、あまり良い条件ではありませんので、引き続き探しています。」
ほう?この短期間で3家も見つけるとは優秀だな。この件はセリーに任せて置けば良いだろう。
「まあ、近い内にクラ―ネルを家に連れて来るよ。実際に見れば納得するだろう。」
それにしても、メイドに見られていたとは思わなかったな。それで大騒ぎって、冒険者ギルドに連れて行ったら一体どうなるんだろう?
セリーがバツの悪そうな顔でこっちを見て居たので、気にしてないと言ったら、ホッとした顔になった。
何時もの様に風呂に入り、応接室で紅茶を飲みながら寛ぐ。さて、短期間で剣の腕を上げる良い方法は無い物だろうか?
クラ―ネルは良くも悪くも理論派だ。その辺を上手く利用すればなんとかならないかな?
クラ―ネルと合流し、昨日と同じ場所に行く。
「どうだ?魔素操作は覚えたか?」
「はい、理論が判れば、難しい物ではありません。今日も朝から1時間キッチリと練習して来ました。」
「じゃあ、魔法を見せてくれ。まずは通常のファイヤーボール。次に倍の大きさのファイヤーボールだ。」
そう言うと、クラ―ネルが空に向かってファイヤーボールを続けて2発撃つ、1発目は通常の大きさ。2発目はちゃんと倍の大きさになっている。
「ふむ、だいぶ運用がスムーズになっているな。」
僕はそう言って、今度は50メートル程離れた場所に土魔法で的を作る。
「今度は通常のファイヤーボールを3連続であの的に当ててみろ。」
クラ―ネルは3つのファイヤーボールを連続で撃つが、3つ目が外れた。
「ファイヤーボールが的に当たるイメージはしたか?」
そう言って、僕は90度ずつ回転しながら3発のファイヤーボールを撃つ。全てのファイヤーボールが吸い込まれる様に的に当たる。
「初級魔法は制御しやすい。当たるかどうか判らない中級魔法と確実に当たる初級魔法。実戦で使えるのはどっちだと思う?」
「なるほど、後者の方が実戦では有効ですね。だから学院の試験でも初級魔法の精密な運用を重視していたんですね?」
「そう言う事だ。理解出来たなら練習だ。」
クラ―ネルはおよそ30分程でファイヤーボールのコントロールを覚えた。実際に1回見せただけで出来るのはなかなかのセンスだ。これが神の欠片の大きさの賜物か。
「良いぞ、次は中級魔法の運用の仕方を教えよう。そのまま撃ったら中級魔法は周囲に与える影響が大き過ぎる。そこでだ、魔法障壁と併用する事で、中級魔法を範囲魔法として運用する事が可能だ。」
ここまでの練習でクラ―ネルには先に理論を教えるのが有効だと解って居る。そこで理論を教えてから実際に撃って見せる。
「まず、指定したい範囲を魔法障壁で囲う。実戦では魔物を閉じ込める必要があるので、物理障壁も併用すると良い。そして、障壁が完成したら中で中級魔法を炸裂させる。」
直径4メートル程のドームの中でファイヤーストームが荒れ狂う。
「こういう風に使うと威力も上がる。どうだ、試してみるか?」
「やってみます。」
クラ―ネルが集中して、魔法障壁を張り、ファイヤーストームを撃つ。1回で成功させた。
「悪く無い。これを実戦で使える様になれば一人前の魔法使いと言って良いだろう。」
「やはり、本で勉強するのとは違って、人に教わるのは新鮮ですね。間違ったらその場で指摘して貰えますし。」
「本来なら、魔法学院とはそう言う物のはずなんだがな。」
「僕もそれを期待して魔法学院を受験したんですけどね。」
「これからの方針なんだが、どうする?」
「どうするとは?」
「冒険者をやってみるか?それとも付与魔法を覚えるか?もちろん魔法は継続して教えて行くが、クラ―ネルの将来に繋がる方向性を見つけないとな。」
考え込むクラ―ネル。
「別にあまり深く考えなくても良いぞ。試して駄目なら違う道へ進めば良い。今はまだ結論を出す時期ではない。」
「あの、貴族になるとしたら、どの方向へ進むのが一番良いのでしょうか?」
「僕は貴族だが、冒険者もやっているし、付与魔法で魔道具も作る。他にも商売もしている。どれか一つに決める必要は無いと思うぞ。」
「そうなんですか?じゃあ、僕にも冒険者が出来るでしょうか?」
どうやら、クラ―ネルは冒険者に憧れがある様だ。
「やってみたいなら、やれば良い。ただし、冒険者になるなら、少し体力をつける必要があるぞ、それでもやるか?」
「お願いします。」
良し、これでクラ―ネルに体力を鍛えさせる口実が出来たぞ。少しばかし剣技でも叩き込んでみるか。
今日は残りの時間で探索魔法を教えた。冒険者になるなら必須の魔法だ。これが無いと死ぬ危険性が上がる。
明日は魔法と一緒に剣技も教えよう。防具と木刀を用意しなければ。
今日も帰りは一緒だ。ならばと帰り際、防具屋に寄ってみた。
防具屋に入ると、時間的な物か、人気が無かった。丁度良い。
「この子に合う。皮鎧を見繕ってくれないか?」
店主に向かってそう言う。
「この子のサイズだと子供用になってしまいますが宜しいでしょうか?」
「問題無い。必要最低限の防御力があれば良い。頼む。」
ちなみにクラ―ネルは今日も魔法学院の制服を着ている。
「魔法使いですよね?皮鎧が必要なんですか?」
店主が聞いて来る。
「魔法も使うが剣も使える様にしたい。基本、敵に突っ込む戦士タイプでは無いので、動きやすい皮鎧を選択した。おかしいか?」
「いえ、後衛でしたら、皮鎧でも十分かと。」
子供向けの皮鎧でも全部揃えると金貨15枚になる。僕が支払い店を出ると。
「あの、僕はお金持ってませんけど、良いのですか?」
そうクラ―ネルが聞いて来た。
「構わない。これは必要経費だ。君が一人前の冒険者になれば1日で稼げる金額だから、心配しなくても大丈夫。」
「そう言えば、エイジさんも皮鎧ですよね?冒険者と言うと金属の鎧のイメージがあるのですが?」
「ああ、僕らは基本魔法使いだ。それに剣士でも優秀な者は防御より動きやすさを重視する。要は当たらないなら鎧は必要ないって事だな。」
クラ―ネルの顔が???になっている。
「僕の戦い方は、スピード重視だ。敵に勝るスピードを持っていれば攻撃を喰らう事はまず無い。だから、動きやすい皮鎧が最適なんだよ。そして、体つきから考えるに、クラ―ネルも同じタイプと判断した。理解したか?」
「なるほど、そう言う事なんですね。皮鎧って防御力が低いから初心者向けだと思っていました。」
ああ、そう言う勘違いは良くある事だな。でも、軽さと防御力を兼ね備えた皮鎧は意外に値段が高いんだぞ。
「明日はこれを装備して来いよ。軽く剣の稽古をする。僕が十分だと思ったら冒険者登録をするぞ。」
「解りました!」
クラ―ネルが嬉しそうにそう言った。
家に帰るとセリーが待ち構えていた。
なんだ?
「あなた。あなたが、年端も行かない女の子と一緒に歩いていたと言う情報がメイドからもたらされました。どう言う事か説明して頂きましょうか?」
は?
それって、明らかにクラ―ネルの事だよね?
「セリー、確かクラ―ネル・フォン・リドリルの件を調べる様に頼んだよね?」
「はい、現在も進行形で調べて居ますが、それが何か?」
「クラ―ネル・フォン・リドリルの容姿についての報告は無かったのか?」
そう言うとセリーの顔が何を言ってるんだこいつって言う顔になる。あれ?報告行って無いのか?
「おそらくだが、そのメイドが見たと言う女の子はクラ―ネル・フォン・リドリルだ、見た目は女の子っぽいが、男だぞ。」
「え?」
「クラ―ネル・フォン・リドリルの容姿についての調査もして置いた方が良いぞ。それから、頼んで置いた、跡継ぎの居ない貴族の件はどうなった?」
「現在3家程、見つけましたが、あまり良い条件ではありませんので、引き続き探しています。」
ほう?この短期間で3家も見つけるとは優秀だな。この件はセリーに任せて置けば良いだろう。
「まあ、近い内にクラ―ネルを家に連れて来るよ。実際に見れば納得するだろう。」
それにしても、メイドに見られていたとは思わなかったな。それで大騒ぎって、冒険者ギルドに連れて行ったら一体どうなるんだろう?
セリーがバツの悪そうな顔でこっちを見て居たので、気にしてないと言ったら、ホッとした顔になった。
何時もの様に風呂に入り、応接室で紅茶を飲みながら寛ぐ。さて、短期間で剣の腕を上げる良い方法は無い物だろうか?
クラ―ネルは良くも悪くも理論派だ。その辺を上手く利用すればなんとかならないかな?
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