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第24話 デート カリーナの場合
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「それじゃあ今日は私がリーシャを1日独り占めするんだね~。エスコートするからよろしくね~」
静謐に包まれた女子寮の部屋で、カリーナがにこやかに私に告げてくる。
「うん、よろしくね~」
慣れ親しんだ空間で私は少しずつリラックスしながら、そう言って寝巻きから着替えていく。
カリーナの明るさと親しみやすさは前世の親友であった上沢恵を思い出させる。
でも、それは表面的な類似点に過ぎないのかもしれない。
カリーナが勇者の転生体だとしたら……私のファーストキスを奪う機会はいくらでもあったはず。
でも、そんな素振りは一度もない。
ううん! 油断大敵だよ! 私! これは今世の私の命がかかっているんだから。
でも、同時に疑心暗鬼になりすぎるのも違う気がする。
もっと慎重にいこうね。うん。
1人納得し、頷いている私にカリーナが近づく。
そして顔を寄せてきたので私は思わず身構える。
そんな私を不思議そうに見てくるカリーナ。
「むうううう」
ほえ⁉ なんで目を瞑って唇を突き出してくるの?
キス待ち⁉
「……ツッコミがない、だと? リーシャ大丈夫? 熱あったりする?」
カリーナの右手が私の額に当てられる。
「あ、大丈夫。あはは、まだ起きたばっかりだったから。ほら私、朝弱いし」
苦笑して誤魔化す私。
「リーシャが朝弱い? いつも目が覚めた瞬間から、元気いっぱいで動き回ってるよね?」
あ、そうだった。
私に低血圧は無縁な言葉であった。
「って! 人を野生の動物みたいに言わないでよ!」
ビシッと右手の甲をカリーナの胸に軽く当ててやる。
「あはは、いつものリーシャになった~。それじゃ着替えて出かけよっか~。リーシャが悩んでるのも全部吐き出させてやるからね~」
ウインクをバチンと決めるカリーナに、私は自分の心が少し軽くなったのを感じる。
けれど一方で……やっぱりカリーナは、私の親友だった上沢恵にそっくりだなって改めて思ったのだ。
カリーナとのお出かけはデートというより、普通に女子2人が街に遊びに行く感じだった。
洋服や下着屋さんをチェックして、美味しいと評判のカフェへと入っていった。
優雅な雰囲気のカフェで、私たちは美味しいパフェを楽しんでいた。
ゆったりとした時間の流れる中、カリーナの笑顔を見ながら私は心が落ち着いていくのを感じる。
スプーンを握り、甘い味わいに舌鼓を打っていく。
「うひゃあ♪ このパフェ美味しい! リーシャも一口食べる~?」
スプーンで掬って私の口元に差し出してくるカリーナに、私は一瞬、上沢恵を彼女に重ね、懐かしい気持ちに包まれる。
「うん、ありがと。あ~ん」
「くくっ! 誰がやるもんかあああああ!」
「あ~! 騙したなあああ! 私のパフェがああ!」
「いや、私のパフェだし~」
おにょれカリーナ。
許すまじ!
「へへ~んだ。同じのを注文すればいいんだもんね~。あっ! これも美味しそう! これも食べたい! う~ん、どうしようカリーナ?」
「いや、リーシャ。これ以上、どれだけ食べる気だ~。寮の夕食が入らなくなるぞ~」
テーブルの上の空になっている皿を指差されて指摘される私。
「甘い物は別腹だって♪」
「クスッ」
「ん? 何?」
「いや~。リーシャがいつも通りのリーシャになって良かったな~って思ってさ~」
「私、そんなに変だった?」
「めっちゃ変だったよ~。王国のお偉いさんのイケメンたちや美少女とデートしまくってる悪女のリーシャなのに、なんか楽しんでないで別の目的で動いているような雰囲気だったぞ~」
悪女って酷くない?
……まあ、勇者を見つけだす目的でデートしていたのは事実だけどさ。
でも、そっかあ。私、そんな変な態度だったんだなあ。
前世で親友だった恵と性格が似ているからって、カリーナを疑ってしまったことを反省する。
……そうだよ。勇者の転生体が私たちの中にいようが、他のみんなは違うんだよ。
私に純粋な好意を向けてくれているんだから。
「ごめん!」
「どしたの急に」
私はカリーナに頭を下げた。
だって、私が恵と重ねて見てしまっていたせいで、きっとカリーナは嫌な思いをしたはずだから。
「今はまだ話せないけど、話せる時が来たら全部話すから!」
「なんなのかわかんないけど~、わかった! リーシャが話したくなったら話してね~」
そう言ってくれるカリーナに、私は感謝の気持ちでいっぱいになった。
カリーナの言葉や行動に、私は心の奥底から癒されていくのを感じる。
彼女はただ私を慰め、支えてくれるだけではなく、純粋な思いを持っているのだと確信した。
もし彼女が恵だったら回収したというリングで、私に何らかのアクションをしているはず。
けれど、そんな素振りは全くない。
だから信じるよ。
カリーナはカリーナだ。
勇者で、私を殺した恵とは違う。
前世の親友であった上沢恵との記憶が蘇ってきたからこそ、カリーナの優しさが私の心を癒してくれる。
これまで疑っていた自分が恥ずかしくなる。
彼女は間違いなく私の味方なのだ。
カリーナの優しさに触れるにつれ、私の心の中には誓いが生まれていた。
私はもはや前世の憎しみに捉われることはない。
前を向いて歩んでいく。
そして自分の力で勇者を探し出し、事態を収束させなければならないのだ。
私は自分の目的を再び確認した。
前世を殺した勇者を探し出すには、今こそ私は私である必要がある。
憎しみではなく、リーシャ・リンベルとして。
岩下真帆として。
「まだまだ今日は楽しんで食べるぞ~」
「まだ食べるんかい」
呆れ顔でツッコミを入れるカリーナに、私は微笑むのであった。
***
『岩下真帆殺害事件
第7容疑者
カリーナ・オルロフ
年齢 16歳 王立学校1年生
容姿 栗色ロングヘア 貧乳 背丈は女子平均
身分 レフレリア王国男爵家の次女
能力 誰とでも笑顔で喋れる
性格 天然
人生 リーシャを踏み台にバラ色の人生を送る予定
目的 リーシャと不倫すること(確定?)』
静謐に包まれた女子寮の部屋で、カリーナがにこやかに私に告げてくる。
「うん、よろしくね~」
慣れ親しんだ空間で私は少しずつリラックスしながら、そう言って寝巻きから着替えていく。
カリーナの明るさと親しみやすさは前世の親友であった上沢恵を思い出させる。
でも、それは表面的な類似点に過ぎないのかもしれない。
カリーナが勇者の転生体だとしたら……私のファーストキスを奪う機会はいくらでもあったはず。
でも、そんな素振りは一度もない。
ううん! 油断大敵だよ! 私! これは今世の私の命がかかっているんだから。
でも、同時に疑心暗鬼になりすぎるのも違う気がする。
もっと慎重にいこうね。うん。
1人納得し、頷いている私にカリーナが近づく。
そして顔を寄せてきたので私は思わず身構える。
そんな私を不思議そうに見てくるカリーナ。
「むうううう」
ほえ⁉ なんで目を瞑って唇を突き出してくるの?
キス待ち⁉
「……ツッコミがない、だと? リーシャ大丈夫? 熱あったりする?」
カリーナの右手が私の額に当てられる。
「あ、大丈夫。あはは、まだ起きたばっかりだったから。ほら私、朝弱いし」
苦笑して誤魔化す私。
「リーシャが朝弱い? いつも目が覚めた瞬間から、元気いっぱいで動き回ってるよね?」
あ、そうだった。
私に低血圧は無縁な言葉であった。
「って! 人を野生の動物みたいに言わないでよ!」
ビシッと右手の甲をカリーナの胸に軽く当ててやる。
「あはは、いつものリーシャになった~。それじゃ着替えて出かけよっか~。リーシャが悩んでるのも全部吐き出させてやるからね~」
ウインクをバチンと決めるカリーナに、私は自分の心が少し軽くなったのを感じる。
けれど一方で……やっぱりカリーナは、私の親友だった上沢恵にそっくりだなって改めて思ったのだ。
カリーナとのお出かけはデートというより、普通に女子2人が街に遊びに行く感じだった。
洋服や下着屋さんをチェックして、美味しいと評判のカフェへと入っていった。
優雅な雰囲気のカフェで、私たちは美味しいパフェを楽しんでいた。
ゆったりとした時間の流れる中、カリーナの笑顔を見ながら私は心が落ち着いていくのを感じる。
スプーンを握り、甘い味わいに舌鼓を打っていく。
「うひゃあ♪ このパフェ美味しい! リーシャも一口食べる~?」
スプーンで掬って私の口元に差し出してくるカリーナに、私は一瞬、上沢恵を彼女に重ね、懐かしい気持ちに包まれる。
「うん、ありがと。あ~ん」
「くくっ! 誰がやるもんかあああああ!」
「あ~! 騙したなあああ! 私のパフェがああ!」
「いや、私のパフェだし~」
おにょれカリーナ。
許すまじ!
「へへ~んだ。同じのを注文すればいいんだもんね~。あっ! これも美味しそう! これも食べたい! う~ん、どうしようカリーナ?」
「いや、リーシャ。これ以上、どれだけ食べる気だ~。寮の夕食が入らなくなるぞ~」
テーブルの上の空になっている皿を指差されて指摘される私。
「甘い物は別腹だって♪」
「クスッ」
「ん? 何?」
「いや~。リーシャがいつも通りのリーシャになって良かったな~って思ってさ~」
「私、そんなに変だった?」
「めっちゃ変だったよ~。王国のお偉いさんのイケメンたちや美少女とデートしまくってる悪女のリーシャなのに、なんか楽しんでないで別の目的で動いているような雰囲気だったぞ~」
悪女って酷くない?
……まあ、勇者を見つけだす目的でデートしていたのは事実だけどさ。
でも、そっかあ。私、そんな変な態度だったんだなあ。
前世で親友だった恵と性格が似ているからって、カリーナを疑ってしまったことを反省する。
……そうだよ。勇者の転生体が私たちの中にいようが、他のみんなは違うんだよ。
私に純粋な好意を向けてくれているんだから。
「ごめん!」
「どしたの急に」
私はカリーナに頭を下げた。
だって、私が恵と重ねて見てしまっていたせいで、きっとカリーナは嫌な思いをしたはずだから。
「今はまだ話せないけど、話せる時が来たら全部話すから!」
「なんなのかわかんないけど~、わかった! リーシャが話したくなったら話してね~」
そう言ってくれるカリーナに、私は感謝の気持ちでいっぱいになった。
カリーナの言葉や行動に、私は心の奥底から癒されていくのを感じる。
彼女はただ私を慰め、支えてくれるだけではなく、純粋な思いを持っているのだと確信した。
もし彼女が恵だったら回収したというリングで、私に何らかのアクションをしているはず。
けれど、そんな素振りは全くない。
だから信じるよ。
カリーナはカリーナだ。
勇者で、私を殺した恵とは違う。
前世の親友であった上沢恵との記憶が蘇ってきたからこそ、カリーナの優しさが私の心を癒してくれる。
これまで疑っていた自分が恥ずかしくなる。
彼女は間違いなく私の味方なのだ。
カリーナの優しさに触れるにつれ、私の心の中には誓いが生まれていた。
私はもはや前世の憎しみに捉われることはない。
前を向いて歩んでいく。
そして自分の力で勇者を探し出し、事態を収束させなければならないのだ。
私は自分の目的を再び確認した。
前世を殺した勇者を探し出すには、今こそ私は私である必要がある。
憎しみではなく、リーシャ・リンベルとして。
岩下真帆として。
「まだまだ今日は楽しんで食べるぞ~」
「まだ食べるんかい」
呆れ顔でツッコミを入れるカリーナに、私は微笑むのであった。
***
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年齢 16歳 王立学校1年生
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