16 / 315
第1章 復讐の魔女
第14話 ベレニスの野望
しおりを挟む
「どうするのローゼ? これからも冒険者やって旅の資金貯めて、そのノエルなんちゃらってのの情報集めていくの?」
「わかんない。今は頭の中グチャグチャで考えがまとまりそうにない……」
ベレニスの問い掛けに私は力なく答える。
「ふうん? 私としてはローゼと組んで、お金稼ぎたいからよろしくね」
よろしくねって、なんか軽いぞベレニス……
「そういえば聞いてなかったけど、ベレニスはどうしてビオレールに? ほら、エルフって森の民で人間嫌いでしょ?」
私はふと疑問に思っていたことを質問する。
するとベレニスは、さも当然のように答えた。
「そんなの決まってるでしょ! 私、寿命が長いでしょ? だから思ったの! 私の知恵と勇気と実力で大陸を統一して、私を女王として崇める国を作るのよ!」
リョウが飲み物を噴き出して咳き込んだ。
……お~いベレニス? それ、なんだか魔王っぽいぞ。
「そのために人材を集めなきゃね。ローゼには政治と経済と外交と軍事を任せるわ」
「って! めんどくさいの全部私に丸投げするんじゃないの!」
テヘッ♪ と舌を出し、片目を閉じているベレニス。
こいつ……絶対何も考えてないな!
「傭兵も仕方ないから雇ってあげて、門番兵にでもしてあげるわ」
「そいつはありがたいな……」
ベレニスの申し出にリョウは苦笑いしている。
「それよりリョウも占って貰ったら? 聞かれたくないならベレニスを連れて宿に行ってるけど」
話題を変えて、リョウの抱えている問題について話してみる。
「占いなんて信じてないし、やる理由はないな」
真顔で言うリョウ。
呆れた顔をするベレニスに、クスクス笑うディアナさん。
「傭兵ってホント無知ね。そこいらで占ってるのと、魔女の占いを同列に語るなんて」
マウント取り大好きって感じで、ベレニスがリョウをフフン♪ と挑発している。
「えっとね、リョウ。魔女の占いってのは運命の女神の盟約に則り、魔力を代償として真実を導き出すものなの」
運命のなんだって? という顔をしているリョウ。
しゃあない、みっちり教えてあげますか。
「未来にある膨大な選択肢と違って、過去に起きた変えられない事象は百%導き出されるし、運命の女神との盟約によって、嘘偽りを告げるのも禁じられている。……もっとも南部諸国郡の砂漠から、一粒の砂を見つけるような作業。事前に正確な情報が多ければ多いほど、導き出される確率は高くなるけどね」
魔女の占いについて説明する。
リョウは、にわかに信じがたいといった表情だ。
「ならローゼも出来るのか?」
「う~ん。ちょっとは出来るかもだけど、適性ってのが私にはなくてね。攻撃魔法とかは大体得意だけど、占星術とかは苦手。あれって魔力操作が根本的に違うんだ」
魔女の得意分野は人によってそれぞれで異なる。
戦闘に特化した者や、薬草学や魔法薬の精製に長けた者や、防御魔法が得意な者。
ディアナさんのように占いを得意とする者もいる。
「疑ってるんなら傭兵、試しに剣でも占って貰ったら? その漆黒の剣の由来を聞くのも良いんじゃない? ほら、ローゼの仇も漆黒の剣だったって言うし」
ベレニスがリョウに提案をする。
「人じゃないのも占えるのですか?」
「ええ、大丈夫よ。ではお代は大銀貨3枚」
リョウがお金を渡し再び光る水晶球。
「……前の持ち主はダーランド王国のヒューイット・マイン将軍で合っているかしら?」
「……合ってます」
「その人物に渡る前は、古物商のレミーア商会で売られていたみたいね。……それ以前は……ローゼちゃんの両親を殺した人物の剣ではないようね。ドワーフの里の鍛冶職人さんが打った物だわ」
ドワーフという単語を聞いて、ベレニスが嫌そうな顔をする。
ほほう? エルフとドワーフが仲悪いってのはホントなんだ。
「ヒューイット将軍って、ダーランド王国で麻薬商人を操っていた人物よね。暴勇で恐れられていたけど、アラン傭兵団に討ち取られたと聞いたわ。……あらあら、傭兵君なのかしら? ヒューイット将軍を討ち取った傭兵って」
「まあ……」
リョウは少し照れている。
以前チラッと聞いていたけど、そんな大物と戦っていたんだ……
「ディアナ嬢の占いが凄いのは理解しました。……ならノイズ・グレゴリオという元パルケニア王国の将軍の行方について尋ねたい。トール・カークスとの関連性についても」
リョウの怖い目が光る。
ディアナさんはクスッと笑って、追加の料金を要求した。
結果としては、リョウの知ってる情報以上の収穫はなかったようだ。
この日はこれで解散となり、私とベレニスは宿代節約のために、2人で泊まれる部屋へとチェックインする。
昨日と違うのはベッドが二つあるということと、隣の部屋がリョウということ。
宿は昨日と同じで、受付のお姉さんは相変わらずジロジロと私たちの関係性を邪推しているっぽいけど、まあ別にいいや。
お風呂にも入ったし、後は日記をつけて寝るだけだ。
「何それローゼ。昨日もそういえば書いてたわね」
こらベレニス覗くなっての。
「これは日記。師匠から旅に出る条件で毎日書くように言われてるの」
「ふうん? そんな伝説級の魔導具で日記ねえ。まあいいわ。ふわ~おやすみ~」
って! ベレニス! 何かとんでもない事を口走って、既に爆睡しているけど!
伝説級? 魔導具? この白紙の本が?
鑑定の魔法とかは出来ないけど、さすがに私だって魔導具なら魔力でわかるんだけど??
魔導具とは希少な魔石をふんだんに使い、超一流の職人が造り上げた逸品で、使用者や周りを守る優れ物。
使い方も様々だが、私の日記のような使用用途不明なのは他に見たことがない。
……まあ良いや。あのディルのやることだし、何か意味があるんだろう。
そして私は日記の空白のページに、今日の事柄を書き込んで眠りについたのであった。
「わかんない。今は頭の中グチャグチャで考えがまとまりそうにない……」
ベレニスの問い掛けに私は力なく答える。
「ふうん? 私としてはローゼと組んで、お金稼ぎたいからよろしくね」
よろしくねって、なんか軽いぞベレニス……
「そういえば聞いてなかったけど、ベレニスはどうしてビオレールに? ほら、エルフって森の民で人間嫌いでしょ?」
私はふと疑問に思っていたことを質問する。
するとベレニスは、さも当然のように答えた。
「そんなの決まってるでしょ! 私、寿命が長いでしょ? だから思ったの! 私の知恵と勇気と実力で大陸を統一して、私を女王として崇める国を作るのよ!」
リョウが飲み物を噴き出して咳き込んだ。
……お~いベレニス? それ、なんだか魔王っぽいぞ。
「そのために人材を集めなきゃね。ローゼには政治と経済と外交と軍事を任せるわ」
「って! めんどくさいの全部私に丸投げするんじゃないの!」
テヘッ♪ と舌を出し、片目を閉じているベレニス。
こいつ……絶対何も考えてないな!
「傭兵も仕方ないから雇ってあげて、門番兵にでもしてあげるわ」
「そいつはありがたいな……」
ベレニスの申し出にリョウは苦笑いしている。
「それよりリョウも占って貰ったら? 聞かれたくないならベレニスを連れて宿に行ってるけど」
話題を変えて、リョウの抱えている問題について話してみる。
「占いなんて信じてないし、やる理由はないな」
真顔で言うリョウ。
呆れた顔をするベレニスに、クスクス笑うディアナさん。
「傭兵ってホント無知ね。そこいらで占ってるのと、魔女の占いを同列に語るなんて」
マウント取り大好きって感じで、ベレニスがリョウをフフン♪ と挑発している。
「えっとね、リョウ。魔女の占いってのは運命の女神の盟約に則り、魔力を代償として真実を導き出すものなの」
運命のなんだって? という顔をしているリョウ。
しゃあない、みっちり教えてあげますか。
「未来にある膨大な選択肢と違って、過去に起きた変えられない事象は百%導き出されるし、運命の女神との盟約によって、嘘偽りを告げるのも禁じられている。……もっとも南部諸国郡の砂漠から、一粒の砂を見つけるような作業。事前に正確な情報が多ければ多いほど、導き出される確率は高くなるけどね」
魔女の占いについて説明する。
リョウは、にわかに信じがたいといった表情だ。
「ならローゼも出来るのか?」
「う~ん。ちょっとは出来るかもだけど、適性ってのが私にはなくてね。攻撃魔法とかは大体得意だけど、占星術とかは苦手。あれって魔力操作が根本的に違うんだ」
魔女の得意分野は人によってそれぞれで異なる。
戦闘に特化した者や、薬草学や魔法薬の精製に長けた者や、防御魔法が得意な者。
ディアナさんのように占いを得意とする者もいる。
「疑ってるんなら傭兵、試しに剣でも占って貰ったら? その漆黒の剣の由来を聞くのも良いんじゃない? ほら、ローゼの仇も漆黒の剣だったって言うし」
ベレニスがリョウに提案をする。
「人じゃないのも占えるのですか?」
「ええ、大丈夫よ。ではお代は大銀貨3枚」
リョウがお金を渡し再び光る水晶球。
「……前の持ち主はダーランド王国のヒューイット・マイン将軍で合っているかしら?」
「……合ってます」
「その人物に渡る前は、古物商のレミーア商会で売られていたみたいね。……それ以前は……ローゼちゃんの両親を殺した人物の剣ではないようね。ドワーフの里の鍛冶職人さんが打った物だわ」
ドワーフという単語を聞いて、ベレニスが嫌そうな顔をする。
ほほう? エルフとドワーフが仲悪いってのはホントなんだ。
「ヒューイット将軍って、ダーランド王国で麻薬商人を操っていた人物よね。暴勇で恐れられていたけど、アラン傭兵団に討ち取られたと聞いたわ。……あらあら、傭兵君なのかしら? ヒューイット将軍を討ち取った傭兵って」
「まあ……」
リョウは少し照れている。
以前チラッと聞いていたけど、そんな大物と戦っていたんだ……
「ディアナ嬢の占いが凄いのは理解しました。……ならノイズ・グレゴリオという元パルケニア王国の将軍の行方について尋ねたい。トール・カークスとの関連性についても」
リョウの怖い目が光る。
ディアナさんはクスッと笑って、追加の料金を要求した。
結果としては、リョウの知ってる情報以上の収穫はなかったようだ。
この日はこれで解散となり、私とベレニスは宿代節約のために、2人で泊まれる部屋へとチェックインする。
昨日と違うのはベッドが二つあるということと、隣の部屋がリョウということ。
宿は昨日と同じで、受付のお姉さんは相変わらずジロジロと私たちの関係性を邪推しているっぽいけど、まあ別にいいや。
お風呂にも入ったし、後は日記をつけて寝るだけだ。
「何それローゼ。昨日もそういえば書いてたわね」
こらベレニス覗くなっての。
「これは日記。師匠から旅に出る条件で毎日書くように言われてるの」
「ふうん? そんな伝説級の魔導具で日記ねえ。まあいいわ。ふわ~おやすみ~」
って! ベレニス! 何かとんでもない事を口走って、既に爆睡しているけど!
伝説級? 魔導具? この白紙の本が?
鑑定の魔法とかは出来ないけど、さすがに私だって魔導具なら魔力でわかるんだけど??
魔導具とは希少な魔石をふんだんに使い、超一流の職人が造り上げた逸品で、使用者や周りを守る優れ物。
使い方も様々だが、私の日記のような使用用途不明なのは他に見たことがない。
……まあ良いや。あのディルのやることだし、何か意味があるんだろう。
そして私は日記の空白のページに、今日の事柄を書き込んで眠りについたのであった。
33
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る
伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。
それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。
兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。
何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと宣言されたけどレベル1の状態でも実は最強な村娘!!
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
この世界の勇者達に道案内をして欲しいと言われ素直に従う村娘のケロナ。
その道中で【戦闘レベル】なる物の存在を知った彼女は教会でレベルアップに必要な経験値量を言われて唖然とする。
ケロナがたった1レベル上昇する為に必要な経験値は...なんと億越えだったのだ!!。
それを勇者パーティの面々に鼻で笑われてしまうケロナだったが彼女はめげない!!。
そもそも今の彼女は村娘で戦う必要がないから安心だよね?。
※1話1話が物凄く短く500文字から1000文字程度で書かせていただくつもりです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる