【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ

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第3章 公爵令嬢の選択

第38話 ヴィレッタの選択(中編)

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「………ここは?」

「よかった~。おはようヴィレッタ。もう! 30分も目覚めないから心配したよ」

「え? ローゼ……様? え? 膝枕?」

 おお~、混乱しているヴィレッタは新鮮かも。

「どうしてわたくしは生きて……はっ⁉ まさか毒の量に失敗してローゼ様も天国へ? いえ、わたくしは自死ですので、天国に行けるはずは……」

「ちゃんと現世で生きてるって」

「そんな……たしかにわたくしは毒で意識が揺らぎ……これが死と感じましたのに……え? ローゼ様、口元に血の跡……⁉」

「あっ、ヤバ、まだ残ってたかあ。あ~気にしないで~。ヴィレッタの毒を全部、私の体内に転移させただけだから」

「何を言って⁉ なんて無茶を! い、今すぐ治療を!」

「あ~大丈夫、大丈夫。魔女ディルってのが私の師匠なんだけどさあ。しょっちゅう食事に毒を仕込まれたんだよねえ。焼き上がったミートパイを優しげにお食べって言ってきて、喜んで頬張って死にかけた私の横で、ステーキを食べてたこともあったっけ、あのクソババア。今思い出しても腹が立つ。ディアナさんやエマさんやバネッサさんを不幸にし、ノエルを騙した魔女の老婆は、ディルの知り合いだったみたいだし! っと話が逸れた。……まあそんな感じで、毒耐性は強いんだ、私。ダメージは受けるけど、内臓に蓄積しておいた魔力で毒を駆除していくって感じかなあ。今のは結構ヤバかったかもだけど」

「なんて無茶を! わたくしにはいくらでも代わりになる存在がおります! 今後王国やローゼ様に迷惑をかけるわたくしよりも、もっと相応しい人がおられるのです‼ ……ローゼ様もです! ローゼ様が死んだら悲しむ人は大勢いるのです! 救える命の数も旅路で多く存在していくでしょう! ローゼ様の死は多くの人に悲しみを与えるのです!」

 ヴィレッタは泣きながら私の肩を掴み訴えてくる。
 彼女がここまで感情を露にするのは初めてだ。
 でも……私は彼女の両肩を抱きつき、まずはこう告げるのだ♪

「もう! 様は禁止! ローゼって呼んでって言ったじゃないの!」

 幼い、まだ王女だった時にヴィレッタとシャルロッテだけに許した私への呼び方。
 それを忘れちゃ困るぞ?

 ヴィレッタは号泣した。
 それは悲しみではなく、喜びの涙だ。
 私は彼女の頭を優しく撫でてあげるのだった。

 それから、ヴィレッタが泣き止むまで待ってあげた私は、落ち着いたヴィレッタにこう告げるのだ。

 さあ、ここからが本題だよ?
 私は貴女のために命を賭ける覚悟がある!
 でも、貴女も私に命を預けて欲しい! とね。

「私はもう決めた! サリウス叔父さんがなんて言おうとね♪」

 そんな私の宣言に、ヴィレッタは驚きながらも、とびきりの笑顔でまた抱きついてきたのだった。

 ***

 レスティア邸に戻ると、腹を空かせてプンスカしながらも、ヴィレッタの目に泣き跡があるのをめざとく見つけ、傭兵より女たらしよね~ローゼって、とベレニスが揶揄ってくる。

 それと何があったのか、リョウはため息を吐いて正座をしていた。

「まあ、アレっす。また洗濯当番だからといって昨日の夜に出していた女子の下着をリョウ様は洗っていたっす。まったく、旅立ち前に全部買い直しっすよ」

 プンスカしているフィーリアに、あっ! しまった忘れてたと慌てる私。

 てか、こんな朝っぱらから洗濯するなよ。
 あれ? 食事当番の私が出かけていたのが悪い……のか?

 そんな様子を見て、クスッとヴィレッタが笑う。

「リョウ様! 年頃の女の子の下着はデリケートなのですよ? 紳士というのは下着があっても、そっと気づかぬ振りをして置いたままにすべきです! それを、リョウ様ときたら……」

 と、説教を始める。

 私はそんなヴィレッタに、まあまあまあ♪ となだめるが、ベレニスは、いやいやキモいってとか言ってリョウをさらに凹ませていくし、フィーリアはお気に入りのパンツを手にしてまだプンスカしているし。

 ……なんだこれ? この先、大丈夫かなあ。
 リョウのメンタルが。

「謁見までまだ時間あるし、と、とにかく今後について話そ? 明日の朝、ファインダ王国の王都リオーネに向かって出発する。それでいいよね?」

「え~っ⁉ 明日の朝ぁ? 起きられるかしら? 晩餐会で食い尽くすまで起きている予定なんだけど」

 おい、ベレニス。その予定は却下だぞ!
 フィーリアとリョウは特に異議なしなので続ける。

「それで、私たちに陛下が出す褒賞なんだけど、もしかしたらなくなるかもだけど、いいかな?」

「はあああああああああ? それは困るわ‼ 何? 何する気なのよ‼」

「ローゼさん……面白いことを考えているって顔っすねえ。まあ、自分はいいっすよ」

「俺はもとより断るつもりだ。俺のしたことは、アランの傭兵による私闘だったからな」

 リョウの発言にムカついたのか、ベレニスは正座中のリョウの頭をポカリと叩いた。

「このクソバカアホムッツリ傭兵は置いておいて、理由を説明してくれなきゃわかんないわよぉ!」

 わかっているって。それを今から説明するぞ。

 ……説明が終わった後、3人は力強く頷いて、私の謁見の間でしでかす作戦に同意を示した。

 さあ、後は謁見での私の立ち回り次第かな♪
 
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