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第三話
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「白い結婚は不名誉でしょう? さすがに旦那さまの仕事や名誉まで奪う気はありませんわ。第二夫人を迎えて、落ち着いたらわたくしと普通に離婚すればよろしいではありませんか。彼女とは子が出来て、わたくしとは出来ない。わたくしが捨てられる条件は充分です。もちろん慰謝料は頂きますけどね」
「慰謝料は……いくらになる?」
「この家の財産を半分です。決めましたわよね?」
「それはっ! 多すぎる!!!」
ふざけないで下さいませ。これは結婚時の誓約で両家立ち会いの元に決めた金額でしょう?! 結婚で、わたくしと縁を切らされると分かった父が、必死で結婚誓約書に滑り込ませたんです。離婚なんてありえないし、それくらい構わないとお義母様は笑っておられましたし、このダメ男も了承してサインしたでしょうに?!
慰謝料を払いたくないのなら、それ以上のものを失って頂きましょう。この男は、白い結婚に気がつくくらいですから、無能ではありません。舐めていてはわたくしが負けてしまいます。
ここは、敵地です。
細心の注意を払いつつ、なんとか誘導しなくては。
「わたくしは白い結婚が認められなければ、子が出来ない女として捨てられるんですよ? もう結婚は望めません。生きていくにはお金が要りますわ。結婚する時にお義母様から実家との縁を切るように命じられておりますから、実家にも帰れません。結婚誓約書に離婚の際は財産を等分すると書かれています。旦那さまに捨てられた後は、わたくしはひとりで生きていかねばならないのです。お嫌ならわたくしが白い結婚で離婚を申し立てますわ。それなら、なんとか次のお相手が見つかる可能性があります。旦那さまはお仕事も社交界の信用も失いますけどね! とにかく、慰謝料は必ず頂きます。白い結婚なら、慰謝料は発生しませんけど……仕事と信用には代えられないでしょう? 旦那さまから離婚の申し立てさえしなければ、わたくしが有利ですもの! ……あっ!」
わたくしは、さも今気がついたかのように顔に手を当てます。
「僕から……申し立てなければ……なるほど……なるほどなぁ」
夫は嫌らしい顔でわたくしを睨んでいます。ふふっ、予定通りですわ。
「なら、3年したら僕から白い結婚で離婚を申し立てよう。それなら君に慰謝料を払わなくて良いね?」
「……それはっ……」
「言ったよね? 白い結婚なら慰謝料は発生しないって。白い結婚なら婚姻誓約書自体が無効になるからね。それくらい知ってるよ。貴族との再婚は社交界から追放される君には難しいだろうけど、裕福な商家の跡取り息子とは結婚出来るんじゃない? それなら、良いよね?」
「そんなっ……そんな……」
わたくしは泣き崩れます。ま、フリですけど。だいたい、子どもが出来ないなら離婚なんて時代錯誤です。この家は時代錯誤ですから、結婚したら実家と縁を切れとか、子が出来ないなら離婚とか言ってますけど、子が出来なくても生涯添い遂げる夫婦なんてたくさんいます。子が出来なければ養子を迎えるのも昔からよくある事です。
「慰謝料は……いくらになる?」
「この家の財産を半分です。決めましたわよね?」
「それはっ! 多すぎる!!!」
ふざけないで下さいませ。これは結婚時の誓約で両家立ち会いの元に決めた金額でしょう?! 結婚で、わたくしと縁を切らされると分かった父が、必死で結婚誓約書に滑り込ませたんです。離婚なんてありえないし、それくらい構わないとお義母様は笑っておられましたし、このダメ男も了承してサインしたでしょうに?!
慰謝料を払いたくないのなら、それ以上のものを失って頂きましょう。この男は、白い結婚に気がつくくらいですから、無能ではありません。舐めていてはわたくしが負けてしまいます。
ここは、敵地です。
細心の注意を払いつつ、なんとか誘導しなくては。
「わたくしは白い結婚が認められなければ、子が出来ない女として捨てられるんですよ? もう結婚は望めません。生きていくにはお金が要りますわ。結婚する時にお義母様から実家との縁を切るように命じられておりますから、実家にも帰れません。結婚誓約書に離婚の際は財産を等分すると書かれています。旦那さまに捨てられた後は、わたくしはひとりで生きていかねばならないのです。お嫌ならわたくしが白い結婚で離婚を申し立てますわ。それなら、なんとか次のお相手が見つかる可能性があります。旦那さまはお仕事も社交界の信用も失いますけどね! とにかく、慰謝料は必ず頂きます。白い結婚なら、慰謝料は発生しませんけど……仕事と信用には代えられないでしょう? 旦那さまから離婚の申し立てさえしなければ、わたくしが有利ですもの! ……あっ!」
わたくしは、さも今気がついたかのように顔に手を当てます。
「僕から……申し立てなければ……なるほど……なるほどなぁ」
夫は嫌らしい顔でわたくしを睨んでいます。ふふっ、予定通りですわ。
「なら、3年したら僕から白い結婚で離婚を申し立てよう。それなら君に慰謝料を払わなくて良いね?」
「……それはっ……」
「言ったよね? 白い結婚なら慰謝料は発生しないって。白い結婚なら婚姻誓約書自体が無効になるからね。それくらい知ってるよ。貴族との再婚は社交界から追放される君には難しいだろうけど、裕福な商家の跡取り息子とは結婚出来るんじゃない? それなら、良いよね?」
「そんなっ……そんな……」
わたくしは泣き崩れます。ま、フリですけど。だいたい、子どもが出来ないなら離婚なんて時代錯誤です。この家は時代錯誤ですから、結婚したら実家と縁を切れとか、子が出来ないなら離婚とか言ってますけど、子が出来なくても生涯添い遂げる夫婦なんてたくさんいます。子が出来なければ養子を迎えるのも昔からよくある事です。
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