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14.少女達の名前
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「お菓子も来ましたしゆっくりお話ししましょう。エイダ、下がっていてね。ベルが聞こえる位置にいてちょうだい」
「承知しました」
表の指示は、呼べばすぐ駆けつけるように。裏の指示は、先ほどの裏の指示を全て実行するように。
エイダは了承を示す合図として手を握りしめ、静かに頭を下げて消えた。
「ベルが聞こえる位置にいる必要ある?」
「お茶のお代わりを用意しないといけませんから。あちらに侍女が見えるでしょう? 使用人に控えていてもらいますわ」
「あそこなら……会話は聞こえないわね」
わたくしはにっこり笑って微笑む。嘘だけは、吐いてはいけない。
あそこに立っている侍女はエイダではない。背格好が似てるから、きっとメアリーだわ。
エイダはしっかり秘密の命令を実行してくれるだろう。けど、いきなり本題に入るのは得策ではない。エイダが準備する時間を稼がないと。
5分稼げば、エイダの準備が終わる。
「さ、新しいお菓子をお召し上がり下さいな。ここは辺境ですから、他国のお菓子も手に入りやすいのです。聖帝国ラーアントと、オキ共和国のお菓子もご用意しました。もちろん我が国のお菓子も。軽食もご用意しておりますから、お好きなものをお召し上がり下さいませ」
心配そうな妹の視線を受けて、姉が許可を出す。
「いいわ。好きに食べて」
そう言って、皿と食器を妹の前に置く。
「侍女がおりませんし、わたくしがお取りしますわ。どれがよろしいですか?」
妹は、ステンドグラスクッキーと、レモンのケーキを指さした。
「わたくしはこのサンドイッチとメレンゲクッキーを頂くわ」
「承知しました」
妹が選んだお菓子はどちらも聖帝国の名産品。姉が選んだのは我が国発祥のメレンゲクッキーと、オキ共和国風のパンを使ったサンドイッチ。
故郷の味が欲しくなった妹と、正体を隠したくてわざと故郷の味を避けた姉といったところかしらね。
「足りなければ持って来させますわ」
ベルを手に取ろうとすると、姉は首を振った。
「いらないわ。そんなに食べられないもの」
「かしこまりました」
今にも本題に入りそうな姉を笑顔でかわし、妹にお菓子を勧めたり、薔薇を紹介したりして時間を稼ぐ。
それも、10分ほどしか持たなかった。
「ねぇマリア、もう気を遣って頂かなくて良いわ。貴女は本当にわたくし達を知らないのね」
わたくしは急いで立ち上がり、頭を下げた。
少女達は急に態度を変えた。彼女達には王族特有の威圧感がある。
事情を話す気になってくれたらしい。エイダの準備は終わっている。わたくしは、彼女達に誠実に向き合うだけで良い。あとはエイダの報告を聞いたロバート様がなんとかしてくださる。
「申し訳ありません。高貴な方だとは思っていたのですが……もしかして、おもてなしが足りませんでしたか?」
「そうね。少し足りないわ。わたくしの名は、マチルダ・トゥーラ・ラーアント。妹の名はミーシャ・トゥーラ・ラーアント。我々は、聖帝国ラーアントの第一王女と第二王女よ」
「承知しました」
表の指示は、呼べばすぐ駆けつけるように。裏の指示は、先ほどの裏の指示を全て実行するように。
エイダは了承を示す合図として手を握りしめ、静かに頭を下げて消えた。
「ベルが聞こえる位置にいる必要ある?」
「お茶のお代わりを用意しないといけませんから。あちらに侍女が見えるでしょう? 使用人に控えていてもらいますわ」
「あそこなら……会話は聞こえないわね」
わたくしはにっこり笑って微笑む。嘘だけは、吐いてはいけない。
あそこに立っている侍女はエイダではない。背格好が似てるから、きっとメアリーだわ。
エイダはしっかり秘密の命令を実行してくれるだろう。けど、いきなり本題に入るのは得策ではない。エイダが準備する時間を稼がないと。
5分稼げば、エイダの準備が終わる。
「さ、新しいお菓子をお召し上がり下さいな。ここは辺境ですから、他国のお菓子も手に入りやすいのです。聖帝国ラーアントと、オキ共和国のお菓子もご用意しました。もちろん我が国のお菓子も。軽食もご用意しておりますから、お好きなものをお召し上がり下さいませ」
心配そうな妹の視線を受けて、姉が許可を出す。
「いいわ。好きに食べて」
そう言って、皿と食器を妹の前に置く。
「侍女がおりませんし、わたくしがお取りしますわ。どれがよろしいですか?」
妹は、ステンドグラスクッキーと、レモンのケーキを指さした。
「わたくしはこのサンドイッチとメレンゲクッキーを頂くわ」
「承知しました」
妹が選んだお菓子はどちらも聖帝国の名産品。姉が選んだのは我が国発祥のメレンゲクッキーと、オキ共和国風のパンを使ったサンドイッチ。
故郷の味が欲しくなった妹と、正体を隠したくてわざと故郷の味を避けた姉といったところかしらね。
「足りなければ持って来させますわ」
ベルを手に取ろうとすると、姉は首を振った。
「いらないわ。そんなに食べられないもの」
「かしこまりました」
今にも本題に入りそうな姉を笑顔でかわし、妹にお菓子を勧めたり、薔薇を紹介したりして時間を稼ぐ。
それも、10分ほどしか持たなかった。
「ねぇマリア、もう気を遣って頂かなくて良いわ。貴女は本当にわたくし達を知らないのね」
わたくしは急いで立ち上がり、頭を下げた。
少女達は急に態度を変えた。彼女達には王族特有の威圧感がある。
事情を話す気になってくれたらしい。エイダの準備は終わっている。わたくしは、彼女達に誠実に向き合うだけで良い。あとはエイダの報告を聞いたロバート様がなんとかしてくださる。
「申し訳ありません。高貴な方だとは思っていたのですが……もしかして、おもてなしが足りませんでしたか?」
「そうね。少し足りないわ。わたくしの名は、マチルダ・トゥーラ・ラーアント。妹の名はミーシャ・トゥーラ・ラーアント。我々は、聖帝国ラーアントの第一王女と第二王女よ」
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