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改稿版
18.魔力検査
「森からエルザ嬢の遺体が見つかったのはマックス殿の仕業か」
「そうっす。エルザから髪の毛を貰って偽装しました。衣装をボロボロにして、骨は動物のものを砕いてばら撒いておきました」
「見事な偽装だった。気が付かなかったよ」
「見たんですか?!」
「ああ、シモンと一緒に現場を確認した。あの時のシモンは嘆き悲しんでいたから、自分と重ねてしまって……。だから、エルザ嬢を見つけた時に強引な手段に出てしまった。すまない」
「念のため聞きますけど、エルザを見つけたとかシモン様に報告してねぇっすよね?」
「別人だと聞いていたし、希望を持たせて違うとなると余計ショックだろうと思いまだ報告していない。側近にも口止めはしてある。この部屋を出たら、別人だったと言うつもりだ」
「長く話し過ぎましたし、疑われたらまずいっすね」
「僕の側近は全て口止めする。しかし、魔法契約をしてもどこから漏れるか分からないからな。この仕事を終えたら一度シモンの様子を見に行くよ」
「そうしてもらえると助かります。これ、俺が作った魔道具です。俺と通信できるから持ってて下さい。なんかあれば絶対に連絡して下さい。エルザを不幸にさせたくねぇんで」
「分かった。シモンはどうしてあんな風になってしまったんだろう……」
「元々性格が悪かったんだと思いますぜ。昔っからそんな人ばっかですよあの国は」
マックスが吐き捨てるように言いました。
「マックス殿は、その……」
「あー……まぁここでの会話は秘密だし言っても良いっすけど」
「無理に話す事はないぞ」
「いや。言います。ジェラール様には知っておいて貰った方が良いんで。俺は、エルザと同じような境遇にあった人を知ってます。その人もエルザみたいに身分の高い人だったんすけど、魔力が無いと分かると生まれた記録を抹消されちまったんですよ。生きてた記録すら消されて、殺されそうになった時に特殊能力が判明して生き延びたそうです。その人は、エルザと同じ特殊能力を持ってました。魔力が無いって婚約破棄されて、親や家族に殺されそうになって散々傷ついた。それなのに、元婚約者や家族から特殊能力で魔力を上げろと脅されたそうですよ。逃げて、優しく助けてくれた人を愛しても……結局は魔力目当てでした。ひでぇ話っすよ。国を出てようやく優しい人に会ったそうですけど、怖くて人と接する事が出来なくなっちまったんです。だから、あの国は変わってねぇって思いました。勿論、テレーズ様みてぇな優しい人も居るって分かってますけどね」
「それは……程度の差はあれど……まるで今のエルザ嬢のようではないか……」
「ええ、似てますよね。だから、俺は絶対にシモン様とエルザを会わせたくありません」
「シモンが、その非道な人達と同じだと言うのか」
「俺はシモン様を知りません。けど、エルザやテレーズ様の話を聞く限り……シモン様が良い人とは思えません。俺だったら、ショックを受けてる婚約者を慰めます。魔力が無くてもエルザの魅力は変わらねぇ、愛してるって言いますよ。婚約破棄なんて絶対にしません。周りが婚約破棄しろって言っても拒否しますよ。ジェラール様だってそうでしょう?」
「……そう、だな。私なら、シモンのように婚約破棄なんてしないし、エルザ嬢の魔力が無くても気にしない」
ああ……おふたりともなんて優しいのでしょうか。
ふたりの言葉で、どれほど心が軽くなったでしょう。
「エルザの特殊能力は多分……かなり厄介だと思います。ジェラール様、今ここで魔力を測って良いっすか?」
「構わないが、その魔力水晶はどうしたんだ?」
「テレーズ様からの借り物です。エルザの味方を探すには必要なんで」
マックスがジェラール様の魔力を測ると、みるみる数値が上がりました。
「うわ、どんどん上がってんな。5000を超えたか。この分だと、もっと上がりそうですね」
ジェラール様の魔力は、5080でした。
「マックス殿は幾つだったんだ?」
「俺も5000くらいでしたね」
そう言ってマックスの数値を測ると、5100でした。
「つまり、今のエルザは俺とジェラール様に好意を持ってるって事だ。シモン様よりもな」
「なっ……! なんで……」
「まぁ、テレーズ様は俺らより多くて6000くらいあるんだけどな」
「も、もう!! 揶揄うのはやめてよ!」
「ははっ。悪い。けど考えようによっては便利だぜ。これで俺達はエルザを利用しようとしてねぇって分かる」
「マックス殿の言う事が正しいとどうやって証明するんだ」
「うーん……証明すんのは難しいっすね」
そそそ……そうですよ!
確かに、マックスにもジェラール様にも好意は持ってますよ! だっておふたりともいい人なんですもの!
さっきだって……自分なら婚約破棄なんてしないって言ってくれました。
あの時の悲しかった自分が、救われたような気持ちです。
でもでも!
魔力はお姉様の方が高いんだから!
恋人や婚約者、愛する人にいちばん効く。マックスの言葉が脳内でリフレインします。
「そうっす。エルザから髪の毛を貰って偽装しました。衣装をボロボロにして、骨は動物のものを砕いてばら撒いておきました」
「見事な偽装だった。気が付かなかったよ」
「見たんですか?!」
「ああ、シモンと一緒に現場を確認した。あの時のシモンは嘆き悲しんでいたから、自分と重ねてしまって……。だから、エルザ嬢を見つけた時に強引な手段に出てしまった。すまない」
「念のため聞きますけど、エルザを見つけたとかシモン様に報告してねぇっすよね?」
「別人だと聞いていたし、希望を持たせて違うとなると余計ショックだろうと思いまだ報告していない。側近にも口止めはしてある。この部屋を出たら、別人だったと言うつもりだ」
「長く話し過ぎましたし、疑われたらまずいっすね」
「僕の側近は全て口止めする。しかし、魔法契約をしてもどこから漏れるか分からないからな。この仕事を終えたら一度シモンの様子を見に行くよ」
「そうしてもらえると助かります。これ、俺が作った魔道具です。俺と通信できるから持ってて下さい。なんかあれば絶対に連絡して下さい。エルザを不幸にさせたくねぇんで」
「分かった。シモンはどうしてあんな風になってしまったんだろう……」
「元々性格が悪かったんだと思いますぜ。昔っからそんな人ばっかですよあの国は」
マックスが吐き捨てるように言いました。
「マックス殿は、その……」
「あー……まぁここでの会話は秘密だし言っても良いっすけど」
「無理に話す事はないぞ」
「いや。言います。ジェラール様には知っておいて貰った方が良いんで。俺は、エルザと同じような境遇にあった人を知ってます。その人もエルザみたいに身分の高い人だったんすけど、魔力が無いと分かると生まれた記録を抹消されちまったんですよ。生きてた記録すら消されて、殺されそうになった時に特殊能力が判明して生き延びたそうです。その人は、エルザと同じ特殊能力を持ってました。魔力が無いって婚約破棄されて、親や家族に殺されそうになって散々傷ついた。それなのに、元婚約者や家族から特殊能力で魔力を上げろと脅されたそうですよ。逃げて、優しく助けてくれた人を愛しても……結局は魔力目当てでした。ひでぇ話っすよ。国を出てようやく優しい人に会ったそうですけど、怖くて人と接する事が出来なくなっちまったんです。だから、あの国は変わってねぇって思いました。勿論、テレーズ様みてぇな優しい人も居るって分かってますけどね」
「それは……程度の差はあれど……まるで今のエルザ嬢のようではないか……」
「ええ、似てますよね。だから、俺は絶対にシモン様とエルザを会わせたくありません」
「シモンが、その非道な人達と同じだと言うのか」
「俺はシモン様を知りません。けど、エルザやテレーズ様の話を聞く限り……シモン様が良い人とは思えません。俺だったら、ショックを受けてる婚約者を慰めます。魔力が無くてもエルザの魅力は変わらねぇ、愛してるって言いますよ。婚約破棄なんて絶対にしません。周りが婚約破棄しろって言っても拒否しますよ。ジェラール様だってそうでしょう?」
「……そう、だな。私なら、シモンのように婚約破棄なんてしないし、エルザ嬢の魔力が無くても気にしない」
ああ……おふたりともなんて優しいのでしょうか。
ふたりの言葉で、どれほど心が軽くなったでしょう。
「エルザの特殊能力は多分……かなり厄介だと思います。ジェラール様、今ここで魔力を測って良いっすか?」
「構わないが、その魔力水晶はどうしたんだ?」
「テレーズ様からの借り物です。エルザの味方を探すには必要なんで」
マックスがジェラール様の魔力を測ると、みるみる数値が上がりました。
「うわ、どんどん上がってんな。5000を超えたか。この分だと、もっと上がりそうですね」
ジェラール様の魔力は、5080でした。
「マックス殿は幾つだったんだ?」
「俺も5000くらいでしたね」
そう言ってマックスの数値を測ると、5100でした。
「つまり、今のエルザは俺とジェラール様に好意を持ってるって事だ。シモン様よりもな」
「なっ……! なんで……」
「まぁ、テレーズ様は俺らより多くて6000くらいあるんだけどな」
「も、もう!! 揶揄うのはやめてよ!」
「ははっ。悪い。けど考えようによっては便利だぜ。これで俺達はエルザを利用しようとしてねぇって分かる」
「マックス殿の言う事が正しいとどうやって証明するんだ」
「うーん……証明すんのは難しいっすね」
そそそ……そうですよ!
確かに、マックスにもジェラール様にも好意は持ってますよ! だっておふたりともいい人なんですもの!
さっきだって……自分なら婚約破棄なんてしないって言ってくれました。
あの時の悲しかった自分が、救われたような気持ちです。
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