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改稿版
29-2 図書館へ行こう
「エルザ、明日って暇か?」
ジェラール様が帰られると、マックスに問いかけられました。
「お仕事は無いし、暇よ」
「なら、俺に付き合ってくれないか?」
「勿論、良いわよ。何処へ行くの?」
「転移で大型の図書館に行く。最近、新作の本読んでねぇだろ?」
本はそれなりに高価なので、なかなか手を出せません。だから、家から持って来た本を大事に読んでおりました。
新作が読めるのは嬉しいです。
「嬉しいわ! 久しぶりにゆっくり本が読めるのね」
「俺も付き添うから、ちゃんと魔法で隠してやるよ。知り合いに会っても、エルザから話しかけなければ大丈夫だ」
「マックス……ありがとう!」
「そんなに嬉しかったのか? もっと早く提案すれば良かったぜ。エルザは本が好きだもんな」
「図書館は行きたいと何度も思ったんだけど、知り合いに会ったら困るし諦めていたの。だから、嬉しくて」
「気が付かなくてごめんな。なぁ、エルザ。俺はテレーズ様に雇われてるんだから、もっと我儘を言ってくれよ。依頼人の意向はちゃんと聞くからよ」
何故かしら、胸がチクリと痛みます。
マックスは優しくて、とても素敵な方です。
……でも、わたくしに優しくしてくれるのは仕事だから?
そんな事ない。頭では分かっているのに感情がついていきません。こんな気持ち、知りません。
混乱している事を悟られまいと、王妃教育で叩き込まれた笑顔を浮かべます。マックスは、少し怪訝な顔をしましたが優しくわたくしに防護魔法をかけてくれました。
「もう外出の予定はねぇな? ちゃんと魔法で守ってやるから、安心してゆっくり休め。明日朝9時に迎えに来る。それまでは家から出るなよ」
「分かったわ。いつもありがとう」
部屋はあるのだから、泊まっていけば良いのにと何度もお誘いしました。わたくしの寝室には鍵が掛かっているのだから、問題ないと。だけどマックスは紳士で、絶対に泊まろうとはしませんでした。
そんなところも、素敵だなと思います。
「仕事だから気にすんな」
あれ?
どうしたのでしょう?
なぜか、胸がチクリと痛みます。病気でしょうか。少し心配になりましたが、翌日マックスが迎えに来てくれた時には胸の痛みはすっかり消えておりました。
「おはよう。そのワンピース、可愛いな」
「ありがとう。買ったばかりなの」
お買い物はほとんどマックスと一緒に行きますが、マックスは店の外で待っているのでわたくしが何を買ったのかは知りません。
今着ているワンピースは、淡い緑でスカートがふわふわしていて可愛らしいです。マックスの目の色と同じだな。そう思って手に取ったら欲しくてたまらなくて、少し高かったけど奮発して買いました。
買って良かったですわ。
「じゃ、行くか。忘れ物はねぇな?」
「ありませんわ。楽しみです! 早く行きましょう!」
「分かった。着いたらすぐ魔法をかけるからな」
そう、言われていたのに。
久しぶりに多くの本を見て興奮したわたくしは、マックスが魔法を掛ける前に本棚に吸い込まれてしまいました。
そして……最も会いたくない人に出会ってしまったのです。
ジェラール様が帰られると、マックスに問いかけられました。
「お仕事は無いし、暇よ」
「なら、俺に付き合ってくれないか?」
「勿論、良いわよ。何処へ行くの?」
「転移で大型の図書館に行く。最近、新作の本読んでねぇだろ?」
本はそれなりに高価なので、なかなか手を出せません。だから、家から持って来た本を大事に読んでおりました。
新作が読めるのは嬉しいです。
「嬉しいわ! 久しぶりにゆっくり本が読めるのね」
「俺も付き添うから、ちゃんと魔法で隠してやるよ。知り合いに会っても、エルザから話しかけなければ大丈夫だ」
「マックス……ありがとう!」
「そんなに嬉しかったのか? もっと早く提案すれば良かったぜ。エルザは本が好きだもんな」
「図書館は行きたいと何度も思ったんだけど、知り合いに会ったら困るし諦めていたの。だから、嬉しくて」
「気が付かなくてごめんな。なぁ、エルザ。俺はテレーズ様に雇われてるんだから、もっと我儘を言ってくれよ。依頼人の意向はちゃんと聞くからよ」
何故かしら、胸がチクリと痛みます。
マックスは優しくて、とても素敵な方です。
……でも、わたくしに優しくしてくれるのは仕事だから?
そんな事ない。頭では分かっているのに感情がついていきません。こんな気持ち、知りません。
混乱している事を悟られまいと、王妃教育で叩き込まれた笑顔を浮かべます。マックスは、少し怪訝な顔をしましたが優しくわたくしに防護魔法をかけてくれました。
「もう外出の予定はねぇな? ちゃんと魔法で守ってやるから、安心してゆっくり休め。明日朝9時に迎えに来る。それまでは家から出るなよ」
「分かったわ。いつもありがとう」
部屋はあるのだから、泊まっていけば良いのにと何度もお誘いしました。わたくしの寝室には鍵が掛かっているのだから、問題ないと。だけどマックスは紳士で、絶対に泊まろうとはしませんでした。
そんなところも、素敵だなと思います。
「仕事だから気にすんな」
あれ?
どうしたのでしょう?
なぜか、胸がチクリと痛みます。病気でしょうか。少し心配になりましたが、翌日マックスが迎えに来てくれた時には胸の痛みはすっかり消えておりました。
「おはよう。そのワンピース、可愛いな」
「ありがとう。買ったばかりなの」
お買い物はほとんどマックスと一緒に行きますが、マックスは店の外で待っているのでわたくしが何を買ったのかは知りません。
今着ているワンピースは、淡い緑でスカートがふわふわしていて可愛らしいです。マックスの目の色と同じだな。そう思って手に取ったら欲しくてたまらなくて、少し高かったけど奮発して買いました。
買って良かったですわ。
「じゃ、行くか。忘れ物はねぇな?」
「ありませんわ。楽しみです! 早く行きましょう!」
「分かった。着いたらすぐ魔法をかけるからな」
そう、言われていたのに。
久しぶりに多くの本を見て興奮したわたくしは、マックスが魔法を掛ける前に本棚に吸い込まれてしまいました。
そして……最も会いたくない人に出会ってしまったのです。
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