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改稿版
第二部番外編 シモン視点3
ジェラール様が、私に笑いかけて下さった。他の人ではなく、私に笑顔を向けてくれたのはいつぶりだろう。マックス殿も、優しそうに私に笑いかけてくれた。とても安心する優しい笑顔だ。エルザはこの笑顔に惚れたのだろうな。
「ジェラールは、シオンを助ける為に俺に土下座したんだよ。王太子が平民の俺に土下座だぜ。それがどんだけの覚悟だったのか、同じように王太子だったシオンなら分かるだろ」
「内政干渉だと分かっていても、王太子としてやってはいけないと分かっていても、どうしてもシモンを助けたかったんだ」
「……私を助けてくれたのは……哀れだったからでは……」
「その程度であんな大それた事するかよ。ジェラールは、俺に言ったんだ。頼む、親友を助けてくれってな」
「ジェラール様の親友はマックス殿では……!」
「親友が1人なんて法律ねぇだろ」
「そういう事だ。シオンの魔力が上がったのなら、エルザを利用しようする気持ちは無い。君は、僕の心配をしてくれた……シモンのままだったんだよ」
「私は愚かで……醜くて……婚約者すら利用しようとした男です。ジェラール様の事だって……贈り物も全てエルザに任せていたし……手紙だって……!」
「それに気が付いたんなら前よりマシになったんじゃね。エルザの特殊能力は、エルザを利用しようとしたら効かねえんだよ。前に魔力が下がりまくったのは、エルザがシオンを嫌ったのもあるかもしれねぇけどシオンがエルザを利用しようとしたからだ。今はそんな気持ちねぇだろ?」
「ある訳ないじゃありませんか! 私がエルザに好かれる事など未来永劫あり得ない!」
「あり得るんだよ。エルザは優しい。あんだけ酷い事をした元婚約者すら心配する。エルザの家族も最近は魔力が上がってるらしいぜ。理由は、シオンなら分かるだろ?」
そう言って、マックス殿は紙束をくれた。その紙束には、エルザの特殊能力について書かれていた。城に残っていた資料と同じ記述も多かったが、知らない事も沢山書かれていた。200年以上前に王家から逃げ出した姫。彼女は国を荒らし、国宝を奪った野蛮な女性だと聞いている。
だが、マックス殿から渡された資料を読むと、間違っていたのではないかと思うようになった。そう言うと、マックス殿は嬉しそうに微笑んだ。気は強かったが、優しい人だったそうだ。何故彼がそんな事を知っているのかと問うと、逃げた姫の事を教えてくれた。彼の家族に保護されて生きていたらしい。
……やはり、王族や貴族が平民として暮らすには誰かの助けが必要だ。エルザと王妃様は、マックス殿が助けなければ生きていなかっただろう。
私は、改めて彼に礼を言った。
すると、ジェラール様からふたつの頼み事をされた。仕事ではなく、友人としてお願いがあると言われた。私を友人と呼んでくれるなんて、嬉しくて涙が出た。本当は親友と呼びたいが、しばらくは友人で我慢しよう。そう言われて更に泣いた。
ジェラール様の願いは、些細な事だった。人目のない時は以前のようにジェラールと呼んで欲しい。それから、城中の者達にマックス殿の魅力を伝えて欲しい。それだけだった。ジェラール様とマックス殿が親友である事は城中の者達が知っている。私がマックス殿とあまり良い関係を築いていない事も、みんな知っている。だから私がマックス殿の魅力を伝えれば、怯えている城の者達も変わるだろう。そう、ジェラール様は言った。
私だけでなく、父や母、エルザや王妃様の命の恩人であるマックス殿は間違いなく優しい人だ。私は、喜んで請け負った。
私の事は話せないが、王妃様の命の恩人というだけでみんなの見る目は変わる。王妃様は、ご自分の過去を堂々と話しているしジェラール様を狙っていた令嬢の陰湿な嫌がらせも耐えるのではなく上手く撃退しておられる。
見事な手腕だと思っていたら、全てエルザの指導によるものらしい。私は全く知らなかったが、エルザも令嬢達の攻撃を受けていたのだ。
正確には、知ろうとしなかったんだ。エルザが何度か弱音を吐いた事はあった。だが、私は冷たくあしらった。私を煩わせるなと、話すら聞かなかった。ジェラール様やマックス殿なら、決してそんな事はしない。自分がとても恥ずかしい事をしたんだと分かるようになったのは、最近だ。
過去は変えられない。だが、未来は変えられる。私はもう二度と、あんな恥ずかしい真似はしない。
「今度、3人で酒でも飲もう」
嬉しそうにジェラールが笑う。親友の笑顔を見れて、とても暖かい気持ちになった。
「ジェラールは、シオンを助ける為に俺に土下座したんだよ。王太子が平民の俺に土下座だぜ。それがどんだけの覚悟だったのか、同じように王太子だったシオンなら分かるだろ」
「内政干渉だと分かっていても、王太子としてやってはいけないと分かっていても、どうしてもシモンを助けたかったんだ」
「……私を助けてくれたのは……哀れだったからでは……」
「その程度であんな大それた事するかよ。ジェラールは、俺に言ったんだ。頼む、親友を助けてくれってな」
「ジェラール様の親友はマックス殿では……!」
「親友が1人なんて法律ねぇだろ」
「そういう事だ。シオンの魔力が上がったのなら、エルザを利用しようする気持ちは無い。君は、僕の心配をしてくれた……シモンのままだったんだよ」
「私は愚かで……醜くて……婚約者すら利用しようとした男です。ジェラール様の事だって……贈り物も全てエルザに任せていたし……手紙だって……!」
「それに気が付いたんなら前よりマシになったんじゃね。エルザの特殊能力は、エルザを利用しようとしたら効かねえんだよ。前に魔力が下がりまくったのは、エルザがシオンを嫌ったのもあるかもしれねぇけどシオンがエルザを利用しようとしたからだ。今はそんな気持ちねぇだろ?」
「ある訳ないじゃありませんか! 私がエルザに好かれる事など未来永劫あり得ない!」
「あり得るんだよ。エルザは優しい。あんだけ酷い事をした元婚約者すら心配する。エルザの家族も最近は魔力が上がってるらしいぜ。理由は、シオンなら分かるだろ?」
そう言って、マックス殿は紙束をくれた。その紙束には、エルザの特殊能力について書かれていた。城に残っていた資料と同じ記述も多かったが、知らない事も沢山書かれていた。200年以上前に王家から逃げ出した姫。彼女は国を荒らし、国宝を奪った野蛮な女性だと聞いている。
だが、マックス殿から渡された資料を読むと、間違っていたのではないかと思うようになった。そう言うと、マックス殿は嬉しそうに微笑んだ。気は強かったが、優しい人だったそうだ。何故彼がそんな事を知っているのかと問うと、逃げた姫の事を教えてくれた。彼の家族に保護されて生きていたらしい。
……やはり、王族や貴族が平民として暮らすには誰かの助けが必要だ。エルザと王妃様は、マックス殿が助けなければ生きていなかっただろう。
私は、改めて彼に礼を言った。
すると、ジェラール様からふたつの頼み事をされた。仕事ではなく、友人としてお願いがあると言われた。私を友人と呼んでくれるなんて、嬉しくて涙が出た。本当は親友と呼びたいが、しばらくは友人で我慢しよう。そう言われて更に泣いた。
ジェラール様の願いは、些細な事だった。人目のない時は以前のようにジェラールと呼んで欲しい。それから、城中の者達にマックス殿の魅力を伝えて欲しい。それだけだった。ジェラール様とマックス殿が親友である事は城中の者達が知っている。私がマックス殿とあまり良い関係を築いていない事も、みんな知っている。だから私がマックス殿の魅力を伝えれば、怯えている城の者達も変わるだろう。そう、ジェラール様は言った。
私だけでなく、父や母、エルザや王妃様の命の恩人であるマックス殿は間違いなく優しい人だ。私は、喜んで請け負った。
私の事は話せないが、王妃様の命の恩人というだけでみんなの見る目は変わる。王妃様は、ご自分の過去を堂々と話しているしジェラール様を狙っていた令嬢の陰湿な嫌がらせも耐えるのではなく上手く撃退しておられる。
見事な手腕だと思っていたら、全てエルザの指導によるものらしい。私は全く知らなかったが、エルザも令嬢達の攻撃を受けていたのだ。
正確には、知ろうとしなかったんだ。エルザが何度か弱音を吐いた事はあった。だが、私は冷たくあしらった。私を煩わせるなと、話すら聞かなかった。ジェラール様やマックス殿なら、決してそんな事はしない。自分がとても恥ずかしい事をしたんだと分かるようになったのは、最近だ。
過去は変えられない。だが、未来は変えられる。私はもう二度と、あんな恥ずかしい真似はしない。
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