気弱ドワーフと転生エルフの産業革命

編端みどり

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第一章

40.見ただけで分かるんですね

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「ん? そいやマイスにはまだ教えてなかったな。もっとマイスに教えたい事いっぱいあんだよ! だから俺についてこいって言ったのに、ミクタから出てくんないしよ。ギルド長から騙されて魔法契約しちまったせいでマイスに事情は話せねぇし最悪だったぜ」

ダン親方によると、僕を見習いじゃなく一人前の職人にしろと毎日のように直談判してくれてたらしい。あまりにうるさく言い過ぎたのか、ギルド長は今すぐ僕を手放すか、僕を一人前にしてやる代わりに街から出て行くか選べって言われたんだって。

で、僕のために街を出る決意をしたらしい。

街を出る本当の理由は明かさないって魔法契約までしたんだって。でも、僕を一人前の職人にするって書かれてなくて、おかしいと思って問いただしたら、僕があと2年頑張れば見習いを卒業させるって言われたらしい。

「ま、俺が迂闊だったんだけどな。悪りぃな、おかげで苦労かけちまって。どうにかマイスを連れて行きたかったんだけど契約のせいで事情が言えなくてよ。せめてと思って道具を全部やったんだ」

「あの頃の僕は見習いを卒業する事がいちばんの目標でしたから、ギルド長に一人前になってからダン親方の所に行く方が親方は喜ぶって言われて信じてしまいました。親方は、僕をなんとか連れて行こうとしてくれていたのに、僕は気がつかなかった。ちゃんと周りが見えてなかったんです。確実に僕より技術が上だと思うのはダン親方だけでした。他の方の所では、一緒に作業なんかしてなかった。ひたすら指示通りの事をしていたし、自分が出来る事を増やす事しか考えてなかったんです」

「あんな長え期間見習いさせられてりゃあそうなる。俺もギルド長なんかに直談判しねぇで、さっさとマイスに伝えてミクタを出れば良かったぜ」

「でも、おかげでアオイさんに会えました。だから、今までの事も無駄じゃなかったと思います。ダン親方、これは僕が作った魔道具です。これを、もっといっぱい作らなきゃいけないんです。一緒に作って貰えませんか?」

「これ、マイスが作ったのか?」

「はい。道案内出来る魔道具です」

「へぇ、すげぇな。俺は新しいモン作るのは苦手だけど、あるモンを作るのは得意だ。マイスとまた物作り出来るなんて嬉しいぜ。これは材料は魔鳥の羽と金と銀、ゴーレムコアの欠片か。融合すんのに魔法水がいるけど、だいぶ純度の高い魔法水使ってるな」

「……見ただけで材料分かるの?!」

「あぁ、そんくらいは分かるぞ。魔道具作ってもう30年だからな」

「すごい!」

「マジックバッグも、ダン親方と作ったんです」

「ありゃあマイスが居ないと出来なかったな。また新しいモン作ろうぜ!」

「転移の魔道具も教えて下さい!」

「おう! ありゃあ難しいんだけどマイスなら出来るだろ。今じゃ作れる職人も少なくなっちまったからなぁ。材料も手に入りにくいから、材料持参じゃないと受けないんだ」

「じゃあまずは材料集めからか。ま、ひとまずうちにご招待しましょう。準備は良いですか?」

「おう! マイスの作った家どんなもんなのか楽しみだぜ」
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