15 / 15
ポンコツ公爵は愛を誓う【番外編】
しおりを挟む
「エミリー様、本当に良かったですね」
エミリーの結婚式が終わり、2人でマチルダの家の庭園でお茶をしているのだが、先程からマチルダはエミリーの話ばかりだ。デヴィッドは、デヴィッド・ドゥ・シヴィルとなってエミリーと婚姻した。エミリーなら平民であろうとデヴィッドの元に行くだろうが、それではデヴィッドが気にするだろうとマチルダの兄のジョセフ様が強引に養子にしてしまったらしい。
薔薇を通じて、ふたりは親交が深まっていたそうだ。それも、マチルダの采配だろうと容易に想像がついた。
マチルダは本当にいい子だ。最近ようやく婚約者になれて、私は幸せいっぱいだ。まだ接近すると照れるようだが、それも可愛らしい。
「私達の式ももうすぐだよ。まさかエミリーに先を越されるとは思わなかったよ。私達も1年待ってエミリー達のように誓いをするかい?」
「えー……でも、予定では式は半年後ですよね。わざわざ伸ばすのもめんど……えっと、招待客の方に悪いので、予定通りでよろしいのでは?」
婚約者になってから、マチルダは少しずつ素を見せてくれるようになった。本人は取り繕えていると思っているが、被った猫がだいぶ逃げ出している。
だが、今のマチルダの方が愛らしくて良い。他の者の前では決して見せない気を抜いた姿は私だけが知っていれば良いと思う。私の婚約者になってからは、マチルダは夜会で必死に気を張るようになった。私の為だとかなり勉強してくれているらしい。
そんな彼女を逃したくない。デヴィッドのように、この日を狙って婚姻を結ぶ者は多い。まさか、マチルダはそれを嫌がっているのだろうか?
私は、少し不安になりながらもマチルダに問うた。
「神に誓えば結婚を覆せないよ?」
「そんな誓約、意味がありませんよ。デヴィッド様みたいにわたくしが名を捨てれば終わりです」
「確かに、そうだね」
マチルダはやはり頭が良く冷静だ。普通の人は、みんなこの日に嘘を吐かないように必死なのに。逆に、一生縛れると思って愛を誓う者も居る。それが意味を成さないとデヴィッドとエミリーの婚姻で広がってしまうかもしれないな。
まぁ、会った事のない他人などどうでも良いか。
嬉しそうな妹の姿が見れれば構わない。デヴィッドも、今度こそエミリーの手を離す事はないだろう。
あの日、頭に血が上った私の剣をマチルダが止めてくれなければ、エミリーは一生泣き暮らしただろう。
あの場で心からエミリーを心配してくれたのはマチルダだけだった。そんな彼女に惹かれるのは当然だ。なのに、私の気持ちはマチルダに全く伝わらなかった。
散々口説いているのに、相手にされずに自信を失いかけた。
だが、彼女は私の元に来てくれた。もう逃す気はない。マチルダが望むものはなんでも用意するから、私の元から離れないで欲しいと言ったら、欲しいものは自分で手に入れるから、結婚しても自身の財産を築く許可が欲しいと言われた。
彼女が私に望んだのはそれだけだった。
やはりマチルダは普通の令嬢とは違う。高価な宝石や煌びやかなドレスを欲しがる女性は多いが、欲しい物は自分で手に入れたいと望む女性は珍しい。そんなところも愛おしい。
「それよりもサイモン、わたくし良い事を思いついたの!」
マチルダは最近私の名を呼び捨てにしてくれるようになった。何度も頼んで、ようやく実現した。少しずつ敬語が取れて親しげに話してくれるマチルダが可愛くて仕方ない。
「今度は何を思いついたんだい?」
「エミリー様達の結婚式で、花びらが舞ったでしょう? それがとっても素敵だったの。だから、結婚式で花弁を舞わせるのはどうかしら?」
「なるほど、確かに神秘的だったね。どうやるんだい?」
「んー……風が都合良く吹くとは限らないし……」
そう言ってマチルダは考え込んでしまった。彼女は、革新的な考えをしていて良いと思ったものをすぐに取り入れる柔軟性がある。
だが、思いついても形にするのはまだまだ苦手のようだ。
「ねぇ、マチルダ。花弁が舞うのが素敵だったんだよね? だったら、花弁をシャワーのように振りかけて貰うのはどう?」
マチルダが、目を見開いて私に抱きついてきた。私はこの瞬間が大好きだ。
「さすがサイモンだわ! なら、招待客の皆様に花弁をお渡しして振りかけて頂くのはどうかしら? 誓いの後、お披露目として皆様にアーチを作って頂くのでしょう? でも、あれだと子どもは出来ないし最後の方は待つのもお辛いだろうから出来たらやりたくないと思っていたの。でも、伝統だから駄目かしら……?」
結婚式は、地域や国によって様々なやり方があるが、私の国では誓いの後に招待客が作ったアーチを新郎新婦が潜るという伝統がある。招待客が新郎新婦の門出を祝う道を作るという意味があるのだが、狭いので1人ずつ潜らないといけないし、タチの悪い招待客が紛れていると花嫁に触れようとしてくる。
だから、やらない夫婦も増えているし私もやるつもりはなかった。というか、伝統だと言っているのは一部の保守的な貴族だけだ。その中には、初心な花嫁を困らせてやりたいと願う下衆も紛れている。だから私はマチルダに伝えてなかったのに、余計な事を吹き込んだ奴が居たらしいな。
「マチルダ、それは誰に聞いたの? 伝統だと言っても今はあまりやる人も居ないし、うちの両親もやらなくて良いと言っていたよ」
父もやらなかった。当然だ。誰が愛する人を危険に晒す可能性がある事を好き好んでやるんだ。父は見事なスピーチでその場を切り抜けたらしい。私も同じようにするつもりだった。だから、マチルダには何も言わないようにしていたのに。
「この間の夜会で、サイモンがライディ王子とお話ししていたでしょう? その時話しかけられたの。名乗りをされなかったから適当にやり過ごしたんだけど、妹はライディ王子の妻だって仰ってたからおそらくカテリーナ様のお兄様ね」
……なるほど。シュボール家は我が家を本気で怒らせたいらしいな。しかし付き合い上結婚式に呼ばない訳にもいかない。ちょうどいい。恥をかいてもらおう。
それにしても、会話をしっかり聞き取り理解して情報を吸い上げる。さすがマチルダだ。
「よく気が付いたな」
「目元がカテリーナ様に似ておられたからそうだろうなとは思っていたの。無知な令嬢のフリをして色々お話ししていたら、ポロッとカテリーナ様の事を話して下さったから確信したわ。ご本人は、有頂天だったから多分気が付いていないわ。わたくしもわざとカテリーナ様の名前を出さずに妹君で通したから」
「さすがマチルダだ。報復は任せろ」
「報復って何?! 確かに名乗りはされなかったけど、それはわたくしが格下だからでしょう?! 名乗り以外に失礼な事はなかったわよ。まぁ、ちょっと馴れ馴れしいなとは思ったけど」
「……報復を倍にする」
「待って! 何で増えるの?!」
涙目のマチルダが必死に説得するから、報復はやめておく事にする。だが、恥はかいてもらおう。
「それじゃあ、式で花弁を私達に振りかけて貰うようにしようか。アーチと同じ意味を持つからきっと受け入れられるよ。それに、私は式で一瞬たりともマチルダと離れたくない。だから元々アーチをする予定はなかったんだ」
「そうだったの? 通りで聞いた事ないと思ったわ。そうよね。サイモンが、教えてくれない訳ないものね」
そうやってすぐに信用するから、私みたいな男に捕まるんだ。だけど、マチルダの好みは腹黒い男だそうだから、私は彼女の好みにマッチしているのだろう。
「そう、私はマチルダを愛してる。マチルダが嫌がる事は決してしないと約束するよ」
「あら! わたくしだってサイモンが嫌がる事はしないわ! それに、サイモンの喜ぶ事はしたいわ。まぁ、犯罪とかは困るけど。だってわたくしもサイモンを愛しているもの!」
強気な目でそう宣言するマチルダは、女神のように美しい。
「私は、神ではなくマチルダに愛を誓うよ」
そう言ってマチルダの手にキスをすれば、真っ赤になってプルプル震えている愛しい婚約者の姿が私の青い瞳に映った。
エミリーの結婚式が終わり、2人でマチルダの家の庭園でお茶をしているのだが、先程からマチルダはエミリーの話ばかりだ。デヴィッドは、デヴィッド・ドゥ・シヴィルとなってエミリーと婚姻した。エミリーなら平民であろうとデヴィッドの元に行くだろうが、それではデヴィッドが気にするだろうとマチルダの兄のジョセフ様が強引に養子にしてしまったらしい。
薔薇を通じて、ふたりは親交が深まっていたそうだ。それも、マチルダの采配だろうと容易に想像がついた。
マチルダは本当にいい子だ。最近ようやく婚約者になれて、私は幸せいっぱいだ。まだ接近すると照れるようだが、それも可愛らしい。
「私達の式ももうすぐだよ。まさかエミリーに先を越されるとは思わなかったよ。私達も1年待ってエミリー達のように誓いをするかい?」
「えー……でも、予定では式は半年後ですよね。わざわざ伸ばすのもめんど……えっと、招待客の方に悪いので、予定通りでよろしいのでは?」
婚約者になってから、マチルダは少しずつ素を見せてくれるようになった。本人は取り繕えていると思っているが、被った猫がだいぶ逃げ出している。
だが、今のマチルダの方が愛らしくて良い。他の者の前では決して見せない気を抜いた姿は私だけが知っていれば良いと思う。私の婚約者になってからは、マチルダは夜会で必死に気を張るようになった。私の為だとかなり勉強してくれているらしい。
そんな彼女を逃したくない。デヴィッドのように、この日を狙って婚姻を結ぶ者は多い。まさか、マチルダはそれを嫌がっているのだろうか?
私は、少し不安になりながらもマチルダに問うた。
「神に誓えば結婚を覆せないよ?」
「そんな誓約、意味がありませんよ。デヴィッド様みたいにわたくしが名を捨てれば終わりです」
「確かに、そうだね」
マチルダはやはり頭が良く冷静だ。普通の人は、みんなこの日に嘘を吐かないように必死なのに。逆に、一生縛れると思って愛を誓う者も居る。それが意味を成さないとデヴィッドとエミリーの婚姻で広がってしまうかもしれないな。
まぁ、会った事のない他人などどうでも良いか。
嬉しそうな妹の姿が見れれば構わない。デヴィッドも、今度こそエミリーの手を離す事はないだろう。
あの日、頭に血が上った私の剣をマチルダが止めてくれなければ、エミリーは一生泣き暮らしただろう。
あの場で心からエミリーを心配してくれたのはマチルダだけだった。そんな彼女に惹かれるのは当然だ。なのに、私の気持ちはマチルダに全く伝わらなかった。
散々口説いているのに、相手にされずに自信を失いかけた。
だが、彼女は私の元に来てくれた。もう逃す気はない。マチルダが望むものはなんでも用意するから、私の元から離れないで欲しいと言ったら、欲しいものは自分で手に入れるから、結婚しても自身の財産を築く許可が欲しいと言われた。
彼女が私に望んだのはそれだけだった。
やはりマチルダは普通の令嬢とは違う。高価な宝石や煌びやかなドレスを欲しがる女性は多いが、欲しい物は自分で手に入れたいと望む女性は珍しい。そんなところも愛おしい。
「それよりもサイモン、わたくし良い事を思いついたの!」
マチルダは最近私の名を呼び捨てにしてくれるようになった。何度も頼んで、ようやく実現した。少しずつ敬語が取れて親しげに話してくれるマチルダが可愛くて仕方ない。
「今度は何を思いついたんだい?」
「エミリー様達の結婚式で、花びらが舞ったでしょう? それがとっても素敵だったの。だから、結婚式で花弁を舞わせるのはどうかしら?」
「なるほど、確かに神秘的だったね。どうやるんだい?」
「んー……風が都合良く吹くとは限らないし……」
そう言ってマチルダは考え込んでしまった。彼女は、革新的な考えをしていて良いと思ったものをすぐに取り入れる柔軟性がある。
だが、思いついても形にするのはまだまだ苦手のようだ。
「ねぇ、マチルダ。花弁が舞うのが素敵だったんだよね? だったら、花弁をシャワーのように振りかけて貰うのはどう?」
マチルダが、目を見開いて私に抱きついてきた。私はこの瞬間が大好きだ。
「さすがサイモンだわ! なら、招待客の皆様に花弁をお渡しして振りかけて頂くのはどうかしら? 誓いの後、お披露目として皆様にアーチを作って頂くのでしょう? でも、あれだと子どもは出来ないし最後の方は待つのもお辛いだろうから出来たらやりたくないと思っていたの。でも、伝統だから駄目かしら……?」
結婚式は、地域や国によって様々なやり方があるが、私の国では誓いの後に招待客が作ったアーチを新郎新婦が潜るという伝統がある。招待客が新郎新婦の門出を祝う道を作るという意味があるのだが、狭いので1人ずつ潜らないといけないし、タチの悪い招待客が紛れていると花嫁に触れようとしてくる。
だから、やらない夫婦も増えているし私もやるつもりはなかった。というか、伝統だと言っているのは一部の保守的な貴族だけだ。その中には、初心な花嫁を困らせてやりたいと願う下衆も紛れている。だから私はマチルダに伝えてなかったのに、余計な事を吹き込んだ奴が居たらしいな。
「マチルダ、それは誰に聞いたの? 伝統だと言っても今はあまりやる人も居ないし、うちの両親もやらなくて良いと言っていたよ」
父もやらなかった。当然だ。誰が愛する人を危険に晒す可能性がある事を好き好んでやるんだ。父は見事なスピーチでその場を切り抜けたらしい。私も同じようにするつもりだった。だから、マチルダには何も言わないようにしていたのに。
「この間の夜会で、サイモンがライディ王子とお話ししていたでしょう? その時話しかけられたの。名乗りをされなかったから適当にやり過ごしたんだけど、妹はライディ王子の妻だって仰ってたからおそらくカテリーナ様のお兄様ね」
……なるほど。シュボール家は我が家を本気で怒らせたいらしいな。しかし付き合い上結婚式に呼ばない訳にもいかない。ちょうどいい。恥をかいてもらおう。
それにしても、会話をしっかり聞き取り理解して情報を吸い上げる。さすがマチルダだ。
「よく気が付いたな」
「目元がカテリーナ様に似ておられたからそうだろうなとは思っていたの。無知な令嬢のフリをして色々お話ししていたら、ポロッとカテリーナ様の事を話して下さったから確信したわ。ご本人は、有頂天だったから多分気が付いていないわ。わたくしもわざとカテリーナ様の名前を出さずに妹君で通したから」
「さすがマチルダだ。報復は任せろ」
「報復って何?! 確かに名乗りはされなかったけど、それはわたくしが格下だからでしょう?! 名乗り以外に失礼な事はなかったわよ。まぁ、ちょっと馴れ馴れしいなとは思ったけど」
「……報復を倍にする」
「待って! 何で増えるの?!」
涙目のマチルダが必死に説得するから、報復はやめておく事にする。だが、恥はかいてもらおう。
「それじゃあ、式で花弁を私達に振りかけて貰うようにしようか。アーチと同じ意味を持つからきっと受け入れられるよ。それに、私は式で一瞬たりともマチルダと離れたくない。だから元々アーチをする予定はなかったんだ」
「そうだったの? 通りで聞いた事ないと思ったわ。そうよね。サイモンが、教えてくれない訳ないものね」
そうやってすぐに信用するから、私みたいな男に捕まるんだ。だけど、マチルダの好みは腹黒い男だそうだから、私は彼女の好みにマッチしているのだろう。
「そう、私はマチルダを愛してる。マチルダが嫌がる事は決してしないと約束するよ」
「あら! わたくしだってサイモンが嫌がる事はしないわ! それに、サイモンの喜ぶ事はしたいわ。まぁ、犯罪とかは困るけど。だってわたくしもサイモンを愛しているもの!」
強気な目でそう宣言するマチルダは、女神のように美しい。
「私は、神ではなくマチルダに愛を誓うよ」
そう言ってマチルダの手にキスをすれば、真っ赤になってプルプル震えている愛しい婚約者の姿が私の青い瞳に映った。
50
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
「幼馴染は、安心できる人で――独占する人でした」
だって、これも愛なの。
恋愛
幼い頃の無邪気な一言。
「お兄様みたいな人が好き」――その言葉を信じ続け、彼はずっと優しく隣にいてくれた。
エリナにとってレオンは、安心できる幼馴染。
いつも柔らかく笑い、困ったときには「無理しなくていい」と支えてくれる存在だった。
けれど、他の誰かの影が差し込んだ瞬間、彼の奥に潜む本音が溢れ出す。
「俺は譲らないよ。誰にも渡さない」
優しいだけじゃない。
安心と独占欲――その落差に揺さぶられて、エリナの胸は恋に気づいていく。
安心できる人が、唯一の人になるまで。
甘く切ない幼馴染ラブストーリー。
【完結】お嬢様だけがそれを知らない
春風由実
恋愛
公爵令嬢であり、王太子殿下の婚約者でもあるお嬢様には秘密があった。
しかしそれはあっという間に公然の秘密となっていて?
それを知らないお嬢様は、日々あれこれと悩んでいる模様。
「この子たちと離れるくらいなら。いっそこの子たちを連れて国外に逃げ──」
王太子殿下、サプライズとか言っている場合ではなくなりました!
今すぐ、対応してください!今すぐです!
※ゆるゆると不定期更新予定です。
※2022.2.22のスペシャルな猫の日にどうしても投稿したかっただけ。
※カクヨムにも投稿しています。
世界中の猫が幸せでありますように。
にゃん。にゃんにゃん。にゃん。にゃんにゃん。にゃ~。
東雲の空を行け ~皇妃候補から外れた公爵令嬢の再生~
くる ひなた
恋愛
「あなたは皇妃となり、国母となるのよ」
幼い頃からそう母に言い聞かされて育ったロートリアス公爵家の令嬢ソフィリアは、自分こそが同い年の皇帝ルドヴィークの妻になるのだと信じて疑わなかった。父は長く皇帝家に仕える忠臣中の忠臣。皇帝の母の覚えもめでたく、彼女は名実ともに皇妃最有力候補だったのだ。
ところがその驕りによって、とある少女に対して暴挙に及んだことを理由に、ソフィリアは皇妃候補から外れることになる。
それから八年。母が敷いた軌道から外れて人生を見つめ直したソフィリアは、豪奢なドレスから質素な文官の制服に着替え、皇妃ではなく補佐官として皇帝ルドヴィークの側にいた。
上司と部下として、友人として、さらには密かな思いを互いに抱き始めた頃、隣国から退っ引きならない事情を抱えた公爵令嬢がやってくる。
「ルドヴィーク様、私と結婚してくださいませ」
彼女が執拗にルドヴィークに求婚し始めたことで、ソフィリアも彼との関係に変化を強いられることになっていく……
『蔦王』より八年後を舞台に、元悪役令嬢ソフィリアと、皇帝家の三男坊である皇帝ルドヴィークの恋の行方を描きます。
王子、侍女となって妃を選ぶ
夏笆(なつは)
恋愛
ジャンル変更しました。
ラングゥエ王国唯一の王子であるシリルは、働くことが大嫌いで、王子として課される仕事は側近任せ、やがて迎える妃も働けと言わない女がいいと思っている体たらくぶり。
そんなシリルに、ある日母である王妃は、候補のなかから自分自身で妃を選んでいい、という信じられない提案をしてくる。
一生怠けていたい王子は、自分と同じ意識を持つ伯爵令嬢アリス ハッカーを選ぼうとするも、母王妃に条件を出される。
それは、母王妃の魔法によって侍女と化し、それぞれの妃候補の元へ行き、彼女らの本質を見極める、というものだった。
問答無用で美少女化させられる王子シリル。
更に、母王妃は、彼女らがシリルを騙している、と言うのだが、その真相とは一体。
本編完結済。
小説家になろうにも掲載しています。
悪役令嬢に相応しいエンディング
無色
恋愛
月の光のように美しく気高い、公爵令嬢ルナティア=ミューラー。
ある日彼女は卒業パーティーで、王子アイベックに国外追放を告げられる。
さらには平民上がりの令嬢ナージャと婚約を宣言した。
ナージャはルナティアの悪い評判をアイベックに吹聴し、彼女を貶めたのだ。
だが彼らは愚かにも知らなかった。
ルナティアには、ミューラー家には、貴族の令嬢たちしか知らない裏の顔があるということを。
そして、待ち受けるエンディングを。
【完結】あなたからの愛は望みません ~お願いしたのは契約結婚のはずでした~
Rohdea
恋愛
──この結婚は私からお願いした期間限定の契約結婚だったはずなのに!!
ある日、伯爵令嬢のユイフェは1年だけの契約結婚を持ちかける。
その相手は、常に多くの令嬢から狙われ続けていた公爵令息ジョシュア。
「私と1年だけ結婚して? 愛は要らないから!」
「──は?」
この申し出はとある理由があっての事。
だから、私はあなたからの愛は要らないし、望まない。
だけど、どうしても1年だけ彼に肩書きだけでも自分の夫となって欲しかった。
(冷遇してくれても構わないわ!)
しかし、そんなユイフェを待っていた結婚生活は……まさかの甘々!?
これは演技? 本気? どっちなの!?
ジョシュアに翻弄される事になるユイフェ……
ユイフェの目的とは?
ジョシュアの思惑とは?
そして、そんなすっかり誰も入り込めないラブラブ夫婦(?)
な結婚生活を送っていた二人の前に邪魔者が───
あの、初夜の延期はできますか?
木嶋うめ香
恋愛
「申し訳ないが、延期をお願いできないだろうか。その、いつまでとは今はいえないのだが」
私シュテフイーナ・バウワーは今日ギュスターヴ・エリンケスと結婚し、シュテフイーナ・エリンケスになった。
結婚祝の宴を終え、侍女とメイド達に準備された私は、ベッドの端に座り緊張しつつ夫のギュスターヴが来るのを待っていた。
けれど、夜も更け体が冷え切っても夫は寝室には姿を見せず、明け方朝告げ鶏が鳴く頃に漸く現れたと思ったら、私の前に跪き、彼は泣きそうな顔でそう言ったのだ。
「私と夫婦になるつもりが無いから永久に延期するということですか? それとも何か理由があり延期するだけでしょうか?」
なぜこの人私に求婚したのだろう。
困惑と悲しみを隠し尋ねる。
婚約期間は三ヶ月と短かったが、それでも頻繁に会っていたし、会えない時は手紙や花束が送られてきた。
関係は良好だと感じていたのは、私だけだったのだろうか。
ボツネタ供養の短編です。
十話程度で終わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる