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第三十話
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本日は、国を挙げてのお祝いだ。
街中の飲食店が、全て無料になり、大衆浴場も1週間無料。その費用は、国ではなくたったひとつの商会の出資だった。
「ミッドナイト商会も、気前良いよなあ」
「なんでも、イオス様に賭けて得た利益は全て国民に還元するんだと。これで使い切るから、今後はお店に来てねって言ってたぜ」
「そりゃあ行くだろ! そういや、御用達も断っちまったんだって?」
「ああ、あくまで自分達は国の為ではなく人のために商売をしている。だそうだ」
「かー! カッコいいねぇ! ますますファンになっちまうぜ」
「全くだ、ミッドナイト商会の品は品質もいいし、安心して買い物が出来る」
「だよなぁ。値段も妥当だし、従業員も礼儀正しいしな」
「従業員といやぁ、俺お妃様がミッドナイト商会に居た時に接客してもらった事あるんだよ」
「なんだと!」
「綺麗な店員さんだなぁとは思ったが、まさかお妃様とはな。俺、これは一生自慢するんだ!」
「くっそ! 羨ましいぜ! おっと、すまねぇ! ぶつかっちまった!」
ぶつかったフードの男は、ムッとした顔をしている。
「ごめんなさい。こちらもぼんやりしていたの。ほら、あなた! ちゃんと謝って!」
「……すまん」
「良いってことよ! 今日はお祭りだからな! それにしても、にいちゃん、美人な奥さんで羨ましいぜ」
「そうだろう! そうだよな! オレの妻は美しく、優しく、強くてだな……」
「ストップ! 街中で惚気るの禁止!」
「すまん、セーラ」
「セーラ? なんだよにいちゃんの奥さんはお妃様とおんなじ名前か! そりゃめでてえな! よっしゃ! この先の出店でめちゃくちゃ美味い串焼き売ってんだ! 奢ってやるよ! 出店はさすがにタダじゃねぇが、祝いだ祝い!」
そう言って、初対面の夫婦に串焼きを奢り、男はご機嫌に去っていった。
「奥さん大事にしろよー!」
「オレがセーラを大事にしないなどありえない」
「もう! 恥ずかしいんだけど! ま、奢って貰ったし串焼き食べよ?」
「……」
「まさか、食べ方知らない?」
「すまん」
「こうやって、かぶりつくのよ」
「なっ……そんな食べ方があるのか」
「街ではこれが普通よ。毒とかは大丈夫だと思うわよ」
「兄貴が幽閉されてから一度も毒など仕掛けられていないし、こんな街中で毒殺もないだろう」
「それは、イオスのお父様が平和な国を築いてきたからよ。平和は当たり前ではないわ」
「そうだな。オレもこの平和を維持していかなければ。それにしても、串焼きとは、美味しいものだな」
「でしょう? それに、生き生きとしている街の人を見ると、元気が出てくるわ」
「ああ、式の前にここに来れて良かった」
「それでは、時間が迫っておりますのでお戻り下さいませ」
「デュバル!」
「城中探してもいらっしゃいませんし、まさかと思って隠し部屋に行ったらご利用された形跡がございましたのでお迎えに上がりました。自由時間は終了です」
「ま、まだ時間はあるだろう?!」
「セーラ様のご用意が、1時間後に開始されます。お戻りください」
「イオス、帰るわよ」
「セーラ……」
「また、一緒にデートしましょうね」
セーラから頬にキスをされて浮かれたイオスは、素直に帰る事にした。
「さすがセーラ様ですな。さ、急ぎますぞ」
「分かったわ。お迎えありがとう。どうしてもイオスに街のみんなの笑顔を見せたかったの。ワガママ言ってごめんなさい」
「なんのなんの、ですが今後は私にもご相談下さい。そうすればもっとうまく時間を稼いで差し上げますぞ」
「デュバルは、セーラに甘くないか?」
「私の主人には負けますぞ」
街中の飲食店が、全て無料になり、大衆浴場も1週間無料。その費用は、国ではなくたったひとつの商会の出資だった。
「ミッドナイト商会も、気前良いよなあ」
「なんでも、イオス様に賭けて得た利益は全て国民に還元するんだと。これで使い切るから、今後はお店に来てねって言ってたぜ」
「そりゃあ行くだろ! そういや、御用達も断っちまったんだって?」
「ああ、あくまで自分達は国の為ではなく人のために商売をしている。だそうだ」
「かー! カッコいいねぇ! ますますファンになっちまうぜ」
「全くだ、ミッドナイト商会の品は品質もいいし、安心して買い物が出来る」
「だよなぁ。値段も妥当だし、従業員も礼儀正しいしな」
「従業員といやぁ、俺お妃様がミッドナイト商会に居た時に接客してもらった事あるんだよ」
「なんだと!」
「綺麗な店員さんだなぁとは思ったが、まさかお妃様とはな。俺、これは一生自慢するんだ!」
「くっそ! 羨ましいぜ! おっと、すまねぇ! ぶつかっちまった!」
ぶつかったフードの男は、ムッとした顔をしている。
「ごめんなさい。こちらもぼんやりしていたの。ほら、あなた! ちゃんと謝って!」
「……すまん」
「良いってことよ! 今日はお祭りだからな! それにしても、にいちゃん、美人な奥さんで羨ましいぜ」
「そうだろう! そうだよな! オレの妻は美しく、優しく、強くてだな……」
「ストップ! 街中で惚気るの禁止!」
「すまん、セーラ」
「セーラ? なんだよにいちゃんの奥さんはお妃様とおんなじ名前か! そりゃめでてえな! よっしゃ! この先の出店でめちゃくちゃ美味い串焼き売ってんだ! 奢ってやるよ! 出店はさすがにタダじゃねぇが、祝いだ祝い!」
そう言って、初対面の夫婦に串焼きを奢り、男はご機嫌に去っていった。
「奥さん大事にしろよー!」
「オレがセーラを大事にしないなどありえない」
「もう! 恥ずかしいんだけど! ま、奢って貰ったし串焼き食べよ?」
「……」
「まさか、食べ方知らない?」
「すまん」
「こうやって、かぶりつくのよ」
「なっ……そんな食べ方があるのか」
「街ではこれが普通よ。毒とかは大丈夫だと思うわよ」
「兄貴が幽閉されてから一度も毒など仕掛けられていないし、こんな街中で毒殺もないだろう」
「それは、イオスのお父様が平和な国を築いてきたからよ。平和は当たり前ではないわ」
「そうだな。オレもこの平和を維持していかなければ。それにしても、串焼きとは、美味しいものだな」
「でしょう? それに、生き生きとしている街の人を見ると、元気が出てくるわ」
「ああ、式の前にここに来れて良かった」
「それでは、時間が迫っておりますのでお戻り下さいませ」
「デュバル!」
「城中探してもいらっしゃいませんし、まさかと思って隠し部屋に行ったらご利用された形跡がございましたのでお迎えに上がりました。自由時間は終了です」
「ま、まだ時間はあるだろう?!」
「セーラ様のご用意が、1時間後に開始されます。お戻りください」
「イオス、帰るわよ」
「セーラ……」
「また、一緒にデートしましょうね」
セーラから頬にキスをされて浮かれたイオスは、素直に帰る事にした。
「さすがセーラ様ですな。さ、急ぎますぞ」
「分かったわ。お迎えありがとう。どうしてもイオスに街のみんなの笑顔を見せたかったの。ワガママ言ってごめんなさい」
「なんのなんの、ですが今後は私にもご相談下さい。そうすればもっとうまく時間を稼いで差し上げますぞ」
「デュバルは、セーラに甘くないか?」
「私の主人には負けますぞ」
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