婚約破棄計画書を見つけた悪役令嬢は

編端みどり

文字の大きさ
20 / 49

20.婚約破棄

しおりを挟む
「父上! ミランダの罪を告発します!」

 息子の発言に、国王は驚き言葉が出ない。エドガーがアルフレッドの発言を促す。

「王太子が大声をあげるものではない。ミランダの罪とはなんだ。彼女はいつもアルフレッドを支えているではないか。先程の話は聞こえていたぞ。まだ結婚前なのに側妃を求めるとは気が早いことだ。ミランダが王妃様のような性格だったら、そこにいる可憐な少女の家は今頃取り潰しだろうな」

「叔父上は黙っていてください! ミランダは罪を犯しました!」

「だから、ミランダの罪とはなんだ。お前のように不貞でもしたのか?」

「そんなわけないでしょう! ミランダは僕に惚れていて、僕の言いなりなのです!」

「婚約者を言いなりと言うか。何度も指導しているが、アルフレッドのミランダの扱いは酷い。もっと婚約者を大事にしろ。だいたい、側妃は跡取りが出来ない場合など特別な事情がないと認められない制度のはずだ。結婚前に側妃を望むなんて聞いたことがない」

「ならソフィアを正妃にします! ミランダとは婚約破棄だ!」

「何を言っているのだ! アルフレッド!」

 国王が大声でアルフレッドを咎めた。王妃も呆然としており、今にも倒れそうだ。父に叱られ、更に思考能力が衰えたアルフレッドは大声でミランダの罪を告発した。

「ミランダは僕の筆跡を真似て書類を書いていました! 僕ら王族でも書類の偽造は重罪です。ミランダは多くの公文書で僕の筆跡を真似て書類を書いていました! これは重罪です! ミランダの罪を告発し、彼女との婚約を破棄します!」

「あの、アルフレッド……わたくし、代筆なんてしていないわよ?」

「僕の書類をいつも代筆していただろう! 証拠は沢山ある」

「はぁ……全く記憶がないのだけど。証拠って?」

「先週提出した、孤児院の改装許可の書類。あれをサインしたのもミランダだろう!」

「先週って……わたくしは里帰りをしていたのよ? どうやってサインするのよ」

「いつものように事前にサインしておいてくれただろう。とぼけるな!」

「あのね、いつも言っているけど、わたくしは書類のサインも代行もしないわ。確かに、草案は書くわよ。けど、いつもアルフレッドが最後に清書しているでしょ? 面倒がっているから汚い字だけど。忘れちゃったの?」

「とぼけるな! 清書が面倒だから、僕の筆跡を覚えさせただろう!」

「ああ、あれ? 最初にアルフレッドの仕事を手伝うようになった時ね。確かにアルフレッドの筆跡を覚えさせられたわ。けど、それはアルフレッドの字を完璧に覚える為でしょう?婚約者の筆跡位覚えていないとね。アルフレッドの代わりに代筆なんて、しないわよ。そんな事をすれば罪になる。それくらい知っているわ」

「父上の許可もあると言えば、喜んで清書してくれたではないか!」

「アルフレッド! もう黙れ!」

 国王の声が響いた。会場が静寂に包まれる。国王の迫力に、アルフレッドは震えあがった。
しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

幼馴染の王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。

藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。 何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。 同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。 もうやめる。 カイン様との婚約は解消する。 でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。 愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません! 一度完結したのですが、続編を書くことにしました。読んでいただけると嬉しいです。 いつもありがとうございます。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います

菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。 その隣には見知らぬ女性が立っていた。 二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。 両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。 メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。 数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。 彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。 ※ハッピーエンド&純愛 他サイトでも掲載しております。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

〖完結〗残念ですが、お義姉様はこの侯爵家を継ぐことは出来ません。

藍川みいな
恋愛
五年間婚約していたジョゼフ様に、学園の中庭に呼び出され婚約破棄を告げられた。その隣でなぜか私に怯える義姉のバーバラの姿があった。 バーバラは私にいじめられたと嘘をつき、婚約者を奪った。 五年も婚約していたのに、私ではなく、バーバラの嘘を信じた婚約者。学園の生徒達も彼女の嘘を信じ、親友だと思っていた人にまで裏切られた。 バーバラの目的は、ワイヤット侯爵家を継ぐことのようだ。 だが、彼女には絶対に継ぐことは出来ない。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 感想の返信が出来ず、申し訳ありません。

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

処理中です...