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26.誰も来ない
「バーナード侯爵家の屋敷に、誰もいません」
「なんだと! どういうことだ……。いくらなんでも戻るのが早すぎるだろう。仕方ない、領地に早馬を走らせろ! ミランダの居場所をなんとしても把握するんだ!」
「はっ! かしこまりました!」
「どこに行ったんだ……。はっ! 真珠は?!」
国王は大慌てで影を呼んだ。ところが、いつもすぐに現れる影は誰一人現れなかった。
「……なぜ、誰も来ないのだ……まさか……」
「今頃、兄上は大慌てだろうね」
「この展開を予想しておられたのですか?」
「まさか、こんな未来予想外だよ。影が全員、こちらに付くなんてね」
「ご機嫌ですけど、簡単に主人を鞍替えするような人達を信用していいのですか?」
「辛辣だねぇ。トム」
「思った事をなんでも言えとお命じになったのはエドガー様でしょう?」
「まぁね。けどなんか嬉しくてさ。こっちからお願いしても君みたいになんでも言ってくれる人は少ないから」
「俺は平民でしたから貴族のめんどくさいしがらみはありませんし」
「言うね。今じゃ公爵子息なのに」
「あれも、エドガー様のおかげでしょう? あ、おかげでミランダと婚約が調いました。ありがとうございます。三ヶ月後に公表します。それまで、バーナード侯爵家は無人です」
「どこに隠れたのかな?」
「それは、秘密です」
「そっか。連絡が取れるなら、戻って来たら大々的に真珠の養殖をお願いしたいと伝えてくれるかな?」
「もちろんです。お気遣いありがとうございます」
「良かったね。これでトムも心置きなく影の仕事に専念できるね」
「そうです……ね」
「何その顔? 不満でもある?」
「いや、不満は一切ないです。ただ、ちょっと体力がもたないだけで」
「トムはみんなの評判もいいよ。いい訓練相手ができたってみんな大喜びさ」
「その訓練がキツイです」
「強くなれば、ミランダを守れるよ」
「そうでした。全力でやりますから、これからもよろしくお願いします!」
「本当に単純だな」
「そのくらいの方が裏を考えなくていいから楽でしょう?」
「それもそうか、トムの大事な人達を守ってやればいいだけだからな」
「ミランダに苦労をさせたくないのでそれなりの給金は下さいよ」
「もちろん。さて、給金を払うのだから、そろそろ働いてもらおう」
「喜んで。どこに行けばいいですか?」
「王城に侵入して、アルフレッドの幽閉先を調べて。ついでに、あの子の居場所も調査して」
「多くないですか?」
「影は増えたけど、まだ単独行動させられないからさ。しばらくセルのメンバーは動けない」
「それってつまり……」
「調査関係は、ほとんどトムにお願いする事になるね。君はまだ正式なメンバーじゃないからさ。色々と都合がいいのさ」
「人使い粗すぎでしょうよ」
「報酬は充分前払いしていると思うけど」
「そうですね。頂いた前払い分くらいは働きますよ」
「裁定者に気を付けてね」
「誰か分からないのでしょう? どう気を付ければ?」
「気を抜かなければ良い。トムなら、異常に気付ける筈だ」
「ずいぶん信用して頂いたようで。期待に応えられるように頑張りますよ」
「なんだと! どういうことだ……。いくらなんでも戻るのが早すぎるだろう。仕方ない、領地に早馬を走らせろ! ミランダの居場所をなんとしても把握するんだ!」
「はっ! かしこまりました!」
「どこに行ったんだ……。はっ! 真珠は?!」
国王は大慌てで影を呼んだ。ところが、いつもすぐに現れる影は誰一人現れなかった。
「……なぜ、誰も来ないのだ……まさか……」
「今頃、兄上は大慌てだろうね」
「この展開を予想しておられたのですか?」
「まさか、こんな未来予想外だよ。影が全員、こちらに付くなんてね」
「ご機嫌ですけど、簡単に主人を鞍替えするような人達を信用していいのですか?」
「辛辣だねぇ。トム」
「思った事をなんでも言えとお命じになったのはエドガー様でしょう?」
「まぁね。けどなんか嬉しくてさ。こっちからお願いしても君みたいになんでも言ってくれる人は少ないから」
「俺は平民でしたから貴族のめんどくさいしがらみはありませんし」
「言うね。今じゃ公爵子息なのに」
「あれも、エドガー様のおかげでしょう? あ、おかげでミランダと婚約が調いました。ありがとうございます。三ヶ月後に公表します。それまで、バーナード侯爵家は無人です」
「どこに隠れたのかな?」
「それは、秘密です」
「そっか。連絡が取れるなら、戻って来たら大々的に真珠の養殖をお願いしたいと伝えてくれるかな?」
「もちろんです。お気遣いありがとうございます」
「良かったね。これでトムも心置きなく影の仕事に専念できるね」
「そうです……ね」
「何その顔? 不満でもある?」
「いや、不満は一切ないです。ただ、ちょっと体力がもたないだけで」
「トムはみんなの評判もいいよ。いい訓練相手ができたってみんな大喜びさ」
「その訓練がキツイです」
「強くなれば、ミランダを守れるよ」
「そうでした。全力でやりますから、これからもよろしくお願いします!」
「本当に単純だな」
「そのくらいの方が裏を考えなくていいから楽でしょう?」
「それもそうか、トムの大事な人達を守ってやればいいだけだからな」
「ミランダに苦労をさせたくないのでそれなりの給金は下さいよ」
「もちろん。さて、給金を払うのだから、そろそろ働いてもらおう」
「喜んで。どこに行けばいいですか?」
「王城に侵入して、アルフレッドの幽閉先を調べて。ついでに、あの子の居場所も調査して」
「多くないですか?」
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「それってつまり……」
「調査関係は、ほとんどトムにお願いする事になるね。君はまだ正式なメンバーじゃないからさ。色々と都合がいいのさ」
「人使い粗すぎでしょうよ」
「報酬は充分前払いしていると思うけど」
「そうですね。頂いた前払い分くらいは働きますよ」
「裁定者に気を付けてね」
「誰か分からないのでしょう? どう気を付ければ?」
「気を抜かなければ良い。トムなら、異常に気付ける筈だ」
「ずいぶん信用して頂いたようで。期待に応えられるように頑張りますよ」
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