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第十七話
「オーナー、おめでとうございます!」
「「「おめでとうございます!!!」」」
何故か、従業員総出で祝福されています。泣いてる方も居ます。セドリックは慕われてるのね。
「ホントに似顔絵そっくりですね! おめでとうございます! これで……ようやくオーナーの機嫌が良くなります……」
ん? これなんか違うわね。
「セドリック、どれだけ従業員を脅したか教えて貰える?」
「脅してなんかいないよ! 毎月マリーを見かけなかったか従業員全員に聞き取りしてただけだよ」
「従業員は、何名いらっしゃるの?」
「100」
「それはいくらオーナーでも業務妨害よ! 見かけたらすぐ知らせるよう指示してたなら、報告がなきゃ見つかってないって事なの! 管理職に聞くくらいなら分かるけど、お針子や店員にまで聞いてたら業務が滞るでしょ」
みんながものすごく頷いてらっしゃるわ。やっぱり業務妨害だったのね……。
「ああ……なんて素晴らしいお方なのでしょう」
「マリー様! 私は一生マリー様についていきますわ!」
「マリー様万歳!」
従業員全員から拝まれました。セドリックはバツが悪そうに目を逸らしています。
「みんな……わたくしが家に篭ってたせいでセドリックが暴走してごめんなさい」
「とんでもないです。オーナー、いや、王子の気持ちも分かりますから。ただ……やはり毎月は少し負担が大きくて……分かっていただける方が王子の伴侶で良かったです」
「マリー、この男が表向きの経営者だよ。名前はピエール」
「ピエール・バスクと申します。よろしくお願いします」
「はいストップ、握手は要らない。男性はマリーの半径1メートル以内に近寄らないでね」
その瞬間、男性は全員壁際まで寄ってしまいました。
「セドリック!」
「なに? マリーは男と話したいの?」
「そんな訳ないでしょ、でもいちいちそんなの気にしてたら動きにくいわ。わたくしがセドリックに女性と話さないでって言っても困るでしょ?」
「困らないよ? ああ、それなら害虫も寄せ付けないから良いかな?」
「貴方は王子! 社交もあるのにそんな訳にいかないでしょ?!」
「分かってるよ。ちょっと願望を言ってみただけじゃないか」
そう言ってセドリックは拗ねた顔をしています。少し手を繋いだら機嫌は良くなりました。
「……あれは本気だったよな……」
「うん……それを止めちゃうなんてマリー様凄いわね」
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