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「公爵家に奉公ね。良いんじゃない?ねえ」
「確かに、そのビズマーク家の人にエミリアの火傷用の薬や、いろんなものを貰えるかもしれない。それに仕送りしてもらえば、ミアに使えるお金が増える」
両親は私が奉公に行くことに賛成みたいだ。
「ミアのドレスやアクセサリーを買えるのね!」
「そうよ、ミア。結婚式もあるし、エミリアにたくさん稼いでもらいましょう」
「ウエディングドレスも、式場も一級品にしようじゃないか」
私はミアのためにお金を稼ごうと、別に構わない。この家から出て行けるのなら、お金でも何でもこの家に入れる。公爵家で、とにかく働かされようが構わない。
「お金を入れるのなら、奉公を認める」
「どれぐらいお金を入れればいいのですか?」
「そんなの全部に決まっているでしょう」
私はそれを聞いて、そんな渡せないとさすがに思ってしまった。それでは今まで買っていた本や、いろんなものも買えなくなってしまう。
「せめて、七割か、八割にしてください」
「全部渡さないなら、奉公は認めない。それだけだ」
「ちょっと、お姉様、お姉様はもう傷物なんだから、自分の役割をしっかりと分かってくださいよ」
ミアがそういうと、父と母が笑い出した。私は服をぎゅっと掴んだ。傷物、女は顔が命。美しければ美しいほどに、可愛ければ可愛いほどに、女性は価値が上がる。
どれだけ優しくても、頭が良くても、顔が美しくなければ、自分の中身なんて見てもらえない。逆に顔さえ美しく、スタイルも良ければ、いろんな人からいろんな物を得ることができる。
ミアは生まれ持った才能。そして私はそれを得ることが出来ず、マイナスになってしまった。私に価値は無いに等しい。だからミアの言っていることは合っているのかもしれない。
「まあ、でもお姉様が気の毒と思わないことは無いの。だって顔にそんなに気持ちの悪い怪我があるんですもの。分かったわ。公爵様は金貨二十枚くれると言っていたわよね?一割、一割はお姉様が使っていい。金貨二枚もあれば、安いドレス一枚ぐらいなら買えるんじゃない?」
「あら、ミアは優しいのね」
「エミリア、ミアに感謝するんだな」
私の家族は狂っている。金貨二枚って、それじゃあ、高い火傷の痕の薬を買っただけでなくなってしまう。だけれども、これ以上言えば本当に奉公へ行かせてもらえなくなるかもしれない。
「ええ、分かったわ」
「奉公に行くならすぐにでも行って欲しいわね」
両親と、ミアにせかされて、二日後の早朝には家を追い出された。馬車代は出してやるから、さっさと公爵様の家へ行けと。
まず町に下りて馬車を探した。
「あー?ビズマーク公爵の領地?そりゃ嬢ちゃん、丸一日かかるぜ。それかそれ以上」
「丸一日……お金は払うから、連れて行ってください」
「分かった。乗りな」
ビズマーク公爵の領地まで来たかと思ったら、そこですぐに降ろされた。町でもなく、家一つ見えないところだ。すると馬車に乗せてくれるという農家の男性に会って、ビズマーク公爵の所まで行くというので、銀貨三枚で連れて行ってもらった。
「やっと、着いた…」
大体二日かかって、ビズマーク様の家まで着いた。着いた時にはお昼だったほとんど寝れずにここまで来たので、もう倒れてしまいそうだ。
目の前がくらくらとして、重たい荷物も持てないほどになって、もう限界になったときに、肩を掴まれた。
「大丈夫ですか?」
「ああ、すいません、もう丸二日ほとんど寝ないできたので…ジャック様に手紙を頂いて…リル先生にご紹介された…何を話そうとしているんでしょうね」
もう呂律も回らなくなったときに私はその人に抱き上げられたと思う、薔薇の香水のする人だ。
起きたとき、私はベッドで眠っていた。
「確かに、そのビズマーク家の人にエミリアの火傷用の薬や、いろんなものを貰えるかもしれない。それに仕送りしてもらえば、ミアに使えるお金が増える」
両親は私が奉公に行くことに賛成みたいだ。
「ミアのドレスやアクセサリーを買えるのね!」
「そうよ、ミア。結婚式もあるし、エミリアにたくさん稼いでもらいましょう」
「ウエディングドレスも、式場も一級品にしようじゃないか」
私はミアのためにお金を稼ごうと、別に構わない。この家から出て行けるのなら、お金でも何でもこの家に入れる。公爵家で、とにかく働かされようが構わない。
「お金を入れるのなら、奉公を認める」
「どれぐらいお金を入れればいいのですか?」
「そんなの全部に決まっているでしょう」
私はそれを聞いて、そんな渡せないとさすがに思ってしまった。それでは今まで買っていた本や、いろんなものも買えなくなってしまう。
「せめて、七割か、八割にしてください」
「全部渡さないなら、奉公は認めない。それだけだ」
「ちょっと、お姉様、お姉様はもう傷物なんだから、自分の役割をしっかりと分かってくださいよ」
ミアがそういうと、父と母が笑い出した。私は服をぎゅっと掴んだ。傷物、女は顔が命。美しければ美しいほどに、可愛ければ可愛いほどに、女性は価値が上がる。
どれだけ優しくても、頭が良くても、顔が美しくなければ、自分の中身なんて見てもらえない。逆に顔さえ美しく、スタイルも良ければ、いろんな人からいろんな物を得ることができる。
ミアは生まれ持った才能。そして私はそれを得ることが出来ず、マイナスになってしまった。私に価値は無いに等しい。だからミアの言っていることは合っているのかもしれない。
「まあ、でもお姉様が気の毒と思わないことは無いの。だって顔にそんなに気持ちの悪い怪我があるんですもの。分かったわ。公爵様は金貨二十枚くれると言っていたわよね?一割、一割はお姉様が使っていい。金貨二枚もあれば、安いドレス一枚ぐらいなら買えるんじゃない?」
「あら、ミアは優しいのね」
「エミリア、ミアに感謝するんだな」
私の家族は狂っている。金貨二枚って、それじゃあ、高い火傷の痕の薬を買っただけでなくなってしまう。だけれども、これ以上言えば本当に奉公へ行かせてもらえなくなるかもしれない。
「ええ、分かったわ」
「奉公に行くならすぐにでも行って欲しいわね」
両親と、ミアにせかされて、二日後の早朝には家を追い出された。馬車代は出してやるから、さっさと公爵様の家へ行けと。
まず町に下りて馬車を探した。
「あー?ビズマーク公爵の領地?そりゃ嬢ちゃん、丸一日かかるぜ。それかそれ以上」
「丸一日……お金は払うから、連れて行ってください」
「分かった。乗りな」
ビズマーク公爵の領地まで来たかと思ったら、そこですぐに降ろされた。町でもなく、家一つ見えないところだ。すると馬車に乗せてくれるという農家の男性に会って、ビズマーク公爵の所まで行くというので、銀貨三枚で連れて行ってもらった。
「やっと、着いた…」
大体二日かかって、ビズマーク様の家まで着いた。着いた時にはお昼だったほとんど寝れずにここまで来たので、もう倒れてしまいそうだ。
目の前がくらくらとして、重たい荷物も持てないほどになって、もう限界になったときに、肩を掴まれた。
「大丈夫ですか?」
「ああ、すいません、もう丸二日ほとんど寝ないできたので…ジャック様に手紙を頂いて…リル先生にご紹介された…何を話そうとしているんでしょうね」
もう呂律も回らなくなったときに私はその人に抱き上げられたと思う、薔薇の香水のする人だ。
起きたとき、私はベッドで眠っていた。
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